2015年07月30日

裏高尾の幽谷・蛇滝コース

<7月28日下見  30日本番>
「真夏の花イワタバコを鑑賞し、蛇滝から高尾の幽谷を歩くハイキング」

コース:JR高尾駅北口より小仏行バス乗車〜駒木野バス停〜関所跡公園[開会式]〜小仏川遊歩道〜圏央道下の公園[WC]〜蛇滝[イワタバコ鑑賞]〜霞台園地(十一丁目)[WC]〜4号路〜高尾山頂[昼食休憩・WC]〜ケーブルカー高尾山駅[解散](本番は天候急変により、下山路を稲荷山コースから変更)

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黄ソケイ            屁糞蔓(早乙女花・灸花ヤイトバナ)

下界の酷暑から逃れ、小仏川のせせらぎの音に癒され木陰を涼風心地よく歩めば、水引、秋の田村草、葉黒草、盗人萩と、早くも秋を感じる草花の中、オレンジ色の小さなユリ型の花が鮮やかに顔を覗かせる。キツネノカミソリ! 同じ科の彼岸花が花の後に葉を出すのとは逆に、春に出た剃刀型の葉が消えた後、ひょっこり花茎を伸ばして咲く。その唐突に現れてぱっと咲く様子がいかにもキツネっぽくもあり、花の色形もキツネ似に思える。

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狐の剃刀(キツネノカミソリ)

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葉黒草(ハグロソウ)

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秋の田村草(アキノタムラソウ)

2日前の下見で見たコバノカモメヅルやオケラを注意深く探したのに、本番では遂に見つからず、何だか狐に化かされた気持。 そういえば、今日のコースには稲荷神社がいくつか… 昔から人々が心を寄せる祈りの場では頭を垂れ手を合わせたい。 それが鎮守の森に足を踏み入れる時のご挨拶であり、帰路ではお守り下ったことへの御礼でもあると思う。

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小葉の鴎蔓(コバノカモメヅル)

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キンミズヒキ             オニドコロ

P7280018 (210x280).jpgP7280078 (210x280).jpg秋の野芥子(アキノノゲシ)      山苦菜(ヤマニガナ)

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朮(オケラ)の蕾

その名も妖しい蛇滝が近づくにつれ、幽谷の気配強まり冷気(霊気?)もいや増す。 濡れた階段の手すり下に最初のイワタバコの一株を発見! そんな可憐な一株に感激したのも束の間、階段を上がるごとに岩壁に長い艶やかな葉を垂れ、紫色の星型の花にオレンジの蕊という独特な色合いの小花をぶら下げて咲くイワタバコは
どんどんと増え、遂に間近に見られる大群落に対面し圧倒される。いつまでも守り続けたい美しい真夏の妖精たちだ。
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この花の色合いは野菜の茄子の花に似ている。 大きな葉やナスに似た花から、水の滴る岩肌に生えるタバコ(ナス科)の名を付けられたが、ナス科ではなくイワタバコ科の植物である。

林の暗がりに真っ赤なウインナーが多数ぶら下がったような不思議なものは、ツチアケビの実。 アケビの実に似ているかな? 実は珍妙でも、ラン科らしい黄褐色の花を6~7月に多数つける。 葉緑素も葉も無い腐生蘭・無葉蘭で、ナラタケ菌糸と共生しているというが、一方的に栄養を得ているだけなのか何かナラタケ菌糸にお礼をしているのかは不明。
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土木通(ツチアケビ)の実       コミヤマ?スミレの実鞘

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ムラサキニガナ  ニガナ属ではなくアキノノゲシ属

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高尾ヒゴタイ           ヒメヤブラン

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タマアジサイ

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マルバノホロシの若い実?       ゴンズイの若い実

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山不如帰(ヤマホトトギス)

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オオバギボウシ

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猪口(イグチ)の仲間のキノコ 傘裏がスポンジ状

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鬼女蘭(キジョラン)の若い実

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定家蔓(テイカカズラ)の実

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山百合

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藪茗荷(ヤブミョウガ)ツユクサ科 の群生

文中登場以外で特に耳目を引いたもの: 
<住宅地にて> 黄ソケイ、初雪カズラ、ヒオウギ(檜扇)、ゴウダソウ(合田草)の丸く平たい種
=ルナリア/銀扇草/金のなる木とも、ノウゼンカズラ

木本: 油瀝青(実)、合歓木、小臭木、犬橅、橅、樅、榧、房桜、山椒、犬山椒、朴の木、深山樒(実)、万両(花・実)、藪柑子、赤芽柏、蔦漆、瓜の木(実)、水木、熊野水木、山紫陽花、玉紫陽花、烏山椒(花)など

草本: 大根草、藤甘草、藪蘭、姫藪蘭、狐の孫、鬼野老、葛、爺ソブ(蔓人参)、小葉の鴎蔓(下見)、朮・オケラ(下見)、武蔵鐙(葉と実)、野蕗(花)、藪茗荷(花)、姥百合、紫苦菜、高尾平江帯、大葉擬宝珠、山百合、蓮華升麻、節黒仙翁、定家蔓(実鞘)など

その他: カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、アカボシゴマダラ、ヒグラシ、エナガの群れ、アオゲラの奇声
上昇気流に巻き上げられる黒雲、雨上がりに立ち込めた霧
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2015年07月07日

7月のきのこ(裏高尾)

7月の裏高尾の森の中で出会ったきのこたちです。

タマゴタケ(卵茸)テングタケ科
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艶めく赤い傘は縁にいくにしたがって淡いオレンジ色に、そこに繊細に並ぶ放射状の美しい条腺、傘の下にはフリルのような鍔、淡い黄色柄にはオレンジ色の波模様、足元には可愛らしい白い卵のような壺、均整のとれたプロポーション、なんという完璧なまでに美しいきのこでしょう! 神様の意匠の素晴らしさに、茫然と言葉を失い見惚れてしまいます。 本当の美しさが拙写真では伝わらないのがもどかしいです。

ああ、その上、毒性を持つきのこの多いテングタケ科でありながら、美味しいとは何事でしょうか・・・美しすぎて勿体ないけれど、その味を試してみたい、いや畏れ多いか。 

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ヒメスッポンタケ?   クロノボリリュウタケ
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倒木からニョキニョキと生えてきた白いきのこ・・・もう少し大きくなるのを見守りましょう。

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2015年07月06日

7月のきのこ(狭山丘陵)

(編集途中・・・きのこ同定中・・・素人が図鑑頼みで調べたものです。 美味らしい等の記述があっても、くれぐれも食用になさらないようにお願いします。)

雨の後で傘が濡れている者が多く、タダ濡れているのかヌメリがあるのか写真だけでは難しく、今後は観察時に要記録です。

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ノウタケ(脳茸)幼菌        ホコリタケ(埃茸)幼菌

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ヘビキノコモドキ?       ?@

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テングタケ? 幼菌       ?A    

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DVC00431 (210x158).jpgムラサキヤマドリタケ? イグチ科 (色姿怪しく食欲が湧かないが、洋風料理向きで非常に美味らしい・・・この辺りでは人知れず朽ち果てている)

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クロハツ? 有毒

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シロハツ

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ヒイロタケ              ?G

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クロノボリリュウタケ

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?O枯葉に生える

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カレエダタケ
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2015年07月05日

変形菌入門研修

国立科学博物館のつくば実験植物園で変形菌の研修を受けに出かけて来ました。
実施日: 2105年7月5日(日) 10:00〜16:00 ←肝心なこと記入漏れでした。
室内研修会場: 筑波実験植物園 研修展示館3F
観察・採集場所:温帯性針葉樹林・暖温帯落葉樹林エリア

☆次の内、「菌類」はどれでしょう?(研修の最初に出されたクイズ)
 
 @納豆菌 A冬虫夏草 BO-157 Cドライ・イースト Dキクラゲ
 Eジャガイモ Fミズカビ Gミズムシ H変形菌
(解答は一番下にあります。 一見簡単そうですが…??)

☆変形菌の食事方法

 ・変形菌が、粘菌アメーバ、変形体アメーバの状態の時、食べ物*に触れると
「仮足(かそく)」を伸ばして食べ物を掴み、細胞内に引き込む。
  *粘菌アメーバの食べ物:バクテリア
  *変形体アメーバ食べ物:バクテリア、カビ、酵母、キノコなど
 ↓
 ・酵素を分泌して消化、栄養として取り込む。
 ↓
 ・老廃物を排泄する。
 (アメーバが通り過ぎた後には黒っぽい老廃物の痕跡を見ることが出来る。)

☆変形菌の生態系内での役割は?

 ・分解者であるキノコやバクテリアを捕食することにより、
分解が過度に進みすぎないように制御しているのではないか?

 ・バクテリアやカビを食べて貰い、救われている動植物がいるかもしれない。

 ・変形菌自身が虫やカビの食べ物となる。

☆どのような観察会が考えられるか?(FITの方々との話題の中から)

 ・前日に発生場所を把握できると良いが、天候に左右されやすい。

 ・変形菌単独の観察会というよりも、たまたまアメーバ状態を発見できた時に、
その時点の位置に印をつけておき、数時間後に同じ場所に戻って変形菌が
どれだけ移動したかを確認するなどしては?
 
・子実体は発見出来れば数ミリと小さいながらも、ルーペで十分観察可能。

・完熟子実体をよく乾燥させてボンドで貼り付けた標本作りも
いつでも手許で観察することが出来、コレクター魂に火をつけるかも。

☆7月5日に採集・観察した変形菌
 アミタマサカズキホコリ、イタモジホコリ、ウツボホコリ、エダナシツノホコリ、
エリタテフクロホコリ、ガマグチフクロホコリ、クモノスホコリ、クラカタホコリ、
ケホコリ、コカタホコリ、コシロジクホコリ、ジクホコリ、シロウツボホコリ、
シロジクモジホコリ、チョウチンホコリ、ツツサカズキホコリ、テリエノカタホコリ、
ハイイロフクロホコリ、バークレーホネホコリ、ヘビヌカホコリ、ホソエノカタホコリ、
ホネホコリ、マメホコリ、マルサカズキホコリ、ムラサキホコリなど

☆クイズの答:ACDG (菌類=きのこ・カビ・酵母)
 @×細菌(バクテリア)A〇子嚢菌 B×細菌(大腸菌)C〇子嚢菌(酵母菌)
 D〇担子菌類 E×植物 F×卵菌類(現在は褐藻・コンブ等に近い仲間とされる)
G〇カビ(白癬菌) H×菌類でも動物でもない、現在はアメーバの仲間とされるが
 尚研究中…)

以上、追補報告 廣川 妙子

From: 4-rests@googlegroups.com [mailto:4-rests@googlegroups.com] On Behalf Of HIROKAWA
Sent: Monday, July 06, 2015 10:23 PM
To: 4-rests@googlegroups.com
Subject: [4-rests 1572] 「変形菌入門講座 観察・採集の基本」研修の報告

FITのみなさま

そぼふる黴雨の中「変形菌入門講座 観察・採集の基本」研修
(於:国立科学博物館・筑波実験植物園)に参加して来ました。

ところで、「変形菌」の名をご存知でしょうか? 
かつては「粘菌」とも呼ばれ、憧れの鬼才博物・民俗学者 南方熊楠も
虜になってしまった不思議な生命体です。 

「変形菌」は、「粘菌」の他に「動菌」「虫菌」とも呼ばれたそうで、
これらの名は、以下のような奇妙な生活環によるものです。

@シダやコケのように胞子を飛ばす。
 ↓
A胞子が発芽すると餌となるバクテリア等を求めて動く「粘菌アメーバ」となる。
 ↓
B「粘菌アメーバ」は分裂を繰り返して増殖(一倍体)。
 ↓
C異性の「粘菌アメーバ」と出会って接合、「接合体」となる。(二倍体)
 ↓
Dキノコ・バクテリア・フン等を食べて成長し大きな「変形体アメーバ」となる。

 *白や黄色のねっとりとした網目状の物体が倒木や生木の幹を覆っている様子を
目にされた方も多いと思います。 更に観察を続けると、ゆっくりと移動
(1時間に数センチ)していることが分かりますので、是非ご注目を!

E充実した「変形体」は、湿った環境から胞子を飛ばせる環境へと這い上がり、
数ミリ程の小さなキノコに似た「子実体」を形成(およそ24時間で変形体→
子実体へと変身を遂げ)、完熟して胞子を飛ばす。(@に戻る)

*子実体は色とりどり、メタリック・カラーもあり、愛らしい姿も様々、
ムーミン谷のニョロニョロや、もののけ姫の中のコダマにも似た森の妖精達。
(プツプツを可愛いと思うか、気持ち悪いと思うかで好みは分かれる?)
この様々な色彩は、紫外線から胞子を守るための方策なのだそうです。

講師・受講者・日本変形菌研究会の皆さんの変形菌愛の籠った入門コースの後、
早速、植物園の森へ採集・観察に出発! 雨のせいで子実体が崩れてしまったかも…
と危惧されつつも、日本一の愛好家の皆さんの素晴らしい眼力により、濡れた幹を
ぬめぬめと這い上がる変形体や倒木の陰でさざめく子実体の姿が次々と発見される
度、我々も変形体アメーバの如く森の中を移動…。(25種程の変形菌を採集)

最初の内はキノコの菌糸や子実体と見分けが難しかったのが、段々と変形菌の特徴を
掴み発見できるようになると、そこかしこがお宝の山となり、いつの間にかすっかり
雨も上がり、時間も忘れて夢中で森を嘗め尽くすかのように探し回る面々。

流石に1時も回って空腹に耐えかね引き上げ昼食をとると、午後は採集した変形菌を
顕微鏡などでの観察しつつ標本作成。 生物顕微鏡で変形体の中の原形質流動を見ると、
血管の中を流れる血球のようにさらさらと動く原形質が、1〜2分で行ったり来たり。
これを繰り返すこと等により筋肉の収縮のような動きを生み出すのだそうです。

戴いたマッチ箱型の標本箱を組み立て、よく熟した子実体を生えている土台ごと切り
取って木工用ボンドで箱底に固定、採集者、採集年月日、場所、同定出来たものは種名等
の情報を記入。 後はかびたり虫が発生したりしないように、白熱灯等でゆっくりと乾燥
させ、ナフタリン剤などを入れた別の大きな箱に保存すると良いそうです。

その他に採集してきた変形体や未熟の子実体は、子実体の発生・完熟を待って、標本化
すると良いとのこと。 すっかり変形菌に愛着が湧いた方向けに、飼い方までも教えて
くださいました。 エサはオートミールを好むものが多いそうです。 

研修会の前後は温室内プチ観察会となり、「ライオンごろし」等の珍しい熱帯植物の数々を
大先輩方の解説付きで見学することが出来、楽しいひと時を、ありがとうございました。
タグ:変形菌 粘菌
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