2019年01月31日
ヤマアカガエルの卵の中
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先日みつけた観察園の池のヤマアカガエルの卵塊、28日によく見ると中のまん丸だった卵の中が勾玉上に変化していました。
足場の悪い池の端で踏ん張って撮りましたが、ブレてますね〜ごめんなさい。
それでも尻尾が生えてきているのは分かって頂けるかな?
31日の帰り際、少し薄暗くなった頃に慌てて池に見に行くと、小さな黒い影がササっと動いているのを発見! 確かに生まれたばかりのオタマジャクシたちで、未だ頭が小さくていわゆる丸に尻尾のお玉杓子型ではありません。 カメラに収めるのは無理な明るさで残念。 次のお当番の頃には大きくなってしまっているかなぁ
2019年01月30日
ウスタビガの繭
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クスサンの繭「スカシダワラ」と共に、今の季節のお楽しみは、美しい翡翠色のウスタビガの繭です。 枯れ木色の森の中で緑色は目立ちますので、気を付けていれば割によく見つかるものです。
以前にも確かご紹介した筈と思って検索してみたら、ナントもう12年も前で2007年の記事でした。(記事の下のタグのなかから「ウスタビガ」をクリックすると当時の記事に飛べます。)
中の蛹は秋に羽化しているので、正常であれば中は空っぽですが、寄生虫にやられた個体が残っていることもあります。
このように特異な形をしているので、地方により「山叺(やまかます)」「山彦(やまびこ)」などの愛称で呼ばれ親しまれています。 叺というのは藁袋のようなものだそうです。 山彦は必ず帰ってくることから縁起を担いで、子供の背に縫い付けお守りともしたそうです。 中に小豆を入れて厄除けのお守りにした地方も。
繭の造形も見事ですが、この枝にしっかりと巻きつけてある柄の部分も惚れ惚れするほど見事です。 このクルクルッとカーラーで仕上げた巻き毛のような部分の働きは何なのでしょう・・・
底の方には水抜き穴まで備えてありますし、上の口の部分が開くのは以前にお見せしましたね。
2007年の記事中の写真を引っ張って来ました。 このように端っこを押すとパクッと開きます。 空っぽだと思っていても、やはり毎回ちょっとドキドキします。
蚕や山繭などは羽化する時に繭に穴が開いて糸が切れてしまう前に、生きてる蛹ごとグラグラと煮て糸を採るのが酷いなぁと思うのですが、このウスタビガの繭なら羽化した後の繭からでも上手く糸がとれないのかしら? 昔の人は絶対に試している筈なので、やっぱりこの口の部分が固くて解れないのかもしれませんね。
2019年01月27日
富士山の上の雲の影
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富士山の写真と言えば、雲に遮られることなく聳え立つ姿が多いですが、真っ白な富士山の上に描かれた雲の影が面白くて、道々追ってみました。
<2019-12-26 小仏峠・茶店跡から>
手前は相模湖です。 富士山に黒い影が忍び寄り・・・
みるみる呑みこまれるかと思いきや・・・おや、ちょっと後退
一丁平から
頂上付近は風が強いのか、ふわっと吹き上げられて、また少し影が引っ込みました。
もみじ台から
ちょっと見てない内に頂上を超えていました。 なんと雲の影だと思っていた下の部分、雪が積もっていないのですね。 本当に今年の関東南部は雨も雪も降らなくてカラカラです。 真っ白な富士山を拝みたいなぁ
2019年01月26日
どうして透け透け?スカシダワラ
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陽だまりはポカポカとしていたものの、次第に寒風が吹きつけ、午後2時近くには白い小さな雪玉がポロポロと転がり出した高尾山。 積もる程ではありませんでしたが、ひと時は目の前いっぱいに、はらはらと舞い出して、やっと雪らしい雪となりました。 そんな中、楓(フウ)の木の梢に、しっかりと抱きついていたのは、10月にもご紹介した、あの「スカシダワラ」。
<2019-01-26 高尾山>
クスサン(楠蚕)の繭です。 それにしても、どうしてこんな風に透け透けの繭にしたのでしょう? 周りの葉っぱも落ちてしまって、これでは流石に寒そうです。 尤も蝶の蛹などは繭に入っていないのですから、それよりはマシですかね。 全体を万遍なく覆い尽くすより、テグスに使われるほど強い糸を更に太くすることで、強度を増したのかもしれません。 薄い和紙の部屋より、頑丈な骨組みを選んだのかな?
