2019年05月20日

アケボノスミレ/曙菫



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 今年はなかなか花を見られずにいたアケボノスミレに、三ツ峠山でやっと出会うことが出来ました。 前日の父の月命日に合わせてお墓参りしたお礼に、Kさんからの月命日プレゼントかな

<2019-05-19 三ツ峠山>
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アケボノスミレ/曙菫 
Viola rossii(植物採集家ロッシーの名に因む)

 この澄んだやや透明感のある淡い赤紫色の花から「アケボノ」夜明けの空の名を頂いた美しいスミレです。 花はスミレの仲間の中では大きい方で、花弁に丸みがあるので、ちょっと園芸種のビオラ・パンジーにも似ています。

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 花は、葉が開ききる前に咲き出すので、ピンク色のエイザンスミレの花と見間違えて見逃されるようで、前を行く誰も気づかず通り過ぎてしまい、呼び止めて知らせたい衝動に駆られます。

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 こちらが直ぐそばに咲いていたピンク系のエイザンスミレ。 葉は切れ込みがあるので直ぐに見分けがつきますが、花だけ見たら、ちょっと似て見えるかもしれません。

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とは言え、やはりこの淡い赤紫色は独特の個性を放っています。

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 後ろに見えるタチツボスミレの青紫色の花と比べてみてください。

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 全体の草姿。 スミレサイシンの仲間の柔らかさ嫋やかさを感じます。

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 蕾の内は赤紫色が更に濃いので、見間違うことは無い代わりに、目立たず見つけづらいかもしれません。
スミレの特徴である、萼の後ろに突き出た距の部分は、太平洋側山地に多い(よって山桜が良く目にする)ナガバノスミレサイシンと同じで丸いお団子状です。

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 展開前の葉の様子。 蕾はありませんでした。

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 展開しきった葉の様子。 綺麗な心形で表裏に微毛あり。 このように葉が展開しきってしまった株は、残念ながら、もう今年の開花はありません。
posted by 山桜 at 17:28| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月14日

指沢・惣岳・御前山〜鋸尾根



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<2019-05-07(下見)& 05-14(本番)>
奥多摩湖は貯水量がずいぶん減っていて、いつもは水面下部分の岸壁が白く目立っていた。
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 これから挑む山々が目の前に聳え立ち迎えてくれる。

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山の中でも公園の藤棚でも藤の花が見事だったが、目で見ただけで写真は一枚も撮っていなかった。 山の中に入ると喧噪が嘘のように静かになった。 惣岳山への急登(右、I会長撮影)

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ムササビの食痕のあるイヌブナの若葉    イヌブナの双葉と本葉

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ギンリョウソウ 今年初めての銀龍草。

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直角に折れた木を潜る       指(サス)沢山 展望台で休憩

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指沢山 展望台からの奥多摩湖の眺め。 対岸の左手の大寺山に昨年登って参拝した白い巨塔が見える。

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P5070945 フデリンドウ(207x310).jpg P5070955 ユキザサ(207x310).jpg
フデリンドウの蕾           ユキザサの蕾
竜胆の仲間は日差しが無いと開いてくれない。 ただ、蕾の状態こそが筆竜胆の名の由来だ。 雪笹とはなんとも美しい名前。 未だ固い蕾だったが、ふわりと舞い降りた雪の結晶のような白い花が多数固まって咲く。

P5070948ハウチワカエデ (207x310).jpg P5070951 ウリハダカエデ(207x310).jpg
ハウチワカエデの花           ウリハダカエデの花

P5070950 ウリハダカエデ(207x310).jpg P5070949ウリハダカエデ (207x310).jpg
ウリハダカエデの新芽と芽鱗     ウリハダカエデの花

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大きな岩の群れ この岩の隙間にも色々な植物が生えている。

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シダ       アカフタチツボスミレ

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バイケイソウ              ニリンソウ
ニリンソウは里山のものとは違って株も花も小型で可憐。

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チドリノキの若葉と花

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ヤマエンゴサク

御前山 惣岳山への登り(I) (210x158).jpg
惣岳山への登り(I会長撮影)

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ナガバノスミレサイシン   惣岳山山頂

鹿不嗜好性植物の毒草たち
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ハシリドコロ            トリカブト

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カタクリ
去年数週間前に登って沢山出会えたカタクリは、既に盛りは過ぎていたものの、まだ蕾が残っていてくれた。

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伐採された向こうに開けた展望

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ヒトリシズカ 一人が沢山集まって楽しそうだった。

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座ったら釘が刺さりそうなベンチ 岡本太郎だったか「座るのを拒否する椅子」というような作品があったような・・・。

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ヒゲネワチガイソウ

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御前山山頂

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コガネネコノメ           ニッコウネコノメ

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トウゴクミツバツツジが美しい道を行く

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マムシグサの群生 あの真っ赤なトウモロコシのような実がここに倒れて発芽したのだろうか?

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鞘口(さいぐち)山        ヤマツツジ

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鋸尾根 鎖場分岐からの展望
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鋸尾根 岩場を下る         ツルキンバイ

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アカバナヒメイワカガミ
鏡のように光る葉に、繊細な絵筆の先のような紅色の花。 近寄ってよ〜く見てみたいのに、咲いているのは断崖絶壁の縁や壁面など、覗きこむと命が危ないような所が多くて冷や汗をかく。 探せば安全な場所で咲いている株もあるので、無理は禁物だ。

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鋸尾根 鉄階段の上り・下り(I会長撮影)

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天聖神社にお参り

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天空に立つ天狗さん

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秘密の力を秘めていそうな立ち枯れ木 モグラさん・・・南無

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愛宕神社鳥居          愛宕神社拝殿階段

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愛宕神社狛犬

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愛宕神社磐座          五重塔

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オダマキ(園芸種?)

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愛宕神社の長い階段

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降りて来た階段を振り返る。 まるで天に昇る階段。

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ツクバネウツギ         チゴユリ

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愛宕神社下の公園

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多摩川

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まぁるくご飯をよそったようなお山が見えて、奥多摩駅はもう直ぐ。 
posted by 山桜 at 22:50| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月07日

天から頂いたカヤラン



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P5030865カヤラン (440x660).jpg

 4月に高水山へ登る途中の沢沿いで、空から降って来た杉の枝付きのカヤラン。空中湿度が保てるようにコニファーの根元寄りに括り付けて置いたところ、GWに出掛ける前には、小さかった蕾も順調に膨らんで、花が見られそうと楽しみにしていたのですが、一週間後に帰宅してみると、花柄だけが枯れたようになって残っていました。 ちゃんと咲いて散ったのか、咲かずに枯れてしまったのか、確かめる術もなく残念です。 

 私が拾わなければ、いずれ枯れてしまう運命だったカヤラン、平地の夏の暑さと渇きを超えて来年も生きていてくれることを願うばかりです。

昨年、民家の池の上で見事に咲いていたカヤラン。 やはり空中湿度が大切のよう。
<2018-05-20>
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ラベル:カヤラン
posted by 山桜 at 23:17| Comment(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月06日

ユキザサ/雪笹



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 「雪笹」、美しい名前を頂いて幸せな花と思います。

<2019-04-09 むさしの自然観察園>
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 白い六つの花被片が「六華」と呼ばれる雪の結晶にも見え、他の名前が思いつかない程、ピッタリの名前です。

<2019-04-22 むさしの自然観察園>
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ユキザサ/雪笹 キジカクシ科マイヅルソウ属(旧ユキザサ属)
Asparagaceae smilacina
posted by 山桜 at 12:59| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヤマシャクヤク(蕾・開花・結実)



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<2019-04-09 むさしの自然観察園>
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4月の初め、白いピンポン玉位の大きさの蕾がソフトボール位に膨らみ始め、

<2019-04-09 むさしの自然観察園>
P4090986 ヤマシャクヤク(440x660).jpg
今か今かと開花を待っていても、この日は開いてくれず、
暫く来れない内に、もう大きく花開いてしまい、
<2019-04-16 むさしの自然観察園>
P4160028ヤマシャクヤク (440x660).jpg
ヤマシャクヤク/山芍薬 ボタン科ボタン属 
Paeoniaceae paeonia japonica

<2019-04-22 むさしの自然観察園>
P4220296ヤマシャクヤク (440x660).jpg
あっという間に、こんな実が生っていました。

ちなみに昨年は、様々な春の開花が2週間ほど早く、ヤマシャクヤクも4月2日には花開いてくれました。 
<2018-04-02 むさしの自然観察園>
P4022291ヤマシャクヤク (440x330).jpg

 思えば、毎日のように父の枕元に通っていた頃でした。 庭の手入れを欠かさなかった父、牡丹の花に傘を差してやっていた父、春の花たちいっぱいに包まれての旅立ちで、これからも命日の度、私たちに花を楽しませてくれます。 最後の、そしてずっと続くプレゼントを、ありがとう。
posted by 山桜 at 12:48| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月03日

お寺で頂いた大賀蓮根のその後



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 タネから育てている茶碗蓮の他に、「「花祭」甘茶と蓮根 」でお伝えした、ご住職に頂いた大賀蓮の根も植え付けました。
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お寺の蓮鉢に浮いていた蓮根

茶碗蓮用に買ってあった荒木田土では足りなかったので、小粒赤玉土やらピートモスやら籾殻燻炭やら、蓮根の成長を邪魔しない用土を混ぜて練ったものを使ったのですが、なかなか水が澄んで来ず、また水を足すたびに濁ってしまうので、中の様子を見られないままでした。

 このままではボウフラ避けのメダカも飼えそうにないので、不要になった銅小物を沈めてあります。(銅がボウフラの孵化を抑制するとのこと。 お墓の花入れに10円銅貨を入れている人もいて、結構古くから効果を期待されているようです。)

 GW後半、ケロの所から家に戻って来て見ると、小さな葉が2枚開いていました。

<2019-05-03>
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 小さくて睡蓮の葉のようですが、睡蓮のようにV字型の切れ込みはありません。 葉の上で弾かれた水の玉が光りながらコロコロ転がって、今年の七夕にはこの水で墨を磨って願い事が書けそうと嬉しくなりました。
ラベル:ハス 大賀蓮
posted by 山桜 at 21:00| Comment(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハスを種から育てたい!(2)



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 東京に戻っても後始末して、また山に出掛けたりで、書き残したいことは溜まる一方・・・どんどん季節的に古くなってしまい、いつもながらお蔵入り多数になりそうです。 

 さて、蓮の芽に再会すると、文字通り驚きの「展開」を見せていました。 先ずは「ハスを種から育てたい!(1)」の後の経過報告です。

<2019-04-16>       <2019-04-18>
P4160054蓮の芽 (207x310).jpg P4180117蓮の芽 (207x310).jpg
タネの中から芽の先が外へ   グングン伸び上がって

 小さな容器では可哀想なので、大きな容器に引っ越しました。

<2019-04-24>
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折りたたまれていた先も真っ直ぐに伸びあがり、その根元に新しい芽が出て来ていました。

 そして10日程見ないでいたら、ナント!

<2019-05-03>
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 まるで両手を広げるように、先の芽がぐ〜んと伸びる一方、2番目の芽も既に長く伸びたし、その真ん中に3番目の芽が、ツ〜ンと鳥の嘴のように突出し、驚きの展開をしていました!

<2019-05-03>
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 ちょうど気泡が目の位置にくっついていて、本当に何かの意志を持った生き物のように見えました。 益々この先の成長が楽しみです
posted by 山桜 at 20:21| Comment(2) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする