2019年06月30日
サイハイラン/采配蘭
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夏越の大祓いの今日、今年は当たり年で沢山美しい花を見せてくれた「采配蘭」をご紹介します。
「采配」とは、幾つか形があるようですが、時代劇で良く見かけるのはこちらですね。
「采配」
大百科事典第十巻(1932年平凡社)より
「采配を振る」というように、武将が指揮を執る時にサッと振るあの房の付いた棒です。
その「采配」に似ているということで名前を頂いた蘭がこちらです。
<2019-06-02 高尾山>
サイハイラン/采配蘭
今年は咲き始めの素晴らしい状態に出会えて、その美しさに目を奪われました。 一つ一つの花は、小さいながらもちゃんと蘭の形をしています。 下向きに咲くので、少し下から覗き込むようにしないと、この綺麗な色合いは見られないのですが、この株は幸い少し斜面の上に生えていてくれてラッキーでした。
蕾と開き始めの状態。
全体の姿はこちら。
これを見ると、成程「采配」に似てますね。
エビネにも似た葉が根元に一枚だけ付いているのが特徴です。
さぁ、夏越の大祓いで半年分の穢れをお祓い、明日からは心機一転の「采配を振って」スタートです!
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2019年06月29日
初夏の森のエゾハルゼミ
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初夏の標高1,000m辺りからのブナ・ミズナラの森で、物哀しいようなヒョ〜フィ〜シャカシャカシャカ・・・とヒグラシにも似た声で鳴くのは、エゾハルゼミ。
<2019-06-18 瑞牆山>
エゾハルゼミ♂
鳥に襲われでもしたか、左の前翅を失って落葉松の枝の上に落ちていた。
ミョーケン・ケケケケケ・・・と聞きなされていると良く書いてあるけれど、私にはどうもミョーケンとは聞こえない。 どちらかというとヌエの声とも言われるのトラツグミの不気味な鳴き声に出だしの部分似ているようで、最初に聞いた時は、「あれ、トラツグミ(夜鳴くはずなのに)、昼間に鳴いてる?」と思ったほど。
こうして沢山のエゾハルゼミの蝉しぐれに包まれると、嗚呼、今年も夏になったのだと実感する。
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2019年06月28日
射手座木星期満月の夜
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6月16日の夜、ほぼまん丸の綺麗なお月様に照らされて帰りました。 今日は満月だったのかなぁ・・・とぼんやり月暦などを検索していたら、「ストロベリー・ムーン」のニュースが並ぶ中で、何故か「12年に1度の射手座満月」という言葉に惹きつけられました。
曰く、
・2019年6月17日、射手座25度の位置で夕方5時31分頃に
満月を迎える。
・今は「射手座木星期」拡大と成長の幸運星である木星が
射手座に滞在している期間。
・この「射手座木星期」の満月時には、12年に1度の最大
規模の幸運の激流がやってくる!
さぁ、この手のキャッチフレーズに弱い山桜、早速どうやったらこの幸運の激流に乗れるのかと検索・・・なにせ、その時は、「今日は満月?」などと言っていたくらいで、未だ17日の午後5時31分に満月になるとは知らず、一刻を争うような気分(どれだけ嵌りやすいのかと・・・苦笑)。 射手座生まれのケロにも、さっそくこのことを知らせました!
最初に出てきたページで、「青い小瓶の水に満月のパワーを云々」を目にして、
「青い小瓶なんて無い・・・あ、グラスならある!」
そう、K さんがイギリス出張で気に入ってお土産に買って来てくれた「ブリストル・ブルー・グラス」が、頭の中に煌めきました。 棚を開くとそのグラスの他に、青いベネチアン・グラスも出て来たので、2つとも綺麗に清めて水を満たしイザ月光の下へ・・・
正しいやり方もロクに読まずに、月の光をグラスの水に落として、ゆっくり溶かし込んでから飲み干しました。 日頃から月の光の力を信じているもので・・・。 何もしないよりは良いのではないかしら? 暗示にかかりやすい性質なので、きっと良いことがある気がしています。
まぁ、それからもずっと忙しい日々ですけれど、ハイキングもお墓参りも草木染の日も晴れ続き、憧れの先輩の手作りのお弁当分けていただいたり、ずっと行ってみたいと思っていたお蕎麦屋さんに予約なしで入れたり、何だか良いことばかり続いていますよ^^ ケロはどうだったかな?
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2019年06月23日
枯葉の様なコミスジの幼虫・蛹、成虫
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フジの葉先の枯れて縮れた葉っぱにしか見えないのでが、よ〜く見てみてください。
こちらではどうでしょう?
ちょっと手伝って頂き、向きを変えて撮ってみました。 イモムシ、見えますか?
葉っぱの上にいる時は、少し分かりやすいですが、滅多にみつかりません。
正面から。面長で張り出したオデコがモアイ像みたい? 村山元総理の方が似てるかな?
動きも泊まり体色も変わり、いよいよ蛹化の気配。
お尻でぶら下がった蛹もまた枯葉のように擬態中。 青々として葉の中だったら目立つかもしれませんが、自分で食べて枯らして葉軸だけ残した先の方にぶら下がるので、自然に枯た葉のよう見えるという手の込んだ擬態です。
(すみません、これは葉っぱを持ち上げて撮った状態です。)
残念ながら羽化の瞬間には、未だ立ち会えていませんが、飛び立った成虫の姿はこちらです。
前翅の横一本線の先が途切れて、三角模様になっています。
裏側は明るい茶色で、違う蝶々のよう。
細い枝にとまってくれたので、下から撮れました。 お日様に透けてステンドグラスのようでした。
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2019年06月17日
クガイソウとモンシロチョウ
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<2019-06-16 むさしの自然観察園>
クガイソウ/九蓋草、九階草
オオバコ科(旧ゴマノハグサ科)クガイソウ属
沢山の小さな花は、蝶々の蜜スタンド。 昨日の大雨が上がりお腹を減らしたモンシロチョウが沢山やって来ていました。
近づいても逃げない程、夢中になって蜜を吸っています。
しつこく撮影していたので、またしても睨まれて・・・お食事中、大変失礼いたしました。
クガイソウとは、輪生する葉が段々となって重なっている様子から、九つの蓋、若しくは、九つの階層と見做された名前です。
雨上がりの日向ぼっこ
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一日中雨が降りしきった翌日、蝶たちが吸蜜に忙しく飛び回っている一方、ヤブマメ葉っぱの上で日向ぼっこしていたのは・・・
<2019-06-16 むさしの自然観察園>
ニホンカナヘビ
ニホントカゲに比べると全体に艶がなく、尻尾が長〜い(身体の2倍程)ので区別できます。 そこがトカゲの仲間なのに「ヘビ」と呼ばれる由縁でしょう。
ヨスジノメイガ の幼虫
ガラス細工のように透明感のある繊細な色合いと模様使いのオシャレなイモコです。
食草である、ヤブムラサキシキブの葉の上にいました。
普通は葉っぱを巻いた中にいると思うのですが、きっと葉っぱの巣の中まで濡れてしまって、身体を乾かしていたのかもしれません。
糞がポロポロ・・・お食事もしたようで、お腹いっぱいで日向ぼっこ中かな?
2019年06月16日
エゴノネコアシフシ断面
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先日、書いたばかりのエゴノネコアシフシ、今が見かける最盛期のようで、
「これは何ですか?」
と、山桜の当番日に来園者の持ち込みがありました。
エゴノネコアシフシ については、クリックしてリンク先の先日の記事をご参照ください。
その先日の記事では、外見はぎりぎり平静な気持ちで見られますが、その中は・・・のように書きましたが、持ち込まれたエゴノネコアシフシ、切ってもOKとのことでしたので、縦横に切って中身を観察することが出来ました。
前置きが長いのは、嫌な方が目にすることが無いように・・・との気持ちです。
小さいプツプツがいっぱい!が苦手な方は、素通りされてくださいね。
エゴノネコアシフシ 横断面
縦断面
エゴノネコアシアブラムシが、きっちり住み込んでいました。 この安全な部屋の中でのんびり過す筈が、思わぬ破壊者が現れてビックリですよね。 観察の為とはいえ、ごめんなさい。 この先、この子たちは何処へ行くのだろうか。 エゴノキに放したら、どこかで生きていけるのだろうか?
2019年06月14日
2019年06月12日
エゴノネコアシフシ
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エゴノキの白い花が終わり、下の写真のようにヤマガラの大好物の実が沢山ぶら下がる頃、それらに混じってバナナの房のような奇妙なものがぶら下がっているのをみつけることがあります。
<2019-06-11 むさしの自然観察園>
エゴノキの若い実
これです!
エゴノネコアシフシ
実のように見えますが、冬芽が変形してできた「虫こぶ」「虫えい」「ゴール」等と呼ばれるものです。 外見はまぁまぁ平常心で見られますが、この猫足の中には増殖したアブラムシがいっぱいで・・・
猫足型変形虫こぶの原因になるのは、その増殖したエゴノネコアシアブラムシの大量の吸汁により刺激です。 エゴノネコアシアブラムシは、以下のように、エゴノキとイネ科のアシボソ類(アシボソ、チヂミザサ、コブナグサ等)の間を行ったり来たりするサイクルを繰り返す不思議な習性があります。
・エゴノキで卵で越冬
・冬芽に寄生しメスだけの胎生(体内で卵が孵化)単為増殖をし吸汁
・それらの刺激を受け、冬芽が「猫足型」虫こぶ化
・虫こぶの中で更に増殖(無翅型)
・7月、有翅型が生れ出し、虫こぶの先が開き飛翔
・イネ科のアシボソの仲間に引っ越す
・アシボソ類で胎生単為生殖、無翅型世代の繰り返し
・秋、有翅型が発生し飛翔、エゴノキに戻る
・メス・オスの有性虫を産む
・雌雄が交尾しエゴノキに受精卵を産む(卵で越冬)
吸汁する植物の種類を変えることで、何かの刺激を得るのでしょうか? それとも単に、冬は枯れてしまうイネ科の植物から冬越しの為に引っ越すのでしょうか?
2019年06月11日
アオスジアゲハの幼虫
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私にはとっても可愛いイモコですが、苦手な方は、どうか素通りしてください。
むさしの自然観察園のクスノキについていた、アオスジアゲハの幼虫です。 成虫の青緑に輝く2本の縦線というデザインに比べると、随分スッキリした姿ですが、よく見ると密かにその片鱗は見えているような・・・
<2019-06-11 むさしの自然観察園>
アオスジアゲハ 幼虫
パッと見、目のように見える両側の突起の色が、青緑では? この部分があの翅の模様に広がるのでしょうか?
クスノキの葉にソックリに擬態した結果が、このシンプルさなのですね。 ちゃ〜んと葉脈模様まであるではないですか!
上手に隠れていて、万一見つかったら、この偽物の目で威嚇! 成程、いきなりアップで見たら、ちょっと怖いかも・・・
上の二つの大きな眼模様の下にも念入りに、もう2組の眼のような点々がありますが、本物の眼は更に一番下の点々の下に隠されています。 餌を食べる時になれば出てくるんですが、余り近づきすぎたので、動いてくれなくなりました。
2019年06月06日
ホシザキイナモリソウ/星咲稲盛草
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高尾山でもホシザキイナモリソウらしき個体はみかけますが、開きかけのイナモリソウのように見えることもあり、何となくはっきりしないように思っていました。 ところが、こちらで見たものは、間違いなく開ききっても花弁が細いままで、正にホシザキイナモリソウ!と感激でした。
<2019-06-06 >
ホシザキイナモリソウ/星咲稲盛草 アカネ科イナモリソウ属
日本武尊が祀られて剣が奉納されている軍刀利(ぐんだり)神社の近くに咲いていたので、ここに限っては「星咲」ではなくて「剣咲」稲盛草、と呼びたい気持ちです。
2019年06月03日
六甲山(弓弦羽山)・御影石の由来
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六甲山の名前の由来の一つが「武庫の山」と知り、また「武庫」という地名は今もあるとケロに聞いて嬉しくなり、その武庫地区の中の「御影」という地名にも興味が惹かれて調べていると・・・
フィギュアスケートの羽生弦選手のファンの間で聖地となっている、神戸の「御影」にある「弓弦羽神社」の由来についての記載にふと目が留まりました。 大フィーバーで人が騒ぐと興味が持てないというヘソマガリの山桜は、今まで全くこの神社のことを調べたこともありませんでしたので、神戸を訪れたことで繋がりだしたご縁の不思議を感じます。
社伝によれば、
「往古、神功皇后三韓より御凱陣の時、長門國豊浦より摂津國難波浦に向かわれる途中、忍熊王(おしくまのみこ)が兵を挙げたのをお知りになり、皇后自ら当地で弓矢甲冑を納めて熊野大神を斎奉しご祈念されたところ、戦には大勝し、それより後は諸々の願い事は、全て御心のままに叶いました。
この故事により、神社背後の秀麗な峰を弓弦羽嶽(弓矢)とも六甲山(甲冑)とも言います。又、神功皇后がこの里の泉(澤の井・阪神御影駅南)に、お姿を写しになった故事によりこの里は「御影」(みかげ)となりました。」
この「御影」の里が産地で御影の港から出荷された花崗岩が「御影石」の名前の由来ということも、恥ずかしながら初めて知りました。 鎌倉とんぼさんに大変お世話になり、この春の三回忌に建立することが出来たKさんの五輪塔も産地は違えてど「御影石」ということで、深い感慨を覚えます。 正に「おかげさま」でございます。 ご縁に深謝です。
2019年06月01日
イナモリソウ/稲盛草
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<2019-06-01 高尾山>
今年の高尾山は、イナモリソウが大豊作、しかもこんなにピンク色の綺麗な花は初めて見ました。
イナモリソウ/稲盛草 アカネ科イナモリソウ属
名前は、三重県の稲森山で最初に発見されたことによるそうです。 対生する葉を地面に貼りつけるように伸ばし、その真ん中に花を着けます。
こちらは高尾では多い白っぽいお花
図鑑では花色は淡紅紫色となっているおで、珍しいと思った上の写真の花の方が、若しかしたら普通なのかもしれません。
<2019-05-25 高尾山>
ほのかに藤色がかったお花 横顔はこんな感じ
ツボミの頃 咲き始め
対生の葉を2対、十字対生で4枚が輪生するように、崩れた斜面などに張り付いているのを良く見かけます。 特に今年は株数が多くて、誰か種でも播いて歩いたのかと思う程でした。
ハクチョウゲ/白丁花 アカネ科ハクチョウゲ属
同じアカネ科のハクチョウゲの斑入り葉は、生け垣などで良く見かけますが、花や葉の付き方をみると、イナモリソウにソックリなのが良く分かります。