カマキリの卵塊は、シジュウカラに食べられてしまう様子を見ましたが、スカシダワラが食い破られているのは、未だ見たことがありません。 強風で枝からもぎ取られて地面を転がっていることもありますが、案外踏まれても大丈夫なのかも・・・? 潰れるのが怖くて踏んでみる勇気は、ないのですが。
中では巨神兵が眠っているような・・・? ドクンと動いてギョロリとこちらを見たらどうしよう!
新宿にこんな姿のビルが建ってますよね。 あれを見ると、このスカシダワラを思い出します。 調べたら「コクーン・タワー」と言うのだそうで、正にスカシダワラに着想を得たものと思われます。 あの繭の塔の中から、面白い才能が羽ばたいていくのが楽しみです。
「コクーン・タワー」(丹下都市建築設計)
https://www.tangeweb.com/project/modegakuen/
2019年01月25日
ヤマアカガエルの卵塊
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むさしの自然観察園の池で、カエルの卵塊を4かたまり、みつけました! 風の冷たい日でしたが、その風に乗って梅の香も漂って来てうっとり・・・春は確実にやってきてるのですねぇ
<2019-01-24>
近づいて拡大してみました。
アカガエルの卵はこんもり丸くて、ヤマアカガエルの卵は浅い所にやや平たくなっている、と以前教わったのですが、見た目ではどちらか分からず・・・。 見分け方をネット検索してみると、
「アカガエルの卵塊は持っても崩れないが、
ヤマアカガエルの方は指からこぼれ落ちる」
とあったので、早速やってみました。
勿論、卵を汚染しないように、事前によ〜く手を洗いました。
おおっ、崩れ落ちます〜 ヤマアカガエルの卵塊のようです。
って、カエルの卵を手に持ったのは生まれて初めてで感激!
トウキョウサンショウオの卵塊とはまた違った感触です。
よく見れば、透明の寒天チューブのような中に並んでいる卵が丸まって塊状になっていたのが分かります。 これから卵の中の変化を見るのが楽しみです♪
2019年01月24日
キクザキイチゲ にょきにょき
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落ち葉掻きの下から、キクザキイチゲの蕾が頭を擡げていました。
スプリング・エフェメラル等と儚げな名前で呼ばれますが、冬を打ち破る力強さが漲っています。
ラベル:キクザキイチゲ スプリング・エフェメラル
2019年01月19日
2019年01月17日
四季の草木染教室
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久しぶりに「四季の草木染教室」のお手伝いに参加して来ました。 厨房での染液の煮出しで植物エキス蒸気浴をしたり、参加者の皆さんの作品をアイロンがけしながら鑑賞させて頂いたり、山登りとは違う楽しいひと時でした。
同じ植物の染液を用いて、2種の媒染剤(鉄、明礬)によって色を染め分けています。
後ろの灰色の染は、シャリンバイの鉄媒染だったかな・・・既に記憶が曖昧でごめんなさい。
茶系はカシワの葉(暗色が鉄媒染、明色が明礬媒染)
赤系は西洋アカネ(暗色が鉄媒染、明色が明礬媒染)
東袋に縫う為にアイロンで乾かして三つ折りにしたところ
短い時間でも、皆さんそれぞれの個性が光る素敵な作品が揃いました。
2019年01月15日
テイカ葉 と 定家様(よう)
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後に定家様(定家流)とも呼ばれ愛された藤原定家の文字は、多聞さんの仰る通り、丸文字というよりも横長文字ということを改めて見直して納得しました。
定家筆 拾遺愚草
そうして再び、テイカカズラの地を這って木に登り始めた頃の葉を見てみると・・・
対生についた葉が横長に見えます。
これは紅葉して赤みの出た葉。
こちらなど、自由に書き流した書体にも見えて来ませんか。
この頃の葉には白い葉脈が目立ち表面は艶消しですが、日の当たる場所に出て葉も大きくなると、この白い葉脈は目立たなくなり表面に照りが出て、全く別の植物の葉のようになります。 (下の「定家蔓と鬼女蘭」の記事をご参照ください。)
2019年01月14日
藤原定家と式子内親王(テイカカズラの由来)
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「名前の由来はまた後で」などと書いては放りっぱなしのこと多々あり・・・で反省。 今回は京都在住の桃里先生もご興味を持ってくださっていると伺って、俄然真面目に書いておくことに致しました。
テイカカズラは定家蔓と書く通り、歌人・藤原定家に由来した名前です。 簡単に書いてしまえば、
「式子(有職読み:しょくし/しきし、通説: のりこ)内親王を慕っていた定家の魂が乗りうつるが如く、内親王の墓石に這い上った蔓に定家の名を付けた」
と言うことになります。
式子内親王といえば、かの後白河法皇の娘で賀茂神社の斎院(伊勢神宮の斎宮・賀茂神社の斎院の総称が斎王)でもあり、百人一首でもおなじみの恋の歌
たまのをよ たえなはたえね なからへは
しのふることの よはりもそする
(命を繋ぎ止める玉の緒よ
絶えてしまうものなら絶えておしまい
これ以上生き永らえば 忍ぶ思いは隠しきれない)
をご存じの方も多いと思います。(山桜訳の稚拙さはお許しを)
内親王が定家の父である俊成に歌の師事していたこと、定家が内親王の姉君のお側務めのようなことをしていたことから、お近づきになるご縁があり、一まわり程年上の内親王に憧れの思いを抱いていたのではないかと、定家が残した「明月記」の記録から(お歌を賜った? お風邪を召された内親王を何度もお見舞いに上がった等々)想像が膨らまされ、後に能「定家」の物語も生まれています。
定家は個性の強い癖字で有名で、近年女子学生の間で流行った丸文字の元祖などと言われたこともありました。 小堀遠州はその定家流の文字を好み、更にを洗練させて一つの書体を作ってしまったほどです。
小堀遠州・作、銘の茶杓「虫喰」の文字
国宝「明月記」(定家の真筆が見られます)
http://www.emuseum.jp/detail/100357/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E6%98%8E%E6%9C%88&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=1&num=2
私はテイカカズラが地を這いまわり木に取り付いて登り始めた頃の小さい丸い葉が、この定家文字の雰囲気に似ているように思えてなりません。 自然を愛でた昔の人も、きっとその辺りの類似性に目を留めたのではと密かに思い、遥か古の方々との心の交流に『ふふふ』と心躍らせております。
式子内親王には定家とは別に、出家時の導師であったのでは?とされる法然との恋の噂もあるようで・・・。 本当の恋心があってもなくても「歌」を詠むことはできますが、人の心に響き後年にまで残る歌は想像だけではなかなか生まれないのではと。 男女の恋など許されない身分の方の想像だからこそ情念が深いのだという説も目にしましたが、「恋に恋する恋心」だけは本物でしょう。
何はともあれ、鎌倉時代の歌に秘められた思いを今この時、こうして紐解く機会を「定家蔓」に引き寄せられたこと、その時代の歌や書がちゃんと今も残っていて、その心に触れられること、この幸せに浸って居たいと思います。
上の式子内親王の札の歌(新古今和歌集)を読み解けば、(これが読めるようになったのも桃里先生のご指導のお蔭です)
山ふかみ 春ともしらぬ 松の戸に
たえだえかかる雪の玉水
(山深く 未だ春とも気付かぬ 松の戸の侘び住い
途切れつつ落つるは 雪どけの玉雫)
因みにその定家蔓が絡み付いたとされる式子内親王のお墓と伝わる五輪塔が、般舟院陵(上京区今出川通千本東入ル北側)の西北奥の小さな塚の上に立っているそうです。 桃里先生なら自転車にサッと飛び乗り確かめに行かれるのでは? 本当に羨ましい限りです。 テイカカズラ、今も絡みついているのでしょうか・・・霊となって蔓の絡みを解いて欲しいと願った内親王のお気持ちを汲み、取り除かれているでしょうか。 定家もそんなしつこい男と伝えられて気の毒ですが、それもあの癖のある書体の所為かもしれません。
2019年01月11日
歩いて登る御岳山(4)〜日の出山〜つるつる温泉
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(2月12日掲載の記事を実施日〜最寄に移行)
「山楽荘」の入口の脇には欧米に続く?洒落た看板
明るい山道 芸術的なフォルムの木
巨石の目立つ山道
金色の鳥居は日の出山方面からの御岳山参道口
何の説明もない謎の巨石群
青梅市/日の出町の境 日の出山頂下トイレ
最後の階段を上って日の出山頂上に到着! ぐるりとほぼ360度のパノラマ展望です。
奥ノ院・御岳山
御前山
雲取山
指差す先には何が見えていたのでしょう? 関東平野も一望出来て見飽きることがありません。
関東平野
丹沢方面
富士山の右肩も、山陰からちょっぴり顔を覗かせていました。
大岳山
ツルリンドウの実 テリハノイバラの実
麻生山(上は11月の下見時、未だ木々の葉が残っていた頃です。)
ノハラアザミの種 つるつる温泉への手書きの道標
気持ちのいい明るい尾根道(上は11月の下見時)
沢山の松ぼっくり奉納が・・・
日本武尊が顎を掛けて休まれたという伝説の顎掛岩
滝本不動 日の出山ハイキングコース入口
ブリキのオブジェたちと 人懐こい三毛猫
ここからは林道になります。 趣のある山荘
様々な形のロッジ群
済んだ沢の流れ バス通り出会い
道標 つるつる温泉に到着!
つるつるのお湯に浸かって疲れを癒し、皆さんで乾杯!
機関車バス「青春号」に乗ってJR武蔵五日市駅へ
武蔵五日市駅近くのお蕎麦屋さん魚鶴、今日は「にしんそば」「カレー南蛮」でお腹の中もほかほかに・・・お疲れ様でした。
2019年01月10日
歩いて登る御岳山(3)御師馬場家〜武蔵御嶽神社
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(2月11日掲載の記事を実施日〜最寄に移行)
茅葺屋根の見事な御師・馬場家
さて、ビジターセンター前を通り馬場家裏のシモバシラを見学に向かうと・・・路の分岐の石碑の前に沢山の鏡餅がお供えしてありました。
近づいてよく見てみると、うっすらと「水神宮」の文字が・・・。 帰宅後調べた所、この場所にはかつて井戸があり、集落の皆の集まるいわゆる井戸端であったのだそうです。 今も水神様を大切にお祀りしているのですね。 このような心が息づいている土地に住まえる幸せを羨ましく思いました。
カメバヒキオコシの氷花シモバシラ
以前にも書きましたが、御岳山域には、何故かシソ科のシモバシラが生えておらず、氷花シモバシラの主役は同じシソ科のカメバヒキオコシです。 御岳山は高尾山より標高が高く気温も低いので、氷花シモバシラは溶けずに少しずつ成長を続けているようです。
飴細工のようにも湧きあがる雲のようにも見える自然の造形の妙。
鳥居下に到着 随神門
ジュウガツザクラ/十月桜
男坂の階段に潜んでいる3匹の邪鬼が出て来られないようにしっかりと踏みつけて、己の中の邪鬼も封じ込めながら歩きます。
(左上)国宝・赤糸威大鎧も含む貴重な
品々を所蔵する宝物殿
(右上)畠山重忠騎馬像(北村西望・作)
源頼朝の重臣・坂東武者の鏡
赤糸威大鎧を奉納
(左下)カチカチに凍って
いよいよ日本武尊が武具を収蔵したことが「武蔵」の名の由来と伝わる「武蔵御嶽神社」に初詣参拝です。
日本武尊を魔物の化身・鹿から守ったとされる白山犬が武蔵御嶽神社の眷属として神域を守っています。
冴えた青空に映える美しい丹色の社殿
触拝所 ご祭神蔵王大権現の御命柱 神明社 天照大御神を祀る
巨福社 豊穣の土の神 皇御孫命社
常磐堅磐社 全国の一の宮を祀る 東照社 家康を祀る
(旧本殿 国指定重要美術品)
大口真神社 日本武尊を邪神大鹿より守った白山犬(日本狼)を祀る
奥宮遥拝所
日本武尊が武具を収めたことから男具那ノ峰とも甲羅山とも呼ばれる、見事な三角錐の山容の御嶽神社奥ノ院。 そもそも御嶽神社はこの男具那ノ峰の遥拝社であったとも言われています。 4月には、この奥ノ院をシロヤシオ咲く頃に訪ねるハイキングを企画中。皆さまのご参加、お待ちしております。
居並ぶ遠近様々な地からの御嶽講記念石碑
2019年01月09日
歩いて登る御岳山(2)滝本参道(二之鳥居〜くろもん)
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(2月10日掲載の記事を実施日〜最寄に移行)
御嶽駅から観察しながら歩いて約1時間程、やっと辿りついたケーブル滝本駅で休憩させて頂き、身支度を整えて出発。
ケーブル駅上手の「稲荷神社」に手を合せ、参道へ石造りの小橋を渡って振り返り見たケーブル駅。
こちらは向かう先の滝本参道口の御嶽神社「二之鳥居」です。
手前が石造りの「禊橋」
二之鳥居右手前には「滝本」の滝が龍口から流れ落ちています。
御岳山の名木たち
「愛染桂」33m 樹齢150年 「神代銀杏」45m 樹齢500年
「滝本の大杉」43m 樹齢350年 「三又の大杉」名木リストに無く勝手に命名
静かな杉並木の参道 「ろくろっ首」の道標にドキっ!
「ろくろっ首」の正体は曲がりくねった道
「うまたてば/馬立場」 馬を休ませたと言われるちょっとして平坦な場所の中ほどの石柱には「頂上本社迄廿八丁」の文字
次々と現れる蛸の足のような、王蟲の触手のような杉の根っこの下の空洞は、入ってみたい衝動に駆られますよね! 人が入ると洞の大きさが分かりますね。
上りケーブルカーが先ず上り、すれ違い地点通過後、今度は下りケーブルカー
古名を辿って江戸時代の気分に浸って居ると、突然、唸り音と共に通り過ぎる現代のケーブルカー・・・まるでタイムスリップしたかのような不思議な気持ちになります。
急な曲り道からゆったりとした「おおまがり」に出ます。
朝の木漏れ日の中、静寂にして壮大な杉並木が続きます。
滝本参道入口と御師集落入口までの2.8kmのちょうど中間地点で「なかみせ」という茶店があった場所とのこと。
赤い橋桁がまるで鳥居のように見える、ケーブル軌道「中の茶店橋梁」下を潜ります。
「だんごどう/団子堂」お堂の中のお地蔵様が手にお団子を持っているように見えることが名前の由来。
秋の下見時(上の写真)にはなかった毛糸のお帽子とマフラーで暖かく冬装備をされていました。
「じゅうやっくぼ/十薬窪」
十薬とは十通り以上に大きな
薬効のあるドクダミの別名。
昔この辺りの窪地に沢山の
ドクダミが生えていたので
しょうか。今はその痕跡は
みつからず。
この後に「だいこくのお/大黒
の尾」=大黒尾根があったの
ですが、ここだけ谷側で見過し
写真も無くてすみません!
「あんまがえし/按摩返し」
此処には地名由来の看板が無かったので、「ここまで来たら、もう按摩さんは不要と返したのかな?」と思いきや、調べてみると「一旦登りきった坂道が下りだす地点なので、盲目の按摩さんが頂上まで来たと勘違いして引き返す」というのが由来とのこと。 本当に引き返したとは思えませんが、なかなか洒落たネーミングですよね。
「やまのかみ/山の神」
山の神様を祭る祠があり、ここから先は雲上の山の神のご神域、俗世との境とされた地点です。
杉の番号札も遂に、10、9、8、7・・・とカウントダウンできる地点に来ました。
「くろもん」 嘗て御師集落の入口に立っていた黒門跡です。
「くろもん」の道標の後ろに杉の「1番」が聳えています。 今は黒門の下に続いていた道も閉鎖され、右に車道ができケーブル駅からの道と合流しています。
滝本参道/ケーブルカー御岳駅/御岳山・日の出山 分岐
バスにもケーブルカーにも乗らず、自分の足で遂に、ここまで登って来て、いつもの道との合流しました!
「私たち、歩いて登って来たんです!」
って、ケーブルで上って来た人に、ちょっと胸を張りたいような・・・。(つづく)
2019年01月08日
歩いて登る御岳山(1)御嶽駅〜滝本ケーブル駅前
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(2月9日に掲載した記事を実施日の1月8日に移動)
氷点下の気温、明星輝く夜明け前に家を出ての早朝の集合時間にも関わらず、御嶽駅に勢ぞろいされた参加者の方々の白い息が、出発前の機関車のように意気軒昂! 体操で更に身体を温めて、早々に駅の階段を下る。
更に御岳渓谷への階段を下りると、清らかな水の流れせせらぎの音に包まれ、初詣前の禊のひと時。
「多摩川」
「御岳渓谷」沿いの道
「杣の小橋」と発電所(11月の下下見時)
コボタンヅルの実 左下のセンニンソウと同じセンニンソウ属(クレマチス属)の仲間。 花も実も似ているが、よく見ると白い髭の長さもタネの形も違う。
センニンソウの実 酋長のようなアジサイの冬芽
冬芽の観察の最初の一歩にお薦めなのは、虫眼鏡なしでも観察可能なアジサイの冬芽。 一つ一つ微妙に表情が違って面白い。 酋長というか、ハワイのカメハメハ大王みたい?
「神路(かみじ)橋」への階段
神路橋と橋からの眺め(11月の下下見時)
神路橋からの眺め すっかり冬景色
渓谷から上がる道 ナンテンの実
柚子 ピラカンサ
真っ赤な御嶽神社「一之鳥居」 榎本武揚揮毫の石碑
旧一の鳥居についてはこちらをご参照ください。→ http://park2.wakwak.com/~ome.net/24bunkazai0142.html
様々な表情のお地蔵様に今日の無事を祈って手を合せる
入口に琴平の石碑が立っていた階段は、地図に依れば琴平の滝などのみられる道に続く模様・・・
神寂た神社の鳥居 幾つか仰ぎ見た登ってみたい階段の一つ
風情のある茅葺屋根 天狗さんのような冬芽
スギの実 キヅタの実
「大沢川」
「光仙橋」 「琴沢橋」ここから右は滝本川、左は琴沢
小さな白い卵のようなスズメウリの実、カラスザンショウの実は剥きたてのミカンのようないい香り
真っ赤な「石津橋」は模様替えの最中 一枚足りない緑の透かし絵が気になります。
オオバアサガラの木と実のアップ
ノキシノブ(シダの仲間) キヨスミイトゴケ(コケの仲間)
イラガの繭 ウスタビガの繭
「奥多摩新四国八十八ヶ所第四十番札所」
苔むした「滝本の洪水防石」はバス停広場の片隅にあり、往時の名残を留めて堂々たる風格ですが、乗降客の中に気付く人は殆どなく、歩いて登ってこそ目に留まる遺構です。
やっと普段降車するバス停に到着、「この坂が今日一番の難所です」といつもは苦しむ急坂が、ここまで歩いて来て温まった身体では難なく登れて嬉しい。 時間があれば立ち寄ってみたいと思いながら素通りの「御影神社」
ついに歩いてケーブルカー滝本駅下に到着!
(つづく)
2019年01月06日
定家蔓 と 鬼女蘭
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「テイカカズラ と キジョラン」と書くのと「定家蔓 と 鬼女蘭 」と書くのとでは、なんと受ける印象が違うのかと自分で書いてみて、今更ながら驚いています。 それほど、この植物の命名は印象深さに基づいたものなのだと改めて思います。
などと書いておきながら、名前の謂れは先入観が出来てしまうので別の機会にでも書くとして、これまでも折々の姿はご紹介して来ましたが、先ずはこの2種の冬の印象的な姿をご覧ください。
テイカカズラ/定家蔓 キョウチクトウ科
熟し切って弾け、タネを放出し出した実
こちらは秋の実の姿
キジョラン/鬼女蘭 キョウチクトウ科(旧分類ガガイモ科)
熟し切って弾け、タネを放出し出した実
同じく秋の実の姿
先輩から頂いた実の中を見みようと割ってみたら、あっという間に次々とタネが噴出して来て、さぁ大変! 飛んで行かないように息を堪えて、急いで撮影しました〜💦
綺麗に並んでるなぁ・・・と思って接写する内にも・・・
空気を孕み、むくむくと膨らみ盛上り・・・
次々と綿毛つきのタネが飛び出して来ます。
生まれたてのキジョランのタネ ふわふわです〜なんて綺麗なのでしょう 軽く綿毛の一本一本にねじれが出てウエーブ状になるので、キラキラ光って見えます。
こちらは舞い飛んできたものを拾ってきたテイカカズラ(左)とキジョラン(右)のタネです。
キジョランの種髪(綿毛)の方が少し長くて、やはり捻じれている為にふわふわ感が強いようです。 鬼女は白髪を梳ることも無く・・・ということかな。 そのような荒れた雰囲気は感じず、ウットリ見惚れていますけれど、「モヤモヤの方が鬼女」で、覚えやすくはありますね。
テイカカズラの綿毛は素直な直毛で張りがある感じ。 お公家さんは御髪の手入れが良い、と覚えましょうか。
下についているタネをはっきり撮りたいと思っても、静電気でくるりと回ってしまい難しく・・・
キジョランの方がついに綿毛が取れてしまいましたが、これでタネの形が全く違うことがお分かりと思います。 テイカカズラの方はタネの形も真っ直ぐ細長く、キジョランの方はヘラかおさじのような形です。
タネを手に入れた以上、播いて育てずにはおれません。 また仲間が増えて、ますます我が家の腐海の森は深く・・・楽しさ倍増です
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2019年01月05日
高尾山グリーン・クリーン作戦 参加者3,000名突破
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高尾山薬王院
森林インストラクター東京会(FIT)主催の高尾山の自然観察とゴミ拾いの集い「高尾山グリーン・クリーン作戦」も、この日で第92回を迎え、総参加者数がのべ3,000名を超えました。
平成21(2009)年4月開始のFIT会員のみによる「高尾山ゴミゼロ・ハイク」に端を発し、平成23(2011)年4月からは一般参加の方も加わって頂き、7つのコースを設定し月毎に巡回、名称も今のものに生まれ変わり7年をかけての3,000名達成です。
始めた頃はゴミの多さに心を痛めてのスタートだったと聞きますが、今では小さなゴミを目を皿にして探しまわることもある位、大変綺麗な山になりました。
7つのコースを、1〜12月の全ての月で廻るには7年の歳月がかかるという壮大なスケールですが、高尾山の自然を隈なく学び愛でたい方にはうってつけの企画なので、諸先輩方の努力の積み重ねで多くの常連さん方に支持され愛さる幸せに浴しております。
日々、沢山の事を教えてくれる高尾山の自然に感謝し、少しでも綺麗に豊かに保っていけますように・・・と新年に思いを新たにいたしました。
ラベル:高尾山 森林インストラクター東京会
2019年01月04日
コスミレ次々と咲く
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冬枯れの庭の片隅に、ふと薄紫色の塊が見えて近づくと、なんと1月というのにコスミレの花が小さな小さな花束のように陽だまりで咲きこぼれていました。
コスミレ/小菫 スミレ科
殆どの葉が色を失って萎れてしまった中、危機を感じたのかみっしりと閉鎖花を着け、タネを弾き飛ばしていたのは知っていたのですが、いつのまにか、ちゃんとした花を咲かせていたとは驚きました。
名前はコスミレですが、スミレの花よりふっくらと大きめな花を咲かせます。 どうして「小」スミレなのか、名前を付けた人に聞いてみたい花の一つです。
閉鎖花がタネを飛ばした後の果皮片が籾殻のように根元に積み重なっています。 どれだけのタネを飛ばしたことでしょう。 それでも発芽して成長できた株はそう多くありません。 この場所がコスミレの繁殖にそれ程適していないのかもしれません。
自然に生えている場所の環境に近づけてみても、殖やしたいスミレはタネを播いても思うように増えず、そんなに増えて欲しくないスミレは幾らでも生えてくる、スミレは思うようにならない野生の気性が魅力です。
2019年01月03日
アサギマダラ 3齢幼虫
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真冬でも常緑のキジョランの葉裏で、アサギマダラの幼虫がしっかり育っていました。 蛹で越冬ではなく、幼虫で越冬するというなかなかタフな子です。
<2018-12-28 高尾山>3齢幼虫
<2018-12-10 高尾山>2齢幼虫
2019年01月02日
難転切(南天桐/飯桐)
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済みきった青空に、すっかり葉の落ちた木々を仰ぐと、この時期とても目立つのは、房に生って垂れ下がる赤い実たち。 高い木の上ですし、大きな桐のような葉っぱが茂っている時には見つけづらいのですが、真っ赤に熟して食べごろになれば、ちゃんと姿を現すところが流石の仕組みです。
このいかにも美味しそうな赤い実の中には、細かな種がぎっしりと詰まっていて、果肉と言えるような部分が殆どありません。 それでも他に食べるものが無くなれば、鳥たちがちゃんと食べに来ます。
美味しくはないものの、人間も食べることが出来るそうです。
イイギリ/飯桐 ヤナギ科(前イイギリ科)
こちらは針葉樹の茂みで鳥目につかなかったか、未だブドウの房のように垂れ下がった実をたわわにつけたままでした。
秩父の方では、「ナンテンギリ/南天桐」この実をお正月の飾りにするそうで、年末に採りに行く習慣だとそちらがご実家の友人に伺いました。
「難を転じる、切る」なかなか縁起のいい実ですね。 今年は正に鈴生りですので、良いことがいっぱいとなりそうです
2019年01月01日
平成30年(2019年)の幕開け
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2年続けて、お祝詞の言えない新年を迎えてしまいましたが、新しい御代を迎える今年は、きっと良いことが沢山あるに違いありません。 人頼みにせず、願いを叶えるための努力を地道に積み上げていきたいと思います。
皆さま、どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。