2016年06月25日

長野県川上村「自然村」にて

千曲川の源流にほど近い長野県南佐久郡川上村にある武蔵野市立「自然の村」へ行って来ました。
海抜1,447m、昼でもかなりの涼しさ、夜はフリース着用でした。

 荷物を運び入れ、早速バンガローの掃除を始めると、足元に点々と黒いものが…
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なんと、ヤマネの糞! なのだそうです。 まだ生々しい雰囲気です。 ということは、夜中に天井からカワイイ2つの目が光るかも??
 
 こちらの光はヤマネの目ならぬ、空缶で作ったロウソク缶テラの照らすキャンプファイヤーへ誘う道
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 団のキャンプではアルコールは一切口にしないが、この宵は、美味しいお酒をご馳走になり、夜間の見守りもなく、ぐっすり朝まで眠り早々に目が覚め、イソイソと散歩に出ました。(ということで、ヤマネとの対面はありませんでした、残念。)

 🎵山の朝の空には〜白い雲が小さく〜流れて消える〜 
見上げた空はどこまでも青く澄んだ冷気が頬に心地よく、思わず口ずさんでしまいます。

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静かな朝のファイヤー・サークルとそれを見下ろす「屋根岩」

儀式の焚火跡の輪の上に白い岩肌が天に向かって聳え立ち、ココだけ見ていたら、ネイティブ・アメリカンでも飛び出してきそうな風景です。 白い岩肌は花崗岩で出来ているそうなので、植物が生えにくいのでしょう。

さて、自然村内には、どんな植物は生えているのかな・・・
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白樺(シラカバ)カバノキ科カバノキ属 幹に残る「へ」の字の枝痕

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落葉松・唐松(カラマツ)マツ科カラマツ属 実生幼木 短枝の束生葉と枝先長枝の螺旋状につく葉

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赤松(アカマツ)マツ科マツ属   米栂(コメツガ)マツ科ツガ属

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葉柄が短い羽団扇楓(ハウチワカエデ) 葉柄が殆ど無い水楢(ミズナラ)

白樺、岳樺(ダケカンバ)、水楢、と来れば、橅(ブナ)も生えていそうなものですが、私の見た範囲では見られませんでした。 ブナは特に土壌に左右されずに成長出来る筈ですが、標高が1,500m近いので厳しいのかもしれません。 代わりに目立ったのは、酸性土壌を好む、ツツジ科の面々・・・

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レンゲツツジの葉              アズマシャクナゲの葉

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蓮華躑躅(レンゲツツジ)ツツジ科ツツジ属

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東石楠花(アズマシャクナゲ)ツツジ科ツツジ属
・葉先に腺突起なし、細長い楕円形で基部は葉柄に沿って細く流れる

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白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)ツツジ科ツツジ属
・丸い葉先に腺突起あり、やや幅広な楕円形で基部は浅く湾入

この他にも、ツツジ科の 捻木(ネジキ)が多く見られました。

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三手楓(ミツデカエデ)ムクロジ科カエデ属

午前のプログラムで村内の森を散策
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今にも這い出しそうな足のある木   エゾハルゼミ?の抜け殻

ダケカンバの巨樹などを見上げて回り、展望台からの眺め
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深山木天蓼(ミヤママタタビ)  深山桜(ミヤマザクラ)?の実
・花期に葉が赤味を帯びた白色になる

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深山飯子菜(ミヤマママコナ)ゴマノハグサ科ママコナ属
・ミヤマママコナは唇弁の2つの隆起が黄色、ママコナは白とのことだが、この個体は白かった。

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ウダイカンバ?の幹   ウダイカンバ?の葉の付根の湾入

 今回は、指導者講習会のスタッフとしての参加で、自由時間はこの朝の散歩位、観察は余りできませんでした。 このエリアもご多分に漏れず「鹿の被害」が多く、保護の為の「シカ避けネット」に囲まれていました。 ツツジ科植物が多いのも、酸性土壌と言う条件プラス「毒性アリ」で鹿の食害を受けないことも大きいと思われます。 反対に、ネジキと良く混生する「リョウブ」が少ないのは、シカが好む所為かもしれません。

 秋に「キノコ研修」で再訪する予定ですので、引き続きの観察が楽しみです。


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2016年06月24日

浅間嶺/梅雨時の花を訪ねて

 熊本地震以来、大切な友人の苦境の中、拙いブログを書く気持になれずにいましたが、お客様の中から「ハイキングで見た花などの復習をしたい」等のお求めが度々あり、所属会のHPでは、掲載写真枚数が限られているので、拙ブログでご紹介できたら…と、気合いを入れ直して更新してみました。
 
コース: JR武蔵五日市駅〜浅間嶺登山口バス停(開会式)〜数馬分岐〜浅間嶺(昼食)〜そば処みちこ前〜時坂峠〜払沢の滝〜払沢の滝入口バス停(ふりかえり)〜JR武蔵五日市駅
(歩行距離約12q、歩行時間5時間半、標高差上り300m、下り600m)

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ウツギ(空木)ユキノシタ科ウツギ属  別名「卯の花」 
命名は枝の中が中空なことによる

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ドクダミ(蕺草)ドクダミ科ドクダミ属 別名「十薬」生薬名
白い花弁に見える部分は総苞片。 
その上に花弁も萼片もない小さな花を多数、穂に咲かせる。
最初に開く総苞片が一番大きく、最後が最少。
花穂は開花につれ上に伸びてゆく。
毒を矯すが語源で殺菌作用がある。

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ウメガサソウ(梅笠草)イチヤクソウ科*ウメガサソウ属 
草の名がつくが、常緑小低木。 
葉に鋸歯、葉脈に沿って白い斑紋。

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ヤマオダマキ(山苧環)濃色・淡色  キンポウゲ科オダマキ属
下・キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環) 

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クモキリソウ(蜘蛛切/雲霧/雲切草) ラン科クモキリソウ属
花が淡緑色のアオグモ、暗紫色のクログモがある。
地際に出る葉は2枚が接した互生。

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ギンリョウソウ(銀龍草)イチヤクソウ科*ギンリョウソウ属
別名「幽霊茸」 葉緑素を持たない寄生植物

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アズマイバラ?(東茨)バラ科バラ属
別名「ヤマテリハノイバラ」など
頂小葉が側小葉より大きい。

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トリアシショウマ(鳥足升麻)の蕾
ユキノシタ科チダケサシ属
3回3出複葉で頂小葉の先が尖尾状。 
小葉は丸めで基部が浅いハート型。
欠刻型の重鋸歯。花穂が良く分枝。
(アカショウマは小葉が細め基部が楔型。
 整った重鋸歯。最下段の花穂のみ分枝も)
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トリアシショウマの葉(左)とアカショウマの葉(右)1クリックで拡大
頂小葉の基部(付根)が入り込んがハート状か、真っ直ぐな楔状か

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コアジサイ(小紫陽花)ユキノシタ科アジサイ属
両性花のみで装飾花がない。
下・セアカツノカメムシ 来訪中

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ヤマアジサイ(山紫陽花)ユキノシタ科アジサイ属
別名「沢アジサイ」
葉が薄く、光沢が無い。 花色は地方により変化多し。

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ミツバウツギの実      キヌタソウ(砧草)

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クモの巣の競演
上・ドーム型:アシナガサラグモ? 
中・垂直円網:オニグモの仲間?        
下・ハンモック型:クスミサラグモ?

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ウリノキ(瓜の木)ウリノキ科ウリノキ属
6枚の花弁が外側にクルリと巻き上がる。

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ヒゴスミレ(肥後菫)の葉       クロモジ(黒文字)の若い実
花は白。山地性。西日本に多い。

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ネジキ(捻木)ツツジ科ネジキ属
別名「カシオシミ」命名由来不明

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ミヤマハハソ(深山柞)アワブキ科アワブキ属
深山ホウソが語源(ホウソ=コナラの古名)
コナラの葉に似る。 先端に花穂がつく。

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皆伐後に開けた景色(下見時)

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イチヤクソウ(一薬草)イチヤクソウ科イチヤクソウ属
別名:鹿蹄草(ろくていそう・生薬名)
命名の由来:一つの薬草で多くの病気に効くことから(利尿、強心、降圧、抗菌、避妊など)

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浅間神社(あさま/せんげん じんじゃ)
富士山を神格化した浅間大神(あさまのおおかみ)=木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)を祀る神社。 あさま=火山の古名  早い身籠りを疑われた木花咲耶姫命は、火中での出産により我が身の潔白を証明された。

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ナルコユリ(鳴子百合)キジカクシ科アマドコロ属
「アマドコロ」に似ているが、葉が細長く笹状で柔らかく、枝から垂れ下がった花柄から更に房状に多数の花をぶら下げる、茎は上部まで丸く稜はない。(アマドコロは、葉が丸めで固く翼状に立ち上がり、茎から直接1〜2個の花をぶら下げ、茎の上部には稜があり角ばる。)
園芸店で「鳴子百合」の名で売られているのは、斑入りの「アマドコロ」であることが多い。

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ホオノキ(朴の木)の幼樹(下見時)モクレン科モクレン属
別名:ホオカシワ(古名)=包・かしわ=食物を包む葉の意
太陽を好む陽樹で、伐採後の日の光を受けてすくすくと成長中。

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ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)キク科ヒヨドリバナ属
秋の七草「フジバカマ」の近縁種で葉が4枚(時にそれ以上)輪生する。

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ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科
ヤマホタルブクロは、萼片の間が盛り上がっている。
ホタルブクロは萼片の間に反り返る付属片がある。
この個体は盛り上がり部分がやや上がっており、中間型?にも思われるが反り返りの付属片はないので、やはりヤマホタルブクロであろう。 個人的に今まで多数見てきた上では、ヤマホタルブクロの方が上部での分枝が多く、やや固めでスクッと伸びる傾向があるように感じる。

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ウツボグサ(靫草)シソ科   コマツナギ(駒繋)マメ科

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ゲジゲジシダ?(羊歯)

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ユキノシタ(雪ノ下)ユキノシタ科ユキノシタ属
別名:虎耳草(こじそう・生薬名)中耳炎、かぶれ、むくみ、疳の虫など

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払沢(ほっさわ)の滝と大蛇が住むと言う神秘的な色の滝壺

*イチヤクソウ科(エンゲラー)⇒ シャクジョウソウ科(クロンキスト)⇒ ツツジ科(APG)

<主な観察の記録>
花・木本: 沢胡桃、木天蓼(マタタビ)、空木、白雲木、捩木(実)、熊野水木、深山柞ハハソ、令法リョウブ、山法師、赤芽槲ガシワ、小紫陽花、山紫陽花、板屋楓(実)、熊四手(実)、紅葉苺(実)、熊苺(実)、姫楮(実)、等

花・草本: 雪の下、靫ウツボ草、蔓万年草、山百合(蕾)、二人静、雲霧/蜘蛛切草、一薬草、梅笠草、銀龍草、山苧環、破れ傘、砧キヌタ草、鳴子百合、下野草、岡虎の尾、四葉鵯ヒヨドリ、山蛍袋、蛍袋、大葉擬宝珠、銀梅草、等
posted by 山桜 at 00:00| Comment(17) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする