モチノキ科の似たような常緑落葉樹の中で、ソヨゴは比較的分かり易い特徴があります。葉がやや薄く縁が波打っていて、葉柄が細い。果実には長い柄があってぶら下がります。名前の通り、サワサワと風に戦(そよ)ぐ軽い風情が今時の庭には似合うようで、人気が出て住宅地でもよく見かけるようになりました。
ソヨゴ(戦、冬青)モチノキ科モチノキ属
<追記 2021.12.14.>
「戦」という漢字には、「戦い」のイメージが強いですが、「ざわざわと音がする」「ざわめく」「おののく」「震える」等と少し不穏な雰囲気の意味と共に、昔は「風にそよぐ」「ゆらゆらと揺れる」という柔らかな雰囲気の意味も持ち合わせていたようです。しかし、難読漢字クイズ以外の需要は低く、消えていく運命のように思えます。せめて、ソヨゴの葉が風にざわめく時、この漢字を思い出せたら話題にして残せるかもしれません。
「戦」という漢字の成り立ちは、白川先生の説に寄れば、
「単」= 上に羽根飾りのついた楕円形の盾(たて)
「戈」= 矛(ほこ)
盾と矛という二つの武器を持って戦うの意味。
国語の「たたかふ」は、盾と盾を交わしてぶつかり合うことから「盾交ふ」→「たたかう」の意味であろう。
今朝は小雪が舞って『ああ忠臣蔵、赤穂浪士の討ち入りの日だな』と思っていたら、ソヨゴから、思わぬ漢字の勉強をさせて貰い、寒さと共にぶるると「武者震い」?でした。
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