2018年10月03日
スカシダワラ/透かし俵
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スカシダワラはクスサンという蛾の繭で、今まで羽化した後の空っぽのものは何度か見たことがあるが、中に蛹が入ったものを初めて見て、やはり命が宿っている姿は美しいものと感動。 羽化の時期は10月頃なので、これから気を付けて成虫の姿を探し追記が出来たらと思う。
スカシダワラ/透かし俵 クスサン/樟蚕(ヤママユガ科)の繭
クスサンの吐き出す絹糸は強靭なので、このように透け透けでも蛹を充分に守れるようだ。 かつては幼虫の体内から絹糸線を取出し釣り糸用の「テグス」を作っていたという。 「テグス」とは元々「天蚕」と書いた日本語で、ヤママユガの仲間からとれた絹糸全般(絹織物用)の呼称だったが、今では主に釣り糸のこと示すようになった。
クスノキの葉を食べるので樟(楠)蚕と呼ばれたのだと思っていたが、テグスサンから転じてのクスサンかもしれない。 実際には、クリ、クヌギ、コナラ、サクラ、ウメ、イチョウなど、多くの種の木の葉を食用としている。 この繭はサンショウの葉に巻き付いていたが、山椒の葉を食べたかどうかは分からない。
ちなみに幼虫の時も「シラガタロウ」という愛称?があり、なかなかユニークな存在だ。 今年は黄緑色の五分刈りヤママユガの幼虫を良く見かけたが、シラガタロウには出会えなかった。 かつてはごく普通に見られたからこそ愛称もつけられたのだろうが、大量発生で農業に被害を及ぼした罰で駆除され、東京近郊では、すっかり数が減ったようだ。