2022年03月15日

寒緋桜系の桜(1)

 寒緋桜は、早咲きの濃い赤色の桜で、台湾などの東南アジア原産とされています。昔、東小金井駅のホーム際に何本か咲いていて、車窓からその突飛な花色に目を奪われたものでした。今は駅も高架となり、あの寒緋桜の行方も分かりません。

カンヒザクラ(寒緋桜)2022.03.15
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花弁も萼片も赤色が強く、近づいて見るまで「桜」とは思えない雰囲気です。花弁は開ききらず窄んだ形のままで、長い雄しべが覗いています。

 そのカンヒザクラの傍で、殆ど同じくらい赤色の濃い桜が咲いていました。この赤味は間違い無く「寒緋桜」の血筋でしょう。花の大きさとふっくらした感じから、もう一方の親は「大島桜」かもしれません。

 名札が付いていなかったので、品種名は不明ですが、若しかしたら、雅子様ご成婚の頃に発表された「雅(みやび)」かもしれません。すっきりした花形で上品な雰囲気です。

みやび(雅、雅桜)? 寒緋桜 X 大島桜
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 「寒緋桜」X「大島桜」と言えば、自然交配種と言われる「河津桜」が人気で、各所に広く植えられていますが、花色はもう少し薄く、花弁にふっくらした丸みがあるので縁が重なって、その部分が濃く見え、可愛らしい雰囲気です。

カワヅザクラ(河津桜)寒緋桜 X 大島桜 2022.03.07
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 河津桜はとても早咲きなので、他の桜が綺麗に咲き出した頃には、すっかり葉桜になってしまっています。

 カンヒザクラ系でカワヅザクラと並んで人気の品種は、イギリスで交配されて里帰りした「オカメ」です。

オカメ 寒緋桜 X 豆桜
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 木も花も小型ですっきりコンパクト、少しすぼみ気味で俯き加減に咲くのはマメザクラの遺伝子。花色が濃いピンクなのはカンヒザクラの遺伝子。萼筒の付根が丸く膨らむのもマメザクラの遺伝子。

 カワヅザクラと対照的に、細めの花弁で間に隙間があります。枝垂れ気味に咲くのも日本人好みですよね。よくぞイギリス人が作り出してくれたものです。


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posted by 山桜 at 23:17| Comment(2) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする