オカトラノオ(岡虎の尾)サクラソウ科オカトラノオ属 2021.06.30
2021.06.21 午後には木陰となり薄暗くなってしまいます。
ご覧のように群生はしているものの、今年は花序の出が少なく寂しい風景です。健全であれば花序は、もっと長く、しな垂れた先がまた少し上を向くような見事な「虎の尾」になるのですが、何となく尻切れで短いものばかり。
未だ出たばかりの小さな花序が初々しい。
蕾は実に規則正しく並ぶ幾何学模様。これぞ「天地の理(あめつちのことわり)」、神様の意匠には科学的法則が潜んでいます。
花は下から咲き始めます。飛んでいる箇所は陽当たりが悪いのでしょう。
さて、ちょっとずつ寄ってみましょうか。
真っ白では無く、淡いピンク色がかっていて、ソメイヨシノのような色合いです。
これは、特に雌しべの赤味が強く美しい個体でした。
このように寄って見てみると、本家のサクラソウよりも桜の花に似た雰囲気が感じられませんか。花弁(花冠の裂片)の真ん中に雄しべがある(花弁と雄しべが対生)のが、サクラソウ科の一つの特徴。
オカトラノオの花(最初の1枚)と 離れた別の2箇所のイヌトラノオの花(後の2枚)
最初の2つを比べると、確かにイヌヌマトラノオの花弁(1枚ずつ分かれていないので花冠の裂片というのが正しい表記*)の方が幅広ですが、立ち入り禁止の水道用地内に咲いていたイヌトラノオ(多分)を柵越しに撮った3枚目は、却って細いようです。イヌヌマトラノオはオカトラノオとヌマトラノオの交雑種ということなので、どちらの形質がより多く出ているかによるのではないでしょうか。
*以前にも書きましたが、ある刑事ドラマで「サクラソウの花びらが1枚落ちていた」という台詞がありました。サクラソウ科は漏斗状に花冠の下はくっついていて、花は丸ごと落ちるので、花びら1枚というのはちぎらない限りあり得ない筈なのです。

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