2021年07月02日

リョウブ(令法)の花

 ナポレオン・ハットのような冬芽からずっと追いかけてきたリョウブ、やっと開花しだしたと思ったら雨続き、手許で撮れる高さで観察してきた株では、最高に綺麗な状態では撮れずに残念でした。毎日のように見ていても、自然相手ではこんな結果も待っています。

リョウブ(令法)リョウブ科リョウブ属 2021.06.24
リョウブP6242273.JPG

 狭山丘陵では、好みの環境と見えて沢山の株が見られます。その割に名前も知られず、花を楽しむ人も多くないのは、梅雨時の花で傷みやすく、比較的目に入りづらい高い梢で咲くことが多いからでしょうか。これがアジサイのような高さで咲けば人気が出るでしょうに。

2021.06.28
リョウブP6282345.JPG

リョウブP6282344.JPG

2021.06.30
リョウブP6302415.JPG
 一つ一つを見れば、端正で繊細な造りに惚れ惚れします。花序全体がブラシの様に見えるのは、この長い雄しべが目立つから。
リョウブP6302416.JPG
 雌しべの先が3つに分かれているのも確認できました。

2021.05.28 蕾に気付いたのは5月の終わりでした。
リョウブP5281885.JPG

リョウブP5281886.JPG
 よく観ると、小さな蕾はクルリと折りたたまれています。

2021.06.02
リョウブP6021999.JPG
 次第に花序も蕾も伸び上がって・・・

2021.06.14
リョウブP6142122.JPG
 やっと真っ直ぐに伸びきり、明日は咲くか咲くかと通い続けて、なんと開花まで7日も掛かりました。

 リョウブは、冬芽も面白く、新緑の展開も瑞々しくて美しく大好きな木のひとつです。

 その冬芽や新緑の様子は、こちらをどうぞ。「リョウブの芽吹き」 その他のリョウブの記事は、下のラベルから「リョウブ」をクリックしてください。

<追記>
 リョウブは、日本在来種では一属一種ですが、似たような雰囲気を持ち植栽されているものに、ズイナ(在来種)、コバノズイナ(北米原産)共にズイナ科ズイナ属があります。コバノズイナはヒメリョウブとも呼ばれ、茶席や生け花では、こちらをリョウブと呼び習わされていて紛らわしいのです。(花序の軸に赤味があり、穂は短く花の形も葉の大きさも違います。)

 先生やお茶席の主人の仰ったことはそのまま受け止める文化ですので改まりません。真実を知る方はこの世界ではこう呼ばれると折り合いを付ければ良いし、知らないままの方はそれで良いのでしょう。


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posted by 山桜 at 22:04| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする