「大豆の原種 ツルマメ 」に続き、同じ場所に一緒に生えていた「小豆の原種 ヤブツルアズキ」です。似たものに「ノアズキ」がありますが、そちらはどうやら栽培種のアズキが野に戻ったものと言われています。先祖返りしても、元のヤブツルアズキには戻らなかった訳です。
原種 ヤブツルアズキ→改良され アズキ→先祖返り ノアズキ
大豆も小豆も縄文遺跡から出土しているので、栽培の歴史は古いのですが、小豆は赤い色が魔を祓うとされ、祭事や民間利用は大豆より古くから進んでいました。名前の「アズキ」が大和言葉であることからもそれは偲ばれますね。漢字の小豆は大豆に対しての当て字であり、本来の読みは「ショウズ」です。
ツルマメの花が、如何にもマメ科の蝶花型・正統派の二枚目なのに対し、ヤブツルアズキの花はちょっと「ヘソマガリ」というか、まるで「オヘソ」のような形をしています。
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)マメ科ササゲ属 2021.09.14
大部分のマメ科の花は、上部に広がる「旗弁」、その下で左右につく「翼弁」、下部で2枚が合着して筒状になった「竜骨弁」から出来ていますが、ヤブツルアズキやノアズキの花は、「竜骨弁」がクルリとねじれ、左右の「翼弁」がそれに巻き込まれ、左の翼弁は竜骨弁に被さり、右の翼弁はそれを追うように巻いています。
2021.09.10
夕暮れ時で明度が落ちたのでみやすいと思いますが、下部の少し白っぽいのが竜骨弁です。中には豆の赤ちゃんの子房が包まれています。
未だ開き始めは、それ程ねじれていませんね。何故、段々と捻れていくのでしょう。ササゲ属のマメ科は細長く伸びて行くので、それをコンパクトに巻いて収めているのかもしれません。
巻かずに前に付き出して置いた方が目立ちそうな物ですが、受粉のためには中の密腺に近い方が良いのかもしれません。
左右の翼弁も、よく観れば、ポリネーター(花粉の運び屋)の虫を柱頭に誘引しているかのようにも見えます。
2021.09.14
草姿です。蔓性の一年草。葉は3小葉からなり、小葉は卵形。この葉はちょっと虫食いで切れ目が入っています。
こちらが健全な葉の姿。暗くなって撮ったものでイマイチ。もう少し良いのが撮れたら取り替えますね。後方の少し細長い小葉は、大豆の原種のツルマメの葉です。
葉ダニにやられて白っぽくなった葉しかみつかりませんでしたが、参考の為に載せて置きます。
一度アップした後に、よくよく観察してみたら、既に豆果がなっているのをみつけました!
細長い豆鞘は、小豆やササゲの特徴が出ています。
大きさが分かり易いように、手の指と一緒に撮ってみました。
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