2019年03月31日

アマナ/甘菜



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 日本在来種のチューリップの仲間で、球根(鱗茎)に甘みがあり食用となりますが、今はそんな贅沢が許される程の群生は、東京では滅多に見られません。 

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アマナ/甘菜 ユリ科アマナ属(APGIIIではまたチューリップ属に?)

P3310724アマナ (440x660).jpg
横から見た姿は、正にミニ・チューリップのようです。
花の下の2枚の小さな葉は、苞葉で下に細長い葉があります。
花の右上を横切っているのがその細長い葉です。
(園芸種のチューリップでも、よく観察すればこの苞葉が見られるものもあります。)

P3310726アマナ (440x660).jpg
ジャノヒゲの葉の中から生えていたので、葉の様子が撮れておらず残念。

P3310727アマナ (440x660).jpg
花被片の外側には赤紫色の条があります。

P3310730アマナ (440x660).jpg
花の中の構造もチューリップそっくりです。
posted by 山桜 at 23:12| Comment(6) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シハイスミレ/紫背菫?



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 雨上がりの足元にピンク色の小さなスミレが見えて、最初は「ヒナスミレ?」と思いましたが、近づいてよく見ると花の形も葉の形も全然違いました。 葉裏が紫でこのようなピンク色の花、丸い花びら、横長の顔、シハイスミレだと思うのですが、手元の図鑑とは距の形が違うのが?です。 

<2019-03-31 >
P3310783シハイスミレ (440x660).jpg
シハイスミレ/紫背菫?

P3310784シハイスミレ (440x660).jpg

P3310671シハイスミレ (440x660).jpg

P3310669シハイスミレ (207x310).jpg P3310665シハイスミレ (207x310).jpg
横顔、萼片も紅色です。  葉裏の写真も撮っておいたのですが、見事にピンボケでした・・・。
posted by 山桜 at 21:38| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月26日

ソメイヨシノ開花



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 3月26日、狭山公園でもやっとソメイヨシノが咲き出しました。 多摩湖へ向う自転車道沿いでは既に開花が進んでいましたが、やはり湖畔はなかなか咲かずやきもきしていましたが、一株5輪以上咲いていたので、無事開花宣言出来ました。
<2019-03-26 狭山公園>
P3260499ソメイヨシノ (440x293).jpg
ソメイヨシノ/染井吉野
エドヒガン X オオシマザクラ

P3260509ソメイヨシノ (440x293).jpg
まだまだ固い蕾

P3260502ソメイヨシノ (440x293).jpg
少し膨らんだ蕾 花柄・萼筒・萼に、エドヒガンから受け継いだ微毛が生えているのが特徴の一つ。

P3260501ソメイヨシノ (440x293).jpg
咲きかけの蕾

しかし、このソメイヨシノが咲く頃になると毎年「花冷え」もやって来て、霙が降ったり冷たい風が吹いたりして今年もお花見泣かせです。
posted by 山桜 at 23:55| Comment(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月25日

イチリンソウ開花



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 今年は家の庭の子たちは開花お休みのようなので、近くの毎年楽しみにしている場所の様子を見に出掛けたら・・・何だか様子が変わっていて、植え替えられたというか集められたというか、人の手が入ったようですが、元気に咲いていてくれました。 知らずに踏まれなくなって良かったかもしれません。
<2019-03-24 狭山丘陵>
P3240495イチリンソウ (440x660).jpg
イチリンソウ/一輪草 キンポウゲ科 イチリンソウ属

P3240497イチリンソウ (440x660).jpg

P3240496イチリンソウ (440x660).jpg
花びら(萼片)の裏側がほんのりピンク色なのがまた可愛らしい

P3240498イチリンソウ (440x660).jpg
開きかけも初々しくて、時間を忘れて魅入ってしまいました。
posted by 山桜 at 00:36| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月24日

陽光 と 神代曙



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 サクラ追いはまだまだ続きますが、どんどん咲いてしまって更新が追い付きませ〜ん💦

 こちらは、寒緋桜の遺伝子の赤みとソメイヨシノ系の花の大きさを受け継いだ
<2019-03-24 狭山丘陵>
P3240438サクラ 陽光 (440x293).jpg
ヨウコウ/陽光
 カンヒザクラ X アマギヨシノ(ソメイヨシノ系の一品種)1981年登録品種

P3240467サクラ 陽光 (440x660).jpg

 ソメイヨシノの儚さが無く、花びら厚めでがっちりした大きな花。 咲き進むにつれ、花びらに赤い条が目立つようになる。


 こちらは近年売出し中、ソメイヨシノが次々と侵されている天狗巣病に負けない後継種として植え替えが進んでいる
P3240465サクラ 神代曙 (440x660).jpg
ジンダイアケボノ/神代曙
ソメイヨシノ X 日本産桜の? in U.S.A

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posted by 山桜 at 23:40| Comment(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月23日

タチツボスミレ



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 コスミレを追いかけている内に、タチツボスミレも開花していました。 関東地方で一番ふつうに見られ、株を埋め尽くすように花をつける姿は圧倒的存在感です。

 アスファルトの隙間のような所は地温が高く湿度も保たれるのか、蟻に運ばれた種の発芽率が良いようで、スミレ類が良く生えています。
<2019-03-23 狭山丘陵>
P3240481タチツボスミレ (440x293).jpg
タチツボスミレ/立坪菫

森の中では未だ小さな株に数輪の花が咲き始めたばかり
P3240468タチツボスミレ (440x660).jpg

P3240483タチツボスミレ (440x660).jpg

P3240471タチツボスミレ (207x310).jpg 距は細長く、やや上を向くものもあります。






P3240482タチツボスミレ (440x660).jpg
一番上のスミレが咲いていた環境は、このような道路のキワです。
posted by 山桜 at 21:01| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月22日

コスミレ/小菫



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 狭山丘陵のスミレ2番手は、アオイスミレに続いてコスミレですが、このスミレも暖かい陽だまりの建物の傍やアスファルトの隙間等では、時を待たずに早くから咲き始めます。 既にブログにも載せたかと思いますが、今年は1月4日に我が家の鉢の中で満開になっていました。 花色は本来の開花季節の色より薄めです。

<2019-01-04>
P1048996コスミレ (440x293).jpg

P1049000コスミレ (440x293).jpg

 コスミレといっても、基本種のスミレ(マンジュリカ Viola mandshurica)より大型になることが多いのですが、このような栄養・水分的にはあまり豊かでない環境では、小型化しています。  花色も薄い傾向にある気がします。
<2019-03-14>
P3140305コスミレ (440x293).jpg
P3140307コスミレ (440x660).jpg
コスミレ/小菫 スミレ科 Viola japonica

 学名に japonica が付いていて、尚更愛おしく感じます。

 4日後の森の中、落ち葉の中から咲き出したコスミレ
P3180391コスミレ (440x293).jpg
 まだ葉が展開して咲き始めたばかりですが、ふっくらのびのびしている印象で、花色も葉色も濃く健康そうです。 こういう個体では、葉裏が紫色を帯びているものが多いです。

P3180389コスミレ (207x310).jpg P3180390コスミレ (207x310).jpg
 コスミレは、割に色々な環境に適応できる種のようですが、本来はやはり明るい森の湿度が保たれているような場所が好みのように思えます。 私が観察してきた範囲では、石垣やアスファルトの隙間にしても、斜面の下の方や適度な水分が流れ込んでいる場所に多く生えていました。
posted by 山桜 at 10:57| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月20日

タカオスミレ/高尾菫



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 今年は、これまで見たことの無い、タカオスミレの大群落に出会いました。 嬉しいことにこのところ、年々あちこちで数が増えているようです。

<2019-03-19 日影沢>
P3190417タカオスミレ (440x660).jpg
タカオスミレ/高尾菫 スミレ科
Viola yezoensis var. yezonensisi f. discolor
ヒカゲスミレの中で葉の表が暗赤褐色のもの

P3190412タカオスミレ (440x660).jpg
光の加減か、こちらの個体の花色は黄色味があり、クリーム色に見えます。

P3190432タカオスミレ (207x310).jpg P3190433タカオスミレ (207x310).jpg
紫条にも赤みがあります。

この日はハイキングの本番で、お客様をお連れしていたので、ササッと数枚撮っただけで、大群落の全体を撮りそこねました。 ただ、少し離れると葉っぱが赤茶色なので土の色と同化して目立たなくなってしまいます。 時間があってもうまく撮れたかどうか・・・。 
posted by 山桜 at 22:34| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テレビ新旧交代

 テレビが不調になったのは、いつだったろう? 台風だったか強い風が吹き荒れた後、突然、アンテナの受信状況が悪いというようなメッセージが出て映らなくなった。 この症状は以前にも何度かあり、アンテナのプラグを抜き差ししたり、電源をOFF/ONしたり、B-CASカードを抜き差ししたりで何とか直ってきたので、その内復帰するだろうと思っていた。 

 映ったり映らなかったりしつつ、段々とそれらの処置を繰り返しても映らなくなり、強く見たいという番組も無いので放置している内に、テレビのことを忘れていく自分が居た。

 ところが大阪で大きな地震があった時、ケロについて親戚中から安否の問い合わせあり、何も知らずにいた私は流石にこれはマズイと思い修理を頼もうと思い立ったが、そんな時に限ってまた気まぐれにチョコチョコ映りだすのだから、悩ましい。

 お盆に帰省したケロに遂にネット通信が不自由なガラケーからスマホに買い替えて貰い、情報収集が出来るようになったので、またしてもテレビから遠ざかり、あっという間の師走。 帰省する前に必ず直して置くようにとケロから厳命が下り、地元の電気屋さんに修理をお願いすると、何ともあっけなく格安に直って拍子抜け・・・喜んでいたらまたダメになり晦日近くに再修理。 何とか年末年始は映ってくれたものの、ほどなく不調に戻り、再度修理を依頼するのも躊躇われてそのままに。

 「無用なストレスは排除!」
とばかり、三回忌に帰って来たケロが新しいテレビを選びに同行してくれ、帰宅するとなんとテレビがまたケロリと映るではないか・・・。 捨てられたくなくて頑張っているのかと思うと、2007年にこのテレビを買って大画面を喜び、最後の入院の日まで毎日家で楽しんでいた主人がのり移ったようで泣けて来た。
 
 「ありがとう、ありがとう、よ〜く頑張ってくれてるね」
撫でて労い最後の頑張りを共に数日過ごしていたが、何と新しいテレビが来る日の朝、忽然と映らなくなった。

 私が古いテレビとの別れを後悔したり哀しんだりしないように、そっと役目を終えて新しいテレビにバトンタッチしたかのような潔さ。 物にも魂がある、感謝を籠め、そっと手を合せて見送った。  
posted by 山桜 at 21:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月19日

アオイスミレ/葵菫



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 しばしば狂い咲きをするタチツボスミレスミレを除き、スミレの中で一番早く3月の初めに咲き出すのが、アオイスミレです。 全体に白い産毛をまとっていて、蕾はコロンとまるっぽくて、まるで帽子を被った赤ちゃんのように思えます。

<2019-03-12 日影沢>
P3120237アオイスミレ (440x660).jpg

<2019-03-01 蛇滝口>
P3010046アオイスミレ (440x660).jpg

<2019-03-19 日影沢>
P3190425アオイスミレ (440x293).jpg
アオイスミレ/葵菫 スミレ科 Viola hondensis

上弁は真っ直ぐ立ち上がり、側弁はそっと顔を隠すように前に出て、距もスクッと立ち上がります。

P3120319アオイスミレ (207x310).jpg P3180384アオイスミレ (207x310).jpg

P3180429アオイスミレ (207x310).jpg P3080165アオイスミレ (207x310).jpg

P3180387アオイスミレ (207x310).jpg P3180386アオイスミレ (207x310).jpg
 スミレハンドブックの著者・山田隆彦先生に教えて頂いたのは、展開前の葉が巻物のように左右くるくるっと上から下まで同じ太さで巻かれている姿です。 必ずこうなっているとは言えませんけれど、数を見て見慣れてくると、成程と納得できます。

 花が咲いている時期は見間違えることはありませんが、花後の葉はマルバスミレとどちらか未だに迷います。 ランナーが出ていればアオイスミレ、丸い果実が葉の下にあればアオイスミレと分かるのですが、それらも見当たらないと迷宮に入ってしまうことも・・・。 まだまだ見る数も修行も足りないです。
posted by 山桜 at 23:56| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

♪ミュージックの日



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P3190424 (440x293).jpg
アオイスミレ/葵菫

 今日、3月19日が「ミュージックの日」だと、今朝知りました。 音楽を聴くのも演奏するのも好きだったKさんが旅立ってから丸2年、三回忌の朝です。 

 春風に吹かれ、大好きなボブ・ディランを口ずさみながら、散歩に出かけるように旅立っていったKさんに相応しい記念日、嬉しくて山へ向かう足取りも軽くなりました。

 春霞のなか、真っ白な富士山も姿を見せてくれ、葵スミレ、高尾スミレの大群落にも出会え、佳き日となりました。

 三回忌の法要は鎌倉とんぼさんが設計してくださった美しい五輪塔の開眼と共に、お蔭様で16日に無事営むことが出来ました。 いつも見守っていてくれるKさんに余り心配かけないように、毎日を大切に前向きに生きていこうと思います。
ラベル:アオイスミレ
posted by 山桜 at 23:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月18日

オカメ(ザクラ)



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<2019-03-18 狭山丘陵>
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オカメ Prunus incamp cv. Okame 
 寒緋桜 X マメザクラ(フジザクラ)

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 花色の赤みと早咲きは寒緋桜の性質、樹高も含め全体に小型で花弁は開き萼筒の付根がぷっくり膨れている所はマメザクラの性質を引いているようです。 日本人好みの愛らしい花形と小柄な樹形で庭木として人気ものですが、英国で作出された園芸種です。
posted by 山桜 at 22:44| Comment(2) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

修善寺カンザクラ と 河津ザクラ



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<2019-03-18>
 早咲きの桜には、カンヒザクラ/寒緋桜 の遺伝子が受け継がれていますが、こちらのシュゼンジカンザクラの交配親は、寒緋桜と山桜の交配種である カンザクラ/寒桜 です。 その所為か、花色は河津桜より少し薄めですね。 この日は既に葉桜になりかけていました。 河津桜より開花は遅いのに、開花期は河津桜より短めのようです。

P3180375修善寺カンザクラ (440x293).jpg
シュゼンジカンザクラ/修善寺寒桜
カンザクラ(カンヒザクラXヤマザクラ)X オオシマザクラ

P3180377修善寺カンザクラ (440x293).jpg
少し花色の濃い山桜の花に大島桜の葉っぱのような感じで河津桜より野趣が残っているような。

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萼片の下部はすんなりとして鋸歯もない。 苞葉(花の束を包む葉)の鋸歯(切れ込み)は細かくごく浅く0.5oほど。
見えづらいですね、後でクローズアップを載せてみます。



 最近あちこちで沢山植えられるようになった河津ザクラは、開花が早く花期が長い(一カ月弱程)ので、春を呼ぶ華やかな花として大人気なのですね。 ふんわり丸い花びらも優雅な雰囲気です。

P3180382カワヅザクラ (440x293).jpg
カワヅザクラ/河津桜
カンヒザクラ X オオシマザクラ(自然交配種)

花びらは丸く大きいので、隙間なく豪華に咲き揃います。

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花期が長いので、もう終わりかけた枝もあれば・・・
P3180383カワヅザクラ (440x660).jpg
まだ蕾も残っていました。

似ている修善寺桜と比べると、萼片の下部が角ばり少し鋸歯がある。 苞葉の鋸歯は粗く、深さはやや深く1mmほど。
こちらも後でクローズアップを載せてみます。
posted by 山桜 at 22:23| Comment(4) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カンヒザクラ/寒緋桜



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 足元のスミレを追いかけている内に、サクラもどんどん咲き進んでいて、日々開花状況と追い駆けっこです。

<2019-03-18 狭山丘陵>
P3180373カンヒザクラ (440x660).jpg
カンヒザクラ/寒緋桜 バラ科サクラ属 
Cerasus campanulata (Maxim.)
若しくは Prunus campanulata (Maxim.)

 日本では沖縄、世界では台湾、中国南部、東南アジアに自生の野生桜です。 真っ赤な花色、開ききらない莟んだ姿で、余り桜らしくない雰囲気ですが、近年人気の色々な早咲き種の交配親となっています。 河津桜、オカメ桜、陽光など、早咲きの所、花色の赤みの強い所が親譲りの性質です。

P3180372カンヒザクラ (440x660).jpg

P3180363カンヒザクラ 正福寺 (440x293).jpg

P3180374カンヒザクラ (207x310).jpg P3180366カンヒザクラ (207x310).jpg
 普通は左のように花弁まで赤みが強いのですが、右のお寺の境内に植えられていたものは、花弁の色が薄くて少しふんわりとしていました。 他の桜と自然にか園芸的にか交配したものかもしれません。

<2014-03-30>
DVC00947カンヒザクラ (440x330).jpg
大分古い写真を引っ張り出しました。 こちらでは風に吹かれたか、結構開いて所謂桜っぽい風情に咲いていました。 挿し木や取り木で殖やしたのではなく、実生の野生種の場合、よく見ると少しずつ性質が異なっていて面白いものです。
posted by 山桜 at 22:03| Comment(2) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月12日

ハナネコノメ 蕾〜開花



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この冬は雪も殆ど降らず、全体的に暖冬でしたので春の訪れが早いかと思いきや、昨年のように例年より2週間程開花が早いということもなく、急いで出かけて拍子抜けでした。

<2019-03-01 蛇滝>
P3010059ハナネコノメ (207x310).jpg P3010050ハナネコノメ (207x310).jpg
まだまだ固い蕾ばかり

<2019-03-08 蛇滝>
P3080167ハナネコノメ (440x660).jpg
一週間後でも未だ咲かないかなぁ・・・と諦めかけた時、

P3080173ハナネコノメ (440x660).jpg
地面を舐めるように見ながら移動し、誰もそこにあると気づかず通り過ぎてゆくような場所で、やっと一茎花開いていているのを見つけました! 未だ谷に日が差しこむ前でしたが、お日様を浴びれば次々と咲き進むことでしょう。

 翌3月9日には「春一番」が吹き、気温も上昇、4日後に訪れてみると、白い花びら(萼裂弁)に赤い雄しべの葯が愛らしい小さな花たちが満開でした。

<2019-03-12 日影沢>
P3120269ハナネコノメ (440x660).jpg
ハナネコノメ/花猫の目 ユキノシタ科ネコノメソウ属
 
P3120324ハナネコノメ (440x660).jpg
 ちょこっと、拡大してみました。 本当の花径は8mm程

P3120323ハナネコノメ (440x660).jpg
 赤い葯の中から黄色い花粉が出て来ていました。
P3120266ハナネコノメ (440x660).jpg
 花粉を放出して葯(花粉の入った袋)も落ちだす頃、子房が段々膨らみ2本の雌しべの先が開いてきます。
P3120267ハナネコノメ (440x660).jpg
 やがてこの子房が熟して2つに割れると、「猫の目」らしい状態になりますので、お楽しみに。 


 さて、こちらは、在りし日の2016年の日影沢ハナネコノメ大群落です。 あの崖崩れで見る影もなく無くなってしまいましたが、また少しずつ回復したり、別の場所で盛り返したりしてくれるのを大切に見守りたいです。

<2016-03-08 日影沢>
P3080297ハナネコノメ (440x293).jpg
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2019年03月04日

「かわいそう」「ごめんなさい」と言わないで



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「味覚が鈍くなってしまって、可哀想」
「好きなものも食べられなくなってしまって、可哀想」
「すっかり痩せてしまって可哀想」 

 2年前の日々、知らず知らず主人に「可哀想」を繰り返していた私に、ケロから、

「もう可哀想って言わないで」
「可哀想って言われる方が可哀想だよ」
「可哀想な人生なんかじゃない!」

 と言われて、ハッとしました。

 辛く苦しい症状で横たわっている人が、悲しそうな顔で覗きこまれ「可哀想に」と言われたら、どんな気持ちになるか・・・。 本当に娘に言われるまで気付かないなんて、馬鹿な私は考えなしでした。 

 それなのに、今度は旅立ってしまった後、何につけても、

「もっと早く気付いてあげられなくて、ごめんなさい」
「自分が先に入院なんてしてしまったから、ごめんなさい」
「もっともっと優しくできなくて、ごめんなさい」
「あれもこれもしてあげられなくて、ごめんなさい」

 そんな風に「ごめんなさい」を繰り返しては泣いてばかり・・・。

 これには、流石に自分ながらいけないと気づきました。
 家族を残して旅立った人が、一番「ごめん」と思っているでしょうに、反対に謝って泣かれたら、どんな気持ちになるでしょう。 それこそまた「可哀想に」と言っているのと同じです。

 可哀想な人生などではなく、沢山の仕事をして後を継ぐ人も育て、私や娘を沢山笑わせて幸せにしてくれた人生。 人懐っこい笑顔と笑い声を沢山残していってくれた人生。 今、私がこうして生きていられるのも、みんな貴方のお蔭です「ありがとう」と、言えるようになりました。

 一人で決められない時、問いかければ、Kさんの声が聞こえて来て助けてくれます。 Kさんなら、きっとこう答える、こんな風に考える、そう心に浮かぶのは、それだけの長い年月共に暮らして来たからこそで、それこそがKさんが存在していた、いえ、存在し続けている証しです。

「いつも一緒にいてくれて、ありがとう」
「ありがとう、これからもよろしくね」
 
ラベル:Kさん
posted by 山桜 at 20:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

高尾駒木野庭園



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 高尾駅から歩いての裏高尾ハイキングの下見の途中、高尾駒木野庭園に寄り道。 ずっと気になりつつも、いつもバスで通り過ぎてしまっていたので、この機会に合間をぬっての駆け足でしたが見学が叶いました。
 
<2019-03-01>
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川の流れにも春の気配      ネコヤナギの芽も膨らんで

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上椚田橋の手前を右に小仏川沿いを歩くと、先程の合流先の川は滔々とした水の流れがあったのに、小仏川は底が見えてカラカラ。 あれだけの雨が降っても、まだ高尾の森は水を蓄えていて小仏川に流れ出るに至っていないとは、流石緑のダムです。

 朝方まで降り続いた雨露を帯びて植物たちも嬉しそう。 いろいろな梅の花が満開で馥郁とした香り漂う・・・
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P3010022ウメ (440x293).jpg

P3010005高尾駒木野庭園 (210x140).jpg P3010019マンサク (207x310).jpg
品のいい駒木野庭園門を入るとマンサクの花が出迎え


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手入れのいい庭園

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樹木も綺麗に剪定されて

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石庭も美しい

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邸内では雛人形の展示がされていましたが、上がって見学する時間はなく残念

P3010012高尾駒木野庭園 (207x310).jpg P3010013高尾駒木野庭園 (207x310).jpg
石臼も再利用された中庭の敷き石 

P3010014高尾駒木野庭園 (210x140).jpg P3010015高尾駒木野庭園 (207x310).jpg
見事な盆栽・・・ゆっくり拝見したかった

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まだ春も浅いのに、夏の夕涼みも良いだろうなぁ・・・と思わせる軒下の風情。 睡蓮鉢の上の銅製のジョウロ、素敵ですね。 段々緑青が吹くのでしょうか? 匠の技、いいなぁ・・・とても手が出ないお値段でしょうけれど。
posted by 山桜 at 23:03| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ツチグリ ワラワラ大発生!



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3月に入ったら恵みの雨が降って、土の中からツチグリの子たちがワラワラと湧き上がって来ました。 随分高尾山を歩き回っていますが、こんなにツチグリが大発生しているのは初めて見ました。

胞子が活動しやすい水分のある時に土の中から姿を現して、生き物のように動き始めます。

<2019-03-01>
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斜面の表面が崩れかかったような場所に、ツチグリの丸い幼菌が次々と顔を出して・・・既に外皮が開きかけたものも見えます。

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土の中の丸い幼菌をちょっと摘まみ出していました。 
左が上部でやがて割れ開く方、右が下部で髭根状の菌糸束

この状態の時、収穫して塩茹ですると食べられるのだそうですが、日本では殆ど利用されず、東南アジアでは珍重されて缶詰が高値(現在日本では1,600円程で購入可能とか)で売られているそうです。 しかし、同じ仲間のニセショウロの仲間には軽い毒がありますので、きちんと区別できる方以外は口にされないように願います。

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ミカンの皮のように外皮が裂けて袋状の内皮が現れます。内皮の中央には穴(項孔)があり、水滴や他の刺激で圧がかかると胞子を放出します。

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生物のように、土の中からむっくりと這い出して・・・
ほぼ水平に開ききった処で止まるものもあれば、
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ツチグリ(イグチ目ディプロシスジチア科ツチグリ属)

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更にムクムクと外皮を下方に開き、土から全体を持ち上げて、
イザ、発進!

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斜面をコロコロと転がって場所を移動する強者もあります。
出来るだけ他と離れた場所に胞子を放出したいのでしょう。

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上手く落ち着けるものもあれば、こんな風に途中で引っかかって止まるものもあり。 右の個体は、私が観察の為に、ひっくり返して下側を見せたもの。 先程摘み上げた幼菌もこちらも、そっと元通りに戻して来ました。

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バタバタせずに、生まれた場所でのんびり過ごすツチグリたち。
「慌てない慌てない」そんな風に話しているみたい。

それでもまた乾いた日が続けば、そんなことは言ってられなくなり・・・
<2017-12-27>
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開いていた外皮をまたクルクルと閉じて丸まり、コロコロ転がって、より水気のある場所へと移動します。

外皮の内側のひび割れた白い部分(薄膜質)が水を吸って開き、渇くと閉じるという働きを担っているのだそうです。
 
<2018-06-08>
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何度も開閉を繰り返し、すっかり白い部分(薄膜層)がくたびれて取れてしまうと、このツチグリの旅も終わりに近づきます。 この個体はもう内皮の中の胞子も空っぽのようですね。 長い放浪流転の旅、お疲れ様でした。

因みに姿が良く似ている、ヒメツチグリ属のヒメツチグリやフクロツチガキなどとは、目レベルで異なる種であり、白いひび割れ部分を持たないヒメツチグリ属は、外皮は開きっぱなしで閉じて移動する機能はありません。

<2015-10-22>
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フクロツチガキ(ヒメツチグリ目ヒメツチグリ科ヒメツチグリ属)

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エリマキツチグリ(ヒメツチグリ目ヒメツチグリ科ヒメツチグリ属)
posted by 山桜 at 17:24| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする