2018年09月24日

思ひ草・南蛮煙管

                    
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道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何か思はむ
みちのへの をばながしたの おもひぐさ 
          いまさらさらに なにかおもはむ
             (万葉集 巻十 二二七十)

 いにしえ人が、せっかく、俯き加減に物思う佳人の姿になぞらえて「思ひ草」というゆかしい名前をつけてくれていたのに、桃山時代に煙草と喫煙具が渡来して、「南蛮煙管」などという無粋な名前で呼ばれるようになってしまいました。

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 確かに煙管の雁首にソックリではありますね。 雁首草の名前をあのガンクビソウに譲れただけでも救われたのかもしれません。

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 物思いに耽る顔を覗いてみようと潜り込みましたが、なにせ草丈低く、なかなか…

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 草むらで蚊の攻撃も受け、やはり覗き込むのは失礼だったかと、

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 そっと諦め退散しました。 しつこくして、ごめんなさい。

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ナンバンギセル/ハマウツボ科ナンバンギセル属
ススキ、サトウキビ、ミョウガなどの植物の根から栄養を得る寄生植物


 元々は熱帯性気候の植物で、小笠原などのサトウキビ畑に蔓延って全滅させたこともあったそうです。 ススキの駆除に用いようとの研究もあるようですが、稲に寄生されれば大打撃となりかねないので慎重にならざるを得ないのでしょう。 

 恋しい人を思う心は限りなく、広い野も焼き尽くすほど、ということでしょうか・・・。 

 尾花揺れ 招く草陰 ほほ染めて 帰らぬ人の かげ思ひ草
                         (山桜)
posted by 山桜 at 21:13| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする