膝を壊して以来2年以上遠ざかっていた「山笑(やまにこ)会」のハイキングに班長として、久し振りに参加しました。(もう、一ヶ月も前になりますね・・・この一ヶ月は膝の回復が嬉しくて大分出歩き、ブログへの記録が全く追いついていません。)
【実施日】 2022年5月26日(木)
【コース】高尾駅ー(バス)ー霊園前〜八王子城址管理棟〜(サンコウチョウ観察等)〜(城山川)〜421m合流点〜富士見台〜八王子城山展望台(軽食)〜八王子城跡〜「美し郷」〜八王子城址BSー(バス)ー高尾駅
【幹事】リカさん
【写真撮影】(S):S.アキラさん (T):T.Wさん(ご協力ありがとうございます!)(Y):山桜
今回は、山笑(やまにこ)会としては初めての、サンコウチョウをはじめとする鳥たちに耳と目を向けたハイキング。そして八王子城の歴史と、今まで、そしてこれからも歩くであろう奥多摩等の山道との関係などにも心を向け、最後は庭園カフェ「美し郷」で寛ぐという、新しい学びと楽しみが山盛りのハイキングでした。
「八王子城」は、今の大河ドラマの主人公・北条義時の家系である「鎌倉執権北条」とは区別され「後北条」「小田原北条」と呼ばれる小田原に本拠地を置いた北条早雲の流れの「北条氏照」の築いた山城で、それ以前は、同じ八王子の滝山城を居城としていました。
関東屈指の山城でしたが、未完成の中、豊臣秀吉の命を受けた前田利家・上杉景勝の軍に攻められ、火を放たれて落城しています。建物は失われていますが、その立地は良く保存されており、往時の面影や戦の様子を思い起こしながら歩くことが出来ました。
八王子城址管理棟前(S)
マサさんの鳥説(Y)

八王子城址管理棟前の広場にて、戸隠でバードウオッチングをして来たばかりのマサさんによるホットな野鳥トーク、山桜による鳥の鳴き声の「聞きなし」、野鳥の声の録音を聞き予習は完璧? 期待が高まります
高い木立の中をスタート(T)

途中、三脚を構えてサンコウチョウの様子を見守っていらっしゃる方々にアドバイスを受けたり、撮影された写真を見せて頂いたり、サンコウチョウが営巣している場所を教わったりで、さっと飛ぶ姿も見ることが出来ました。先発の班は、

月日星ホイホイホイ
の鳴き声も聞けたそうです。
ミズキ(S)
御主殿階段(Y)

曳橋の上から間近に見ることが出来たミズキなどの観察をし、大きな石で組まれた階段を御主殿跡に向けて登ります。
御主殿跡(Y)

発掘された礎石や水路の遺構
(Y)

(S)

(Y)

一部復元が進められていました。想像力がかき立てられますね〜
ニワゼキショウ(Y) アヤメ科 北米原産
御主殿跡の整備の情報(S)
往時が偲ばれる風情のある橋(私有地内)(Y)
コクサギ(S) ミカン科
トウゴクサバノオ(S) キンポウゲ科

ここで、艶々のコクサギの葉を数枚手に持たれたMさんに『コクサギ飯の作り方、ご存じですか?』と尋ねられ、『えっ、初耳です・・・調べておきますね〜』等と話したり、同じくMさんが桑の実を捥いでは皆さんに手渡し、桑の実の試食会に♪ 口に含んだ懐かしい味に思わず小学生の頃に戻ったような楽しい時間を過ごしました。その代り、下見ではあんなに沢山みつけたトウゴクサバノオのポイントは、いつの間にか通過してしまったようで、その後幾ら探してもみつからず・・・でした。ごめんなさい。
ミツデカエデ(S) ムクロジ科カエデ属
マルバウツギ(Y) アジサイ科

カエデの仲間でこのように3枚の小葉に分かれているのは、このミツデカエデとメグスリノキで紅葉もサーモンピンクで美しいです。
白い卯の花「ウツギ」の仲間の季節で、いろいろな「ウツギ」の花も楽しみました。
ガクウツギ(Y) アジサイ科
コゴメウツギ(Y) バラ科
ジャケツイバラ(S) マメ科ジャケツイバラ属

地面に沢山落ちていた黄色い花で、高い梢に絡んだジャケツイバラの存在に気付きました。
こんな筈では・・・の、なかなかの急登を頑張っています。(Y)

その間にも、オオルリ、キビタキ、イカル、センダイムシクイなどの鳴き声が励ましてくれました。中でもセンダイムシクイの

焼酎一杯ぐい〜っ は、

千代鶴君〜
にも聞こえたり愉快なひとときでした。
コジュケイは、遠くに聞こえるときは、

チョット来い、チョット来い と呼んでいるのに、
近づくと、

グッドバイ、グッドバイ とお別れを言う,
という聞きなしには、『本当?』と訝しがる声もありましたが、そう思うと聞こえてくるから不思議です。
ミヤマナルコユリ(Y)
ミヤマナルコユリは小型で、ナルコユリやアマドコロより少し遅れての開花です。普通は葉の下の主脈に沿うようにぶら下がって咲いているのですが、強い風を受け葉の上に出てしまったのでしょうか?
オカタツナミ(Y)

オカタツナミは花序が余り伸び上がらず、花がアチコチ向く雰囲気。そして上部の葉が大きく尻つぼみの草姿をしています。
深い緑の中では、メジロが、

長兵衛忠兵衛長忠兵衛・・・
と賑やかに鳴き交わしていました。
富士見台(S)

「あの辺りに富士山が見える筈・・・」
富士見台(S)

「う〜ん、見えてるかなぁ??」
富士見台(Y)

「心の目では、見えている筈!」
道標(S)
詰の城、八王子城天守閣跡(Y)

切通を挟んで小高くなった場所に天守閣跡がありました。登り口が少し分かりづらい・・・下見時に逆から歩いて来た幹事のリカさんは、その道がみつからず、果敢にも切通の手前の道標めざして急な崖を駆け下りたそうで、ビックリです!
コアジサイ(S) アジサイ科

ほんのり色づき始めたコアジサイが随所に見られました。
八王子神社(Y)

午頭天王とその眷属である八人の王子「八王子権現」が祀られています。
横地社(Y)

横地社は、落城の折、何かの使命を帯びてか、浅間嶺から風張峠を越え、遠く今の奥多摩湖の辺りまで落ち延びて自刃した横地監物吉信が祀られています。奥多摩湖の底に沈む前に、有志によってこの地に移されました。
本丸跡(S)

その横地監物吉信が最後まで守っていたのがこの本丸です。
フタリシズカ(Y) センリョウ科

「しずやしず しずのおだまき繰り返し むかしを今になすよしもがな」
菜摘女に取り憑いた源義経の愛妾 静御前の亡霊の舞姿がだぶって見えるでしょうか・・・
ヤブデマリ(Y) レンプクソウ科ガマズミ属

一見ガクウツギに似て見えますが、装飾花が蝶々の形をしているのが特徴です。
展望台(S)

八王子神社の境内の横にある展望台からは、八王子市内や関東平野が一望出来ます。
旧道・新道の分岐(Y)

旧道は山道、新道は階段が整備されています。
ようやく、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラの鳴き声の違いも、何となく分かってきたかなぁと思う頃・・・
八王子神社鳥居(Y)

鳥居が見えて山道は終わり、ハイキングもゴール間近です。
地形の模型(S)

これは何処にあったのでしょう・・・地形がとても分かり易いですね。私も良く見たかったなぁ
ノアザミ(Y) キク科アザミ属

アザミは秋の花のイメージかもしれませんが、ノアザミだけは春咲きです。
クジャクシダ(Y) 苔むす石の家(Y)

庭園カフェ「美し郷」にお庭に生えていた美しいクジャクシダと苔むした石の小さなお家です。こちらには、やむなく日本庭園を閉じてしまった処から譲り受けた貴重な品々がさりげなく風情に取り込まれています。それを見つけ出すのも楽しみのひとつです。
初参加の方々ともすっかり打ち解けて和気藹々、美しいお庭の外ベランダで窯焼きピザとビールで乾杯し、楽しかった一日を振り返り、疲れも吹き飛びました。「美し郷」の皆さま、ありがとうございました。大勢で押し寄せて、忙しい思いをさせてしまい申し訳ありません。
北条氏照家臣のお墓(Y)

「美し郷」の裏手から長い長い階段を上った先で、久し振りのビールに酔った山桜は、途中で心が折れそうになりましたが、頑張って登り切りました。今日一日、俄に得た知識で八王子城の歴史の一部を語ってしまった事へのお詫びと、城址を歩かせて頂いた御礼を、氏照公の墓前に手を合せて申し上げたかったからです。氏照公は優しく受け入れてくださったように思います。ありがとうございました。
今回は、久し振りの山笑(やまにこ)会での班長復帰、お陰様で、懐かしい常連の皆さん、そして初参加の皆さんともご一緒に、和気藹々の楽しいひとときを過ごすことが出来ました。改めまして、心より御礼申し上げます。
また、ゆっくり歩き隊をリードして下さったマサさん、この企画を思いつきサポートして下さったつーさん、そして4班編成の大変な仕切りを見事に成し遂げて下さった幹事のリカさん、仲間内ながら大変お世話になりました。ありがとうございました。
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