ムサシアブミは、草姿が堂々としていて葉も花も果実も見応えがあるので良く庭園等に植えられていますが、分布としては関東以西の海岸沿いの湿っぽい林内です。高尾山ではどうやら個人宅などから逸出した株が増えつつあり見つけ次第除去していますが、なかなか丈夫で繁殖力があり油断なりません。
テンナンショウの仲間は、大体似たようなトウモロコシ状の果実をつけます。緑色の若果から次第に色づいていく様子は、モミジの紅葉のようでもあり心ときめきます。
ムサシアブミ(武蔵鐙)サトイモ科テンナンショウ属 液果(有毒)
2021.11.08
上のような斑に熟したものが、一週間で下のように真っ赤に熟しました。
2021.11.15
有毒(蓚酸カルシウム、痺れ腫れから呼吸困難など)と知っているからか、毒々しく禍々しく見えますが、美味しそうに見えての誤食中毒も時々あるようです。お子さんがいるお宅では、毒があると教えることが大事です。
しかし、繁殖するということは、この果実を食べてまき散らす動物が居るということですよね。それが証拠に、ここ武蔵野自然観察園でもいつのまにかポロポロと粒が減っていきます。狸やネズミがいるのは目撃しているので、犯人はその辺りでしょうか。ネット検索してみると、ヒヨドリがついばんでいた情報がありました。その名もヒヨドリジョウゴという有毒果実も食べられるぐらいなので、大丈夫そうですよね。
鐙(あぶみ)とは、馬具の一種で自転車で言えばペダルの部分です。ムサシアブミの仏炎苞の形が武蔵国で作られていた鐙に似ていたことからの命名と言われています。
武蔵鐙「波文象嵌鐙」国立博物館 画像検索より
ちょっと比較しづらい写真ですが、ひっくり返せば似ていますかね?
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