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陽だまりはポカポカとしていたものの、次第に寒風が吹きつけ、午後2時近くには白い小さな雪玉がポロポロと転がり出した高尾山。 積もる程ではありませんでしたが、ひと時は目の前いっぱいに、はらはらと舞い出して、やっと雪らしい雪となりました。 そんな中、楓(フウ)の木の梢に、しっかりと抱きついていたのは、10月にもご紹介した、あの「スカシダワラ」。
<2019-01-26 高尾山>

クスサン(楠蚕)の繭です。 それにしても、どうしてこんな風に透け透けの繭にしたのでしょう? 周りの葉っぱも落ちてしまって、これでは流石に寒そうです。 尤も蝶の蛹などは繭に入っていないのですから、それよりはマシですかね。 全体を万遍なく覆い尽くすより、テグスに使われるほど強い糸を更に太くすることで、強度を増したのかもしれません。 薄い和紙の部屋より、頑丈な骨組みを選んだのかな?
カマキリの卵塊は、シジュウカラに食べられてしまう様子を見ましたが、スカシダワラが食い破られているのは、未だ見たことがありません。 強風で枝からもぎ取られて地面を転がっていることもありますが、案外踏まれても大丈夫なのかも・・・? 潰れるのが怖くて踏んでみる勇気は、ないのですが。

中では巨神兵が眠っているような・・・? ドクンと動いてギョロリとこちらを見たらどうしよう!

新宿にこんな姿のビルが建ってますよね。 あれを見ると、このスカシダワラを思い出します。 調べたら「コクーン・タワー」と言うのだそうで、正にスカシダワラに着想を得たものと思われます。 あの繭の塔の中から、面白い才能が羽ばたいていくのが楽しみです。
「コクーン・タワー」(丹下都市建築設計)
https://www.tangeweb.com/project/modegakuen/