2017年10月16日

小さな蘭(3)シュスラン

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 本当に優雅な貴婦人のドレスのような花弁の質感がまるで繻子のようで、それが名前の由来かと思っていたら、葉の感触が似ているからという記載をみつけました。 ああ、葉の感触は確かめていませんでした、残念! 

 繻子(シュス)と聞いてピンと来ない方もサテン生地といえば、お分かりかもしれません。 パーティ・ドレスなどに縁遠い私は、専ら着物やコートなどの裏地としてお世話になっております。 光沢があり表面が均一に滑らかな織物のことです。

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もう少し引いて見てみると、なんだかお喋りそうな口元の面々が勢ぞろいで笑ってしまいましたが、

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もっと全体を見れば、やはりこの欄も小さく可憐、楚々とした姿で森の木漏れ日の中で咲いていました。 

【シュスラン/繻子蘭】ラン科シュスラン属 別名:ビロードラン
 分布:栃木以西、伊豆諸島、四国、九州、沖縄
    (暖温帯・常緑広葉樹林の林床など)
 草丈:10〜15cm(花期)
     茎は匍匐し群生する。 
 花期:8〜10月  花色:淡紅色を帯びた白色(濃淡あり)
    葉から最下段の花までの間隔が長い
  葉:卵形の葉を地上部に数枚つける
    濃緑色に赤みを帯びる(強弱あり)
    ビロード上の光沢 主脈に白線

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 大切に守らている自生地に案内していただけるご縁に恵まれて撮影できましたが、 今や非常に貴重な保護すべき種属となっておりますので、撮影場所などの公表は控えさせていただきます。

 ただ、薄暗いやや湿っぽい場所で、モノスゴイ蚊の大群の襲撃に見舞われました。 長袖長ズボン、虫除けいろいろを施したうえでも数か所刺されました。 同行してくださった虫に好まれる紳士は更に悲惨な目に…。 可憐なお姫様たちは、優しき人々の他に蚊の衛兵たちにも守られているようです。



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小さな蘭(2)ミヤマモジズリ

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<2017-09-17 長野県川上村>

【ミヤマモジズリ/深山文字摺】ラン科ミヤマモジズリ属(前テガタチドリ属)
 分布:中部以北〜北海道、四国 ブナ、シラビソ帯の林縁など
 草丈:10〜20cm
 花期:7〜9月
 花色:淡紅紫色(萼片・側花弁は細く尖る 唇弁は3裂)

きのこ研修の帰り道、川沿いの苔むした岩の上でこの小さな蘭を見つけた時は、驚いて思わず跪いてしまいました。 草丈8cmほどで、その花はもっと小さな小さな、それでも確かに蘭の形をした花でした。 

P9137270 (207x310).jpg花の付き方が曲線を描いているように見えるので名前にモジズリ(=ネジバナ:写真右)がついていますが、同じラン科でもネジバナの仲間ではなく、ミヤマモジズリ属(旧テガタチドリ属) なかなか見られない珍しい花ということで、私も初めて見ました。 

そんな時に限ってカメラを持っておらず、ガラケーはこの小さな花にピントがなかなか合わず、出発の時間も迫り…慌てて撮ったので、後ろの株と重なって2株が一本のように見えてしまっています。 (根元の2枚の葉の間から一本の茎が立ち上がって花序を付けています。)こんな出来で残念でした。 来年も出会えたなら、綺麗に撮ってやりたいものです。


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小さな蘭(1)ミヤマウズラ

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<2017-09-05 山梨県 三ツ峠山>
足場が悪く、残念ながら花の正面には回れませんでしたが、8月の雲取山でも出会えず、ずっと探していたので、下山ルートの思わぬ寄り道で出会えてラッキーでした。

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【ミヤマウズラ/深山鶉】ラン科シュスラン属 多年草
 分布:北海道〜九州 山地(深山とつくが低山にも多い)
 草丈:15〜20cm(茎の基部は地面を這い立ち上がる)
 花期:8〜9月  花径:1cm  花色:白〜僅かに淡紅
 ・花序の片側に偏って花をつけるので皆同じ方を向く
  (この写真の花はへそ曲がりが少し混じっていますね^^;)
  (花に付いている黒い細いものは虫だと思います)
 ・花序軸、萼片に縮れ毛が多い
 ・葉の斑紋をウズラに見立てた
 ・極微細な種子には殆ど栄養の蓄えが無く、発芽にも菌類の
  助けが必要。

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この葉の模様だけでも立派に観賞価値がありますね。 こうした葉芸のあるものは愛好家が多いようですが、栽培の容易な着生蘭と違い、地上蘭は土壌中の菌と蘭の根の共生関係(菌根)が必須なので、その場が気に入って菌と仲良く生きているものを掘り上げて違う環境に持ち帰ってもダメにしてしまうばかりです。

また、鹿はランが(も)好きらしく、鹿の食害も広がっています。 
 


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