2019年04月30日
トリガタハンショウヅル
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六甲山で葉陰に緑がかった白い薄紙で出来たような花がぶら下がっているのを幾つも見かけ、白い花なので「鳥形ハンショウヅルかな?」と思いつつ、図鑑の写真で見ていた「ハンショウヅルの白花」という雰囲気とは随分イメージが違っていたので、関西ですし、「若しかして、これが白花ハンショウヅル?」と名前を付けて先日はアップしてしまいました。
ところが再確認すると、「白花ハンショウヅルの花はお椀型、花柄も葉柄も長い」という特徴に合致していません。
一方、「鳥形ハンショウヅルの花(花びら状の部分は萼片)は、萼片の質が薄く先は広く丸い。花柄は葉より短い」とあって、写真では固く厚く見えた花弁の質が実は薄いことが分かりました。
よって、先の六甲山のレポの中の写真も「トリガタハンショウヅル」に訂正し、改めてこちらで紹介します。 木陰の葉裏の花ですので、ちょっと暗めです。
<2019-04-28 六甲山>
トリガタハンショウヅル/鳥形半鐘蔓 キンポウゲ科センニンソウ属
Clematis tosaensis
「どこが鳥形なのだろう?」と私も不思議に思いましたが、「高知県の鳥形山で最初に採集されたことによる」のだそうで、それが学名に反映されています。
こちらは、普通のハンショウヅルです。 外側が淡紅紫色で肉厚の花びら(萼片)です。
ハンショウヅル/半鐘蔓 キンポウゲ科センニンソウ属
Clematis japonica
最近は、「半鐘」と言っても火の見櫓も減り、何を指すのか分からない方も増えて来ましたが、高めの音が出る小さいの鐘のことです。 火災発生時はサイレンの音に掻き消されて気付きにくいこともありますが、鎮火の後の「カン・カンカン」という去りゆく消防隊が鳴らす、物寂しくまたどこかホッとする感じの半鐘の音は耳にされることもあると思います。
2019年04月29日
大鳴門橋遠望〜ポニョが走る海
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神話の聖地、伊弉諾神宮、おのころ島神社を後にして・・・
青緑に広がるキャベツ畑の道を抜け、淡路島南の鳴門海峡を間近に臨む「うずの丘」に到着。
お目当ては、↓こちら 2013年ご当地バーガー・グランプリ1位!
淡路島 オニオン・ビーフ・ハンバーガー
すみません💦美味しそうに撮れなかったので、こちらのサイトで美味しさをご想像ください。
淡路島バーガー
オニオンが先に付く通り、厚切りの玉ねぎカツ・玉ねぎチップ・玉ねぎフォンダン(くたくた煮)が主役。 甘辛いビーフとトマトソースが玉ねぎの味を引き立てています。 その上、オニオンリングのサイドメニューまで頼んでしまったので、もう食べても食べてもまた甘くておいしい、玉ねぎ〜玉ねぎ〜の玉ねぎ三昧でした。
お腹いっぱいになって外に出ると、
大鳴門橋、そしてその向こうは憧れの四国ですね〜
大鳴門橋の両側の海には、渦潮が見えるような・・・
次にケロの所に来られたら、橋を渡ってあの未踏の四国へ連れて行ってくれるかな?
青い海に浮かぶ小島
サクラマス幟
ケロは、
「こわ〜っ、身が削がれたサーモン?」
などと言ってましたが、これはサクラマス(ヤマメは同種の陸封型)の婚姻色ではなかろうかと。 確か婚姻色が桜色になるのでサクラマスと呼ばれているのでは? でも、こんなに真っ赤だったかなぁ?? 後で確かめますね〜
<追記> サクラマスの婚姻色を確かめると、桜色にはなりますが、このように真っ赤ではなくヤマメの桜色の部分が濃くなった位の色合いでした。 それでこの「のぼり」を拡大してよ〜くみると、真ん中にうっすら白っぽい筋が透けて見えるようで、やはり目の良いケロが言うとおり、皮を剥がれたか三枚おろしにされた姿の様です 幾ら身の色が綺麗だからと言って、そのような姿で風に吹かれているなんて、あんまりな気がします。
同じ道を戻るのも詰まらないので、西海岸沿いの道を帰ります。
「あれっ、またキャベツ畑!?」
と思う程、キャベツにそっくりな色の海原が目線よりも上に見えて、「崖の上のポニョ」でポニョが荒れる海の波の上を走るシーンを思い出してしまいました。
余りにも海が迫ってきて落ち着かないので、車を止めて一休み。 こうして眺めれば、何という事も無い穏やかな海でした。 この辺りで出土したアンモナイトのモニュメント。
私がなんのかんのと騒いで煩かったか、そろそろ運転に疲れたのか、ここから高速に乗って帰路へ。
最初に渡った明石海峡大橋を再び渡って戻ると、六甲山系の山並みが見えて来ました。
ロープウェイが見えるので、あれは摩耶山かな? 山崩れが見えるのは長峰山かな? 目に留まる、気になるというのはご縁があるということですね。(つづく)
シロバナウンゼンツツジ/白花雲仙躑躅
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六甲山で出会えた小さな白い花「シロバナウンゼンツツジ」 花も葉も小さいながら、他にない特別な雰囲気を感じるツツジです。 今年探しあぐねて、たった一輪の落花を見ただけのシロヤシオツツジの真っ白さとは異なる、ほのかに紅色を感じるような温かみのある色合いでした。
<2019-04-28 六甲山 魚屋道>
シロバナウンゼンツツジ/白花雲仙躑躅
ふつうのウンゼンツツジはツツジ属最小(葉身0.5-1.0cm)の葉を付け、裏主脈に平たい剛毛がある。花は淡紅紫色。
瀬戸内海沿岸地方に分布する白花ウンゼンツツジの葉は、一回り大きく、表面と縁に茶色の伏毛がある。
花径は1.0cm程で、上部に赤紫色の蜜標(斑点)、5本の雄しべは花弁より長く、雌しべは雄しべより長い。
ウンゼンツツジの三大自生地は、伊豆半島、紀伊半島南部、六甲山だが、六甲山や瀬戸内海沿岸部のものだけ白花をつける。
雲仙ツツジと聞けば、九州の雲仙岳で発見されたものかと思ってしまいますが、
・雲仙岳には、この種は自生しておらず、名前の由来がはっきりしない。
・古くは「コメツツジ」と呼ばれていた。 今でも和歌山県龍神村ではコメツツジと呼ぶ。
一方、標準和名が「コメツツジ」の別種も存在するので、紛らわしい。
・雲仙地方には、古くから「ウンゼンツツジ」と呼ばれていたツツジがあるが、牧野博士がその種の標準和名を「ミヤマキリシマ」と定めたことで、今もややこしいことに「ミヤマキリシマ(ウンゼンツツジ)」と表記されている。
六甲山でも中腹以上に分布(今は200m代の標高にも分布が下がった)とされているのを見れば、「仙人が住む雲上に咲くツツジ」程の意味かも知れませんが、どこかでいつか名前が取り違えられて伝わってしまったのかもしれませんね。
2019年04月28日
自凝(おのころ)島神社
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毎度のこと電線が邪魔ですが、自凝島神社の遠望です。
見上げる程大きな真っ赤な鳥居は、未だ新しいもののようです。(昭和57年建立とのこと) 伊弉諾神社もそうでしたが、何だか新しくなってしまっていて、以前の姿を知りたく思ってしまいます。
「自凝島神社」は「おのころ島神社」と公式HPでもひらがなで表記されてますが、古事記では漢字の音を借りて「淤能碁呂志摩」の表記、この石柱には「磤馭慮島」と刻されていました。
有名な古事記の国生みの伝えによれば、
「イザナギ・イザナミノミコトの御親神二柱は天の浮橋の上で、共に天の沼矛(あめのぬほこ)を持たれ、まだ混沌とした世界を「こおろこおろ」とかき回し、その矛を持ち上げられると、矛先からぽたりぽたりと滴りおちたものが自ずと凝り固まって島となったという、これが自凝島である。
二神はこの島に降り立たれ、八尋殿(やひろでん)を建て、 先ず淡路島を産まれ、次々と大八洲(おおやしま)を産まれていかれた」とのこと。
実はご一家で御祈祷を受けていらしたので、余り近づかず音も立てずそっとお参りをいたしました。 飽きてしまったのか、女の子が出たり入ったりしていたので、余計に気を散らさないようにと・・・。
古い夫婦松(こえ松)の御神木 境内
鶺鴒(せきれい)石
「伊弉諾命・伊弉册命の二神様は、この石の上につがいの鶺鴒が止まり夫婦の契りを交わしている姿を見て、夫婦の道を開かれ御子様をお生みになられました。」とのこと。
ケロも「新しいご縁を授かりたい時」の手順に法り、良縁を真面目に祈っておりました。
お参りを済ませ、大鳥居に向かって階段を下りながら、
「おのころ島に八尋殿を建て、次に生まれたのが淡路島ということなら、おのころ島と淡路島は別の島のはず。 この神社が建っている地は一体昔はどのような場所だったのだろう?」
という疑問がむくむくと・・・
帰宅して調べると、おのころ島は淡路島の東南に浮かぶ勾玉形をした「沼島(ぬしま)」説が有力で、その南東に立つ「上立神岩」は、その周りを巡りながら国生みをされたという「天の御柱」と伝わるのだそうです。 そして沼島には、「おのころ神社」が祀られています。 またもう一カ所、行かねばならぬ所が増えました。
おのころ島神社HP
おのころ島神社へ
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ちゃんと調べて出掛けていたら、伊弉諾神社に続いて岩上神社にお参りに向かったことでしょうに、残念ながら今回はご縁が無く何も知らず、淡路島のなだらかな山並みに見惚れながらドライブ・・・
<2019-04-27>
途中で一盛り5〜6個もあるようなタケノコが100円でビックリしたり、そこで車を留めずに後悔して、途中の産直野菜のお店を見つけ、大きなタケノコ250円? 見事なワケギ100円? そして瑞々しい新玉ねぎ450円? 確かイチゴも・・・(もう半月以上も経って、安かったという記憶だけで、値段はうろ覚えになってしまいました。 写真も撮って無し。)などを車に詰め込み、また出発!
こんもりした緑の山(墳丘?)と真っ赤な鳥居が見えて来ました。 おのころ島神社に間違いないでしょう。
(つづく)
六甲山〜有馬温泉
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「六甲山」といえば、阪神の応援歌「六甲おろし」ぐらいしか知らなかったのに、いつの間にかKさんの親友、ケロ、そしてハイキングのお客さま・・・と、ご縁が繋がって、この地を訪れている不思議。
「六甲」というからには、6つの甲羅型の山でも連なっているのかと思ったら、武庫という地名があって「武庫の山」と呼ばれていたのが由来らしい。 もう一説は、単なる「向こうの山」という呼び名から発生したものだとか。 つまり、「ろっこうさん」ではなくて「むこうやま」が、元々の名前で、それに「六甲」の漢字をあて、遂には読み方も「ろっこう」となったという訳だ。
4月に登った武蔵御岳山の奥ノ院も「甲羅山」の異名を持ち、ヤマトタケルノミコト(倭建命・日本武尊)が武具を収めたことから「武蔵(むさし)」という名が起こったと伝えられている。 「六甲」と「甲羅」、「武庫」と「武蔵」、ご縁が続くときは、何となく関連づくようなことが次々と目の前に現れるもので興味深い。
さて、前置きが長いのは毎度のこと・・・その「六甲山」に登って来た。
【コース】阪急・芦屋川駅〜大谷茶屋〜風吹岩〜雨ヶ峠〜七曲り〜一軒茶屋〜六甲山最高峰〜住吉(魚屋)道〜有馬温泉
阪急・芦屋川の駅前は、御世代わりGW絡みの10連休で大混雑。 お弁当と飲み物を買えるコンビニが、六甲山とは反対側の出口の方にしかないことを知らずに出遅れたら、長蛇の列で思わぬロスタイムとなった。 しかし、ここで仕入れなければ、その先にお店はなさそうなので、どうにも仕方がない。 次回は前もって準備しておこう。
<2019-04-28>
芦屋川沿いの道 高座川沿いの登山道入口
ウラシマソウ 大谷茶屋近くの滝
ふと振り返ると、海が見えた。 山に登って間近に海を見るのは、鳥海山以来だろうか?
マルバアオダモの繊細な白い花、モチツツジのピンク色が新緑に映える
マルバアオダモ タニウツギ
頭上には ハゼノキ 足元には コシダ
風吹岩 から 瀬戸内海の眺め
餌付けされたのか、人に慣れきったイノシシが出没
六甲山でたくさん見かけた花の一つ
ムベ 常緑のアケビの仲間で、実はアケビのように爆ぜない。 白いブラシのような花は、花柄に葉の無いイヌザクラ
ミツバアケビ/三葉木通 シハイスミレ/紫背菫
ニオイタチツボスミレ/匂立坪菫 ナガバノタチツボスミレ
アカフタチツボスミレ/赤斑立坪菫 くり貫かれた切通しの道
コバノミツバツツジ/小葉の三葉躑躅
コバノミツバツツジ 散り椿 ヤブツバキ
六甲山最高峰931m ツボスミレ・ニョイスミレ/坪菫・如意菫
六甲山最高峰よりの眺め
山頂から海に広がる景色が望めること・・・
なだらかな山並みがどこまでも続いていくのが見渡せること、このような景色を見たのは初めてかもしれない。 奥多摩や関東の山々は高い山が連なるので、なかなかこのようにずっと向こうまで見渡すことはできない。
ムシカリ/虫狩 ニガイチゴ
シロバナウンゼンツツジ/白花雲仙躑躅
シロバナハンショウヅル
有馬温泉側六甲山登山口 有馬稲荷神社
鳥地獄、虫地獄 など、嘗ては温泉の湧き口だったような立札を見て、地元の方?に謂れを伺ったが分からないとのこと。
ウワミズザクラ
先程のイヌザクラと似ているが、こちらは花柄に葉が付いていて、花は小振り。
有馬温泉 うわなり泉源
有馬の温泉街で見かけたレトロな雑貨店 見事な藤の花に覆われていた。
2019年04月27日
伊弉諾神宮(2)境内
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カンサイタンポポ ノジ?/ヒメ?スミレ
ノジスミレかヒメスミレか、葉や距などをきちんと見て来なくてはっきりせず、すみません。
夫婦大楠木
元は別々の2本の木が合体、樹齢約900年ですって。 今なお伸びやかに天に枝を伸ばしています。
お茶室「明日庵」
裏千家「今日庵」と関係があるのかな?と思ったら、第十二代家元 又玅斎(ゆうみょうさい)監修のお茶室で、こちらに寄贈移築されたのだそうです。
雨戸が閉められていて窓などの様子が拝見できず残念でした。
放生の神池に掛かる赤い橋
人影に群がりよる鯉たち 亀と蛙
出店の新名物?
「高くて旨いは当たり前、安くて旨いもんを考えた!」
とのこと。 250円だったかな?
米粉?と玉ねぎと卵と紅生姜で、想像通りの味です^^;
「陽の道しるべ」
伊弉諾神宮を中心として、
・真東に伊勢神宮(内宮)
・冬至の日の出位置に熊野那智大社
・冬至日の入り位置に高千穂天岩戸神社
・真西に對馬海津神社
・夏至の日の入り位置に出雲大社
・真北に出石神社
・夏至の日の出位置に藤原京・諏訪大社
これらが何を意味するのか、壮大な思いが広がります。
伊弉諾神宮 公式HP
伊弉諾神宮(1)鳥居〜本殿
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東京を出る時には、まさか淡路島に渡るとは夢にも思っておらず、漠然といつか必ず行きたいと思いつつ、何の下調べもしていなかったので、淡路SAの観光案内のカウンターで地図を頂き、絶対に欠かせない淡路の國一の宮・伊弉諾(いざなぎ)神社と自凝島(おのころじま)神社を参拝することにしました。
伊弉諾大神の幽宮(かくりのみや)の上に鎮座の神社ということで古色蒼然としたお宮さんを想像していたのですが・・・
真新しく明るい雰囲気の神明鳥居と灯篭群にちょっと拍子抜けしました。 阪神淡路大震災で以前の鳥居・灯篭等は倒壊してしまい、再建されたのではないかと思います。 震災前の鳥居などの様子を知りたいと、ネット検索を掛けてみましたが、見当たりませんでした。 若し次に来られたら、歴史資料館等を見て周ってみたいです。
伊弉諾の命の幽宮のお濠の名残と伝わる「放生の神池」に掛かる太鼓橋を渡り、
手水(ちょうず)舎へ。 龍口から水が湧き出でていることが多いのですが、こちらでは亀さんの口から。 そして「盥漱」の文字が刻まれた石は「船型」に見えます。 「亀と船」海人族の文化でしょうか?
ゆるキャラさん方のお出迎え
囲まれても恥ずかしいので
そっと後ろを失礼しました。
左が「あわ神(じん)」
右が「あわ姫(ひめ」
というお名前の様です。
ご興味がありましたら
下記のサイトへどうぞ
淡路市マスコットキャラクター
あわ神のプロフィール
神門には「一宮皇大神」の文字。 地元では「いっくうさん」と親しまれているそうです。
注連縄から下がる紙垂が、見慣れた雷型のものではなく、大麻(おおぬさ)のように房のようになっていました。
その間に下がっている三つ編みが絡んだようなものは何という名で、どんな意味があるのでしょう?
凛々しく清々しい神職さんと巫女さん方
拝殿は、舞殿も兼ねる入母屋造。
来たる令和の佳き時代と大神さまの弥栄を祈りました。
本殿と祓殿の間に掛かる渡り廊下
(祓殿で身を清めてから本殿に渡る習わし)
本殿は、三間社流造向拝付(桧皮葺きの屋根が前方の幣殿と連結し一屋根に見える)
本殿大床下には、神陵を築いていた数十個の聖なる石が格納されているのだそうです。
今の本殿は、嘗て伊弉諾大神の幽宮・神陵のあった墳丘を明治時代に整地して移築されたもので、以前は禁足地であり、本殿も墳丘前に鎮座していたとのこと。 何故神陵の墳丘を整地してまで移築したのか、その理由はなんなのでしょう?
静かな本殿裏 新緑、木漏れ日、小鳥の声・・・こちらも嘗ては私など足を踏み入れらない禁足の地だったのでしょう。 暫し古に思いを馳せ手を合せる時をお許しください。(つづく)
伊弉諾神宮 公式HP
関西タンポポ と 関東タンポポ
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西洋タンポポと日本在来種のタンポポの見分け方は、在来種の総萼片が下向きに反り返らないことと、ご存知の方も多いと思いますが、今回は、淡路島の伊弉諾神社境内に咲いていた関西タンポポと家の近くに咲いていて関東タンポポの違いを観察してみました。
先ず、カンサイタンポポの第一印象は、「あれ、花が小さい・細っそりしている」でした。 こうして比べてみると、その印象が間違いなかったことが分かります。
以下、全て左側がカンサイタンポポ、右側がカントウタンポポです。
<2019-04-27 淡路島> <2018-04-20 狭山丘陵>
カンサイは舌状花が少なく、花径が小さい(2〜3p)
カントウは舌状花が多く、花径が大きい(3.5〜4p)
総萼片(花の下の緑の部分)の形が、
カンサイは細っそりとしたコップ型、
カントウは丸いお椀型
カンサイの総萼片はすっとしているが、カントウは、総萼片の外片に突起がある(膨れている)
さぁ、それでは、下の写真のタンポポはどちらでしょう?
もう、お分かりですね〜(^0^)!
淡路島へ初渡り
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10連休前の25日はハイキング、26日は出発ギリギリまで報告やら後処理やらを片付けて、殆ど着の身着のまま常時ものザックを背負って新幹線に飛び乗り、ケロの所に遊びに行きました。
金曜の夜は美味しいお店は何処もいっぱいで、ちょっと残念な(笑)居酒屋さんでしたが、ビールで乾杯! しょっぱいだの何だのと文句を言いつつ、そう言い合える相手がいる嬉しさに杯が進みました。 相手が居ればこんなに喋るのだなぁ・・・としみじみ。
翌朝は絶好のドライブ日和、ケロが淡路島へ連れて行ってくれました。 日本中バックパックで歩き回ったのに、淡路島も四国も未踏だったので、初渡りにドキドキ。 初めてっていいものですねぇ
明石海峡大橋、渡りま〜す!
「青い空!」
「光る海!」
「おおっ、向こう岸が見えて来た」
「わぁ、淡路島、大きいね〜!」
青ねぎとオニオンスライス山盛りの「玉ねぎポン酢たこ焼き」@淡路SA です。
淡路島が玉ねぎの産地とは知っていましたが、これからず〜っと新玉ねぎの甘い香りに追いかけられる道中となりました。
(つづく)
2019年04月21日
2019年04月19日
パウロの森・4月の定例作業@
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<2019-04-03 裏高尾・パウロの森>
誘引剤を配合して穴をあけたペットボトルに詰め、スズメバチ・トラップを作成しました。 その誘引剤ですが、純米酒、みりん、砂糖、グレープジュース等々をなみなみと大きなボウルに注いで混ぜていきます。大量の砂糖がなかなか溶けず、ぐるぐるかき混ぜている内にアルコールを大量に吸い込んで、あれれ頭がクラっと・・・そして甘〜い香りの誘惑に、ハチではなく、私の方が負けてしまい、ちょこっと味見をば・・・
「うわ、すご〜く美味しいです♪」
「これ、ハチではなくて熊さんを誘い込みませんか?」
なんて、吸い込むだけでなく飲んでしまってますます危ない? いえいえ、ほんのちょっぴりで山桜的には全く問題なし。
「今まで誰も味見なんてしたことないよ〜」
と言われてしまいました。 自制心が無くてお恥ずかしい(。。;)
その後は、ちゃんと鋸や剪定ばさみを持って、倒木処理や山道の整備に行ってきました。
お昼には美味しい豚汁、食後にコーヒーを頂き(持参した間伐杉材を使ったマグカップが人気を集めてビックリでした)、午後は班に分かれて、各地域の植物調査へ・・・ 芽吹き前の樹木の同定は森林インストラクターの経験がものを言います。 長老のヒントに色々と救われて何とか記録を残すことが出来ました。
殆ど写真は撮れませんでしたけれど、休憩時間等に少しだけ・・・春の森の仲間です。
ノジスミレ ミツバツチグリ
ヤブレガサ シュンラン
コスミレ マルバスミレ
ニオイタチツボスミレ
ニオイタチツボスミレ タチツボスミレ
ラベル:パウロの森
2019年04月15日
ハスを種から育てたい!(1)
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先日は、思いがけず花祭りのお寺で蓮根を分けて頂きましたが、実は今年こそ「タネから蓮を育てたい!」と思い立ち、茶碗蓮(小さい鉢でも育てられる小型の蓮)のタネを入手していたのです。
「種まきはGW頃に気温が20℃以上になってから」と、説明書には書いてありましたが、どうせなら縁起の良い花祭りの日に始めたいと思い、早めの作業開始!
これが蓮のタネです。蓮のタネはとても固いので、そのまま播いても発芽しないとのことで・・・ こちらのポッチが出ている方ではなく、
<2019-04-08>
こちらのおへその窪みがある方を粗目の紙ヤスリ(100番)で、こすり始めました。ナントまぁ固いこと固いこと・・・持っている指の方が凹むほど必死でヤスリを掛けて、やっと固い殻の中の白い部分が出て来ました。 これを水に浸して明るく暖かいお日様の当たる部屋に置いておきました。
<2019-04-14>
7日後、気が付くと開けた穴の中から緑の芽が出て来ていました!
<2019-04-15>
更に翌日、芽が伸びて葉の部分まで見えて来ました。 芽が出てからの成長が早そうで、目が離せなくなりました。 この後どんな成長ぶりを見せてくれるのか毎日楽しみです♪
2019年04月08日
「花祭」甘茶と蓮根
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お釈迦様のお誕生日「灌仏会」の4月8日、久々のオフ日で残り一錠となった花粉症の薬を頂きに病院へ行った帰り道、「花祭り」「甘茶」の文字に誘われて門を潜ると・・・
ご住職が満面の笑みで手招きされ「甘茶」を振る舞ってくださいました。 甘茶を頂いたのは初めてではないと思うのですが、余りにも美味しく優しい甘み(上品ながら甘味はとても強い)で程よい温かさの甘茶は正に「甘露甘露」で五臓六腑に沁み渡り、身体の中から元気が湧いて参りました。
境内にはアマチャの木も植えられていました。
アマチャ/甘茶 アジサイ科(APG分類)
ヤマアジサイの甘味変種とされる。 ガクアジサイには中毒成分があるが、アマチャにはない。 但し、余り濃い甘茶は避けるべき。 生葉に甘みは無いが、下記のように乾燥・発酵させることにより甘味成分を生ずる。
<甘茶の精製法など:養命酒さんのサイトです>
https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crudem/140327/index.html
「天上天下唯我独尊」と発声されながらお釈迦様がお生まれの時、
私が余り何度も美味しい美味しいと感激して言ってしまったので、ご住職はペットボトルにも甘茶を入れて持たせてくださいました。 その上、ふと目に留まった睡蓮鉢にプカプカ浮かぶ蓮根の訳をお尋ねすると、
「植え替えで出た蓮根ですので、よろしかったらお分けしましょうか?」
と、夢のような嬉しいお申し出。 仏縁に感謝申し上げ、元気な芽が出始めた蓮根を2本もありがたく頂戴し、大事に持ち帰りました。 今年は、茶碗蓮の種も入手したばかりで、蓮の船が同時に着いたようです。 上手く咲かせられたら嬉しいことです。
野草の天ぷら
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もう一か月も前の事になってしまいましたが、「春の若菜を食す」という研修のサブ講師を拝命し、先ずは自分でも食してみることにしました。
<2019-04-08>
(上列左から:三つ葉、雪の下、次列左から:タンポポ、クコ、二輪草、タラノメ、カキドオシ、下:蕗の葉)
三つ葉、タラノメ、蕗の葉は言うまでもなく美味しく、雪の下は風味は強くないもののモチっとした食感が面白く、タンポポは春菊に似たほろ苦さと風味で、食べないのは勿体無い程美味しかったです。 カキドオシは、甘い香りがハーブティーには良いのですが、天ぷらではちょっと薬臭い感じがして私は好みではありませんでした。 ニリンソウやクコは、天ぷらにしてしまうと何だか分からなくなって勿体無いので、お浸しや汁の実に向きですね。
【追記】
こちらは、本番で美味しさを教えて頂いた、「山菜」としては扱われない、正に「野草」たちですが、何処にでも生えていて気軽に摘めるのに、山菜に負けない美味しさでした。
<2019-04-21>
ハルジオン/春紫苑、タンポポの花、カラスノエンドウ
特にハルジオンは、暫くは蕾を見るとその美味しさを思い出してしまう程の美味(蕗の薹を優しい甘み、さっくりもっちりの食感にしたような)で、研修会でも一番人気でした。 ワンちゃんの散歩道やアブラムシの付いているものは避けて、綺麗なものを摘んで是非、試してみてください。
良く洗った後、ペーパータオル等できちんと水気を切り、粉を振ってから、天ぷらのとき粉を付けてください。
カラスノエンドウは豆鞘のついたものも美味しいのではないかと、ひそかに狙っております。
2019年04月07日
(赤花)カントウミヤマカタバミ/関東深山片喰
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白いノジスミレをみつけて幸先良い高水山、全部で12種類のスミレに出会えました。 その他にこれまた初めて出会ってビックリの花を紹介します。
最初は『こんなところまでムラサキカタバミが侵入してる?』と思い近づくと、なんとミヤマカタバミそのままで花の色だけがピンク色ではありませんか!
<2019-04-07 高水山>
(赤花)カントウミヤマカタバミ*/関東深山片喰
*シロノジスミレは品種名として存在していますが、こちらは分からないので、この表記としています。
ミヤマカタバミ(葉裏に密毛)の中には赤い条のあるものもあり、またもっと高い山の針葉樹林帯に生えるコミヤマカタバミには、赤い条が入りますが、カントウミヤマカタバミにこんなにはっきりとした赤花が咲くとは知りませんでした。
こちらが普通の花色です。 この白に近いごく淡い黄色がいかにも春らしく、葉の形もお洒落で大好きな花の一つです。
カントウミヤマカタバミ Oxalis griffithii var. Kantoensis
ミヤマカタバミに比べ葉裏の毛が少ない
シロ(バナ)ノジスミレ/白(花)野路菫
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高水山の下見の集合前、時間があったので駅の周りを散策していたら、可愛らしいヒメスミレの中に見慣れない白いスミレが咲いているのをみつけました。 花が白い他は、生えていた場所、葉の特徴、花の特徴など、ノジスミレにソックリですので、白(花)野路菫で間違いないと思います。
<2019-04-07 JR軍畑駅近くの路傍>
シロノジスミレ/白野路菫 別名:白花野路菫
葉は披針形・先尖り、葉柄に僅かに翼あり
葉の表裏にビロード状の白毛 距は細長い
側弁基部は無毛 葉の色はノジスミレより淡い色合い
残念ながら横顔が撮れない開花立地でしたので、近日訪問時に再チャレンジしたいと思います。
2019年04月02日
むさしの自然観察園「一般向け観察会」
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<2019-04-02>
普段は子供向けのイベントが多い「むさしの自然観察園」で、園の植物の手入れをしている理事長と他2名により、15歳以上の「一般向け観察会」を開催しました。 日頃丹精している植物やそこに住む生物で構成される「小さな森」の様子を是非、より多くの地元の方々に楽しんでいただけるようにしたいとの気持ちが発端です。
午前と午後に2班ずつ、木本にまつわるお話、草本にまつわるお話、理事長のサロン・トーク(クスノキが日本を救ったお話や行者ニンニクの醤油漬の試食など)の3科目?でした。
当日は、それぞれが案内役になっていた為に、観察会の様子を写真に収めることは出来ませんでしたが、観察できたもののご紹介をします。(他日の撮影も含まれています)
アブラチャン/油瀝青 ヤマエンゴサク/山延胡索
ニリンソウ/二輪草 ヒトリシズカ/一人静
イチリンソウ/一輪草
ランヨウアオイ/乱葉葵の花
テンダイウヤク/天台烏薬 ムサシアブミ/武蔵鐙
ツノハシバミ/角榛 雌花 と 雄花
トウキョウサンショウウオの卵塊
外花壇の様子 チューリップ、菜の花、オオアラセイトウ等
もっともっとご紹介しきれないくらい見所が盛りだくさんでした。 是非、次の6月の観察会(市報に募集が載ります)もご応募お待ちしております。 そして勿論、普段の開園日も散歩がてらに、通りがかりに、どうぞお気軽にお立ち寄りください。 スタッフが常駐し、皆様のご来園をお待ちしております。
2019年04月01日
新元号は「令和」
自然観察ランキング
菅さんの口元が何やら嬉しさを堪えきれないように、ふっと微笑みかけたのを見て、こちらまで嬉しくなって参りました。
「新しい元号は、令和」
と耳にした時から、頭の中にずっと、エリック・クラプトンの「愛しのレイラ」が流れ続けています 「れいわ」と声に出してみても、やはり「レイラ」と聞こえます。 クラプトン氏もどこかでこのニュースを聞いてビックリしているかもしれません。
(つい先程まで、一度では変換されなかった令和が、今、変換できるようになりました!)
安倍さんの談話も伺いましたし、その後色々な方の解釈も聞きましたが、誰も「令」の意味を説明してくれないので、「字統」を調べてみました。 曰く、
「礼冠を着け、跪いて神意を聞く人の姿」
これは象形文字の解釈ですが、畏れ多くも天皇陛下のお姿にも重なります。 天の声を私たちに伝えて下さる天皇陛下の下で和やかに力を合わせてゆく時代、でしょうか。 「和をもちて貴し」の日本の心ですね。
「令の意、字形のままで命の字にも用いた」
となれば、「令和」は「命和」の意味にもなるということです。
命令と聞くと、何やら無理やり従わされるような感覚を受ける人もいるようですが、人が人に命令するの意ではなく、「天命」が本来の意ではないかと思います。
「天命」を受け、一人ひとりが己の「使命」を果たすべく努力が出来る平和な世の中であって欲しいものです。
「鈴は神を降し、神を送る時の楽器」
神社で鈴を鳴らす意はここにあります。
「令和」と耳にした時に脳裏に音楽が流れ出たのは、鈴の音で清められ和やかな気持ちになることにも通じているようです。
「神意に従うことから令善の義となり、令名・令聞のように用いる。」
「のち敬称として、令閨・令嗣のように用いる」
現代でもよく使われる言葉として、令夫人・令嬢・令息などがあります。
令月には、何を始めるにも良い縁起の良い月という意味、そして陰暦2月の意味があるそうです。 2月といえば、東宮様のお生まれ月でもあり、お誕生日である新暦の2月23日といえば、正に旧暦の2月の初め頃に当たります。
知れば知る程、なかなかに奥深く味わい深い元号で、「れいわ」というの音の響きからしても「麗しき調和」という新しい御代が開かれる鈴の音が聞こえて来るようです。