2022年04月12日

吾妻峡・龍崖山・柏木山(その2)

 未だほんの序盤の吾妻峡に魅了され随分と脚を止めてしまいましたが、まだまだ先は長く、低山とは言え二山の縦走が待っています。途中に小さな祠が祀られていた階段を上りきると明るい春の里山風景が広がっていました。

芽吹き直前の桑畑 9:42               
4月龍崖山 桑畑P4127188.JPG

 子供の頃には未だ点在していた桑畑、実家の庭にもその名残の桑の木が1本あったのを覚えています。小学校でも紙に産み付けられた卵からお蚕さんを育てていました。飼育栽培係だった私は、裏庭に桑の葉を採りにいったついでに桑の実もご馳走になっていました。

ミツバアケビ アケビ科 9:43 龍崖山登山口 道標 9:44
4月龍崖山 ミツバアケビ小P4127187.JPG 4月龍崖山 登山口道標小P4127189.JPG
アケビの花は淡紅紫色ですが、ミツバアケビの花はぐっと濃くてチョコレート色です。(光が強くて色が薄く写っています)その交雑種のゴヨウアケビも私が見た花はほんのり薄いかな?という位のチョコレート色でした。

八耳堂(はちじどう/太子堂) 9:46
4月龍崖山 八耳堂P4127193.JPG
一度に八人の言うことを聞き分けられたという聖徳太子(厩戸豊聡耳皇子命/うまやとのとよとみみのみこのみこ)を祀る八耳堂。

モクレン モクレン科     八重桜「関山」 バラ科
4月龍崖山 モクレン小P4127201.JPG 4月龍崖山 カンザン小P4127200.JPG

コクサギ(小臭木)ミカン科 雄花
4月龍崖山 コクサギ雄花P4127385.JPG

今までコクサギをそんなに臭いと思ったことはありませんでしたが、この日は雄花が一斉に咲き誇り、あの独特な苦い青ミカンの皮を爪でひっかいた時のような香りが立ち込めていて『これは確かに名前の通り強烈だわ・・・』『苦い物は身体の中の悪い物を排出するというのは、きっと香りでも効き目があるに違いない』と思い、貴重な機会に胸いっぱいに吸い込んでおきました。さぞかし、心が清められたことと思います。

ヤマエンゴサク(山延胡索)ケシ科
4月龍崖山ヤマエンゴサクP4127384.JPG
ジロボウエンゴサクの花より少し大きく厚みあり、写真では同じ様な色になってしまいがちですが青味を帯びています。苞葉に切れ込みあり。

ミツバツツジ と 軍太利神社
4月龍崖山 ミツバツツジ 軍太利神社P4127209.JPG

軍太利神社
4月龍崖山 軍太利神社P4127211.JPG

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)ケシ科
4月龍崖山ジロボウエンゴサクP4127383.JPG
ヤマエンゴサクと似ていますが、こちらの方が華奢で花は赤味を帯びています。苞葉が全縁。

歓迎 道標 10:02
4月龍崖山 歓迎道標小P4127219.JPG 
「龍崖山を愛する80人衆」の方々の山を愛し大切にしているお気持ちが伝わる道標が至る所に立っていて、なんと杖の貸し出しまであるのです。

ホウチャクソウ イヌサフラン科 ヤブレガサ キク科
4月龍崖山ホウチャクソウ小P4127220.JPG 4月龍崖山ヤブレガサ小P4127221.JPG

キバナアキギリ(黄花秋桐)シソ科 
アカショウマ(赤升麻)ユキノシタ科
4月龍崖山キバナアキギリ小P4127223.JPG 4月龍崖山アカショウマ小P4127224.JPG
9月の企画の本番時には咲いていることでしょう。

第1ロープ坂 分岐10:06
4月龍崖山 第1ロープ場小P4127225.JPG 4月龍崖山 第1ロープ坂小P4127227.JPG

右は第1ロープ坂という急坂、左はゆったりの迂回路。はい、迷わず迂回路を行きました。それはキツい斜面を避けるというよりも、暗くて植生が乏しそうな近道より、明るい沢沿いの森の道をのんびり歩く方がきっと楽しい出会いが多いと思ったから。また洞窟好きの私、「マンガン採掘鉱跡」を是非見たかったのです。

コアジサイ(小紫陽花)   チゴユリ(稚児百合)
4月龍崖山コアジサイ小P4127226.JPG 4月龍崖山チゴユリ小P4127228.JPG
コアジサイの展開した若葉の間には、もう小さな蕾が見えていました。足元にはチゴユリがポツポツと見えてきました。未だ、咲いていないかなぁと思ったら、

チゴユリ(稚児百合)
4月龍崖山チゴユリP4127230.JPG
朝日を浴びて気持ちよさそうに花開いてくれました。

キッコウハグマ(亀甲白熊)アオイスミレ(葵菫)
4月龍崖山キッコウハグマ小P4127229.JPG4月龍崖山 アオイスミレ小P4127232.JPG
大好きなキラキラ光るキッコウハグマの新葉、そして花期が短く既に閉鎖花の蕾しかないアオイスミレですが、アオイスミレを見るとどうしてこんなに嬉しくなるのか自分でも分かりません。きっと何かのご縁がある花なのでしょう。

4月龍崖山 女道P4127231.JPG
ゆったり迂回路は、期待通り、新緑萌えいづる気持の良い森でした。

三四郎平 10:11
4月龍崖山 三四郎平ら小P4127233.JPG 4月龍崖山 女道小P4127234.JPG
名前の由来は不明(調べてみます)ですが、正に「平ら」な場所が開けていて、未だ休憩したい程に登ってもいないのに、これは一息入れずにはおられない場所でした。さて、道が下っているけれど大丈夫なのかなぁと地図と睨めっこ・・・下ればまた上りが待っているのでしょうけれど、一人気ままな下下見、まぁ、なるようになれと進みます。

さて、お気づきの方もいらっしゃると思いますが(その2)は、たった30分の間の出来事のレポでした・・・この先どれだけの回数を書けば終われるのか、時間が経てば記憶もあやふやになりそうで我ながら不安。(その1)で、既にカジカガエルの鳴き声のことも忘れていて追記したのですから、困った物です(。。;)

(つづく)

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posted by 山桜 at 23:26| Comment(7) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吾妻峡・龍崖山・柏木山(その1)

 飯能の川・野山に遊び、「生きてて良かった〜♪」と思わず口にしてしまう程、幸せいっぱい夢うつつで帰宅しました。忘れない内に直ぐにレポを書こうと思いながら、自分で思っていた以上に大量の写真を撮っており(電池切れになった程)取捨選択に疲れ果てて挫折していました。漸く一度には無理と悟ったので、少しずつアップしていくことにします。

 飯能駅北口から国際興業バスで薬局スーパー前の「永田大杉バス停」下車。そのスーパーの手前(バス停から少し戻る)の「吾妻峡」の道標に従って住宅・畑の中を通り、手作りの道標を見て、

吾妻峡・入口道標 2022.04.12
4月龍崖山 吾妻峡へ道標P4127148.JPG

細い階段道を下りていきます。
4月龍崖山 吾妻峡へP4127149.JPG

荒瀧不動明王
4月龍崖山 荒瀧不動小P4127150.JPG 4月龍崖山 荒瀧不動小P4127151.JPG
お不動様に道中の安全を祈願。振り返ると素朴な木の鳥居が素敵。

4月龍崖山 吾妻峡へ小P4127152.JPG 4月龍崖山 吾妻峡へ小P4127153.JPG
「飯能の奥の細道へび出ず」と書かれていました。「でず」なのか「いず」なのか? 大蛇のような根が浮き出ています。

ヤマネコノメソウ(山猫の目草)ユキノシタ科ネコノメソウ属
4月龍崖山ヤマネコノメ小 P4127154.JPG 4月龍崖山ヤマネコノメ小P4127159.JPG
ヤマネコノメがもうすっかりタネになっていました。このくらい伸びると互生が分かり易いですね。

ヤマネコノメのびっしり詰まったタネ  セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)キンポウゲ科
4月龍崖山ヤマネコノメ小P4127158.JPG 4月龍崖山セリバヒエンソウ小P4127160.JPG
こうしてみると「猫の目草」と呼ばれるのが分かりますね。中国原産のセリバヒエンソウは、すっかり2本の野山に帰化してますね。

ヒメウツギ(姫空木)アジサイ科ウツギ属 ドレミファ橋
4月龍崖山ヒメウツギ小P4127162.JPG 4月龍崖山ドレミファ橋P4127161.JPG
ヒメウツギをみつけて階段を下りていくと、これから渡るドレミファ橋が見えてきました。

ドレミファ橋
4月龍崖山ドレミファ橋P4127165.JPG
ドレミファ橋は、沈下橋で水量が多いときは渡れなくなります。今日も流れが強くて、ダメ膝でちょっと心配でしたが、そんな私でも楽々渡ることができましたのでご安心ください。

橋の中程からの吾妻峡
4月龍崖山 吾妻峡P4127168.JPG

こんな素晴らしい風景を独り占め・・・清流の歌姫カジカガエルの声が響き渡り、跡は水の流れ、小鳥の囀り、木々を渡る風の音しか聞こえません。(カジカガエルの声を思い出し追記しました)

4月龍崖山 吾妻峡P4127169.JPG

下下見でなかったら、もう、ここで寝っ転がって、日がな一日過ごしたい気持になりました。暫し風景に溶け込むように休息し、やっと向こう岸に渡ると・・・ニリンソウの大群落が出迎えてくれました。こんなに咲いているとは予想もしておらず、言葉を失いました。

ニリンソウ(二輪草)キンポウゲ科
4月龍崖山ニリンソウP4127386.JPG
この美しさを写し取れない自分が情けない・・・
4月龍崖山ニリンソウP4127172.JPG

タネツケバナ(種漬花)アブラナ科  ナルコスゲ?(鳴子菅)
4月龍崖山タネツケバナ小P4127173.JPG 4月龍崖山ナルコスゲ?小P4127175.JPG

ニリンソウ キンポウゲ科
4月龍崖山ニリンソウP4127176.JPG

ヤマブキ(山吹)バラ科   シャガ(斜干)アヤメ科
4月龍崖山ヤマブキ小P4127179.JPG 4月龍崖山シャガ小P4127180.JPG

マルバコンロンソウ(丸葉崑崙草)アブラナ科
4月龍崖山マルバコンロンソウ小P4127181.JPG 4月龍崖山マルバコンロンソウ小P4127182.JPG

吾妻峡立ち去り難く、後ろ髪引かれ、何度も振り返りつつ・・・
4月龍崖山 吾妻峡P4127183.JPG

階段をのぼっていくと
4月龍崖山 吾妻峡上りP4127184.JPG

縁日の「スモモ飴」のように輝くキチジョウソウの実 キジカクシ科
4月龍崖山 キチジョウソウ実小P4127185.JPG 4月龍崖山 吾妻峡上り祠小P4127186.JPG
何方を祀っているのか分からない小さな祠にも手を合せ、道中の無事を祈り先へ進みます。

(つづく)


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posted by 山桜 at 20:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする