2022年03月31日

狭山湖西縦断(その2)

先程の急な坂道を登り切る手前に生えていたウワミズザクラの実生たちを見て、登ってT字路を右手に折れると杭の根元にアオイスミレに似た厚手のハート型の葉が見えました『こんな明るい尾根道に?』と思い、近づいてよく観ると、未だ開いていなかったものの、花弁の色が白いのでマルバスミレのようです。

ケナシマルバスミレ?(毛無丸葉菫)スミレ科
?ケナシマルバスミレP3306290.JPG
ただ、マルバスミレにしては、花柄に微毛がなく、これが世に言う「ケナシマルバスミレ」かもしれません。毛無は初めて見ました。

 今日、ここへ来ようと思い立ったのは、自生するヤマザクラたちの開花を見たかったから。いよいよ山桜の木が近づいて来ました。咲いていてくれるでしょうか・・・

ヤマザクラ(山桜)バラ科
ヤマザクラP3306292.JPG
私はHNに山桜を選んでいるように、この桜の葉と花の色合いが大好きなのです。ソメイヨシノの華やかさに押され気味ですが、山ではしっかり根を張り長生きして大木になっています。新緑の中に山桜の花が咲くと、ポッと雪洞を灯したように心にも灯が点ります。今年も咲き始めに会うことが出来て良かった・・・。いつまでも元気で、例えいつか私が旅立ってもずっと咲いていてくれることでしょう。

ミツバツチグリ(三葉土栗)バラ科
ミツバツチグリP3306298.JPG
山桜に挨拶して足元を見れば、可愛い黄色のミツバツチグリがこんにちは。蕾を沢山もたげて出番を待っています。

コアジサイ アジサイ科
コアジサイ小P3306302.JPG コアジサイ小P3306301.JPG
山笑(やまにこ)会のラインで話題になっていた白い葉が残り、また沢山散っていた木は、やはりこのコアジサイだったようです。白い枯葉や乾燥した花序も残る一方で、もう新芽が展開し始めていました。

タネツケバナ(種漬花)アブラナ科 ムラサキケマン(紫華鬘)ケシ科
タネツケバナ小P3306305.JPG ムラサキケマン小P3306322.JPG
田んぼの畦につきもののタネツケバナ。街では外来種のミチタネツケバナばかりですが、このような場所には未だ残っていて嬉しいです。ムラサキケマンの蕾も上がってきています。これから一面彩って咲き出しますね。

西久保湿地
西久保湿地P3306307.JPG
自分が傾いているのかと錯覚してしまいそうですが地面は水平なので、やはり3本のハンノキの方が傾いているのですね。湿地を好んで生える木なので、地盤が緩くて傾いたのかもしれません。左手奥には、倒れてしまった木も見えますね。

 こんなに良いお天気なのに、だ〜れも居なくて独り占めで申し訳無い。

西久保湿地P3306308.JPG
大谷戸湿地は、既に田んぼではなくなっていますが、こちらの西久保湿地では、地元の方々によって稲作が行われています。田植えの頃になれば、大賑わいです。

ノジスミレ(野路菫)スミレ科
ノジスミレP3306309.JPG
陽当たりの良い畦道では、ノジスミレが伸び伸びと育っていました。やはり、アスファルトの隙間より、こういう場所が似合いますね。

蛙の鳴き声が長閑にこだまし、ルリタテハがキラキラ青く光りながら燕のように飛び交っていました。ボーッと過ごすには一番の季節ですね。

小川
西久保湿地P3306312.JPG
谷戸から流れ出る小川

クサイチゴ バラ科     ウグイスカグラ スイカズラ科
モミジイチゴ小P3306386.JPG ウグイスカグラ小P3306314.JPG

アオキ 実と花 アオキ科
アオキ小P3306323.JPG アオキ小P3306339.JPG

西久保湿地分岐の道標     セントウソウ セリ科
西久保湿地道標P3306274.JPG ヤブニンジン小P3306328.JPG

21番道標           ゲート
21道標小P3306341.JPG ゲート小P3306340.JPG
21番道標の向かい側のゲートは戸は閉まっていますが鍵は掛かっておらず、狭山湖の南側へ通り抜けることが出来ます。通り抜けはここと、もっと西の公園の方へ抜ける道があり、次回はもっと早く来て、そちらへも行ってみる積りです。


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posted by 山桜 at 19:23| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月30日

狭山湖西縦断(その1)

 やっと長く歩けるようになってきたので、いつもの狭山丘陵と森続きの春の里山を歩きに、少しだけ遠出してみました。観察三昧で長い一日となり、写真も多いので3回に分けてアップします。(編集中)

 西武池袋線小手指駅からバスに乗り「荻原BS」下車。少し戻った所にあるお地蔵様の前に案内の道標が立っています。
お地蔵様P3306230.JPG 緑の森博道標P3306231.JPG

 要所にある道標に従い「さいたま緑の森博物館」の案内所に向かいます。畑や民家の中の道にも春の香が満ちていました。
菜の花(西洋アブラナ系)アブラナ科
菜の花小P3306472.JPG 菜の花小P3306233.JPG

ナズナ アブラナ科  ショカッサイ(諸葛菜)アブラナ科
ナズナ小P3306471.JPG ショカッサイ小P3306240.JPG

カタクリ(片栗)ユリ科
カタクリP3306470.JPG

「緑の森博物館」という名前ですが箱物は案内所だけで、森と湿地で構成された広い里山エリアをそう呼んでいるようです。

 以前、FIT(森林インストラクター東京会)の「低山はいかい」を企画した時に、その案内所前で咲いていた「ヒメザゼンソウ」がつやつやの葉を広げて出迎えてくれました。あれは7年前だったか・・・それから随分個体が増えたようで嬉しいです。

ヒメザゼンソウ(姫座禅草)サトイモ科
ヒメザゼンソウP3306238.JPG
水芭蕉や座禅草は、葉より先に花が先に出て咲きますが、この姫座禅草は先に葉が展開し、葉が枯れた後に花が咲きます。

ウリカエデの花 ムクロジ科カエデ属
瓜カエデP3306242.JPG
まるでヒュウガミズキのように黄色い儚げな花が多数ぶら下がって咲いています。

ウリカエデの新葉      アケビの蕾
瓜カエデ小P3306246.JPG アケビ小P3306250.JPG

セントウソウ(先頭草)   ニョイスミレ(如意菫)
セントウソウ小P3306237.JPG ニョイスミレ小P3306251.JPG
ニョイスミレは別名ツボスミレ。湿り気のある半日影などで群生します。

ウグイスカグラ(鶯神楽)スイカズラ科
ウグイスカグラ小P3306314.JPG ウグイスカグラ小P3306316.JPG
この辺りでは、このように白っぽい色合いの花が殆どでした。

大谷戸湿地
大谷戸湿地P3306248.JPG
昔はこの谷戸の湿地を田んぼにして利用していたと思われます。

オトコヨウゾメレンプクソウ科 マサキニシキギ科
オトコヨウゾメ小P3306256.JPG マサキ小P3306269.JPG
この一帯は、オトコヨウゾメがとても多くて花の頃が楽しみです。マサキの新葉はツヤツ光る明るい黄緑で綺麗。

展望広場の大エノキ アサ科エノキ属
展望広場エノキP3306263.JPG
丘の上に悠々と枝を伸ばして聳える大エノキ。落ち葉の中には、オオムラサキの幼虫がいるかもしれないと思いつつ、まだ先が長いのでじっくり探せず残念。

エノキの膨らんだ芽
エノキP3306265.JPG
やがてこの大きなエノキの梢は、新葉と花で薄黄色に染まっていきます。

クロモジの花 クスノキ科
クロモジP3306273.JPG
やじろべえのグーパンチだった部分が弾けて小花が零れ咲いていました。

ミズキ           西久保湿地への道標
ミズキP3306270.JPG 西久保湿地道標P3306274.JPG

アカフタチツボスミレ
アカフタチツボ小P3306276.JPG アカフタチツボP3306277.JPG
タチツボスミレは変化が多く、それぞれに品種名がついています。これは、葉脈に沿って赤い斑が入るタイプで、花柄も花も赤味を帯びています。

フモトスミレ(麓菫)
フモトスミレP3306281.JPG
良く、麓に咲かないフモトスミレと言われますが、ここでは里山の麓でちゃんと見ることが出来ました。

タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレP3306283.JPG
タチツボスミレも盛りとなると、花数が増えとても見事な姿です。

足元に無数の粒々から出た芽が散らばっていました。一体何の芽だろう??
ウワミズザクラ小P3306287.JPG ウワミズザクラ小P3306288.JPG
上を見上げると・・・

ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属
ウワミズザクラP3306289.JPG
未だ新葉なので、はっきり分かりませんが、どうやらウワミズザクラのようです。赤い実が沢山なりますから、これだけの数の発芽も納得です。

(つづく)


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2022年03月29日

スミレたち次々と

 狭山丘陵のスミレ達が、次々と咲き出しました。花期が短いアオイスミレは、もう殆ど終わってしまいましたが、他のスミレ達はこれからが盛りで楽しみです。

アオイスミレ(葵菫)
2022.03.24
アオイスミレP3245971.JPG
3月13日頃に咲き出して、最後に見たのは3月25日。その後は小さめの閉鎖花の蕾を作り出していました。

タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレDSC_1420 (002).JPG
盛りには株一杯に花を咲かせるタチツボスミレも未だ一輪だけ。この姿もまた可愛らしい。

コスミレ(小菫)
2022.03.25
コスミレP3256067.JPG
早咲きのコスミレも今年は他のスミレと同じ頃になりました。

エイザンスミレ(叡山菫)
エイザンスミレP3256089.JPG
紅葉のように切れ込んだ葉を持つ変わり種のスミレ。花色は白〜ピンクで、狭山丘陵ではピンクがかったものが多いです。この子は、アリに何処からか種を運ばれて家の鉢の中に咲いたものです。

ノジスミレ(野地菫)
ノジスミレP3256004.JPG
ススキ野原の中で未だ縮こまっていました。

スミレ(菫)
スミレP3256087.JPG
スミレの中の本当の「スミレ」の紫色には少し赤味があります。

各スミレの特徴は、又の機会にもう少し詳しく書きますね。今日は7時間近く狭山丘陵を歩いて回ったので、段々眠くなってきました・・・。ここに紹介した写真は3月25日前後の撮影分です。今日も又、沢山撮ってきましたよ〜更新が追いつきません。


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2022年03月28日

むさしの自然観察園(3月4週)

2022年3月28日(月)休園日

 先週、3月の3週目はお墓参りでお休み、季節の変わり目であるお彼岸レポが出来ずにすみませんでした。楽しみにしていたカタクリの花が咲き終わってしまうのではと気が気ではなかったのですが、ちゃんと待っていてくれました。

カタクリ(片栗)ユリ科カタクリ属
カタクリP3286209.JPG

エイザンスミレ(叡山菫)スミレ科
エイザンスミレP3286212.JPG

ザイフリボク(采振木)バラ科ザイフリボク科
ザイフリボク小P3286217.JPG ザイフリボク小P3286218.JPG

マメザクラ(豆桜)バラ科サクラ属

マメザクラ小P3286219.JPG マメザクラ小P3286220.JPG
下向きにぶら下がるように咲きます。

オトコヨウゾメ レンプクソウ科ガマズミ属
オトコヨウゾメP3286222.JPG

コクサギ(小臭木)ミカン科
コクサギP3286224.JPG

シロモジ(白文字)クスノキ科
シロモジP3286226.JPG

タチツボスミレ(立坪菫)   コスミレ(小菫)
タチツボスミレ小P3286229.JPG コスミレ小P3256443.JPG


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2022年03月27日

染井吉野 開花

 早咲きの桜を追っている内に、真打ちの染井吉野の蕾も日増しに膨らみ、私の散歩道である狭山丘陵でも遂に開花しました。

ソメイヨシノ(染井吉野)「江戸彼岸」X「大島桜」
2022.03.25
ソメイヨシノP3255982.JPG

2022.03.22
ソメイヨシノP3235935.JPG ソメイヨシノP3235929.JPG
全体に毛が密に生えているのは「江戸彼岸」の遺伝子です。
「大島桜」は葉が桜餅を包む為に塩漬けされるように無毛で柔らかです。

2022.03.23
ソメイヨシノP3235939.JPG ソメイヨシノP3235940.JPG 

ソメイヨシノP3235934.JPG ソメイヨシノP3255976.JPG

2022.03.25
ソメイヨシノP3255978.JPG

折角綺麗に開花しましたけれど、今年もコロナ禍で「お花見」は自粛要請が出ています。敷物を広げて長く滞在せず、散策に留めましょう。


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2022年03月26日

'22年4月 高尾山GREEN CLEAN作戦「琵琶滝・5号路・6号路」下見

 高尾山グリーンクリーン作戦の下見で、清滝〜琵琶滝〜6号路〜5号路〜もみじ台〜山頂〜富士道〜1号路〜高尾山口と歩きました。曇天ながら歩いている間は半袖でも良い程の暖かさで、春の花々も急速に開花が進んで来たようです。来週には桜も満開かもしれません。

 沢山写真を撮り過ぎて、選択だけで疲れ果てました・・・取り敢えず並べるだけで、すみません。

清滝下の池 山赤蛙のオタマジャクシ   アブラチャン
GC4月オタマジャクシ小P3266092.JPG GC4月アブラチャン小P3266441.JPG

ユリワサビ
GC4月 ユリワサビ小P3266103.JPG GC4月ユリワサビ小P3266442.JPG

ネコノメソウ        ヨゴレネコノメ
GC4月 ネコノメソウP3266444.JPG GC4月 ヨゴレネコノメ小P3266099.JPG

ニリンソウ
GC4月  ニリンソウ小P3266114.JPG GC4月 ニリンソウ小P3266124.JPG

アオイスミレ
GC4月 アオイスミレ小P3266446.JPG GC4月 アオイスミレ小P3266447.JPG

カンスゲ          エンレイソウ
GC4月 カンスゲ小P3266106.JPG GC4月 エンレイソウ小P3266204.JPG

イチリンソウの葉      ニリンソウの蕾
GC4月 イチリンソウ小P3266101.JPG GC4月 ニリンソウ小P3266445.JPG

ハナネコノメ
GC4月 ハナネコノメP3266138.JPG

マメヅタ          イタビカズラ
GC4月 マメヅタ小P3266118.JPG GC4月 イタビカズラ小P3266126.JPG

ナガバノスミレサイシン   ミミガタテンナンショウ
GC4月 ナガバノスミレサイシン小P3266141.JPG GC4月 ミミガタテンナンショウ小P3266159.JPG

ハナネコノメ
GC4月 ハナネコノメP3266206.JPG

ヤマルリソウ
GC4月 ヤマルリソウ小P3266143.JPG GC4月 ヤマルリソウ小P3266172.JPG

ヒナスミレ
GC4月 ヒナスミレP3266188.JPG
GC4月 ヒナスミレP3266179.JPG

エイザンスミレ
GC4月 エイザンスミレP3266157.JPG

モミジイチゴ        新しい木の階段
GC4月 モミジイチゴ小P3266163.JPG GC4月 木階段小P3266164.JPG

シュンラン         ミヤマカタバミ
GC4月 シュンラン小P3266166.JPG GC4月 ミヤマカタバミ小P3266170.JPG

キブシ           キチジョウソウの赤い実
GC4月 キブシ小P3266169.JPG GC4月 キチジョウソウ小P3266174.JPG

ジュウニヒトエ?      ツルカノコソウ
GC4月 ジュウニヒトエ?小P3266175.JPG GC4月 ツルカノコソウ小P3266194.JPG

ハナネコノメ
GC4月 ハナネコノメ小P3266207.JPG GC4月 ハナネコノメ小P3266136.JPG

マルバスミレ
GC4月 マルバスミレP3266195.JPG

タネツケバナ        シキミ
GC4月 タネツケバナ小P3266196.JPG GC4月 シキミ小P3266200.JPG

天狗焼き
GC4月 天狗焼小P3266202.JPG
中身は黒豆餡で上品な甘さです。いつもは長い行列なのに、この日はなんと全く並ばずに買えるという千載一遇のチャンス、思わず買ってしまいました。これは焼きたて熱々を頂くのが最高で、何故か家へ持って帰ると天狗の念力?が解けてしまいます。


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posted by 山桜 at 23:59| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月25日

寒緋桜系の桜(2)

 白に近い薄紅色のソメイヨシノ全盛の時代から、段々と濃いめの紅色が好まれるようになっているのは時代の流れでしょうか。そうなると先にご紹介した「寒緋桜」が交配親として大活躍です。

 遠目にも華やかで一際目立っているので、気になっている方も多い桜だと思います。

ヨウコウ(陽光)「天城吉野」X「寒緋桜」
2022.03.25
陽光P3256078.JPG
咲き始めは全体が濃いめの紅色です。
(天城吉野は、染井吉野と同じ両親(江戸彼岸 X 大島桜)で、染井吉野の起源の研究の中で生まれた桜だそうです。)

陽光P3256077.JPG
少し日が経ってくると花弁に赤い筋が目立ち、花糸も紅色に染まってくるので、真ん中が赤っぽく見えるのですが、この日は未だ咲いたばかりでした。

花弁も17−22mmと大きく、その質もしっかりしていて、私の中では儚さよりも力強さを感じる桜です。


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posted by 山桜 at 23:54| Comment(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神代曙(ジンダイアケボノ)開花

 天狗巣病に弱く、クローンであるが故に一斉に衰弱傾向にある「染井吉野」の後継種とされる「神代曙」。そのかけ声は何年も前から聞こえて来て、毎年記事も書いていますが、どうもそれ程植え広がっていないようです。思ったより「染井吉野」が踏ん張っていて、罹患部分を切り取れば結構生きながらえているのですね。

 それより何より、あの春霞を思わせるほんのり薄紅の花色、端正な花型、枝を横に延ばして広がる堂々とした姿、一斉に咲いて潔く散りゆく風情・・・長い間親しんできた「The 桜」の姿を愛してきた人々は、おいそれと他の桜に気持を移せないのでしょう。

 代替え種になりえるかどうかは分かりませんが、神代曙は愛らしい優秀な品種だと思います。

神代曙(ジンダイアケボノ)
2022.03.25
神代曙P3256076.JPG

神代曙P3256073.JPG

神代曙P3256072.JPG

試しに、先日アップした染井吉野と並べて比べてみましょう。

ソメイヨシノ小P3255982.JPG 神代曙小P3256076.JPG

ソメイヨシノ小P3255976.JPG 神代曙小P3256073.JPG

ソメイヨシノ小P3255979.JPG 神代曙小P3256072.JPG

 どうでしょう・・・私には、染井吉野の方がすっきり洗練された大人、神代曙はふっくら頬を染めた愛らしい少女のように見えます。遠目に見ると更に色合いの違いが明らかです。

 全部植え代わるには相当な年月がかかるでしょうし、混在して桜色の濃淡が出るのも多様性の時代に合っているかもしれませんね。


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posted by 山桜 at 22:54| Comment(6) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

土筆坊 と スミレ

 ススキ野原が刈り取られて明るい草原が広がった所を、枯れ草をガサガサと踏み分けて進むと、あっちにもこっちにもニョキニョキとツクシンボが伸び上がって来ていました。

ツクシ(土筆)スギナの胞子茎 トクサ科
2022.03.25
ツクシP3255988.JPG

 緑の草の中だったら、ツクシ達も綺麗に撮れたかもしれませんが、枯れ草の中では、愛らしくツンツン並んだ様子がどうにも上手く撮れませんでした。

ツクシンボウタチツボスミレ
ツクシP3255990.JPG

 悪戦苦闘していたら、タチツボスミレが『こっちこっち!』と呼んで助けてくれました。沢山並んだ土筆坊は撮れませんでしたが、こんな絵本の中の世界のような可愛らしい風景が未だ残っていて、嬉しいなぁ


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posted by 山桜 at 20:53| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月19日

スモモ忌

 あれから5年めの3月19日、今年も真っ白なスモモの花が咲きました。

スモモP3256082.JPG

スモモP3256081.JPG

 白が似合った貴方、白い花の中に貴方の笑顔が浮かびます。
 貴方のために、糊をきかせた真っ白なワイシャツに、もう一度アイロンを掛けてみたいな。
posted by 山桜 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月17日

大きな地震

 3月16日、風の強い夜で、随分ミシミシ音がするな・・・と思っていたら、どんどん揺れが大きくなって「地震!」と、思わずテーブルの下に潜り込みました。大きく、また、小さく、長い揺れはなかなか収まらず、落ち着けと思う気持と裏腹に心拍数は上がるばかり。

 テレビを点けると、NHKのアナウンサーが珍しく早口で緊迫感を醸し出しており、自分のことは棚に上げ思わず『落ち着いて・・・』と思う内に、どうにかこちらが落ち着きを取り戻し、ケロにも連絡をとり、身の回りの必要品をザックに詰め込んで二階へ上がりました。

 地震は、23:34だったと思うのですが、速報を見ると23:36になっていました。最初の揺れの後に大きな方が来たのでしょうか。やはり動転していたのか、その辺りの境目の記憶が曖昧です。

 東日本大震災の時と同じ方向(北⇔南)の揺れだったので、震源地は東北方面で直下型ではなさそうかなと思いましたが、大きな地震が来る度に『遂に自分の番が来たか・・・』と覚悟します。

 この機会に、緊急持ち出し袋(ザック)の中身の点検をしておかねば!


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ラベル:地震
posted by 山桜 at 10:27| Comment(6) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月15日

寒緋桜系の桜(1)

 寒緋桜は、早咲きの濃い赤色の桜で、台湾などの東南アジア原産とされています。昔、東小金井駅のホーム際に何本か咲いていて、車窓からその突飛な花色に目を奪われたものでした。今は駅も高架となり、あの寒緋桜の行方も分かりません。

カンヒザクラ(寒緋桜)2022.03.15
カンヒザクラP3235941.JPG

カンヒザクラP3155778.JPG
花弁も萼片も赤色が強く、近づいて見るまで「桜」とは思えない雰囲気です。花弁は開ききらず窄んだ形のままで、長い雄しべが覗いています。

 そのカンヒザクラの傍で、殆ど同じくらい赤色の濃い桜が咲いていました。この赤味は間違い無く「寒緋桜」の血筋でしょう。花の大きさとふっくらした感じから、もう一方の親は「大島桜」かもしれません。

 名札が付いていなかったので、品種名は不明ですが、若しかしたら、雅子様ご成婚の頃に発表された「雅(みやび)」かもしれません。すっきりした花形で上品な雰囲気です。

みやび(雅、雅桜)? 寒緋桜 X 大島桜
カンヒザクラ系P3155776.JPG

 「寒緋桜」X「大島桜」と言えば、自然交配種と言われる「河津桜」が人気で、各所に広く植えられていますが、花色はもう少し薄く、花弁にふっくらした丸みがあるので縁が重なって、その部分が濃く見え、可愛らしい雰囲気です。

カワヅザクラ(河津桜)寒緋桜 X 大島桜 2022.03.07
カワヅザクラP3075670.JPG

 河津桜はとても早咲きなので、他の桜が綺麗に咲き出した頃には、すっかり葉桜になってしまっています。

 カンヒザクラ系でカワヅザクラと並んで人気の品種は、イギリスで交配されて里帰りした「オカメ」です。

オカメ 寒緋桜 X 豆桜
オカメP3155773.JPG

オカメザクラP3180155.JPG

 木も花も小型ですっきりコンパクト、少しすぼみ気味で俯き加減に咲くのはマメザクラの遺伝子。花色が濃いピンクなのはカンヒザクラの遺伝子。萼筒の付根が丸く膨らむのもマメザクラの遺伝子。

 カワヅザクラと対照的に、細めの花弁で間に隙間があります。枝垂れ気味に咲くのも日本人好みですよね。よくぞイギリス人が作り出してくれたものです。


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2022年03月14日

むさしの自然観察園(3月2週)

2022年3月14日(月) 休園日

 急に暖かくなって、春は「張る」「跳ねる」「湧き上がる」「Spring」! 観察対象があっという間に膨らんで、手入れの合間の観察では追い切れないほどになって来ました。

キクザキイチゲ(菊咲一華)キンポウゲ科 白と紫の花
キクザキイチゲ小P3145738.JPG キクザキイチゲ紫小P3145783.JPG

フキ(蕗)キク科 蕗の薹の普通種と赤花
フキノトウ雄花小P3145740.JPG アカバナフキノトウ雄花小P3145743.JPG
どちらも雄花(雌しべの機能が退化した両性花)です。 雌花は探しましたがみつかりませんでした。

ダンコウバイ(檀香梅)クスノキ科とサンシュユ(山茱萸)ミズキ科
ダンコウバイ小P3145744.JPG サンシュユ花小P3035590.JPG
似通った黄色い小花の集まりですが、クスノキ科とミズキ科、全く別の種です。早春の花は黄色が多いです。

オオミスミソウフクジュソウ果実 
オオミスミソウ果実小P3145784.JPG フクジュソウ果実小P3145748.JPG
同じキンポウゲ科でも、先日のセツブンソウとは異なる、痩果の集合果です。フクジュソウは何フクジュソウか未確認。

シコクフクジュソウ(四国福寿草)キンポウゲ科
シコクフクジュソウ花小P3145751.JPG シコクフクジュソウ花小P3145752.JPG
萼片の長さは花弁と同じですね。

コショウノキナニワヅ ジンチョウゲ科
コショウノキ花小P3145759.JPG ナニワヅ花小P2285578.JPG

シュンラン(春蘭)ラン科  キツネノカミソリ(狐の剃刀)ヒガンバナ科
シュンラン花小P3145753.JPG キツネノカミソリ葉小P3145758.JPG

コスミレ(小菫)スミレ科   クロッカス アヤメ科
コスミレ花小P3145766.JPG クロッカス花小P3145763.JPG
日本の野の花とヨーロッパの花の紫の共演

ニリンソウ(二輪草)キンポウゲ科  セントウソウ(先頭草)セリカ
ニリンソウ蕾小P3145770.JPG セントウソウ花小P3145779.JPG
積もった落ち葉の下からニリンソウの葉っぱがむくむくと伸び上がって来て、小さな蕾を見せていました。
セントウソウは春一番に咲くので先頭草だそうです。


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posted by 山桜 at 22:23| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月13日

ヌルデの種子?

 冬の間、特に園路際の木々は剪定・伐採されるので、そこに何が生えていたのか分からなくなり、痕跡を辿ることになります。

 この日、足元に無数に散らばる白っぽい丸い種子をみつけ、さて、何の種子だろうと辺りを見回し頭をひねりました。

ヌルデ(白膠木)種子 ウルシ科
2022.03.13
ヌルデ果実P3135709.JPG
大きさは、7oほど。表面には胡桃のような皺が寄っています。(左上の毛がある種子は、スズカケノキの仲間のもの)

 バッサリ何もなくなっていたその場所には、確か、ヌルデが生えていた筈・・・房状に白い花が咲き、沢山の実をぶら下げていた所までは記憶があるような・・・。その後、伐採された時に果実が落ち、やがて果皮も剥け種子だけになった状態でしょうか。

 若し、そうであれば、ヌルデの果実はリンゴ酸カルシウムを分泌し、乾いて白く結晶し表面を覆います。その状態の果実は「塩麩子(えんぶし)」と呼ばれ、舐めると塩味を感じ、塩の代用、また、下痢や咳の薬としても使われました。

ヌルデ果実P3135710.JPG

 鳥たちも塩分補給を兼ねてか、この果実を好み、10月頃からシジュウカラが、12月頃からはツグミ、トラツグミ、イカル、ジョウビタキ、シロハラ、ヒヨドリなど多くの鳥たちが採食しに訪れます。さて、本当に白膠木の種子なのか、そして、この殻を割ったのは誰だったのか、答え合わせは、また季節が巡った後のこととなります。


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posted by 山桜 at 20:37| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月11日

半旗と黙祷

 3月11日 14:46 東日本大震災の被災者を悼むサイレンが鳴り響き、慎んで黙祷を捧げました。何年経っても決して風化させてはならない、日本人の心に刻み込まれた日です。通りかかった駐在所の前に掲げられた半旗に目が潤みました。

311半旗DSC_1405 (002).JPG

 東京でも震度5弱を記録し、庭で作業をしていた私が見上げると、家々がしなるように揺れ、車が前に飛び出して来そうな程に軋んだあの恐ろしい光景・・・帰宅出来なくなった家族、続々と報じられる信じがたい事実・・・

 自分が生きている世代で、あの未曾有の大災害、今のコロナ禍、そして、まさか、第三次世界大戦・・・それだけは人間の英知を結集して、なんとしても回避しなければなりません。私たちに出来る事は何でしょう。


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posted by 山桜 at 19:00| Comment(2) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月10日

SMAP「Triangle」今ふたたび

 毎日、信じられない光景が報じられ、自分の生きている時代にコロナ禍に続いて、まさかこんな事が起きるとは・・・と茫然としています。まして空襲を受けた記憶のある方々、原発の被害を受けた方々は、どんなお気持ちで過ごされていることでしょう。

 解散してしまったSMAPの曲が、今ふたたび、人々の心に蘇っています。理不尽な攻撃を受けている人々は勿論、命をかけて銃を持ち攻撃せねばならない兵士達も不幸、誰も幸せにならない戦いの一刻も早い終息、その前に停戦と話し合いの場を持つことが出来ますようにと、切に祈ります。

「Triangle」

 歌:SMAP
作詞:市川喜康
作曲:市川喜康

都心を少し外れた 小さなこの部屋から
どんなに目を凝らせど 見えないものばかりだ

例えば、遠い空に 誰かが祈っていたり
例えば、身を潜めて キミが怯えてたり

すべてに満ち足りた 明日の日を
求め彷徨う 亡者の影
破壊でしか見出せない
未来の世界を 愛せないよ

※僕の目が キミの手が 僕らの声が
それぞれ異なっているように
自由でこそ 生命だから※

△僕の肌 キミの母 僕らの愛は
蒼く浮かぶ ちっぽけな惑星(ほし)に
舞い降りた奇蹟△

無口な祖父の想いが父へと 時代(とき)を跨ぎ
一途に登り続けた ひどく過酷な道

わずかな苦しみも 知らぬまま
後に生まれ 生きる僕ら
受け継ごう その想い
声の限りに 伝えるんだ

大国の英雄(ヒーロー)や 戦火の少女
それぞれ重さの同じ
尊ぶべき 生命だから

精悍な顔つきで 構えた銃は
他でもなく 僕らの心に
突きつけられてる

深く深く 刻まれた
あの傷のように

(※くり返し)
(△くり返し)

大国の悲しみも 見果てぬ母も
それぞれ重さの同じ
尊ぶべき 生命(いのち)だから

精悍な顔つきで 構えた銃は
他でもなく 僕らの心に
突きつけられてる

そう、怯えるキミの手で

*作詞・作曲の市川氏によれば、Triangleとは、銃を構える人、向けられる人、それを見ている人の三者の三角関係を意味するとのことです。


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ラベル:SMAP 反戦歌 Triangle
posted by 山桜 at 22:59| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月08日

コウヤボウキにも春の兆し

 冬の間も、冬枯れの山中、種子の冠毛や総苞弁が花の様に見えて目を惹いていたコウヤボウキ。

コウヤボウキ(高野箒)キク科コウヤボウキ属 2022.01.26
コウヤボウキP1265127.JPG
枯れ木に花が咲いたような冠毛の集まり

コウヤボウキP1205063.JPG
昔の耳かきには、こんな綿毛が付いてました。

コウヤボウキP1265130.JPG
真上から

コウヤボウキP1265129.JPG
横から

コウヤボウキP1265132.JPG
段々飛んで行って種子が疎らになると構造が良く分かりますね。

2022.03.05
コウヤボウキ小P3055625.JPG コウヤボウキ小P3055627.JPG
一つの種子の様子です。

2022.03.06
コウヤボウキ小P3065645.JPG コウヤボウキ小P3065646.JPG
種子が全部開いて飛び去ると、残って広がった総苞弁もお花の形に見えます。

嘗て、高野山で細い枝を集めて箒を作って居たと言われるその細い枝にも、ポツポツと芽が膨らんで来て、春の兆しが見えています。
2022.03.06
コウヤボウキP3065642.JPG

とても小さな冬芽でなかなかピンと合わせが難しいのですが、風のない日に粘ってみました。
冬芽 2022.02.17
コウヤボウキP2175363.JPG
モジャモジャ頭の雪男? 綿帽子の小さな妖精? 想像が膨らみます

花 2021.10.24
コウヤボウキPA244193.JPG
秋に咲く、十数本の筒状花が集まった花です。一つの筒状花の先が5裂し先がクルリと丸まっています。その真ん中から長い雌しべが伸びているのが見えます。受粉出来れば雌しべの数だけの種子が実り、やがて冠毛を広げて丸く膨み、タンポポの綿毛のように見えるのです。


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posted by 山桜 at 16:16| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月07日

むさしの自然観察園(3月1週)

2022年3月7日(月)

セツブンソウ(節分草)果実(袋果)キンポウゲ科
セツブンソウP3075669.JPG
咲きに咲き出していた一群の方は、既に果実になっていました。キンポウゲ科の仲間のトリカブトやオダマキに似た袋果タイプです。同じキンポウゲ科でも、フクジュソウやキツネノボタンのように粒々の仏様の頭のような集合果タイプもあります。

キクザキイチゲ(菊咲一華)キンポウゲ科
キクザキイチゲP3075654.JPG
キクザキイチゲ小P3075655.JPG キクザキイチゲ小P3075657.JPG
キクザキイチゲP3075660.JPG
白い花が一般的ですが、ガールスカウトのキャンプ場のある戸隠では青い花も多く見られます。

オオミスミソウ(大三角草)キンポウゲ科
オオミスミソウP3075665.JPG

北見フクジュソウ     四国フクジュソウ 
キタミフクジュソウ小P3075666.JPGシコクフクジュソウP2215450.JPG
北海道の限られた地域にだけ自生するキタミフクジュソウ。果たして武蔵野市の夏を越えられるか・・・。四国フクジュソウまで出現し、やっとフクジュソウとミチノクフクジュソウの見分けが出来るようになったのに、また覚えることが増えました。観察が進んだら特徴を纏めたいです。

カワヅザクラ(河津桜)バラ科サクラ属
カワヅザクラ小P3075671.JPG

写真を撮ろうと早めに来たのに、観察することもやることも多くて、帰宅してみたら殆ど撮っていないことに気付きました。そうそう思うようにはなりませんね。


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posted by 山桜 at 22:28| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月06日

アオイスミレ(葵菫)開花

 ここ数年、私の散歩道界隈で、アオイスミレの株だけは沢山みつけてきましたが、閉鎖花や果実は着けても一度も花を咲かせているのを見たことがありませんでした。木々でお日様が遮られてしまった所為では無いかと思い、いつか撹乱が起きるのを待っていました。

 それが、今年、ナラ枯れの影響で林床に光が届いた為なのか、やっとアオイスミレの花を見ることが出来ました!

 春早く、他の菫に魁けて咲く、スミレの花の一番バッターです。

アオイスミレ(葵菫)スミレ科 2022.03.05
アオイスミレP3055619.JPG
葉の形が、徳川家のご紋の「葵(フタバアオイ)」に似ていることからの命名とのことですが、マルバスミレ、タチツボスミレの葉も同じ様な形ですが、フタバアオイとアオイスミレは、少し湿度が高めの場所に良く生えている所も似ているようです。

 一見、ハート型の葉、薄紫の花で、よく見るタチツボスミレに似ていますが、葉や茎に微毛がはえていて、托葉には細長い櫛状の切れ込みはありません。展開前の葉の両端が巻物の様にクルリと丸まっているのも特徴です。

アオイスミレ小P3135736.JPG アオイスミレ小P3135786.JPG

アオイスミレP3135788.JPG

 タチツボスミレの花よりも淡い色合いで、左右の側弁は余り広がらず前に出る感じ、距は真っ直ぐ立ち上がります。花数は少なめですが、ランナーを出して株を増やし群生するので、一斉に咲けば見応えもあるでしょう。花期が短く咲く場所が限られているので、未だ、そんな素敵な光景にめぐり逢えていないのが残念です。


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posted by 山桜 at 00:13| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月05日

高尾山 いろはの森コース

3月5日、高尾山グリークリーン作戦の本番に参加したのは、2020年の11月以来、コロナ禍と膝の故障ですっかりご無沙汰しており、久し振りの復帰でした。

コース:JR高尾山駅ー(バス)ー日影BS〜日影沢〜キャンプ場〜いろはの森〜山頂下トイレ〜江川杉の巻き道〜もみじ台〜山頂〜富士道〜薬王院〜十一丁目茶屋〜1号路〜京王高尾山口

 日影沢に残っているハナネコノメが見られる場所は、観察適地ではないので立ち寄りません。蛇滝などの他の場所での観察をお願いします。

アズマイチゲ(東一華)キンポウゲ科
GC3月アズマイチゲP3055672.JPG
数が多い筈のキクザキイチゲは見当たらず、アズマイチゲが2輪だけでした。キンポウゲ科の花は、お日様の光が差さないと開かないので、日影沢に朝来ても、なかなか開花状態は見られません。開花を見たいのなら、こちらに下山するコースが良いでしょう。

アオイスミレ(葵菫)スミレ科
GC3月アオイスミレP3055619.JPG
徳川家の葵のご紋に似た葉の形です。タチツボスミレにちょっと似ていますが、葉に厚みがあり有毛。托葉にタチツボスミレの特徴の櫛状の切れ込みがありません。花の側弁が余り開かず、距は真っ直ぐ上です。

ネコノメソウ(猫の目草)ユキノシタ科ネコノメソウ属
GC3月ネコノメソウP3055673.JPG
ネコノメソウとヤマネコノメソウも似ていますが、ネコノメソウの雄しべは4本・茎葉は対生・走出枝あり、ヤマネコノメソウは普通8本(時に4本)・茎葉は互生・走出枝なし。雄しべの数が怪しい時は、茎葉の着き方と走出枝を確かめましょう。

 いろはの森の登り口にある池では、ヤマアカガエルの卵塊が見られました。親子観察会の頃にはオタマジャクシが泳いでいるかもしれません。

美人ブナ
GC3月美人ブナP3055620.JPG
4号路の美人ブナにも久し振りにお目にかかれ、健在のようで何よりでした。

クロモジ(黒文字)葉芽と花芽 ダンコウバイ(檀香梅)花
GC3月クロモジ冬芽小P3055674.JPG GC3月ダンコウバイ小P3145828.JPG
クロモジは真ん中の細く尖っているのが葉芽で両側の丸いのが花芽です。下見の時に毛深い芽鱗に覆われていたダンコウバイが黄色い小花を咲きほころばせていました。春ですねぇ・・・


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posted by 山桜 at 22:10| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月04日

カワヅザクラ開花

 今年は桜の開花が遅れていますが、早咲きのカワヅザクラは一度開きかけた後に雪やヒヨドリにやられましたが、漸くふっくらとした花弁を綺麗に開いてくれました。

カワヅザクラ(河津桜)バラ科サクラ属 2022.03.07
カワヅザクラP3075670.JPG

カワヅザクラP3075671.JPG

カンヒザクラ×オオシマザクラの自然交配種とされ、濃いピンク色と早咲きの性質はカンヒザクラから、ふっくらした花弁はオオシマザクラから受け継いでいます。

ヒヨドリに啄まれた花 2022.03.04
カワヅザクラP3045614.JPG
餌の乏しい頃に鮮やかな色で咲き出しますので、格好の餌食になってしまいます。開花を今か今かと待っていたのは人間だけではないのです。

膨らみ始めた蕾 2022.02.24
カワヅザクラP2245520.JPG
既に蕾の時点で啄まれてしまっていました。


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2022年03月01日

見下ろす青鷺

 朱鷺の羽で赤く染まっていたことから「赤羽根」と呼ばれたとも言われる赤羽の病院からの帰り、早めに終わって帰れたのでいつもの散歩道に寄り道していると、目の前の階段を数段上がった高みにあるベンチに、突然ふわりとアオサギが降り立ちました。

 『赤羽から戻って青羽に出会うとは!』
ドギマギしながら急いでスマホを取り出すと、残念ながらベンチからはスタッと下りてしまいましたが、通りを歩く人の頭より上で、ゆっくり歩を進めながら何やら偉そうに睥睨しており・・・

アオサギ(青鷺)2022.03.01
アオサギDSC_1386 (002).JPG

アオサギDSC_1391 (002).JPG

 丁度そこへ通りがかった人の良さそうな小柄なオジサンが、アオサギにペコリとお辞儀をしているのを見て、ほっこりしてしまいました。あ〜分かる〜、あの嘴の長い大きな鳥に上から見下ろされたら、思わず、
「あ、どうも・・・(ペコリ)」
ってなりますよね。

 私も出来るだけ気配を消してソロリソロリと近づいてみましたが、目が合った瞬間、ふぁさっと飛び立っていってしまいました。もうちょっと一緒に居てお話したかったなぁ そう言うときは、カメラなんて向けてはダメですよね・・・。

アオサギHORIZON_0002_BURST20220301153524930 (002).JPG

2021.09.06
アオサギP9063355.JPG

 こちらが、彼のお気に入りの場所です。いつも人間が彼を見る為に立ち止まる対岸に、飛んで行ってみたかったのかもしれませんね。

 *「赤羽」地名の由来説には、関東ローム層の赤土の目立つ土地で「赤埴(あかはに)」から派生の説もあります。 


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posted by 山桜 at 21:47| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする