件のゲートのドアを開け、きちんと閉め(ここ大事)、ちょっと秘密めいた道に踏み入ります。知っている人しか入らない道でしょう。と言っても、綺麗に手入れされた広々と明るい道で怖いことは全くなく、もう少しワイルドな道を想像していたので拍子抜けでした。
それでも森の真ん中をざっくりと切り取って開いた道は、「十戒」の中で海が真っ二つに割れて出来た道のようで、両側がフェンスなのが残念ですけれど、内緒でそっと森の中に忍び込んだ気持になりました。何より鳥の声が素晴らしい。人を意識していない伸び伸びした賑やかさでした。
さて、まるで門番のように入って直ぐに出迎えてくれたのは、
2022.03.30
マルバスミレ(丸葉菫)スミレ科

ケナシマルバスミレと違って、ちゃんと全体に微毛を帯びています。
狭山湖に注ぐのであろう湧き水の流れを随所で横切ります。
ウバユリ の艶々の葉が沢山生えてきていました。赤い斑入りのあるものと無いもの。
ニリンソウ キンポウゲ科 が初々しく咲き始めていました。
小川 と その上に掛かる
「縄竹橋」
モミジイチゴ バラ科
モミジイチゴ ハリギリ ウコギ科

モミジイチゴが斜面から降り注ぐように揺れていました。これだけの花に実がなったら、動物たちも大喜びでしょう。
ミヤマカタバミ カタバミ科

道の脇でミヤマカタバミをみつけ、近寄ってみれば、その向こうのフェンスの中は見事な群生地でした。
ヤマザクラ バラ科

自然の中に咲く山桜に逢いに出掛けた甲斐があり、随所で浴びるほどに山桜の花を眺めることができ幸せでした。一年分の山桜エネルギーを充電できました。ありがたいことです。
反対側のゲートをくぐり、狭山湖外周道に出て、バス停がある「かたくりの湯」方面に向かって歩きます。
ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科

見上げる程大きな藪椿が、溢れんばかりに真っ赤な花を文字通り「咲こぼして」道を赤く染めていました。
ニワトコ レンプクソウ科 に赤い花!?

「えっ、何が!?」とギョッとしましたが、近づいて見れば・・・これだけ沢山散っていたら、もう一度木に咲かせてみようと思う気持も分かります。
エイザンスミレ(叡山菫)スミレ科



薄ピンク色のエイザンスミレが、もう、森の斜面中に数え切れない程咲いていて、変な格好をしながらどれだけ写真をとったことか。その割に思うような色の出た写真が撮れておらず、残念。沢山歩いて、疲れが出てきていたのかなぁ
休憩テラス
開けた場所に気持の良い休憩テラスがありました。休んだら歩けなくなるので、ぐっと我慢して素通り。
六地蔵
何となくひんやりとした静けさを感じて気になり、後で調べてみると、赤痢で亡くなった方々を荼毘に付した場所なのだそうです。その供養の為の地蔵塔で、三面に二地蔵ずつ彫られています。いつの時代でも伝染病は恐ろしいものです。いつかコロナ禍の犠牲者供養塔も建つのでしょうか。
ヤマブキ(山吹)バラ科
「あそびの森」

「遊びの森」の看板の傍に山吹の蕾が膨らんでいました。アスレチックの遊具などを沢山作られていて、子供達の楽しそうな声が響いていました。
ナノハナ(西洋カラシナ系)

森を抜け、アスファルトの道に出た所の駐車場の傍に咲いていた菜の花は、朝、畑で見た西洋アブラナ系とは違う、西洋カラシナ系の菜の花でした。西洋アブラナ系は、茎を抱く葉で全体に白い粉を吹いたような感じ。西洋カラシナ系は、茎を抱かない葉、艶のある葉です。
「かたくりの湯」でカタクリの花が見られるかなと思っていましたが、辺りにそのような気配はなく、探す元気も残っておらずでした。もっと中の公園の方に群生地があったようで、下調べしていないとこういうことに。その代り、最後にまた可愛いスミレに会えました。
ヒメスミレ(姫菫)

森ではなく、人家の近くの道路や石垣や墓石の隙間などに良く生えているスミレです。その為、帰化植物ではないかとも言われています。
「カタクリの湯」でバスの時刻表を見ると30分程待つようなので、もっと本数が多いであろう青梅街道の「横田」まで歩いて出ることにしました。バス停には幾つかの行き先と別の種類のバス会社があり、きちんと下調べもせずに出てきたので、迷っている内に目の前にバスが止まり、前側の行き先を確認していると、後ろ乗車口だったようで、乗る気がないと見做されたかあっという間に出発してしまいました。見送りながら行き先をみれば、正にそれは乗るべきバスでした・・・。
次のバスはまた30分程後。黙って立っていると膝が痛くなり歩けなくなるので、仕方なく次のバス停、またその次のバス停と歩いている内に5つも先のバス停まで歩いても未だバスが来ず、また乗り逃しては哀しいので、泣く泣くそのバス停でかかとの上げ下げ等をしながら待ちました。
結局、時刻表より10分遅れでバスは到着。途中で乗り継ぐ予定だったので、10分遅れだとギリギリで焦りました。その後もまた、恥ずかしい失敗をしつつ、何とか次の行き先のバスに乗り継ぐことが出来、無事に家に辿り着けました。
思い立ってふらりと出掛けた散歩は思わぬ長距離(約11km、5時間)となりましたが、こういう行き当たりばったりの旅?は久し振りで、それが出来た自分の膝にちょっぴり自信が持てた日となりました。
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