2021年12月29日

スズサイコ(鈴柴胡)の袋果 その後

 中の種子がどうなっているのか気になっていたスズサイコ、毎日のように見続けて、やっと割れて中が見える状態をみつけました。

スズサイコ(鈴柴胡)袋果 キョウチクトウ科カモメヅル属
2021.12.03
スズサイコPC034752.JPG
残念ながら、既にこの状態でしたので、元は上までびっしり詰まっていたのか、それとも下に下がっただけなのかは分かりません。

スズサイコPC034751.JPG
びっしり詰まっていたとしたら、どこにどう繋がっていたのか知りたかったのですが・・・

スズサイコPC034771.JPG
未だ閉じたままの袋果もありましたが、無理矢理開けるのも気が引けて出来ませんでした。というか結構な斜面なので、膝がダメな私では立っているのも必死な状態で、写真を撮るのがやっとでした。

スズサイコPC244846.JPG
ひとつ取り出してみると、忽ちふわっと種髪が広がって

スズサイコPC244847.JPG
スズサイコPC244852.JPG
種子の形はへら型で、キジョランの種子に良く似ていました。
種髪の長さ3p、種子4o、袋果の縦7p。

2021.10.19 未だ青かった頃の袋果
スズサイコPA194066.JPG


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posted by 山桜 at 17:36| Comment(5) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月25日

氷の華 シモバシラの結晶

 厳しい冷え込みで迎えた朝、むさしの自然観察園でシソ科シモバシラの茎の地際に「氷の華」の結晶が育まれていました。

 今日はきっと出来ていると思い、登園して直ぐにシモバシラが生えている所へ向かうと、想像以上に沢山の見事な結晶が出来ていましたが、朝日が当たり既に少し溶けかけていて、焦る気持で急いでシャッターを切りました。

シモバシラ(霜柱)シソ科シモバシラ属 にできた「氷の華」たち
2021.12.20
シモバシラPC204858.JPG

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シモバシラPC204804.JPG

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シモバシラPC204809.JPG

シモバシラPC204842.JPG

 このシモバシラが出来る条件は、
・地上部の茎が枯れていてるのに、地中の根が未だ
 生きて水を吸い上げていること。
・地表近くの気温が0度近いこと。
 (零下になると根も凍って水を吸い上げない。)
 (積雪があると例え出来ていても、見えない。)
・地中に十分な水分があること。
 (晴れが続いて地中が乾いていてはダメ。)
・茎が枯れて適度な裂け目が出来ていること。
 (何度も凍結を繰り返すと、茎が大きく裂けすぎ
  毛細管現象が起こり難くなる。)
・微風があると綺麗な花型になりやすいという説あり。


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posted by 山桜 at 20:45| Comment(6) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月24日

漂鳥 ルリビタキ・アオジ

 この日(東京に初雪が降った12月14日)は、季節というか風が変わった日なのか、漂鳥*たちが亜高山から避寒の為に、ここ狭山丘陵の里山に下りて来たようです。そして縄張り宣言なのか、どこか挑戦的で近づいても逃げていかず、却って向かってくるような意気込みさえ感じました。

 ググッ、ヒッヒッ、グググッ!と高い鳴き声に足を止めると、綺麗な瑠璃色の鳥、ルリビタキの♂が、こちらを睨みながらツインツインと梢を行き来していました。 なんとか止まってくれた一瞬、コンデジでは、これが限界でしたが、ルリビタキだということは分かりますね。
「幸せの青い鳥」に出会えて、何か良いことありそうな・・・。

ルリビタキ(瑠璃鶲)ツグミ科 2021.12.14
ルリビタキPC144832.JPG

 私が危なくないと確認できたのか、ツイっと薄暗い森の中に消えていきました。これから暫く越冬地である狭山丘陵で見かけることが増えるでしょう。

 今度は、ベンチで日向ぼっこしていたら、背後に視線を感じ振り向くと、アオジがジッと私を見つめていました。

アオジ(青鵐)ホオジロ科
アオジPC144834.JPG
ふっくら膨らんで、円らな瞳で見つめる仕草の可愛らしいこと。

アオジPC144840.JPG
ヂッヂヂヂヂッと鳴きながら、あれこれポーズをとってくれましたが動きについていけず、やっと1枚なんとかぶれずに撮れました。

アオジPC144841.JPG
その内、すっかり安心したのか、お尻を向けて餌を探し始めました。全然逃げないのは、若しかして、餌をくれる人だと思っていたのかな?

*漂鳥 (ひょうちょう)とは、避暑・避寒のため、夏は 山地・冬は 平地 と、繁殖地と越冬地を季節によって移動している鳥のことです。


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posted by 山桜 at 19:57| Comment(7) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月19日

煙の如く消えるガマの穂

 因幡の白ウサギ(素兎)が、騙して島を渡らせたワニ(サメ)に、堪えきれずつい騙した事を言ってしまい、怒ったワニに真っ赤に剥がされた膚を癒やすため、大国主命(大穴牟遅神)大黒様に教わって身にまぶしつけたのはガマの花(花粉は蒲黄/がおう という生薬で止血作用が有る)ということなのですが、私はずっとこのガマの穂の解れた綿に包まったのだと思っていました。

ガマ(蒲 ヒメガマ?)の穂 2021.11.29 むさしの自然観察園
ガマPB294732.JPG
まるでソーセージの様な形のガマの穂ですが、熟し切ると、ふいに風を含んでほわほわっとほぐれ始めます。こうなると、みるみる内に風が吹く度に崩れていって、もう止まりません。

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ガマPB294735.JPG ガマPB294736.JPG
ガマPB294737.JPG ガマPB294738.JPG
内側から湧き上がるように、剥けていくように、どんどん姿を変えながら、風に吹かれて消えていく綿毛のついたタネ

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貴毛皮の毛皮のマフラーも、数秒と姿を留めず消えていきます。

ガマPB294740.JPGガマPB294741.JPG
慌ててシャッターを切り続けたので、同じ様な写真に見えるかもしれませんが、少しずつ違っているのです・・・ 

ガマPB294743.JPG
ガマPB294744.JPG
近づいて大きくして見ると、小さな茶色いタネにタンポポのような綿毛が何本も付いているのが分かります。

大黒様の教えに従って、ガマの花をつけると「忽ちウサギの毛が生えた」と言うお話を聞くと、この綿毛がついたのだと、薬効ではなく視覚的に勘違いした私の気持も分かって頂けるのではないでしょうか。


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posted by 山桜 at 20:15| Comment(6) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

アオギリ(梧桐)鳳凰の木は実も摩訶不思議


ポチッとして下さると、ランキングにカウントされます。

<2021.12.17 画像と青字部分の追記をしました。>

 花札の12月の図柄は「桐に鳳凰」ですが、これは中国の言い伝え、
     花札12月7746fac8f45ddbfb1fbfd1957578bf84.jpg
 「鳳凰は梧桐にあらざれば栖まず、
         竹実にあらざれば食わず」
 に因むものです。

 「梧桐の枝には12枚の葉がつき、閏年には13枚つく」
という言い伝えもあり、正に12月を締めくくるの相応しい木と言えますが、残念ながら、日本人が呼ぶ「桐(白桐)」と、鳳凰の伝承のある「梧桐(青桐)」は別の植物です。

 真っ直ぐに伸びた幹に大きな葉を付ける姿は似ていますけれど、梧桐はアオイ科(旧分類アオギリ科)、桐はキリ科(旧分類ゴマノハグサ科)です。

 図柄の葉はキリのような葉を3枚寄せて、下の写真のアオギリの葉に似せていますが、無理があるように思います。中国の書物に出てくる植物を日本にある植物になぞらえ、いつしか混同され同一視されてきた数ある誤用植物の一つです。

 さて、またしても前置きが長くてすみません。そのアオギリの実ですが、見てビックリな摩訶不思議な形をしているのに、街路樹や公園に植えられている割りに目を留められることが少なく残念で、是非、ご紹介したいのです。

アオギリ(梧桐)アオイ科アオギリ属 2021.11.11 
アオギリPB114516.JPG
元は筒型の実が、5つに割れ、その縁に小さな実を着けています。(写真は、三つ拾って寄せたもの)

アオギリPB104471.JPG
一単位は、このような舟形の縁に実が付いた形で、初めて見たときには一体どうなっているのか不思議でたまらず家に持ち帰って調べたものでした。

先日の「美し郷」で見かけた舟を押す人々のような石彫を見た時も、この実の形を連想していました。鳳凰の木の実と似た形、何か関連があるような気もして、得意の妄想が膨らみます。

アオギリPB104472.JPG
このシワシワの実を煎ると、コーヒーの代用に出来るとか・・・一体幾つ集めれば一杯のアオギリ・コーヒーが飲めるでしょう。

アオギリPB114517.JPG
青空に緑から黄色に変化していく大きな黄葉が映えて見事でした。

 「坂の上の雲」にも登場していた俳人「河東 碧梧桐」も、この木を愛でていたのでしょうね。


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posted by 山桜 at 16:03| Comment(8) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月15日

血管が固くて逃げる?

 今日は免疫抑制剤の点滴の日。点滴を受ける前に採血があって、いつも血管が浮き出ない質なので担当の方を悩ませてしまうのです。今日はまた「痛っ!」と思わず声が出てしまうほど採血の針が痛くて、いつまで経っても終わらないので恐る恐る目を開けると、全然血が採れていないではありませんか・・・。
「えええっ、ああ、まさか・・・」のやり直しでした。

 周りの人がどんどん終わって回転していく中で、一人だけずっと居残りで肩身が狭かったけれど、私はただ黙って手を差し出してチクッとするのを我慢すればいいだけ。看護師さんは、次は失敗できないと緊張されたことでしょう。「私、失敗しないので!」と自分に言い聞かせていらしたかもしれません。

 看護師さんによると、ステロイド剤(私はプレドニン)を飲んでいる人の血管は固くなっていたり、表面がプルプルとしていたりして、血管が逃げる感じがするのだそうです。あの細い針先を通して、そんな感覚が分かるとは驚きでした。また、私の場合、採血しやすい場所が限られるので、その部分が余計に固くなっているようです。

 点滴の方の針は幸い一度で無事に収まり、2時間、殆どうとうと寝ている間に終わりました。少しずつ炎症を表わす値が下がっては来ていますが、期待していたような劇的な効果には至らず、なんとももどかしい日々が続きます。


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posted by 山桜 at 20:42| Comment(2) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月14日

初雪

 朝、出掛けに路面が濡れているのを見て傘を広げ、パリパリっと雨粒では無い音がして目を凝らすと、白い小粒のアラレがポンポン弾んでいました。東京では、初雪でしょう。道理で寒いわけです。


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ラベル:初雪 アラレ
posted by 山桜 at 22:41| Comment(6) | 気象・天文・暦など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月13日

ソヨゴ(戦、冬青)の赤い核果

 モチノキ科の似たような常緑落葉樹の中で、ソヨゴは比較的分かり易い特徴があります。葉がやや薄く縁が波打っていて、葉柄が細い。果実には長い柄があってぶら下がります。名前の通り、サワサワと風に戦(そよ)ぐ軽い風情が今時の庭には似合うようで、人気が出て住宅地でもよく見かけるようになりました。

ソヨゴ(戦、冬青)モチノキ科モチノキ属
ソヨゴPA264196.JPG

ソヨゴPA264197.JPG

<追記 2021.12.14.>
 「戦」という漢字には、「戦い」のイメージが強いですが、「ざわざわと音がする」「ざわめく」「おののく」「震える」等と少し不穏な雰囲気の意味と共に、昔は「風にそよぐ」「ゆらゆらと揺れる」という柔らかな雰囲気の意味も持ち合わせていたようです。しかし、難読漢字クイズ以外の需要は低く、消えていく運命のように思えます。せめて、ソヨゴの葉が風にざわめく時、この漢字を思い出せたら話題にして残せるかもしれません。

 「戦」という漢字の成り立ちは、白川先生の説に寄れば、

 「単」= 上に羽根飾りのついた楕円形の盾(たて)
 「戈」= 矛(ほこ)

 盾と矛という二つの武器を持って戦うの意味。
 国語の「たたかふ」は、盾と盾を交わしてぶつかり合うことから「盾交ふ」→「たたかう」の意味であろう。

 今朝は小雪が舞って『ああ忠臣蔵、赤穂浪士の討ち入りの日だな』と思っていたら、ソヨゴから、思わぬ漢字の勉強をさせて貰い、寒さと共にぶるると「武者震い」?でした。


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posted by 山桜 at 20:42| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月12日

クロガネモチ(黒鉄黐)の赤い核果

 昨日のモチノキと同じ仲間のクロガネモチ。葉も葉柄も若い枝も少し紫色を帯びて黒っぽく見えるのでこの名前なのでしょう。葉はモチノキより一回り大きく幅広、主脈で縦半分に折れ目がある感じが平べったいモチノキと違います。葉裏はやや白っぽい淡緑色。

クロガネモチ(黒鉄黐)モチノキ科モチノキ属
クロガネモチPB124542.JPG
実は反対にモチノキより小さく多数集まってなりますが、タラヨウほど丸く固まらず解れています。

クロガネモチPC034755.JPG
こちらは結構固まっていますが、やはり丸くはなっていません。

クロガネモチPB124544.JPG
葉先がツンと尖っているのもモチノキと違いますね。分かってみると、全然違うと思うのですが、初めの頃は???でした(^^;)

 強い刈り込みにも耐え、名前が「金持ち」に繋がることから縁起の良い木として、庭に使われることが多いようです。


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posted by 山桜 at 21:25| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月11日

モチノキ(黐木)の赤い核果

 森林インストラクター受験の勉強を始めた頃、庭や公園に植えてある全縁(鋸歯が無い)常緑広葉樹の区別がつかなくて困りました。具体的に言えば、モチノキ、クロガネモチ、ソヨゴ、モッコク、シャリンバイ・・・この辺りです。また、更に困ったことに、これらの木々には名札が付いていないことが多いのです。それだけ、人々の興味を惹かないということでしょうか・・・。

 私も正直に言えば、いつも同じ様で変化が感じられず興味も持てず、従って覚えられませんでした。所が、気が進まないながらも四季折々に観察していると、どれも同じ様に見えていたこれらの木々にも花が咲き実が成り、ちゃんとそれなりの変化があることが分かりました。

 花は地味で気付かずに過ごしてしまったり、写真に残していなかったりですが、実が生ると、その違いが良く分かります。

モチノキ(黐木)モチノキ科モチノキ属 2021.11.05 八王子
モチノキPB054350.JPG
1ヶ月程前、陽当たりの良い神社境内では赤く色づいていました。

2021.12.03 狭山公園
モチノキPC034746.JPG モチノキPC034747.JPG
実の大きさは1pほど、ここは半日しか日が差さない為、色づきがイマイチでした。
モチノキの葉は「特徴が無いのが特徴」と言われますが、均整の取れた楕円形、表裏とも葉脈が殆ど見えず、突き出た葉先が鈍頭、葉柄が紫色を帯びることがある。互生、全縁(幼木には上部に鋸歯あり)です。

 クリスマス・ホーリー(和名:西洋ヒイラギ)として有名な赤い実のなるヒイラギ(モクセイ科)に似たトゲトゲの葉を持つ木も、このモチノキ科の仲間です。


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posted by 山桜 at 12:26| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月10日

チコの実は、クコの赤い液果?

 「クコの実」は、一時ブームになり野山から姿を消すほどでしたが、元々発芽力も匍匐茎による繁殖力も強いのでまたアチコチで息を吹き返しています。挿し木も容易。

 中華粥や杏仁豆腐等の彩りに浮いている薬膳の赤い実のイメージがあるので、外来種と思われるかもしれませんが、日本全土に自生しています。

クコ(枸杞)ナス科クコ属 別名:カラスナンバン、カワラホウズキ、ノナンバン、ウルフ・ベリー、ゴジ・ベリー 2021.11.12
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実の生っている葉腋に鋭いトゲがあります。

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この赤い実だけで無く、若い葉や根も食用、薬用として用いられてきた有用植物です。別名、地方名が多いことからも、人々の間で親しまれてきた事が分かります。

花 赤い実が熟している同じ株で、未だ花が咲いていました。薄紫色のナス科らしい花です。
クコPB124539.JPG
クコPB124536.JPG

 実、葉、根、それぞれが生薬となり、滋養強壮にも効くそうで、風の谷のナウシカがアスベルに渡した不思議な味の元気が出る「チコの実」のモデルかな?とも思っています。トゲもあるし小さな実だし「沢山集めるのは大変」というのも納得です。


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posted by 山桜 at 23:03| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月09日

誰が食べた? ムサシアブミの赤い液果

 先日ご紹介したムサシアブミの赤い実、霜にも当たり柔らかくなり完熟度が進んだようで、痕跡から見て7つ程の実が綺麗に無くなっていました。

ムサシアブミ(武蔵鐙)サトイモ科テンナンショウ属
2021.12.06 むさしの自然観察園
ムサシアブミPC064768.JPG

 皆さんもトウモロコシを召し上がる時、このように綺麗に実を取るには、かなり前歯が発達していているか指等を使わないと難しい事をよくご存じですよね。獣だったら前肢で押さえ、かぶりつき、もっと荒れた食痕となるでしょう。ネズミでも食い散らしが多少は出るのでは無いでしょうか。

 ということは、やはりどうやら嘴で啄んだ可能性が大きいような。最近、観察園に飛来していた鳥で、これくらいの大きさの実を飲み込めそうなのは、ツグミ、ヒヨドリ、カラス・・・? 何とか、現場を押さえて犯人をみつけてみたいです。


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posted by 山桜 at 16:11| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月08日

サルトリイバラ(猿捕茨)の赤い液果

 サルトリイバラも蔓や葉はよく見るけれど、綺麗な実がなっているのはそう多くないものです。ただ、場所を知っていれば、大体毎年良くなる株があって、四季折々に見るのが楽しみです。

サルトリイバラ(猿捕茨)サルトリイバラ科サルトリイバラ属
(旧ユリ科)2021.10.30 高尾山
サルトリイバラPA304248.JPG

サルトリイバラPA304249.JPG

雌花 2021.04.09 狭山丘陵 
サルトリイバラP4090817.JPG
 雌雄異株で、ここでは春に沢山の雌花が咲いていましたが、赤い実はついに生りませんでした。近くに雄株がなかったからかな?

 花も実も姿も面白く、拙ブログでの登場回数も多い植物で、今までにあれこれ書いたような・・・ご興味がありましたら、下のラベルの中から「サルトリイバラ」をクリックしてみてください。関連記事リストが出て参ります。


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posted by 山桜 at 18:46| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月07日

ノイバラ(野茨)の赤い偽果

 こうして記事を書き続けてみて、改めて秋に熟す赤い実のなんと多いことかと思い知りました。更新をサボっていると赤い実だけで今年が終わってしまうかもしれません。

 今日の赤い実は、ノイバラの実です。花の後、刈られてしまうことが多いので、意外と綺麗に実がなっているのを見ないかもしれません。むさしの自然観察園では、クリスマス・リース用に丹精込めて手入れされ、綺麗な結実を沢山見ることが出来ました。

ノイバラ(野茨)バラ科バラ属
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440ノイバラPB294717.JPG
陽当たりも良いので、綺麗に色づいています。リースの彩りに大活躍でしょう。
ノイバラPB294718.JPG

 バラの実は、花の下に実るふっくらグラマラスな様子から、英語では「ローズ・ヒップ」と呼ばれます。ノイバラの実もローズ・ヒップには違いないのですが、ハーブ・ティーやジャムなどに用いられるのは、西洋の「ドッグ・ローズ」や日本在来種では「ハマナス」です。

 日本在来種のノイバラの実は、「営実」という生薬(下剤等)に用いられますが、残念ながら赤い実をそのまま口にすれば、下痢などを引き起こすので要注意です。山などでうっかり口にすれば、面倒なことになりますよ。同じバラ科バラ属でも、はっきり可食と分かっている種以外は口にしないことです。

花 2008.05 狭山丘陵
08-05 050.jpg
なんと、花の写真を探したら、こんな古いものしかありませんでした。いつでも撮れると思っているからか、意外に撮ってないことに驚きました。ヤマテリハノイバラ(ヤブイバラの変種アズマイバラ、オオフジイバラとも)等、花が白いノイバラの類の同定がややこしいのばかり撮っていて、基本種が疎かになっていたようです。


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posted by 山桜 at 17:42| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月03日

赤と青 クサギ(臭木)の液果

 赤と黒シリーズに飛び入りで、今年、花から追いかけていたのに、ご紹介しそびれた「赤と青」のクサギの実です。大好きな植物なので、以前にもご紹介していますが、何度見てもこの赤い萼と青い果実の色合いの妙に見惚れてしまいます。

クサギ(臭木)シソ科クサギ属 (旧クマツヅラ科)
2021.10.15
クサギPA153946.JPG
ラベルの項目としては「赤と青」となりますが、この色合いはなんと表現したら良いのか・・・蘇芳色に紺瑠璃色?
赤い部分は変化した「萼」なのですが、果皮では?と思うほどやや肉厚で香りもあります。

2021.09.14
クサギP9143490.JPG
一ヶ月前の色はやや淡く、「草木染 日本色名事典」山崎青樹著 を引っ張り出し近い色名を探すと、朱華と瑠璃色?
この青い実は、媒染剤なしで絹を青く染められる貴重な染材となりますが、皆が見て楽しむ場所では摘んでしまわないようにお願いしたいです。

2021.08.01 真っ白だった華がややピンク色を帯びた頃 雄しべは萎れ、雌しべは先が割れて受粉可能状態。
クサギP8012969.JPG

2021.07.19 咲き始めの真っ白な花 先に雄しべの葯から花粉が出て、雌しべは未熟な状態。(雄性先熟)
クサギP7192848.JPG
咲き始めの頃には、ヤマユリ?と思うような芳香を放ちます。

こちらは未だ蕾の頃
クサギP7272950.JPG

「臭木」という気の毒な名前は、この可憐な花や実からは浮かんできませんが、里山で暮らしてきた人々からすれば、刈り取る度に漂う独特なピーナッツ・バターのような臭いの方が印象的なのでしょう。

 葉の独特な臭いは摘んで暫くすると消え、若葉は食用にもなるそうなので、春になったら試してみようかな。


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2021年12月02日

赤と黒 フユザンショウ(冬山椒)の刮ハ

 「赤い実シリーズ」の筈が、「赤と黒の二色効果」シリーズに寄り道しています。サンショウの実は見かけることも多いと思いますが、冬も葉が緑の「フユザンショウ」の実となると、珍しいかもしれません。

フユザンショウ(冬山椒)ミカン科サンショウ属 2021.11.15
フユザンショウPB154591.JPG
サンショウのように芳香が強くありませんが、果皮を生薬(花椒)としての利用するそうです。

フユザンショウPB154592.JPG
果実にフォーカスしているので分かりづらいですが、頂小葉が一番大きく、小葉が付いている中軸に翼があり、小葉や葉柄の付根に細いトゲがあるのが特徴です。枝にある大きなトゲは、サンショウと同じ対生(向かい合わせの意味ですが、サンショウもフユザンショウも同じ所から二つ左右に出ている感じです)です。(イヌザンショウは互生。)今度行ったときに、トゲにフォーカスして撮ってきましょう。

雌雄異株ですが、日本には雌株しかなく、単為生殖で実を結ぶのだそうです。そうなると、雄株の役割って・・・? サンショウのようにあちこちに実生が増えるようなことが無いのは、遺伝的に多様性が失われて繁殖力が劣るのかもしれません。

サンショウ(山椒)2021.11.08
サンショウPB084421.JPG
山椒の実も赤く色づいてから割れて中から黒い実が出ます。ちょっと遅くて残念ながら赤い色は失せてしまっていました。


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2021年12月01日

赤と黒 トキリマメ(吐切豆)の豆果

 ゴンズイの袋果の2色効果が出たので、他の例は・・・と考えたら、トキリマメが思い浮かびました。

トキリマメ(吐切豆)マメ科タンキリマメ属 
別名 オオバタンキリマメ 2021.10.30  高尾山
トキリマメPA304270.JPG
 豆鞘が赤くて中の豆が黒。これは同属のタンキリマメも同様です。

トキリマメPA304273.JPG
 
 トキリマメとタンキリマメはよく似ていますが、
 トキリマメの小葉は、タンキリマメより大きく薄く、先が急に細くなって尖る。また下半分の巾が最も広い。
 タンキリマメの小葉は真ん中より上が最も広い。また全体に多毛でゴワゴワしていて小さな葛のような雰囲気。
 花はどちらも黄色い蝶花で、トキリマメの花の萼には黄色の腺点があります。


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posted by 山桜 at 19:12| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする