2015年の7月、裏高尾の下見で出会ってからなんと6年ぶりに、地元で見つけるとは嬉しい驚きでした。それこそ地味な色合いなので、風景に溶け込んで見損なって居ることも多いのでしょう。丁度その6年前の記録を見たその日だったので、
「ここに居るよ〜!」
と、呼ばれたような不思議な気持になりました。
コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)キョウチクトウ科ガガイモ属
2021.08.23
臙脂色というかチョコレート色というか、渋い花色。良く見ると、花冠の咽の部分、ずい柱(雄しべと雌しべが合着したもの)の回りを花冠と同色の副花冠が取り巻くという、なかなか凝った造りになっています。
星形とも言えますが、花冠の先がねじれていて、カザグルマにも海のヒトデにも人の姿にも見えてきます。幼心で見れば「妖精のダンス」♪
以前はガガイモ科、今はAPG体系の遺伝子での分類でキョウチクトウ科になりました。今でもつい「ガガイモの仲間」と言ってしまいます。なにせ、日本神話にも登場するガガイモ(スクナヒコノミコトがガガイモの実鞘の船=天之羅摩船(あめのかがみのふね)に乗り蛾の衣を纏い登場します)が大好きなもので・・・。同じ科の属違い、今でも近い仲間であることに違いはありません。
傘のような細長い蕾がクルリとほどけて開く様子は、同じ科のキョウチクトウやテイカカズラの花にも似ています。
ちょっと複雑な花の着き方に見えます。小さな蕾から四方に広がって咲く姿は線香花火のよう。
カモメヅルの名前は、蔓に2枚ずつ対生する細長い葉を鴎の羽に見立てたようです。「小葉の」に対して「大カモメヅル」が存在するのですが、私は未だ見たことがありません。コバノカモメヅルの葉が3-11cmなのに対し、大カモメヅルの葉は、ほぼ2倍の6-20cmということで、花は却って小さくガガイモの花の様に毛が生えています。
こんな風に注目して書けば縁が繋がり蔓をたぐり寄せて、きっとオオカモメヅルにも出会えるのでは無いかと密かに期待しています。
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