2018年10月23日

奥多摩の不思議空間(2) 夢の残影

                    
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 白日夢を見たような気持ちでまた橋を渡る(橋を渡るという行為自体、また異空間への入口だった訳ですが)と、P8105054 (443x590).jpg
 
 渓谷の集落を水底に沈めた湖は至る所で入り組んだ景観を現し、往時はどのような暮らしがあったのかと思いがめぐります。 ふと何かを感じて振り返れば、

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 あの白い巨塔のレーダーのような部分(実際は日傘を現しているそうです)が山の上から聳え出し、こちらを見下ろしているようでした。 見送ってくれているとありがたい気持ちになるか、監視されているのかとゾクッとするかは、気の持ち様でしょうか。

P8105055サルスベリ (210x280).jpg P8105062ヤクシソウ (207x310).jpg

真夏の花サルスベリと晩秋の花ヤクシソウが、同時に咲いていました。 まるで「見るなの屋敷」のよう。

「えっ? これは何!?」

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 唐突に、林業で使っているとも思えない古びたケーブルの鉄塔が目の前に・・・

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 それも湖の向こう岸につながっている?? 一体何を運んでいたのでしょう? 実は下見の時には、その正体が分からず、帰宅して調べた所、それは・・・

 ケーブルが続いているその先に向かう、苔むした階段を登ると、何やら緑陰から建物が覗いて見えました。

P8105065旧ケーブル駅階段 (210x280).jpg P8105066旧ケーブル三頭山口駅 (210x280).jpg

通路らしきものが途絶えたので斜面を攀じ登ると、プラットフォームのある駅舎が現れました。

P8105067旧ケーブル三頭山口駅 (443x332).jpg

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なんと、ロープウェイに車両がそのままぶら下がっています。 興奮と驚きでブレブレです。
落ち着いてみれば、どのくらい経過しているものか分からないものの、それ程荒れても壊れてもいないままの姿で、木漏れ日の中に佇むロープウェイ・・・

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明るい日差しの中で見たせいか、嫌な感じや不気味な雰囲気はありませんでした。

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ドアも開いていたので、そ〜っと乗ってみると、

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「みとうさんぐち」の駅名表示板。 ということは、向こう岸に「かわの」という駅も未だあるのでしょうか。(後で聞いた話では、残ってはいますが立ち入り禁止とのこと。 何故、こちらの駅は閉鎖もされず自由に入れるのかが却って不思議に思えます。)

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動力部の部屋は、当然真っ暗ですが覗くことは出来ました。

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プラットフォーム側から入ってしまったので、正規の入口に向かって逆に歩いての振り返りになります。( 先を急いでいて、適当にパシャパシャ撮ったので、暗い所の写真がブレていてごめんなさい。)

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改札口からプラットフォームへ降りる階段・・・この辺りで「千と千尋の神隠し」の中のシーンを思い出しました。

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駅舎正面玄関の間

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駅舎正面玄関の外側

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駅舎正面から左手に見える車両

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再び降りて来た階段から振り返れば駅舎も見えていましたが、知らなければ見えないものですから、敢えて立ち入り禁止などのロープを張らない方が目立たないのでしょう。 登山靴でやっと登れるような道ですから、不用意に立ち入らずそっと静かに時の狭間に埋もれさせて置くべきだったかもしれません。 興味と好奇心が勝ってしまい、ごめんなさい。

(奥多摩湖ロープウェイは、湖を横断する夢を乗せて開業したものの、後に橋が架かったために客足が途絶え、持ち主は行方不明のままとのこと。 撤去するにも資金がかかる為、地元の方々も町も対応に苦慮しているのでしょう。)
posted by 山桜 at 23:09| Comment(6) | 旅・町歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする