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六甲山で葉陰に緑がかった白い薄紙で出来たような花がぶら下がっているのを幾つも見かけ、白い花なので「鳥形ハンショウヅルかな?」と思いつつ、図鑑の写真で見ていた「ハンショウヅルの白花」という雰囲気とは随分イメージが違っていたので、関西ですし、「若しかして、これが白花ハンショウヅル?」と名前を付けて先日はアップしてしまいました。
ところが再確認すると、「白花ハンショウヅルの花はお椀型、花柄も葉柄も長い」という特徴に合致していません。
一方、「鳥形ハンショウヅルの花(花びら状の部分は萼片)は、萼片の質が薄く先は広く丸い。花柄は葉より短い」とあって、写真では固く厚く見えた花弁の質が実は薄いことが分かりました。
よって、先の六甲山のレポの中の写真も「トリガタハンショウヅル」に訂正し、改めてこちらで紹介します。 木陰の葉裏の花ですので、ちょっと暗めです。
<2019-04-28 六甲山>




トリガタハンショウヅル/鳥形半鐘蔓 キンポウゲ科センニンソウ属
Clematis tosaensis
「どこが鳥形なのだろう?」と私も不思議に思いましたが、「高知県の鳥形山で最初に採集されたことによる」のだそうで、それが学名に反映されています。
こちらは、普通のハンショウヅルです。 外側が淡紅紫色で肉厚の花びら(萼片)です。


ハンショウヅル/半鐘蔓 キンポウゲ科センニンソウ属
Clematis japonica
最近は、「半鐘」と言っても火の見櫓も減り、何を指すのか分からない方も増えて来ましたが、高めの音が出る小さいの鐘のことです。 火災発生時はサイレンの音に掻き消されて気付きにくいこともありますが、鎮火の後の「カン・カンカン」という去りゆく消防隊が鳴らす、物寂しくまたどこかホッとする感じの半鐘の音は耳にされることもあると思います。