2018年03月01日

大磯はいかい8終「鴫立庵」他

 大磯はいかいのコースの中に、日本三大俳諧道場の一つ「鴫立庵」が入っていたとは、なんと奇遇なことでしょう。(あとの2つは、京都の「落柿舎」、滋賀の「無名庵」)
 
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敷地内に建てられた石碑(上左の写真とは別のものでした)にある銘文「著盡湘南清絶地」、中国の「湘南」そのもののように清々しい地であるとの意味から、「湘南発祥の地」ともされています。 

ここ「鴫立沢」の命名は、西行がこの近辺で詠んだとされる、

「こころなき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」
                    (新古今和歌集)
によるそうです。

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「照ヶ崎海岸」 キラキラ光る春の海の優しいさざ波にうっとり・・・。 下は神奈川県指定天然記念物「アオバト飛来地」の岩礁です。 アオバトは果実が主食で、栄養分を取り込むために必要なナトリウムを海水から補給しているのではと言われています。

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1912年(大正元年)貿易商の別荘として建てられた国指定登録重要文化財は、「大磯迎賓館」という名前のイタリアンレストランとなっていました。

 このほか、岩崎弥太郎の孫娘澤田美喜さんが、財産税で物納されていた岩崎家大磯別邸を寄付を集め買戻して設立したエリザベス・サンダースホーム(混血戦災孤児養護施設)の下までやってきたものの、時間切れで仰ぎ見るだけとなりました。 駅前の田舎町的雰囲気を保った風情からは計り知れない奥行きを持った大磯、おそるべし! とても一日では周りきれないことを思い知り、再訪を期しつつ帰途につきました。(おわり)


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posted by 山桜 at 23:59| Comment(2) | 旅歩き・町歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大磯はいかい7「地福寺(藤村夫妻墓地)」

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東寺真言宗「地福寺」

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 向かって右の広い敷地が藤村のお墓、左の小さな敷地が静子夫人のお墓です。 簡素閑居を愛した藤村の気持ちに沿っているものかは分かりません。 墓石はとても素朴でした。 
 また梅の古木の枝の支柱がお墓の中に何本も突き立てられているのを痛々しく感じましたが、この梅たちを愛した藤村は喜んで支えているのでしょうか。 故人は直接何も答えてくれないことは痛い程感じております。 故人と共に生きた者が故人の声を感じて行動せねばと思います。

 大磯の町を愛し先に訪れた終の棲家に転居の2年のち、小説『東方の門』を執筆中に脳溢血で倒れ、
「涼しい風だね」
の言葉を残して71年の生涯を閉じた藤村は、このお寺の梅の古木の花々を愛し当地に葬られることを望んだとされています。 (本当は寺の境内ではなく海の見える南斜面に・・・と望んだとも。)  

 藤村の没後30年、静子夫人はお一人で過ごされたのですね・・・準えるなど恐れ多いことですが、わたくしもこれから先の生きてゆく道に思いを馳せました。

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紅白の梅に混じり、早咲きの桜が満開でした。 早咲きで河津桜に似ていますが少し色が濃いようです。 花期が長いので咲き始め〜散り時で色が変化するのかもしれません。 どちらにしても、寒緋桜X大島桜の系統に思われます。 (つづく)


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posted by 山桜 at 23:25| Comment(0) | 神社・仏閣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大磯はいかい6「島崎藤村旧邸」

 ぐるりと割竹垣に囲まれた敷地に、苔と軒シノブの生えた冠木門を潜れば、
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「萬事閑居簡素不自由もなし」
静子夫人宛の文の中で藤村が記した言葉です。

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普通は日焼けを嫌って板敷きになっていることが多い広縁に畳が敷かれているのが印象的でした。

 昭和16年1月13日、島崎藤村は、大磯町で国指定重要無形民俗文化財の左義長、セエノカミサン(道祖神)の火祭りを見てこの地を気に入り、2月25日には借家として借り受け、翌年8月には買い取って終の棲家としたそうです。 

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 広縁や軒の上に見える木の匠の仕事が素敵です。 踏み段や縁石の意匠も細やかで心惹かれます。 元々は大磯の貸別荘であったそうで、この一帯が別荘地「町屋園」と称されていたとのこと。

P2281181 (210x158).jpg 垣根の向こうのお隣の家も素朴で居ながらきちんとした日本家屋でした。 旧藤村邸を管理されている方のお住まいだとか。 先に訪れた旧林芙美子邸といい、この島崎藤村邸といい、コースの一部としてではなく、再度ゆっくりと佇まいの中に浸りに訪れてみたいものと思います。(つづく)


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posted by 山桜 at 19:54| Comment(2) | 記念館・資料館等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大磯はいかい5「稲荷神社の森」

 湘南平から下ると、何となく不思議な雰囲気の漂う異空間的住宅地に出ました。 谷戸の空間に佇むのは私邸ですので写真に収めることも出来ず、上手くお伝えできず申し訳ありません。 

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そんな谷間の崖には、鎌倉のやぐら墓のような横穴墓が点在していました。 この辺りが昔の墓所であったことが、山桜のアンテナに引っかかったのかもしれません。 お墓にカメラを向けるのも憚られました。

 かつて善人善兵衛さんによって掘られた灌漑用の池も落ち葉で埋まっておりました。 静かな時が止まったような谷間には、古代文化の名残が漂っているようでした。

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【大磯の稲荷神社】
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ぽっかりと残った境内の常緑樹の森には、樹齢300年以上のタブノキが玉瘤状の地表根をくねらせて地表を這い、ヤブニッケイ、ムクノキ、ヤブツバキなどに囲まれ、特異な様相を見せていました。 人の手が入らなかったことで、今も尚、この地本来の植生を残す「大磯町指定天然記念物」の森です。

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posted by 山桜 at 18:33| Comment(6) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大磯はいかい4「湘南平」

地元では「千畳敷」とも呼ばれていた広大な丘陵上の平坦地「湘南平」に到着。 シンボル的存在のテレビ塔やレストハウス展望台の写真は一枚も無く、撮っていたのは、それらに登って見渡した景色の写真ばかりでした。 レストハウスのレストランFlatはお休みでしたし・・・。

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春の海ひねもすのたりのたりかな・・・海を眺めてお弁当を頂いたら、段々眠くなってきました・・・が! 折角ここまできたのですから、頑張って赤白柄のテレビ塔にも、反対側の展望台にも昇ってみました。 テレビ塔のフェンスには、ちょっと前に流行った「恋人たちの誓いの鍵」が架けられていたり、落書きがあったり、荒れた雰囲気。 景色のいい方面にはフェンスに穴もあけられていて、まぁ若いエネルギーの残照でしょう。 「大人になって再訪した時、恥じない行動」って、その頃は思いもしないのでしょうね。 

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綺麗な三角の山は大山?

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海に伸びているのは伊豆半島?

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春霞の中、画面の左半分程に、うっすらと富士山が浮かんでいるのが見えるでしょうか? 人間の目でははっきりと見えるのに、カメラのレンズを通すと良く見えず、あてずっぽうにカメラを向けて撮ったらこんな風にしか写りませんでした。 人間の目ってすごいものです。

足元の敷石の隙間に私の好きな白い小さな花が咲いていました。
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【ツメクサ/爪草】ナデシコ科【コハコベ/小繁縷】ナデシコ科

これまた私の好きな黄緑の花と、小さなるり色の花
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【トウダイグサ/燈台草】トウダイグサ科
 私が「トウダイグサ」ですと言うと、高尾で見慣れている「タカトウダイ?」と聞き返され、「いえ、只のトウダイグサです」と繰り返せば「タダノトウダイグサ?」と・・・ 「いえいえ、何もつかないトウダイグサですよ〜 コモン・トウダイグサ」、「なんか、ややこしいな〜」ですって。 ややこしくないと思うんですけど(笑)
【キュウリグサ/胡瓜草】ムラサキ科
 今の人だったら、こんな可愛い小さな青い花の集まりに、草の匂いが胡瓜に似ているからってこんな名前をつけませんよね。 それだけ昔の人は草に触れていた証しなのでしょう。 ロゼットの形も端正で山桜好みの植物の一つです。 

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【謎の芽吹き】湘南平へ登る途中に見掛けました。 しかも実の部分が宙に浮いてのです。 土がくずれてしまったのかしら、不思議だなぁ まだまだ大磯はいかいは、つづく・・・


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posted by 山桜 at 15:54| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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