2021年08月26日

「無い物を嘆くな、ある物を活かせ」

 
 「無い物を嘆くな、ある物を活かせ」

 これは、経営の神様、松下幸之助の言葉です。


 パラリンピックの父、ルードウィッヒ・グッドマン医師の提言、

 「失ったものを数えるな、残された機能を最大限に生かそう」

  ”It's ability, not disability, that counts."

に通じるものがあります。こちらは、パラリンピック精神ともなっています。


 松下氏の言葉は、障害のある方のことを年頭に置いてのことではないでしょう。同様に、グッドマン医師は経営を年頭に置いてはいないでしょう。それなのに経営と身体機能の回復を目指すスポーツの指針が奇しくも殆ど同じ言葉であることに深い感銘を覚えます。

 言い換えれば、どんな立場、条件にあっても、この言葉は生きているのだ、ということだと思います。私の好きな言葉、

 「出来ない理由を数えるな。出来る方法を考えよ。」

 これも同じ類いの言葉ですね。

 私は4年6ヶ月前に大切な伴侶を亡くしました。突然、半身を捥ぎ取られたような苦しみ痛み嘆きに心身のバランスを失い、自己免疫疾患で膝関節をやられ満足に歩くことが出来なくなり、第2の人生と定めた森林インストラクターの道も頓挫してしまいました。この先どうして生きていけばよいのかと迷う暗いトンネルの先に、この言葉が光と共に降って来てくれました。

 独り黙っていることを止め、手探りしつつブログを再開し、心を世間に向け発信する気持を起こしたお蔭と思います。

 「天は自ら助くる者を助く」

 テキパキ歩けなくとも、出来る事は幾らもありますね!


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posted by 山桜 at 11:49| Comment(2) | 心に残る言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

瑠璃色の飛礫(つぶて)

 一瞬のことだった。しかし、確かに目に捕らえたのは、瑠璃色に光る紡錘形の飛礫(つぶて)。遙か先で水切り石のように2度、シュッ、シュッ、右に左に水面を切り裂き銀色の飛沫を上げ、瞬く間に森の闇に消えていった。

 いつの間にか、手が勝手に動いて水面を指さしていた。歩いて来た人と目が合って思わず、
「カワセミのダイブです!」
と声が出た。共感して欲しかったのだろう。

 近くの川では時折見かけるが、この池で、しかも目の前を横切り、ハンティングの瞬間を見てあたふたとした私に、
「見られて良かったですね。時々いるんですよ。」
と彼の人は優しく微笑んで下さり、不躾な行動も救われ、落ち着きを取り戻せた。

 眼前を通過し着水した地点の距離から見て、右手の大きな花水木の上から、あの遠くの魚を目指して一気に突撃したのだろう。何という視力、なんという決断力。

 全身全霊で獲物に向かって文字通り「全集中」していたカワセミには、モタモタ歩く私など眼中に入らなかったのだろうか。私がもう少し早く歩けていたら、被弾したほどのニアミスだったのだ。

 いや、カワセミは私の歩くスピードも計算の上、
「イケる!」
と、判断したのだろう。研ぎ澄まされた感覚、必死に生きるとはなんと潔いことか。

 痛みに負け、色々なことで自分を甘やかしていた私に、天から「喝!」の一撃だった。


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posted by 山桜 at 11:20| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする