冬の間、特に園路際の木々は剪定・伐採されるので、そこに何が生えていたのか分からなくなり、痕跡を辿ることになります。
この日、足元に無数に散らばる白っぽい丸い種子をみつけ、さて、何の種子だろうと辺りを見回し頭をひねりました。
ヌルデ(白膠木)種子 ウルシ科
2022.03.13
大きさは、7oほど。表面には胡桃のような皺が寄っています。(左上の毛がある種子は、スズカケノキの仲間のもの)
バッサリ何もなくなっていたその場所には、確か、ヌルデが生えていた筈・・・房状に白い花が咲き、沢山の実をぶら下げていた所までは記憶があるような・・・。その後、伐採された時に果実が落ち、やがて果皮も剥け種子だけになった状態でしょうか。
若し、そうであれば、ヌルデの果実はリンゴ酸カルシウムを分泌し、乾いて白く結晶し表面を覆います。その状態の果実は「塩麩子(えんぶし)」と呼ばれ、舐めると塩味を感じ、塩の代用、また、下痢や咳の薬としても使われました。
鳥たちも塩分補給を兼ねてか、この果実を好み、10月頃からシジュウカラが、12月頃からはツグミ、トラツグミ、イカル、ジョウビタキ、シロハラ、ヒヨドリなど多くの鳥たちが採食しに訪れます。さて、本当に白膠木の種子なのか、そして、この殻を割ったのは誰だったのか、答え合わせは、また季節が巡った後のこととなります。
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