2021年04月30日

八国山はいかい(2)采配蘭、吊花、他

 沢山の脇道を歩いていると所々にこのようにパッと開けた場所があります。
八国山ほっこり広場P4281273.JPG
折角ベンチがありますけれど、誰もいませんでした。慣れた人でないと来ないかな。一人では少し怖いかもしれません。左の大きな木はムクノキです。真ん中の特徴的な枝振りはミズキですね。

ムクノキ(椋の木)アサ科ムクノキ属
ムクノキP4281272.JPG ムクノキP4281271.JPG
小さな花をいっぱい咲かせていました。

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)キンポウゲ科オオヒエンソウ属
セリバヒエンソウP4281274.JPG
外来種ですが、こぼれ種で良く増え、すっかりお馴染みの花になりました。よく観ると、オダマキの花にも似た優美な姿をしています。切り花に使われるデルフィニュームの仲間です。

セリバヒエンソウ と キンラン
セリバヒエンソウP4281275.JPG キンランP4281277.JPG
またキンランに会いました。手鞠のように沢山花を着けたキンランも素敵ですが、これくらいの小さなものも可憐ですね。

ここは病院への近道でよく通ったなぁ
八国山P4281276.JPG

線路の向こうは花菖蒲で有名な北山公園。花菖蒲の開花は6月頃、この日は青紫のカキツバタが満開のようで、木々の隙間からチラリと見えました。
八国山カキツバタP4281278.JPG

この日見つけて嬉しかったのは、サイハイランの蕾です。咲いているのは良く見ますが、こんな小さな蕾のうちは初めて見ました。

サイハイラン(采配蘭)ラン科
サイハイランP4281279.JPG
エビネに似た葉が1枚だけなのが特徴です。 
サイハイランP4281283.JPG
薄いヴェールを脱いで蕾たちが覗いたところ。 花が咲く頃、また観に行きましょう。

マユミやニシキギの仲間(ニシキギ科)は、実は目立つものの花は小さくて地味。その中でツリバナはとても可愛い花を沢山ぶら下げて咲かせます。この花を探すのが今の時期の楽しみの一つです。

ツリバナ(吊花)ニシキギ科
ツリバナP4281305.JPG

ツリバナP4281284.JPG

ツリバナP4281292.JPG ササバギンランP4281289.JPG
ツリバナの花のアップ、可愛いでしょ? このササバギンランは恐らく伸び上がる前に踏まれてますが、へこたれずに花を咲かせようと頑張っていました。

二ッ池に出たら、アオサギが魚を漁っていました。
アオサギP4281300.JPG
改良工事をして回りの高木も伐って明るくなりました。ただ、何故かいつも水が濁っているのが残念です。

 さぁ、もう「ごろう」は空いたかな? 頑張って歩いたご褒美に、美味しいお蕎麦が待っています♪


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posted by 山桜 at 22:22| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八国山はいかい(1)金蘭、笹葉銀蘭、他

 「となりのトトロ」には、さつきとめいのお母さんが入院している「七国山の病院」が出てきますが、そのモデルとなったと思われるのが「八国山」と主人も入院していた病院です。入院中は毎日、八国山の中を抜けて通っていましたので、いろいろ思い出すのが辛く、長いこと歩いていませんでした。最後に歩いたのは、病棟の方々に御礼をしに伺った帰り道、思いがけずレンジャーをされているFITの大先輩とすれ違い、驚いたのが昨日の事のようです。

 ふと「ごろう」のお蕎麦が恋しくなって、ふらふら歩いて来たら、なんとお昼時で満席。仕方なく近くの八国山を歩くことにしました。4年前のあの日満開だったクヌギの花は既に終わり、クワの雄花が満開で木全体がふわっと霞んで見える程した。

マグワ(真桑)クワ科クワ属 中国原産 雌雄異株 雄花 2021.04.28
クワ雄花P4281248.JPG
葉先が長く伸びておらず、鋸歯が鈍いのでマグワだと思います。養蚕を行っていた名残でしょうか。

4年前、キンランが沢山咲いていた場所は笹などが茂って荒れており、みつかりませんでしたが、他の場所でかろうじて数株のキンランササバギンランをみつけました。
キンランP4281258.JPG キンランP4281255.JPG

ササバギンランP4281249.JPG ササバギンランP4281250.JPG

ホウチャクソウ(宝鐸草)イヌサフラン科チゴユリ属
ホウチャクソウP4281253.JPG
既に花は終わり、小さな実がついていました。以前はユリ科、今のイヌサフラン科はどうも覚えられません。

ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属
ウワミズザクラP4281259.JPG
花が咲いていない時に葉だけを見ると、羽状複葉のようにも見える特徴的な葉の付き方をしています。

ウワミズザクラP4281260.JPG ウワミズザクラP4281303.JPG
葉はしっとりした感触、見た目は葉脈が窪んで葉がモリモリしている様子を「筋肉の様」とFITの先輩に教わりました。葉柄基部に不明瞭な密腺が有る筈ですが、分かりませんでした。

柵の左が東京都、右が埼玉県です。
八国山県境P4281263.JPG
管理の仕方の違いが面白いですね。東京都側は出来るだけ自然を保全していますが、埼玉側は開発されていて直ぐに住宅地になります。

尾根道に人が少し人が出てきたので、脇道を下ることにしました。金毘羅山裾野でも気になっていたハゼノキに出会いました。黄櫨蝋を取るため、先程のマグワ同様里山で育てられていたものが野生化したのでしょう。

ハゼノキ(黄櫨の木)ウルシ科
ハゼノキP4281264.JPG

ヤマウルシ(山漆)ウルシ科
ヤマウルシP4281268.JPG
ウルシ科はよく似ているのと、かぶれるので余り触れないので迷いますが、下の1枚の葉(羽状複葉)を見比べて観て下さい。

ハゼノキ と ヤマウルシ
ハゼノキP4281267.JPG ヤマウルシP4281266.JPG
ハゼノキの葉は、細長くて先が伸び光沢がありパリッとしてして、葉も軸も葉柄も無毛です。
ヤマウルシの葉は、表面がざらつき、葉柄基部に向かって段々小さく最後は丸に近づき、軸は赤く毛が密生しています。
この他に同じウルシ科のヤマハゼ、ヌルデもよく似ていますが、見分け方は、また出会ったときに。

ウグイスカグラ(鶯神楽)スイカズラ科
ウグイスカグラP4281269.JPG
赤い実が鈴なりでした。
(つづく:1回の記事の容量が多いと、スマホ表示の写真が小さくなる?気がするので、2回に分けてみました。)


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posted by 山桜 at 21:15| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

「赤信号、皆で渡れば怖くない!?」

 ニュースを見ていると、本当に切迫した緊急事態なのだということが、何をどうしても伝わらない人々がいるようですね。皆が最初から一斉に協力すれば、短期間の自粛で抑え込めた筈でした。また、そういうことをハッキリ強く訴える主導者もいませんでした。

 「緊急事態宣言」が「発令」ではなく「発出」という聞き慣れない言葉で出されているのも、命令となれば補償問題が大きくなるので財政的な懸念を含み「命令では無くお願いです」という逃げ道を作っているのでしょう。

 酒類は嗜好品ですから生活必需品とは言えず・・・ケロの会社も家飲みが増えても飲関係関係が壊滅的で、ボーナスも出ないと諦めていました。職場を失う方も増える中、今は働かせて貰えているだけでも感謝ですが、もうこれ以上、だらだらと長引かせてはならないのです。

 私は、
「自分一人くらい大丈夫」
また、反対に、
「みんなだってやってるから」
という考え方が嫌いです。

 こういう状況下で不要不急の自分の生活域外へ出る行動を取ることは、身近な例で考えると、
 「見通しの悪い横断歩道を赤信号で渡る」
ようなものではないかでしょうか。

 誰も見てないし見える範囲は大丈夫そう、結果的に無事渡れたとしても、その裏には命を失いかねない大きなリスクが隠れています。自分の命だけで無く、運転手や他の歩行者、またその家族・親しい人達の運命まで巻き込むかもしれないのです。

 大分昔に流行ったコント赤信号のギャグ?
 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
なんて、本当にとんでもないことです。

 私は今、自分の痛む膝で歩ける範囲でリハビリ中ですが、この辺りを歩くには不釣り合いな大きなザックにしっかりとした山装備で歩く人が増えました。自粛中、遠くの山へは行けないので、鈍らないように近所で鍛えていらっしゃるのですね。不満を言ったり自分勝手な行動をしたりせず、色々考え出来る範囲で工夫して過ごせば、思わぬ発見もあるでしょう。


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ラベル:コロナ禍
posted by 山桜 at 09:06| Comment(4) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ギンラン(銀蘭)

 本当は、もっと良いギンランの写真が撮れてから書きたかったのですが、雨降りで光が弱く断念。取り敢えず、手許にある今年撮影のもので書いてみることにします。

 ギンランとササバギンランは、草丈や葉の形、花序の下の苞の長さ、有毛か無毛か、だけでは個体差もあって、これまでにも私にはどちらと同定し難い個体がありました。それで、それら以外に何か決め手となるポイントは無いかと探しているのです。

 例えば、今手許にあるギンランと思われる下2枚の写真は、実際には草丈20センチ程、全体に華奢で柔らかでパッと見た感じはいかにもギンランだったのです。でも帰宅して見直すと、この角度の写真だけでは、葉もやや細長く見えるし、苞も長さがあるし、有毛にも見えるし、微妙な感じですよね? 私がいかにもギンランらしい個体を探していた理由がこれです。

ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属
ギンランP4271244.JPG
 ギンランは、キンランやササバギンランよりも更に薄暗い所を好むようで、オマケに白花で草丈低く、他の植物に埋もれるように咲いていることが多いので、本当に綺麗に撮るのが難しいです。
ギンランP4221110.JPG

 でも、直ぐ近くの別のもう少し咲き進んだ個体の花をよく観ると、距(きょ:花を横から見て顎のように見える部分)が、三日月顔のように細く長いことがわかります。
ギンランP4271241.JPG

ギンランP4271239.JPG

 これは、先日ご紹介したササバギンランの距とは明らかに違います。蕾の内は観察しづらいのですが、開花して(といっても銀蘭の側弁は殆ど横に開きませんが)花序が伸び出してくれば観ることが出来ます。これは決め手にならないかな? 引き続き多くの個体を見比べる観察を続けます。

<追記>ササバギンランとギンランの記事をアップした後、改めて見比べると、葉の質感が大分異なりますね。
 ササバギンランの葉脈は、縦皺がしっかり刻まれていて固い感じがします。

 この他に、最近では、ユウシュンラン(ギンランより更に小型で上1枚の葉以外は殆ど鞘状に退化)、クゲヌマラン(ギンランとササバギンランの中間的雰囲気。葉は細長いが葉脈の皺は浅い。距は殆ど無い)という白花のキンラン属が進出して来ているという情報もあります。見つけたらお知らせしますね。


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posted by 山桜 at 07:09| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月28日

ササバギンラン(笹葉銀蘭)

 狭山丘陵のキンランの仲間の中で一番良く見かけるのは、花が目立ち草丈も大きいキンラン、次はキンランよりやや小さいとは言え、手を広げすくっとした草姿のササバギンラン、一番少ないのが一番小さくて回りの草に紛れて見つけにくいギンランです。(本当の個体数ではなく、あくまでも私が見つけた範囲の個体数です。)

 ギンランから掲載して、成程、こちらは「笹葉」だと納得して頂くのが順序なのですが、そのギンランがなかなかみつからず、やっとみつけても良い写真が撮れずで、先にササバギンランを紹介します。

ササバギンラン(笹葉銀蘭)ラン科キンラン属
ササバギンランP4271226.JPG
キンランに勝るとも劣らない堂々たる草丈の立派な個体。葉は名前の通り細長く「笹の葉」似です。

ササバギンランP4281249.JPG
図鑑には「花序の下の苞葉が、花序と同長またはやや長い」と書いてありますが、花序はこの様に咲き進むにつれて伸び上がるので、全ての個体には当てはまらないのでは?と思います。

 「図鑑にこう書いてあるから違う!」と仰る方もいらっしゃいますが、何でも鵜呑みにせず、実際に自分の目で沢山の個体を確かめることが大事だと思います。

ササバギンランP4241181.JPG
ササバギンランP4211072.JPG
このぐらいの咲き始めの頃は、その特徴が大体当てはまります。

ササバギンランP4190982.JPG
薄暗い所に咲いている上に風が収まらず、とうとう花のクローズアップはピントが合いませんでした。しかも、ちょっと変形?エイリアンみたいで怖くなってしまい、ササバギンランに申し訳ないです。

ササバギンランP4281250.JPG
ササバギンランP4271224.JPG
後に紹介するギンランに比べると、距(花を横から見ると顎のような部分)が短いです。蕾の時には殆ど目立ちません。

ササバギンランP4281302.JPG
図鑑の「葉裏、花序や茎などに短毛状の突起がある」を確認したのですが、これのことかな? ギンランとの差がイマイチはっきりせず。

ササバギンランP4211075.JPG
キンラン同様、菌根菌に依存しているので、このように樹木の根に沿ったように並んで生えていることがあります。

 キンランのようにパッと人目を惹かないので、気付かれないことが多いのですが、個体数はキンランに劣らず増えているように思います。そして地味故に気付かれず踏まれてダメージを受けた個多い多いのも気の毒なことです。


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posted by 山桜 at 21:44| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月23日

カマツカ(鎌柄)と コデマリ(小手毬)の 花

 里山を歩いていると、里の人々が利用していたであろう植物に良く出会います。カマツカも名前の通り、固い材質を生かして鎌等の道具の柄に使われていたとのこと。牛の鼻に綱を通す孔を空けたり鼻輪を作ったりしたので、ちょっと物騒な「ウシゴロシ」の別名もあります。

カマツカ(鎌柄 別名:ウシコロシ、ウシゴロシ)バラ科カマツカ属 
2021.04.23
カマツカP4231134.JPG
バラ科なだけあって、花だけ見れば、ユキヤナギなどにも似ています。

2021.04.19
カマツカP4190985.JPG
見上げるほどの大木になっていて、白い小花をこぼれんばかりに咲かせていました。

2021.04.20
カマツカP4201060.JPG
蘂の部分は、咲き始めは黄色っぽく、咲き進むとピンク色を帯びてきます。

2021.04.23
カマツカP4231135.JPG
前年の赤い実が未だ残っていました。同じ位の青い実をつけるサワフタギは、別名をルリミノウシコロシと言います。狭山丘陵では同じ様な所に並んで生えているのも見かけます。

カマツカP4231139.JPG
このように丸く固まって咲いているとコデマリの花にも似ていますね。

2021.04.23
コデマリ(小手鞠)バラ科シモツケ属 中国原産
コデマリP4231137.JPG

コデマリP4231136.JPG
花はちょっと似ていても葉は小さく、低木で、全体の風情は大分異なります。


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posted by 山桜 at 10:14| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月21日

キンラン(金蘭)

 私が当地に越してきた25年程前には、殆ど見当たらなかったキンランが、今は里山保全のボランティアの方々の活動により笹刈りなどが進み、あちこちに増えてくれて嬉しい限りです。

キンラン(金蘭)ラン科キンラン属 2021.04.20
キンランP4201048.JPG
花簪のようにまぁるく集まって咲いていました。

キンランP4201030.JPG
蕾から今、咲き出したところ、正に黄金色に輝いてます!

キンランP4201042.JPG
木漏れ日を浴びて弾ける笑顔、笑顔、コロナ禍なんて吹き飛ばしてくれそうな眩しい笑顔です。
キンランP4201163.JPG

キンランP4201024.JPG
草丈は30〜80pと、この仲間の中では一番大型です。

キンランP4201027.JPG
 菌根菌に依存して生きているので、恐らく地中の根に沿って生えているのでしょう。列をなして生えていることがあります。キンラン属は、菌根菌依存率が高く、この環境から掘り出し移植しても長く生き続けることは出来ません。

 芥子粒より小さなタネが風に漂い、その内のほんの少しが生育可能な環境に辿り着いて花を咲かせるまでに成長したのです。そんな幸運なラン達を、決してこの環境から持ち出してはならないのです。


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posted by 山桜 at 19:39| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月18日

アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビ

 狭山丘陵で良く見られるアケビの仲間には、アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビ(アケビ X ミツバアケビの交雑種)の三種があります。

 ゴヨウアケビの花を見つけたら三種揃えて載せたい、と思って探していたのですが、とうとう今シーズンは見つけ損なったようです。葉は良く見かけるのですが、花が咲くほどに育った株がありませんでした。

アケビ(木通)アケビ科アケビ属 蔓性木本 雌雄同株・雌雄異花
アケビP4100801.JPG
いつもこの品の良い花の色をなんと形容したら良いのか迷います。絵の具なら何と何を混ぜたらこの色が出せるかなと想像します。今年はちゃんと絵を描こうかな。

雌花 2021.04.10 狭山丘陵
アケビ雌花P4100803.JPG

雄花
アケビ雄花P4100791.JPG


アケビ葉P4100792.JPG
5〜25pの掌状複葉で5枚の小葉は全縁 テイカカズラ同様、地を這うような内は小さく、日の当たる上部へ育つと大きな葉となります。


ミツバアケビ アケビ科アケビ属 雌雄同株・雌雄異花
ミツバアケビP4150848.JPG
写真を撮るために葉を除けたので、光が当たり白っぽくなってしまいましたが、葉陰で目立たない渋いチョコレートのような色合いです。その為、なかなか咲いていても気付いて貰えないようです。

雌花 2021.04.15 あきる野市
ミツバアケビ雌花P4150854.JPG

雄花
ミツバアケビ雄花P4150851.JPG


ミツバアケビ葉P4150850.JPG
アケビと違い7〜25pの三出複葉、3枚の小葉には波状の鋸歯があります。こちらも上の方の葉はとても大きくなりビックリです。

ゴヨウアケビ(五葉木通)は、この二つの自然交雑種で、掌状複葉で波状の鋸歯があります。
ゴヨウアケビP4221098.JPG

花はミツバアケビ寄りの濃い色だそうですが、未確認です。写真が撮れたら、こちらに追掲載しますね。


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posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月17日

金毘羅山裾野(3)

 女坂参道を下って道に出て振り返り、お不動様にお辞儀をして顔を上げると、なんとその目の前には、今回の金比羅山で見つけたかったヒメハギの花がこんもりと!

ヒメハギ(姫萩)ヒメハギ科ヒメハギ属
ヒメハギP4150914.JPG
いきなりこんなに沢山咲いていて、嬉しくて気は焦り、どう撮ろうかとオロオロ
ヒメハギP4150938.JPG
心の準備ができてなくて興奮気味、心も手も震えています。
ヒメハギP4150944.JPG
先日も書きましたが、萩というより蘭の花にも似て不思議な形です。
ヒメハギP4150937.JPG

ヒメハギP4150941.JPG
失礼してひっくり返し、念願の下から見た所を撮って帰り、良く見返すと、なんと肝心の花びらが欠けていてショック! それでも、まぁ、下側に2枚の小さな花びらがあるらしいことは分かりました。

 もっと上まで行かないと見られないと思っていたので、これもお参りした御利益に違いないと、もう一度神社に手を合せて、出発です。

 次に現れたのは、丹精な三つ葉が目立つ蔓植物
ハンショウヅル(半鐘蔓)キンポウゲ科センニンソウ属
ハンショウヅルP4150894.JPG

ハンショウヅルP4150895.JPG
失礼にも開花前に穴を開けて潜り込んだ虫がいるようです。普通はもっと暗紫色な萼片の色なのですが、ずいぶん薄くてミヤマハンショウヅルかのよう。でもミヤマは分布が近畿以西なので、ハンショウヅルの個体差なのでしょう。

ホウチャクソウ(宝鐸草)イヌサフラン科チゴユリ属
ホウチャクソウP4150897.JPG
茎が上部で分枝するのが特徴。筒状に合わさった花びらの基部に膨らみがあります。

シラユキゲシ(白雪芥子)ケシ科
シラユキゲシP4150898.JPG
中国南東部原産の外来種です。清楚ではかなげな姿に似合わず、寒さにも暑さにも強く、地下茎でどんどん繁殖していきますので、「庭に植えてはいけないリスト」に載ることさえあります。傷つけると毒のある黄色い汁が出て衣服を汚しますので要注意です。

シオデ(牛尾菜)シオデ科シオデ属
シオデP4150900.JPG
シオデはアイヌ語のシュウオンデからとも。牛尾菜は漢名です。サルトリイバラに似ていますが、こちらは草本です。
シオデP4150903.JPG
もっと太くなった蔓の先は、和製アスパラガスとも称される山菜です。

道標
道標P4150905.JPG「樽」って、どんな謂れがあるのでしょう?

マムシグサ?(蝮草)の仲間 サトイモ科テンナンショウ属
カントウマムシグサP4150907.JPG
図鑑によって、花が緑なのはカントウマムシグサだとか、ホソバテンナンショウだとか、色々記載がありますが、マムシグサにも緑色の花を着けるものも有り、未だ私には識別する力なく、すみません。

チゴユリ(稚児百合)イヌサフラン科チゴユリ属
チゴユリP4150911.JPG
稚児百合は正にピークの花盛りでした。といってもうつむき加減で控えめで楚々とした風情です。
チゴユリP4150910.JPG
たまに上を向いてくれている花もあり、ちょっと花びらが欠けてましたが、それもまた自然の営み。

石の祠
石祠P4150912.JPG
さて、十分時間を見ていた筈でしたが、一人気ままで寄り道が過ぎ、バスの時間に間に合うかギリギリとなり、この大きな木の根元の石の祠までで引き返すこととしました。

行きは足元ばかり見ていて気付きませんでしたが、帰り道ふと足を止めて仰ぎ見れば、イチョウと柿の木(多分そうだったかと)の若緑の中に、まるで花が咲いたように鮮やかな赤い芽吹きの葉が映えていました。

チャンチン(香椿)センダン科チャンチン属 ハゼノキ?
ハゼノキP4150920.JPG
民家も近いので、有用植物であるハゼノキだろうと思いました。しかし、帰宅後、ネットで調べても芽吹きが赤いとは出てきません。
ハゼノキP4150921.JPG
秋になって葉が落ちていたら、良く分かるのですが、今はただ綺麗だなぁと見惚れておきましょう。
ハゼノキP4150945.JPG
ヤマハゼ、ヤマウルシ等もよく似ているのですが、小葉の先が細長く伸びている点はハゼノキの特徴に思えます。

<追記>
 他の樹木を調べているときに、中国原産のチャンチン(香椿)の芽吹きが、この写真のように赤いことを知りました。民家の庭の中のようですし、植栽した可能性があります。


フジ(藤 別名:ノダフジ)マメ科フジ属
ノフジP4150922.JPG
陽当たりの良い高い所では既に咲いていましたが、このみっしりと着いた蕾の状態も好もしく思います。

 さぁて、いよいよ脇目も振らずにバス停に向かわねばならない時間です。 余裕があると思っていたのでバス停の位置もあやふやなまま、先ずはバス通りに出なければ! そう思って痛んできた膝を騙しだまし歩いていると、曲がり角に可愛らしいお年寄りが腰掛けてニコニコ微笑んでいらっしゃる。嬉しくなって、
「こんにちは! 良いお天気ですね。」
「すみません、ここから一番近いバス停は、どちらへ行けば・・・?」
思わずそう尋ねると、
「こっちへ曲がって直ぐ又曲がって真っ直ぐが近道よ」
と、教えて下さいました。

『ああ、もう、天使のようなおばあちゃん、絶対神様のお遣い!』
 有り難い、有り難い、と心の中で手を合せながら、道案内に従って歩めば、横断歩道の直ぐ先にバス停が見え、12:35の到着予定時刻の一分前に到着することが出来ました。なんという奇跡。もう殆ど、間に合わないから戸倉まで歩くしかないと諦めていたバスに乗れたのです。

 バスに乗ってみると、戸倉までは思っていたより長く、痛んだ足ではかなり厳しかった、やはりいつも守っていてくれる人が居るのだとしみじみ思いました。

 戸倉バス停に到着すると、バスの中から道の向かい側に見慣れた面々が見えるではないですか! 思わず窓に顔をつけて夢中で手を振りましたが、どうやら外から中は見えない様子、やっと一人気付いて手を振ってくれ、急いでバスを降りました。後で分かりましたが、反対側のバス停に殆ど同時刻に本隊一班のバスも着いたのだそうです。

 懐かしい皆さんの笑顔笑顔、またしても嬉しい不意打ちです。心の準備ができていなくて、何だかもう、どうして良いやら、メチャクチャな感じになってしまいました。コロナ禍での出会い、密も避けねばならず慌ててしまい、きちんとご挨拶も出来ず、お恥ずかしい限り。

 浮き足だった気持のまま、さぁ、いよいよお楽しみの「小春日和」に向かいます。


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posted by 山桜 at 08:47| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

蕎麦処「小春日和」

戸倉バス停で降りて、わやわやと、今日最後の寄り道は、
蕎麦処「小春日和」です。
小春日和大P4150924.JPG

 「小春日和」で、山桜復帰のお祝いをして下さろうと、山の会代表・つーさんが前々から考えていて下さった企画です。残念ながら、未だ前線復帰は叶いませんでしたが、久し振りに懐かしい皆さんとお目にかかれ、温かいお気持ちとあふれる笑顔に包まれて、心から幸せなひと時となりました。つーさん、皆さん、佳き日の素敵な思い出を作ってくださり、ありがとうございました。
「また皆さんと一緒に山に行きたい!」
「負けずに頑張るぞ!」
という元気がふつふつ湧いて参りました。

小春日和P4150923.JPG
里山の風景に溶け込んだ良い雰囲気です。皆さん、ふわ〜っと寛いだ気持になられた様子。 みなさんを席に誘導するスタッフKさん、お疲れさまです。

 つーさんのお気に入りの「おつまみセット」プラスα?
 小春日和大P4150925.JPG
 筍、蕨の炊き合わせは旬の春の息吹。中でも地元産マイタケのマリネ山椒風味は絶品でした。久し振りに、主人の古里秋田で取れたような、マイタケの香りとキュッキュッシコシコという独特の歯ごたえを味わえ、懐かしい気持になりました。

 Kさんの「大丈夫だよ、またちゃんと戻ってこられるよ」とのお優しい心の籠もった「だいじょうぶだぁ饅頭」が、サプライズで皆さんに配られました。ずっしり餡子のお饅頭は、とても重かったでしょうに、ここまで担いで歩いてきて下さり、感激で言い表す言葉がみつかりませんでした。励ましのお気持ち、お饅頭の味と共に心と身体の隅々まで行き渡りました。本当にありがとうございました。

 さぁ、いよいよお待ちかねのお蕎麦がやって来ました〜! 
小春日和大P4150927.JPG
 粗挽きの粒が光る、ややモチッとした腰のある風味豊かなお蕎麦に、その持ち味を生かした辛口のつけ汁が好相性。つけ汁は蕎麦湯で割っても負けないしっかりしたお出汁が効いていました。さらし葱、おろし山葵も嬉しいな。野菜の天ぷらの大盛りには一瞬たじろぎましたが、全部頂いても全くもたれず、良い油を使われている証拠ですね。コゴミ(クサソテツの芽)も入っていて得した気分♪

 女将さんがお一人でてんてこ舞いなのを見て、スタッフのOさんも配膳をお手伝いで大活躍、疲れている中、申し訳ない。手伝えずに、ごめんなさいね。 

 コロナ禍対策で密にならないように、窓は開放、班毎に時間差を設け、席も少数ずつで対面にならないようにと、つーさんとお店の方との綿密な打ち合わせの結果です。 控えめに「乾杯!」

         小春日和P4150926.JPG

小春日和P4150930.JPG 小春日和P4150931.JPG
 室内の席もゆったり落ち着いて寛げますし、ベランダは春の野山の景色と風とお日様を楽しむことが出来ます。

 なんと、今日、私が来ることを耳にされたMさんが、時間差を作る為に瀬音の湯に入ってから、湯上がりのホカホカで駆けつけて来てくださいました。本当の意味での復帰ではないのに、お気持ち有り難く勿体なく、感激で泣きそうでした。

 やがて、第一陣が出発の時、本当は、久し振りの再会とまたの別れの名残惜しさを抱き合って伝えたい気持でしたが、ぐっと堪えて肘タッチで我慢、再開を約束してお見送りしました。

 お食事後、暫し辺りを観察。ニリンソウが未だ沢山咲き残っていました。アオイスミレが花後に大きく葉を茂らせていて、その葉の下に数個の丸っこい実を付けていました。ご主人の許可を得て実を頂きましたので、タネを蒔いて育ててみます。

 さて、最後の班と一緒に出発です。戸倉バス停の近くには、
喜正 野崎酒造(株)さん
喜正P4150934.JPG
小春日和でUさんが気に入られた「しろやま桜」もこちらのお酒です。その時「白山桜」かと思い、「花が白い霞ザクラ」のことかな?等と言ってしまいましたが、調べたら、この蔵の仕込みに使われる伏流水が湧き出る「城山」に咲く桜のことで「城山桜」の意味だそうです。適当なことを言ってすみません!

 時間差で解散後は、最寄りの戸倉バス停から乗車されたか方もあり、駅まで歩かれた常連健脚の方々もあり、更に途中で川沿いの道に寄り道された強者もありでした。膝故障中の私は暫く駅まで歩く方々とご一緒した後、バスに乗って武蔵五日市駅に向かいました。車中から、元気よく駅に向かわれる皆さんの勇姿を眩しく見送りました。

 久し振りに武蔵五日市駅に来て、行きには気付かなかったものを発見!
「にしちゅん」バス自販機
バス自販機P4150935.JPG
JR武蔵五日市駅のバス降車地の近く、西東京バスのマスコット「にしちゅん」が運転している?可愛い自販機です。飲料品メーカーとのコラボでしょうか?なかなか攻めてますね!

 また、後に分かったのですが、バスで駅に向かった私と歩かれた皆さん、なんと同じ電車に乗っていたのだそうです。山の会メンバーズの相変わらずの健脚振りに脱帽でした!


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posted by 山桜 at 08:03| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月16日

金比羅山裾野(2)

左:薬師堂 右:金比羅山 分岐 
薬師堂分岐P4150855.JPG
 薬師堂にもお参りしたかったけれど、既に寄り道が多すぎて時間が足りなくなりそうなので、今回は遙拝で失礼しました。

カラマツソウ(唐松草)の仲間 キンポウゲ科カラマツソウ属
カラマツソウ?P4150856.JPG
 オダマキの葉にも似ていますが、蕾のように見える塊は展開前の葉が丸まって集まっているものでした。 葉の形から、アキカラマツに似ているようですが、花が咲く前ではハッキリ分かりませんでした。そうだとすれば、これからぐんぐん草丈が伸びて、秋にはカラマツの葉に似た花を沢山咲かせるでしょう。

ガマズミレンプクソウ科ガマズミ属
ガマズミP4150857.JPG
 狭山丘陵では満開でしたが、ここでは未だ固い蕾でした。

マルバウツギ アジサイ科ウツギ属
マルバウツギP4150861.JPG
 「あ〜この葉っぱ、見慣れたこの形、何だったかなぁ?」と暫し悶絶・・・数歩進んで「あっ、マルバウツギ!」と思い出しました。もうじき、白い星形の花を鈴なりに開きます。足もリハビリ中ですが、脳の方も歩きながらのリハビリが効果的なようです。

 思い出せて良い気分の私の前でピョンと跳ねて止まったのは、
ツチイナゴ
ツチイナゴP4150862.JPG
複眼の下に涙のように流れる黒い模様があるのが特徴です。

コバノガマズミ レンプクソウ科ガマズミ属
コバノガマズミP4150865.JPG
 ガマズミは蕾でしたが、コバノガマズミは満開でした。両者の比較は、先日載せましたね。

 いつも気になっていた神社、今日は一人気ままなので、遂にお参りが叶いました。
神社鳥居P4150866.JPG センボンヤリP4150867.JPG
 相変わらず鳥居の扁額の神社名が読めません。階段を上っていくと、センボンヤリ(千本槍)がびっしりと生えていました。花期は薄紫の花が咲いて可愛いでしょうね。

お社P4150868.JPG 不動明王P4150869.JPG
 初めて参拝できたお社には、なんと意外なことに不動明王の像が祀られていました。不動明王は如来の化身の仏様とされ、普通はお寺に祀られています。手を合せ、本日の初めてのお招きへの御礼、皆さんの道中の無事、そしてこの神社の階段を無事に降りられますようにと祈りました。

 急な階段を上りながら、果たして無事に降りられるかと危ぶんでいたのですが、お参りの後、ふと辺りを見回すと、なんとなだらかな女坂ともいえる参拝路があるではないですか! 「ほうら、こっちからお帰り」と、早速願いを叶えてくださり、感謝感激です。
参道P4150881.JPG 参道P4150883.JPG

 そしてその道への分岐には、私の大好きな可愛い花がいっぱい!

オトコヨウゾメ レンプクソウ科ガマズミ属
オトコヨウゾメP4150876.JPG
 葉っぱは、コバノガマズミに似ていますが、花の形、付き方は全く違います。

オトコヨウゾメP4150872.JPG
 仄かにピンク色を帯びていて、男というより乙女と呼びたい可愛らしさです。
(つづく)


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posted by 山桜 at 20:33| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月15日

金比羅山裾野(1)

 今回、イベント幹事のつーさんのご厚意により、金毘羅山ハイキング後の「小春日和」にだけ、飛び入り参加させて頂けることとなりました。皆さんの下山時刻に合せつつ、自分も少しだけ裾野を歩いてみることとして、本隊から2時間半ほど後、武蔵五日市駅前をスタートしました。

 駅を背にして右折、橋を渡ると普段は目にしづらい高木の新芽の展開が観察できました。また後でも撮れると思って写真も撮らず、先を急いでしまい何であったのか今でも気になります。次回歩く機会があれば必ず確認したいです。

 更に進むとフェンス越しに特徴のあるヒメコウゾの雌花と雄花が花盛りでした。何度見ても、太陽のような雌花が面白く、ついつい撮ってしまいます。雄花は桑の実のような蕾から雄蕊を伸ばし花粉を沢山出していました。

ヒメコウゾ(姫楮)クワ科コウゾ属
ヒメコウゾP4150842.JPG
上の方でお日様のように咲いているのが雌花、下の方で花粉を出しているのが雄花

ヒメコウゾ小P4150860.JPG ヒメコウゾ小P4150841.JPG
左の雄花は未だつぼんでいて本当に桑の実のようです。右は開花状態。

 東町交差点で右折、更に少し先の分岐を左の住宅地の方に上っていきます。 前回、栗の雄花と雌花を観察した栗の木は、切り戻されてこざっぱりとしていました。小学校の校門前を通り校庭の角を右折、突き当たりを左折して中学校の裏を真っ直ぐ、赤いポストのある店先迄進めば、「金比羅山1.7km」の道標が向かいの角に見えるので、それに従い右折して進みます。
道標P4150843.JPG 道標P4150844.JPG

念仏塔 その傍の道標
念仏塔P4150845.JPG 道標P4150846.JPG

少し崩れた庚申塔に寄り添う優しいイロハモミジの新葉
庚申塔P4150847.JPG

 畑の縁では、柔らかな若緑の三つ葉の蔭でチョコレート色の渋い花が沢山さいていました。目立たない花なので、見過ごされてしまうことが多いのですが、よく観ると実に味わい深いものがあります。
ミツバアケビ(三つ葉木通)アケビ科アケビ属
ミツバアケビP4150848.JPG

ミツバアケビの雌花と雄花
ミツバアケビ雌花P4150854.JPG ミツバアケビ雄花P4150851.JPG

 奇しくも、雌雄同株で雌雄異花(同じ木に雄花、雌花、時に両性花が咲く)の二つの木本の紹介になりました。(つづく)


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posted by 山桜 at 21:28| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月12日

ホタルイカ(蛍烏賊)

 ご近所から、なんと有り難いことに、糸魚川の晩春の味覚ホタルイカのお裾分けを頂戴しました。

ホタルイカ(蛍烏賊)
ホタルイカP4120825.JPG

ホタルイカP4120826.JPG
確かこの腕の先の点々が発光するのではなかったかな?
(調べると、目の縁の腹側と体の腹側にも発光器がありました。それぞれの役割は未だはっきり解明されていないようですが、腹側を下にして泳ぐので、海の中にいる生物への目くらましか仲間への合図に用いるのではと推測されていそうです。)

 イカには寄生虫の危険性があるので、お刺身にするは一度冷凍せねばならず、新鮮な内に早速頂きたかったので、昆布出汁に塩とお酒を足してプックリと膨らむ程に茹で上げました。
ホタルイカP4120831.JPG ホタルイカP4120837.JPG
 湯気で曇ってなかなか上手く撮れず、結局ピンボケ。この飛び出したお目々(ちょっと怖い)と軟骨を取り除くのがなかなか面倒ですが、根気よく・・・。おさかな同様、目玉の部分も好きな人いますよね。私もそうなのですが、余りにも大量過ぎなので今回は取りました。

ホタルイカP4120839.JPG ホタルイカとP4120840.JPG
 葱と辛子ぬた和えにしました。器はお気に入りの宮嵜さん作の足付小鉢。本当は薬を飲んでいるので控えねばなのですが、ケロに貰った「酔鯨」をお猪口に一杯だけお許し願いました。あぁ、春の宵の一献、堪えられませんね。ご馳走様でした。


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posted by 山桜 at 20:48| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

給湯器のエラーコード 140

 溜まっていたブログ記事を書き終えて、さぁ、お風呂を沸かそうとしたら、リモコン・パネルにエラーコード【140】が点滅して作動しなくなりました。 スイッチON/OFFを繰り返しても同じ、「あ〜、いよいよその時が来たか・・・」諦め気味にエラーコードを調べると、
 【エラーコード140 過熱防止装置作動】
自分で何とか出来る状況ではなく、要メーカーに連絡、とのこと。

 こういう切迫した状況に対応する為、ちゃんと24時間サポート体制があるのですね。早速連絡すると、こんな遅い時間でも対応して下さり、翌朝一番で連絡が来るとのことでした。

 そして今朝、電話が来て9:30には修理の方が到着とのこと。早いのは有り難いけれど、朝食を頂いたばかりでバタバタと忙しくなりました。膝が腫れて痛いからと色々家事をサボっていたので、慌てました〜(^^;)そしてイザとなると、動けるから不思議。

 給湯器の耐久年数は10〜15年と言いますので、家のは9年目でちょっと早いのですが、いつ壊れるかとビクビクして使うのもいやなので、同等機種と交換することにしました。驚いたことに9年前より給湯器が大分安くなっていました。何でも値上がりが当たり前と思っていたので意外です。どうか今度は「当たり」の機器で長持ちしますように・・・。

 新しい給湯器は、リモコンパネルの文字も大きく見やすくなって、少し機能も便利になっていました。気になっていた使用時の異音もしなくなり、安心して使用できるようになりました。テキパキと朝一番から気持ちよく作業して下さった方々に大感謝です。

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ラベル:給湯器 故障
posted by 山桜 at 13:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)

 ジロボウエンゴサクも咲き始めました。 昨日ご紹介した、ムラサキケマンの白花種(ユキヤブケマン、シロヤブケマン)の仲間で、似たような場所に生えているので、パッと見ると間違えやすいかも知れません。

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)ケシ科キケマン属
ジロボウエンゴサクP4090743.JPG

ジロボウエンゴサクP4090705.JPG

ジロボウエンゴサクP4090707.JPG
花の下の「苞が全縁(鋸歯や欠刻なし)」なのが、ヤマエンゴサク(苞に鋸歯や欠刻あり)との違い。

ジロボウエンゴサクP4090708.JPG
葉は、2〜3回出複葉で、芽吹きの頃は2回出複葉で下がり気味に付き、アズマイチゲにも似た雰囲気がある。 花が咲く頃には3回出複葉になることが多いようだ。(狭山丘陵の観察エリアでの様子)

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posted by 山桜 at 07:15| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月11日

ユキヤブケマン?

ムラサキケマンの白花種をシロヤブケマンと呼びますが、シロヤブケマンは花びらの先に紫色がほんのり残っています。 

 それが先まで真っ白のものをユキヤブケマンと名付けたのは、牧野富太郎先生。 なかなか無いと聞いて、ムラサキケマンの沢山生えている場所を探りに行ってみました。

 「えっ、えええっ? あれ、これはユキヤブケマンでは!?」
 そんなに珍しいとされる種に、いきなり出会ってしまい狼狽えました。完全に真っ白ではなく、頭?の上にほんのり紫が残っていますが、ユキヤブケマンの画像を検索すると、同様のものがユキヤブケマンとされていました。どうなのかな? ネット情報なので、イマイチ自信はありません。

ユキヤブケマン?(雪藪華鬘)ケシ科キケマン属
ユキヤブケマンP4090806.JPG

ユキヤブケマンP4090807.JPG

 対比したいので、花びらの先に紫が残っているシロヤブケマンを探したのですが、みつかりませんでした。 みつけたら、追掲載しますね。
母種のムラサキケマンは、直ぐ傍に咲いていました。 

ムラサキケマン(別名:ヤブケマン)
ムラサキケマンP4070646.JPG
 普通のムラサキケマンでも、濃赤紫〜淡赤紫まで幅があります。 これは先が濃くて筒部が薄いタイプです。

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posted by 山桜 at 21:35| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イヌザクラ と ウワミズザクラ

 八重桜の咲き出す頃、ちょっと変わった花の付き方をするサクラもお目見えします。派手で華やかな八重桜にうっとりする人は多いですが、このサクラたちは高い所で葉に紛れて目立たず咲いているので、なかなか気付いては貰えません。是非、このサクラの美しさを知って頂きたいので、ご紹介します。サクラの名が付きますが、サクラ属ではなく、ウワミズザクラ属です。

イヌザクラ(犬桜、別名:白桜)バラ科ウワミズザクラ属 2021.04.06
イヌザクラP4060538.JPG

イヌザクラP4060547.JPG

イヌザクラP4060548.JPG
こうしてアップで見ると、サクラとは趣の違う花ですね。私は、見る度に、
『水面に水滴が作る王冠みたい!』
と神様の意匠の素晴らしさに感激しています。

イヌザクラP4060549.JPG
葉も細長いことが多く、桜というより桃の葉に近い雰囲気です。

イヌザクラP3160113.JPG
こちらは花芽が開いたばかりの頃

イヌザクラP4010358.JPG
花芽が伸びて咲く直前の蕾。 花柄に葉が付いていないことが特徴です。


ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属
ウワミズザクラP4090736.JPG
イヌザクラより花数が多く密集した感じ。 花序も蘂も長いので、よりふさふさしたブラシ状です。 

ウワミズザクラP4090733.JPG
これは余り栄養が行き届かなかった小さな花序ですが、花柄に葉が付いていることが分かります。

ウワミズザクラP4090819.JPG
下から見上げると透過光で薄い葉が透けて見えます。葉を触ってみるとしっとり柔らかな感触で、私はいつも『生まれたばかりの赤ちゃんの掌』の感触を、娘の誕生の嬉しさと共に思い出します。

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posted by 山桜 at 16:47| Comment(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月10日

ヒメハギ 開花

 毎年、『また咲いていてくれるかな?』と、ドキドキしながら訪れる場所で、今年もヒメハギの小さな花が無事に開き始めてくれました。 スミレやニオイタチツボスミレも咲くこの斜面は、私のお気に入りの春の観察エリアです。

ヒメハギ(姫萩)ヒメハギ科ヒメハギ属
ヒメハギP4100770.JPG

ヒメハギP4100776.JPG

ヒメハギP4100775.JPG

ヒメハギP4100822.JPG ヒメハギP4100773.JPG

 ほんの1p程の花は、萩というよりは蘭の花に似ていると思いますが、マメ科でもラン科でもなく、ヒメハギ科という独立した科を構えています。

 小さい上に風に揺れて、曲がらない膝で急斜面で這いつくばるようにして粘り撮りましたが、これが限界でした。 段々目が悪くなって、ピンと合わせも撮った後の画面確認も怪しくて、帰宅してがっかりなことが増えました。

 左右に広げた花びらのように見えるには、側萼片。花びらは真ん中に3枚、先が房状になった一枚とその下の小さな2枚が合着して伸びています。それを確認する為に分解するには、余りにも個体が少なくて出来ません。いつか、この斜面いっぱいにヒメハギが咲く日が来たら、一つだけ頂いて詳しく見てみたいものです。


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posted by 山桜 at 23:01| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マルバアオダモ 雄株

 里山にまた「白い花の季節」がやって来た。昨日のイヌザクラ、ウワミズザクラに続き、マルバアオダモがふわふわの淡雪のような白い花を咲かせていた。

マルバアオダモ(丸葉青梻 別名:ホソバアオダモ)モクセイ科トネリコ属 雌雄異株
マルバアオダモP4060598.JPG
実生の若い木もあって間近で花を観察できるのが嬉しい。

「タモノキ」とは「たわむ木」で、粘りのある材は、アオダモ同様に「バットの材料」として有名。

 また、枝や樹皮を水に漬け、暗いところで紫外線を当てると「青い蛍光色」を発するという。紫外線を発する器具を持っていないので、なかなか実験が出来ないが、薄暗い部屋に太陽光を細く導いたら出来るだろうか?

マルバアオダモP4060601.JPG
 対生、羽状複葉、小葉は2〜3対、「マルバ」という名前は、アオダモに比べて丸い葉というよりも、はっきりした鋸歯が目立つアオダモに比べて鋸歯が目立たずツルンとした印象かららしい。この写真の個体の葉は細長いタイプで、別名のホソバオダモの体だ。しかし、個体差もあるが大体は基部の小葉ほど丸みは強い。

マルバアオダモP4090674.JPG
 雌雄異株で、このようにこんもりと花数が多く、真っ白なものは雄株。

マルバアオダモP4090673.JPG
 沢山の花をつけた円錐花序 

マルバアオダモP4090811.JPG
 一つの雄花は、4枚の花弁と2本の雄蕊がある。雌花(両性花)には一本の雌しべと2本の雄蕊があるというので、次回探してみよう。これだけ実生株があるのだから、雌株が無い訳がない。

 花期が短いので探す時間があるかな・・・この風雨が恨めしい。


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posted by 山桜 at 17:06| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月09日

ガマズミ と コバノガマズミ

 更新が追いつかないほど、次々と白い花があちらにもこちらにも目に付きます。 光を受けて新緑の森の中、眩しい白さを放っていたのは、沢山のガマズミの花たち。

ガマズミ レンプクソウ科ガマズミ属
ガマズミP4090696.JPG
こういう花のかたまりを見ると「アジサイが咲いてる!」という声が聞こえて来て、思わず「違うよ〜よく観て」と、花に代わって声を上げたくなります。

ガマズミP4090698.JPG
近づいてみると、真っ白に思えた花には、うっすらとピンク色がさしています。
ガマズミP4090699.JPG
後に真っ赤な実を成らす色素を隠し持っているからでしょうか。 実が酸っぱいことから「酢実」とも、染め物(実、紅葉、枝)に使われたので「染め」から転化した名前とも言われます。それでは「ガマ」は何か? 私は勝手にガマガエルの背中に似た形の葉だから等と思っていましたが、「噛む酢実」「鎌(の柄にした)酢実」など諸説あるようです。
ガマズミP4090813.JPG


 ガマズミによく似ていますが花も葉も小さめなのは、

コバノガマズミ レンプクソウ科ガマズミ属
コバノガマズミP4060572.JPG

コバノガマズミP4060565.JPG

コバノガマズミP4060564.JPG

コバノガマズミP4060567.JPG

コバノガマズミP4060573.JPG
カエルの背中のようにふっくらしたガマズミの葉に比べると、小さめでほっそりしていて、オトコヨウゾメの葉によく似ています。


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posted by 山桜 at 22:09| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月05日

ヒイラギソウ 開花

 むさしの自然観察園でヒイラギソウが咲きました! それも親株から大分離れた他の草の間、地下茎を伸ばしたのでしょうか? 瑞々しく元気な花を咲かせてくれて、ありがとう!

ヒイラギソウ(柊草)シソ科 キランソウ属 2021.04.05
ヒイラギソウP4050526.JPG
名前の由来は、お気づきのように葉の形がヒイラギに似ているから。

属名にある、キランソウ(金瘡小草 別名:地獄の釜の蓋)は、こちらです。
キランソウP4030435.JPG
小さいけれど良く似ていて同じ仲間の雰囲気ですね。キランソウの名前の由来は諸説あります。地獄の釜の蓋の名前の由来と共に以前書いたことがあった気がしますが、下のラベルでキランソウをクリックしても出てこないので、また機会を見て書きますね。

在来種のサクラソウも可愛い花で勢揃いです。 西洋サクラソウに対して日本サクラソウと呼ぶ人も居ますが、こちらが本家ですから、堂々とサクラソウと呼びたいです。 

サクラソウ(桜草)サクラソウ科サクラソウ属
サクラソウP4050524.JPG

先日も群生を載せましたが、すくっと一輪咲いていると、如何にもイチリンソウの風情です。
イチリンソウP4050525.JPG

すぐそばに、ニリンソウも咲いていたのですが、作業に没頭してしまい写真を撮り忘れました。どうも作業開始前に撮らないとダメですね。

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posted by 山桜 at 20:28| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月01日

オオヤマザクラ 開花

 東北へ旅すると、広々とした平野で伸び伸びと枝を広げて咲く、赤味を帯びた花葉の一本桜を見かけます。それが大体オオヤマザクラです。

 樹の皮目が美しいので、秋田の伝統工芸「樺細工」に用いられます。主人が秋田出身なので、家には樺細工が多数。使い込むほどにツヤが増して美しく愛着の湧く品です。

オオヤマザクラ(大山桜)バラ科サクラ属
オオヤマザクラP4010299.JPG
未だ若木で、樹形は顕著なホウキ型

おおやまざくらP4010396.JPG
花色は、ソメイヨシノより赤味が強い。花びらは丸い。この個体は雄蕊の花弁化が見られる。

オオヤマザクラP4010398.JPG オオヤマザクラP4010397.JPG
萼筒はツリガネ、萼片は三角、全縁、先が内に抱き込む。無毛。
オオヤマザクラP4010295.JPG オオヤマザクラP4010388.JPG
花序の下の鱗片は丸く粘りがある。

葉が展開したら、葉の観察も追記しますね。


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posted by 山桜 at 13:33| Comment(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あっという間に成長

 あらゆるものが待ちかねた春に、正に’Spring’ 吹き出すように溢れるように成長していきます。 ちょっと油断すると、その成長過程を見逃して、また来春を待たねばならなく成程です。

キッコウハグマ キク科 モミジハグマ属 2021.03.24 
キッコウハグマP3240179.JPG
先日、枯れた総苞片の名残をご紹介したキッコウハグマ、小さな冬芽を地面に覗かせていたと思ったら、もう産毛に包まれた幼葉を展開し始めていました。

2021.03.31
キッコウハグマP3310395.JPG
 ちょっと見ないうちに、初々しい亀甲形の葉を広げていました。

ツリガネニンジン キキョウ科 ツリガネニンジン属 2021.03.31 
ツリガネニンジンP3310272.JPG
刈り取られた土手では、ツリガネニンジンの芽が伸び出していました。 「山で旨いはオケラにトトキ」の「トトキ」の方です。

ツリガネニンジンP3310269.JPG
こうなれば、ああ、キキョウの仲間だなぁと分かりますね。
 
トチノキP3310385.JPG
ペトペトした芽鱗に覆われていたトチノキの冬芽も、空に向かって手を伸ばし、ぐんぐん成長を始めていました。
 
トチノキP3310386.JPG
こちらは既に展開した新葉。 柔らかな手のひらを気持ちよさそうに振ってくれました。


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posted by 山桜 at 10:32| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする