2021年03月31日

これは何の芽? 木の赤ちゃん

 先日は、春の木々の芽吹きをご紹介しましたが、その木々の芽生えの姿をご存じの方は、盆栽がご趣味等で無い限り、意外と少ないのではないでしょうか? 

 仰ぎ見るような大木も、最初は風に吹かれて飛ぶ(風散布)小さなタネから芽生えるものが沢山あります。 そこから芽生える双葉は、草と同じような小さなもので、知らずにいたら、まさか木の赤ちゃんとは思えないくらいです。

 これは、今年の発芽ではなく、2年目か3年目の姿です。 まるで等間隔に植えたように生えていて、ビックリ!

ケヤキ ニレ科、 エノキ アサ科、 ムクノキ アサ科
ケヤキ・エノキ・ムクノキP4030426.JPG
嘗ては同じニレ科に分類され「ニレ科三兄弟」と呼ばれていた、武蔵野でよく見かける代表選手です。

 これが有ると言うことは、芽生え状態もみつかる筈! 膝を未だ曲げられないというのに、地面を舐めるように観察開始です。 おっ、早速双葉発見! 双葉だけでは自信がないので、本葉が出ているのも探しました。

 さぁ、それぞれ何の芽でしょう? 答えは下の方に隠しておきますので、当ててみて下さい。 ヒントは上の3つのどれかです。 

 本葉の鋸歯の形と方向に特徴があります。 虫食いの上にピントが甘くてごめんなさい。
ケヤキP4030427.JPG ケヤキP4030428.JPG

 朝顔のような特徴のある双葉、一度覚えたら忘れませんね。
ムクノキP4030424.JPG ムクノキP4030425.JPG

 葉の特徴がわかるように、右に成木の新葉も載せておきます。
エノキP4030423.JPG エノキP4030457.JPG
 

 これも武蔵野に多い落葉樹です。 折り紙の葉のように折り目正しい葉脈が特徴です。
イヌシデP4030421.JPG

 さぁ、幾つ分かりましたか? 森林インストラクターを目指す方は、この4種の芽は覚えておきましょう。 こんなことは、試験には出ないと思いますけど(^^;)、現場に出たら、話しのタネに面白いと思います。


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答え: 上段から、ケヤキ、ムクノキ、エノキ、イヌシデ

 

  
posted by 山桜 at 19:55| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「山笑う」時の木々の彩り

 今年はソメイヨシノの開花が2週間程早かったのですが、花持ちが良くて桜吹雪の中、未だ散らない花も楽しむことが出来て嬉しいことです。 桜に埋め尽くされた風景も素晴らしいのですが…

 私は、里山の雑木たちが一斉に芽を吹き出し、その微妙に違う新芽の彩りの中で山桜がぼんぼりを灯すようにほうっと咲き出す頃の様子を「山笑う」と表現した先人の心に深く共感を覚えずにはいられません。 

 私の所属するハイキング会「山笑(やまにこ)会」も、名前の通り、その心を受け継いでおります。 何故、笑を「にこ」と読ませるのかは、長くなりますので(笑)山笑(やまにこ)会HPをご覧頂けると幸いです。

 これは3月31日の木々の織りなす里山の彩りの様子です。 
山笑うP3310262.JPG

山笑うP3310379.JPG

 少し木のことが好きになってくると、このような「山笑う」時の芽吹きの色合いで何の木かわかるようになれたらなぁ…と思いますよね? あれ、私だけ? いえいえ、きっと仲間がいると信じて今日のブログを書きますね。

 次の4枚は、全てコナラの芽吹き時です。 花葉の展開の度合いや光の当たり方でも微妙に色合いが異なります。
コナラP3310382.JPGコナラP4010361.JPG
コナラP3270224.JPGコナラP4010340.JPG

 コナラは、芽吹きの頃の産毛が「銀白色」なのが特徴で、山全体を見たときに白っぽく見えるのは大体コナラのことが多いです。

 こちらはクヌギです。 全体に「黄金色」なのが特徴で、このように花を咲かせているとより黄金色が際立ちます。
クヌギP4010335.JPG

イロハモミジP4010337.JPG エゴノキP4010401.JPG
枝の上が緑で下が赤かったらイロハモミジ、赤い部分は蕾と花です。 エゴノキは、最初から緑色、遠くでは見分けづらいかもしれませんが、やはり下に蕾がぶら下がっています。

エノキP4010307.JPG ヤマザクラP4010336.JPG
エノキは花盛りで、ほわっとした黄緑若しくはやや赤味を帯びた黄緑です。 ご存じヤマザクラは、淡紅色の花と赤茶色の葉のハーモニーが美しい。

 この他、ここの森に多いのは、イヌシデとアカシデなのですが、高木なのでなかなか新芽に手が届きません。 多分イヌシデと思われる幼木の新芽の展開写真を撮りました。 すっかり葉が広がって、間違っていたら訂正します。
イヌシデP4010370.JPG


 これらの広葉樹に混じって、ここは公園なので自生ではない落葉針葉樹も植えられていて、この柔らかな羽毛のような新緑もひと味添えてくれています。

カラマツ と ラクウショウ
カラマツP4010377.JPG ラクウショウP3310390.JPG

 さぁ、これらを踏まえて、最初の2枚の写真をご覧ください。 今度は、大体何の木かお分かりになるでしょうか? むずかしいかなぁ エイッと写真を拡大したい気持になりますよね。 実際に見れば、ずっと分かり易いので、ご興味ある方は一緒にハイキングに参りましょう。 

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posted by 山桜 at 17:00| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月30日

ザイフリボク(采振木・シデザクラ)


昨日の武蔵野自然観察園で咲いていたザイフリボクをご紹介します。

ザイフリボク バラ科 ザイフリボク属 別名 シデザクラ
ザイフリボクP3290258.JPG
(後ろの込み入った枝はヤマボウシで、ザイフリボクではありません。)
ザイフリボクP3290257.JPG

 「あ、この花、見たことがある!」
と、思われた方もいらっしゃるでしょう。 最近、庭木として人気の ジューン・ベリー(アメリカザイフリボク、西洋ザイフリボク、又はその交配種の総称)が、よく似た花を今の時期に咲かせているのを見る機会が多いので。

 ザイフリボク、そして別名のシデザクラ、どちらも盛り上がって咲く花の様子を、采配や四手(神垂)に見立てたものです。

 このザイフリボク、野生ではなかなか見る機会が少ないのですが、冬芽を「日本三大美芽」とする説があります。 固い冬芽の時は、それ程の特徴のある美しさとも思えませんが、春に膨らみかけた芽は、まるで貴婦人が羽毛の襟巻きをまとったような姿となり、成程の美芽と納得します。 この写真は、もう少し成長してしまい、羽毛も取れ掛かっていますが、名残を感じて頂けますでしょうか?

ザイフリボクの蕾が膨らむ様子
ザイフリボクP3290256.JPG  ザイフリボクP3290255.JPG

 因みに、「日本三大美芽」他二つは、ネジキ、コクサギ とされています。 どちらも自然観察マニアにはお馴染みでも、余り一般には知られていない植物ですよね。 この3つを選んだ方は、どなたなのでしょう? 冬芽を楽しむ玄人さん、マニアックな方にお目に掛かってお話を伺ってみたいものです。



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2021年03月29日

ヤマシャクヤク 開花


 膝の不調で山笑(やまにこ)会同様、ずっとお休みを頂いていた武蔵野自然観察園に、約一年ぶりで訪れることが出来ました。

 あちこち身体の痛みを抱えながらも、理事長が端正こめて育てていらっしゃるヤマシャクヤクが、まるで「おかえりなさい!」とでも言ってくれているように、一番良い状態で花を開いていてくれて感激でした。

ヤマシャクヤク ボタン科 ボタン属
ヤマシャクヤクP3290246.JPG

 ヤマシャクヤクの大きな花に比べるとピンポン玉程の大きさの花は慎ましやかですが、イチリンソウの花も今を盛りと風に揺れていました。 花びらの裏側がほんのりピンクに染まっているのも奥ゆかしい美しさです。

イチリンソウの群落 キンポウゲ科 イチリンソウ属
イチリンソウP3290260.JPG

 桜が散り急ぐ中、同じバラ科のザイフリボクも「日本三大美芽」の一つとも言われる冬芽を、貴婦人の羽毛の襟巻きを見せながら綻び、咲き出していました。 こちらは、後で検索し易いように、別記事にしてアップしますね。

 一昨年から土を掘ってはネコ(一輪車)で運んで盛り上げ造っていた山野草の土手、特に昨冬の終わり頃に新しく植え付けた苗たちの様子が、何より気懸りで、土を舐めるように目を皿のようにして確認してきました。

 何種類も植えたはずのスミレ類が、ヘビイチゴに侵食されて殆ど姿が見えなくなっていたのがショックでした。 ヘビイチゴの黄色の花とスミレの紫の花が一緒に咲いたら可愛いと思って植えていたのですが、ヘビイチゴが圧倒的に強かったようです。 手入れに通えていれば、こうなる前にコントロールできたものを、可哀想なことをしました。 そんな中、タカオスミレは親株も、こぼれ種からの発芽も確認出来、とても嬉しかったです。

 その他、キクザキイチゲや二リンソウはしっかり定着していました。 サクラソウ10株も全部蕾をもたげていて顕在でした。 ヤマエンゴサクは植えた覚えが無いのに綺麗に咲いていたのは、蟻が運んだか土に混じったタネからの発芽でしょう。 同じようにエライオソーム付のタネを散らした筈のスミレやオダマキの仲間も、どこか違う場所で発芽しているかもしれません。 

 夢中になって手入れをしていたので、肝心の山野草の土手の写真が無くてスミマセン。 またの機会にご紹介しますね。



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posted by 山桜 at 21:00| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月28日

オオシマザクラ 開花

 ヤマザクラに続いて、日本の野生桜の一つ、オオシマザクラが開花しました。 

オオシマザクラP3270203.JPG
 
オオシマザクラP3270204.JPG
 ヤマザクラと同じように、花と葉がほぼ同時に開き始めますが、葉の色が明るい緑色、花びらは開きはじめは真っ白ですが…

オオシマザクラP3290254.JPG
 ご覧のように、次第に中心が紅をさしたように染まってきます。 

 背景はソメイヨシノです。 同じ桜でも、花色、花形、葉色、随分違いますね。 しかし、ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交配種と言われています。 ふっくらした花形、横に手を広げるように伸びやかに育つところ等は大島桜の血を引いていると思います。 水辺に長く枝を伸ばして咲く風情がまた良いのですよね。

 野生種の特徴を覚えると、交配種(園芸種)の親が想像出来て、また楽しみが広がります。

 オオシマザクラの葉は、大きく厚く無毛なので、桜餅を包む葉として塩漬けにされます。 桜餅を食べるとき、この白い花を思い浮かべて味わってみて下さい。 ついでに言うと、桜湯に使われる塩漬けのサクラの花は、八重咲きの里桜「関山 カンザン」の開きかけの花です。 なので私はカンザンの蕾を見ると、塩っぱい気がして、じわ〜っと唾液が湧き出してしまいます。

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2021年03月27日

リョウブ(令法)芽吹き

 冬の間は、冬芽と葉痕の作り出す様々な顔のような表情を観察された方も多いと思います。 このリョウブは、どちらかというと、春先に芽が動き出した頃が観察時で、一躍スポットライトを浴びる存在となります。

 森林インストラクターの先輩方から、冬芽を覆っていた芽鱗が弾けて左右に跳ね上がった様子が「ナポレオン・ハットに見える」と教わりましたが、ヘソマガリな私には、ナポレオン・ハットというよりも「折編笠」に見えて仕方ありません。 日本人ですし。

<2021.03.16>
リョウブP3160135.JPG  リョウブP3160139.JPG
ナポレオン・ハット(又は折編笠)に見えますか? 次の写真では、下の葉芽が伸び上がって来て、片方の芽鱗が弾け飛んでいます。

リョウブP3160141.JPG  リョウブP3160142.JPG
さらに芽が膨らんで両方の芽鱗が取れてしまうと、ちょっと斜に構えたとんがり頭が現れ、ついに最初の新葉の一枚が展開し始めます。

<2021.0327>
リョウブP3270229.JPG  リョウブP3270231.JPG
こちらでは、開き始めた葉の先に名残の芽鱗がしがみついていました。 ふっくらと膨らんで広がりだした様子、産毛が初々しいですね。

リョウブP3270234.JPG  リョウブP3270232.JPG
更に開いて緑が鮮やかになり、美味しそうです(個人的感想)。 このくらいの時に摘んであく抜きしたものを炊いたご飯に混ぜ込むと「リョウブ飯」になりますが、同じ木から沢山摘むと枯れてしまいますよ。

リョウブP3270233.JPG  リョウブP3270236.JPG
上から見ると、光をうけて新緑が眩しく光っています。 効率よく光を受けやすいように重ならずに展開していますね。 さぁ、張り切って光合成して、花を咲かせるエネルギーを蓄えましょう。 お腹を空かせた人に食べられないようにね…。

最後の一枚は、リョウブの樹肌の写真です。 サルスベリやナツツバキのように表皮が向けて、斑模様になるのが特徴です。

白い綺麗な花が咲いたら、またご紹介しますね。 高い所に咲くので、手が届くかなぁ



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2021年03月26日

ジンダイアケボノ 神代曙


 ソメイヨシノの後継種として植栽が進んでいると先日お話しした「ジンダイアケボノ」です。 咲き始めは紅色が濃く、段々と妻紅が差したようになり、ソメイヨシノのような薄い色になっていくので、遠目でもグラデーションが楽しめます。

<2021.03.27 撮影>
ジンダイアケボノP3270202.JPG

ジンダイアケボノP3270200.JPG

 どこか鎮魂の憂いを含んだソメイヨシノと比べると明るく華やかな雰囲気で、令和の時代の桜、とも思えます。

 アメリカに渡ったソメイヨシノと他の日本の桜(品種不明)との交雑種(タネから生まれた別の品種)「アケボノ(アメリカ)」を接ぎ木して、神代植物園で育てていたところ、その中から「アケボノ」ではない品種が発見されたものだとか…。 接ぎ木した枝が全てアケボノの枝なら、クローンなので違う性質のものにはならない筈。 台木の方が育った説もありますが、だとしたらその台木はアケボノではない筈。 どうも私には良く理解出来ない生い立ちです。

 アメリカに渡った日本の男女がアメリカで出会って出来た子供が「アケボノ」と名付けられて日本に里帰り、段々と育ってきたら、なんと「アケボノ」ではなくなっていた?? そこで育ての親の神代植物園の名前を貰い、「ジンダイアケボノ」になったそうな。 う〜ん、どこかで赤ちゃんが取り違えられた事件でしょうか? 謎の桜、「神代曙」。 偶然とは言え、神の代の夜明けという名前を持つ桜、縁起は良さそうです。



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2021年03月24日

コブシ 萼片と花下の葉


 里のコブシはそろそろ盛りを過ぎて来ましたが、毎年この季節になると、我が家では車窓から見えた白い花がコブシかハクモクレンかと話題になりました。 父や母の大体であやふやな説明を聞きながらも、沢山のコブシとハクモクレンを見て育ってきたので、今は遠目でも見れば分かるようになりました。(笑)

 蕾の向き、花の咲き方、花弁の質感、樹形など、違いは色々あるのですが、近くで見ることが出来れば、一番見分けやすいのは、花びら(に見える部分)の枚数と、花の下の葉の有無です。

 コブシは、花びら 6枚(+小さな萼片3枚)
 ハクモクレンは、花びらに見える部分(花弁+萼片)9枚

 これも、コブシは最後は花を開いて咲くので数えやすいのですが、ハクモクレンはチューリップのように上を向いて閉じ気味に咲くので数えづらいのが難点です。 まぁ、花を全開させない方がハクモクレンとも言えますが、気候によっては暑さでだらけることもあるかもしれません。

 そうなると、決め手はやはり、花の下側を見るに限ります。

コブシ(辛夷)モクレン科モクレン属
コブシP3180158.JPG
 コブシには、このように花の下に葉っぱが1〜2枚開いて付いています。

コブシP3180157.JPG
 また、よく観ると、花びらの下に、ごく小さな薄い緑の萼片が3枚付いています。 うっすら紅さした後ろ姿に小葉の簪が可愛いです。
 ハクモクレンの場合、この萼片も花弁同様に白く大きく変化したので、花びらが9枚に見える訳です。

 コブシは花も終わりの頃には葉が展開し始めますが、ハクモクレンは花の後に葉が展開します。

 この他に、日本に自生する仲間は、細めの花びらが12〜30枚と四手(紙垂)のように見えるシデコブシ、日本海側に多いタムシバ(噛柴 葉枝に芳香あり、葉形がクロモジ似で倒卵形ではない)があります。

 モクレン、ハクモクレン、その交配種のサラサモクレンは中国原産の外来種です。 


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2021年03月23日

ヤマザクラ 開花

 
 今は東京で桜といえば「ソメイヨシノ」となっていますが、いにしえからの桜と言えば日本の丘陵などに自生する日本固有種「山桜」です。 開花と葉の展開がほぼ同時ですので、紅褐色の葉と白に近いごく淡い紅花の色合い調和が何とも言えず美しく大好きな桜です。

 陽当たりを求めて高く延びて咲くことが多く、桜の頃は風もあり、なかなかシャッターチャンスが無いのですが、何とか手の届くところに見つけて風が収まるのを待ち頑張りました。

ヤマザクラP3240174.JPG

ヤマザクラP3240176.JPG

ぎっしりとついた蕾
ヤマザクラP3240175.JPG
小花柄も萼筒も葉柄も無毛、花柄を包む鱗片も粘らず、全部スベスベなのも特徴の一つです。

 日本に自生する野生の桜(バラ科サクラ属サクラ亜属)は、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、そして新しく2018年に発見されたクマノザクラの10種、若しくは、カンヒザクラを含めて11種とされています。

 同じサクラ属でも、ブラシのような房状(総状花序)になって咲く イヌザクラ、ウワミズザクラ などはウワミズザクラ亜属(又はウワミズザクラ属)です。 この二種も狭山丘陵で見られますので、またの機会にご紹介しましょう。



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2021年03月19日

コスミレ さまざま

 コスミレ と聞けば、小型のスミレなのかと思われるでしょうが、スミレの基本種(マンジュリカ)に比べても、他の色々なスミレと比べても、好環境で育ったコスミレは花も葉も大きく、どこが「小」なのかと不思議で、ずっと気になり様々な姿を追い続けています。

 そもそも、初めて狭山丘陵で見かけた個体の花が大きく、花色もタチツボスミレより青みのある澄んだ色で感激したのが、コスミレ愛の始まりで、とうとう種を蒔いて育てて(というより自然のままに放置して)いる始末。

 キズ(木酢)という柑橘類の鉢の根元で密集して咲き出したコスミレ
コスミレP3100066.JPG
 陽当たりが良いやや水の少ない環境で、葉の展開よりも先に2月頃からびっしり蕾を着けて咲き始めます。 こんなに蕾を着けるのは、恐らく柑橘の根元では根の伸びが制限されているので、種を残さねば!という危機感からかもしれません。 この日咲いたばかりの花で、未だ花弁が丸みを帯びています。下の写真のコスミレと比べると別種のように見えますね。

狭山公園の林縁で刈り取られた芝草の間、半日影で適度な湿度のある環境で伸び伸びと育ったコスミレです。
 コスミレ林縁P3160102.JPG
 これが一番、本来のコスミレらしい姿では無いかと思います。 開花から日数が経つと、このように花弁が細長くなり、よじれる傾向にあります。

コスミレ全体の姿
コスミレ林縁P3160126.JPG
この辺りの個体は葉の裏が紫色を帯びているものが多く、シハイ(紫背)スミレ?かと思った位です。

コスミレ茎P3160099.JPG
 半日影の株では、花の大きさに比べて花茎が細く長いイメージで、段々と花の重みに耐えきれず垂れ下がり、草丈が低くなります。 すくっと背筋が伸びたように咲く本家のスミレに比べると「小」が付くには、若しかしたら、この辺りが由縁かもしれません。
 
 切通の崖にしがみつくように咲いていたコスミレ
コスミレ崖P3160124.JPG
 一見、違う種のスミレかと見まがう位、全体に小型で花色も濃い個体。 こちらも咲き始めで花弁は丸いですね。 
 
 カラカラに乾いて養分も少なそうな環境で、これなら「コスミレ」の名前も相応しく思える小さな個体です。 どうしてわざわざこんな所に苦労して… と思いますが、それはやはりタネに付いたエライオソームという媚薬に惹かれて運んだ蟻の仕業なのでしょう。

 高尾駅や武蔵五日市駅のバス乗り場の縁石の隙間などに生えているコスミレも、同じ様な環境で「小」スミレ的風情です。 命名者がご覧になっていたコスミレがそのような環境で育った個体だったのかもしれません。 

タチツボスミレ
タチツボスミレP3160103.JPG
 早咲きのコスミレに続いて咲き出すのが、このタチツボスミレ。 個体数は圧倒的に多く、花期も長いので、一番目に付くスミレでしょう。

アオイスミレ
アオイスミレP3160096.JPG
 本来ならば、一番早咲きの筈のアオイスミレなのですが、私の観察エリアでは花が咲くのを見たことがありません。 葉や茎に毛が密生しており、展開前の葉がクルリと巻物の様になっているのが特徴です。 かれこれ5年ほど観察していますが、独特な丸い下向きの果実は出来ているので閉鎖花だけで生き延びているのでしょうか。 林縁が木々の成長で日照不足になった所為ではないかと思います。 いつか日が差し込んで可愛い花を着けるのを楽しみにしています。


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2021年03月18日

ソメイヨシノ開花 

 都心から4日ほど遅れて、多摩湖周辺でも陽当たりの良い場所でソメイヨシノが開花しました。

ソメイヨシノP3180150.JPG

ソメイヨシノP3180153.JPG

 ソメイヨシノ(染井吉野)は、長い間、日本のお花見の中心的存在でしたが、挿し木で増やしたクローンである為にテング巣病に弱いのは全てのソメイヨシノで同様で、次々と罹患し大きく患部の枝を伐られた株が目立つようになりました。

 ジンダイアケボノ(神代曙)というテング巣病に強い代替品種に順次植え替えられていますが、日本人に愛された春霞の様な淡い色合いではなく、やや紅色を帯びて艶やかな雰囲気がします。 樹高もコンパクトで、大島桜の血を引いたソメイヨシノの優雅に枝を広げた風情とは異なる気がしますが、まだ大きく成長した神代曙を見ていないのでなんとも言えません。 ただ慣れ親しんだソメイヨシノが消えていくのは寂しい気持です。

 こちらは枝垂れのオカメ(ザクラ)です。 小型のやや紅色を帯びた花を咲かせます。
オカメザクラP3180155.JPG
 
 ソメイヨシノに先駆けて咲く、愛らしい小さなそして端正な花形、濃いめの桜色は、カンヒザクラ X マメザクラ という二親の性質を受け継いでいます。 なんと作出は、イギリスの桜研究家 コリングウッド・イングラム さん。 日本人の大好きな桜の姿を良くご存じですね、 


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2021年03月16日

キッコウハグマ 総苞片の名残

 冬枯れの山を歩くと、コウヤボウキ、カシワバハグマ、オクモミジハグマなどの総苞片の名残が、ドライフラワーのようになって目を惹かれます。 同じ仲間でも、一段と小さなキッコウハグマの総苞片の名残を確認したことが無かったので、咲いていた場所に行ってみました。
 
 実寸では、花茎の高さは15p程、総苞片の直径は4o程、生えている場所を知らなくては、とてもみつかりそうにありません。 キッコウハグマの方は、花のようなというよりも、残っている総苞片の長短の案配が、まるで地上で輝く小さな星のようでした。

キッコウハグマ キク科 モミジハグマ属
P3110084.JPG

 こちらの株には、飛び損ねた種子の冠毛(いわゆる払子等に用いるハグマに似たもの)が残っていました。
P3110085.JPG

 足元の小さな世界にも目を向けると、思いがけない発見があります。 キッコウハグマの根元をかき分けてみると、今年展開する新芽が膨らんでいました。 キラキラ光る新葉も是非また見に行きたいと思います。



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2021年03月15日

ウグイスカグラ 剣鍔の正体

P3110087.JPG 


 山歩きをしていて、春一番に咲くのは大体このウグイスカグラ。 まだ足元に雪が積もっていようが、そこが日だまりであれば、多少寒さに縮こまっていようが花を咲かせます。

 北国の少女の赤らんだ頬のような花色には、
「私が春を呼び起こして見せましょう!」
という気概すら感じさせる、頼もしい花。

 株元から沢山の幹を叢生させる藪のような樹形がウグイス好みで、中からウグイスがお神楽を奏でる…というのが、雅な名前の由来と言われますが、どうでしょうか? 私は未だ、ウグイスがウグイスカグラの藪から囀っている場面に出くわしたことはありません。 ウグイスが機嫌良く住まうには、ちょっと枝が込み入り過ぎな気がします。

<2021/03/18 追加> ウグイスカグラの大株
ウグイスカグラ全体P3160104 520.JPG

<2021/03/19 追加> 大株は満開
ウグイスカグラP3160106.JPG
 遠目には分かりづらいですが、実はこの大株は、今が盛りの満開状態です。
 
 さて、ウグイスカグラで目立つのは、可愛いピンクの花、ぶら下がる赤い実、そして徒長枝の節々につく剣鍔のような奇妙なもの。(残念ながら、その特徴的な姿を撮った写真が意外にも手許にみつからず) 今年やっと、その成長過程を撮ることが出来ました。 

 私はずっと托葉が変化したものだと思っていましたが、最近、「葉柄基部」との記載を見て、その正体を見たいと芽吹きを待っていたのです。

 2021/03/11 徒長枝の1年目 展開した新葉の葉柄基部が、膨らんでいますね。
ウグイスカグラ葉柄基部1年めP3110079.JPG

 徒長枝の2年目 葉柄基部が木質化して残存し、その付根から新葉が展開しています。
ウグイスカグラ葉柄基部2年目P3150090.JPG

 この葉柄基部が大きく成長して向かい側とくっつくと、綺麗な丸い剣鍔状になるという訳です。 やっと納得出来ました。

 成長過程は分かりましたが、一体何故、こんな剣鍔を作るのでしょう? あのような特別な形状をわざわざ作り出すには、理由があるはずです。 無駄なことに栄養を回す余裕はありません。 

 ・葉柄基部が膨らむのは、1年目の徒長枝から伸びる最初の葉柄だけ。
 ・1年目の芽は、対生の葉のみで枝は生じない。 
 ・2年目に剣鍔の上から伸び出す冬芽は枝となる。
 
 この2年目の枝が実に柔らかで弱々しく、春一番でも吹けば折れてしまいそう。 若しかすると、それを守る為の防風壁でしょうか? それとも雪や雨を受けて水分を根元に誘導する仕組みでしょうか? 

 試しに剣鍔を取り除いた新芽とそのままの新芽の成長を見守りましょうか…もう伸び出してしまったので、来年かなぁ 

 綺麗な剣鍔状になっている写真が撮れたら、ここに追加しますね。

<2021/03/18 追加> ウグイスカグラ 剣鍔のようになった葉柄基部
ウグイスカグラ葉柄基部P3160107.JPG



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posted by 山桜 at 15:00| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お久しぶりです。

 皆さま、お久しぶりです。 もうじきKさんが旅立ってから丸4年が経ちます。 家に独りでいるのが辛くて、山へばかり行っていたのですが、ここ2年ほど、無理がたたったかストレスが溜まったのか膝の不調で病院通いが続き、ブログを書く気力も失っていました。

 あの年は開花が見せてあげることが出来なかったソメイヨシノ、昨日の史上最速の開花宣言に励まされ、ようやく外歩きも少しずつ出来るようになってきたので、またブログ界に戻ってみようかと思い立ちました。 

 お休みしている内に、ブログのシステムも変わり、スマホからのアクセスが圧倒的多数となり、どうしたものかと迷いつつ、先ずはやってみようと再開です。 

 もう、ご覧になっている方も少ないかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 山桜 拝

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posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする