2022年08月31日
玉原 日本海要素 エゾアジサイ
玉原の日本海要素植物シリーズ、ヤマアジサイの多雪地帯適応型の変種は「エゾアジサイ」です。
エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)アジサイ科
ガクアジサイ(アジサイの自生原種)の葉は、肉厚、大型、艶あり、ほぼ無毛、葉柄太い、葉身長10〜20cm。
ヤマアジサイの葉は、薄く、小型、艶無しザラつく、葉裏脈腋に白毛、葉柄細い、葉身長9〜20cm。花色は変異が多い。
エゾアジサイの葉は、ヤマアジサイに準ずるが、葉身長が20cm近く大型、葉柄もやや太め。花色は青色が多い。
多雪地帯対応型の変種の葉が大型化するのは、8月28日の日本海要素の最初の項に書きましたように、日照不足対策と思われます。
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2022年08月30日
玉原 日本海要素 ツルシキミ
玉原の日本海要素植物シリーズ、ミヤマシキミの多雪地方対応型の変種は、ツルシキミ(ツルミヤマシキミ)です。
シキミ(マツブサ科)と ミヤマシキミ(ミカン科)は、全く別科ですので「ツルミヤマシキミ」の方が正確と思いますが、広くツルシキミで通っているようですので、頭の中で「ミヤマ」を意識しておきましょう。
ツルシキミ(蔓樒)ミカン科
別名:ツルミヤマシキミ(蔓深山樒)
こうして上から見ると、ミヤマシキミと変わらないようですが・・・
下の方を見れば、茎が地表を這うようにツル化して伸びているのが分ります。重い積雪に備え、折れないように背を低く、柔軟な茎で地表を這うように変化していったようです。
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2022年08月29日
玉原 日本海要素 オオバクロモジ
クロモジの日本海要素を持つ変種は、オオバクロモジ。葉が大きい他は、クロモジと同じとの図鑑の記載ですが、花芽が見慣れたクロモジの花芽より細身で随分先がより尖っているように感じました。
オオバクロモジ ♀ 果実 2022.08.28
オオバクロモジ 花芽 2022.08.28
上は、未だ出来たばかりのオオバクロモジの花芽で、下の落葉期の2月のクロモジの花芽と比べるのは違って当たり前かもしれませんし、若しかしたら、個体差かもしれませんが、記録として残しておきます。
クロモジ 花芽 2018.02.09
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2022年08月28日
低山はいかい 玉原 日本海要素 ヒロハノツリバナ
FITの「低山はいかい(一泊)」で訪れた玉原は群馬県ですが、雪質の良いスキー場としても有名な多雪地帯で、所謂「日本海要素植物」を見ることが出来ました。
日本海要素植物とは、多雪条件に適応したり、多雪条件に守られて古い植物が遺存するなど、日本海側気候の影響を強く受けた植物群のことで、次のような特徴を持ちます。
1.常緑樹群の低木化
茎や枝がしなやかで、積雪の重み(雪圧)に対し、
低木化・ほふく型化して適応。
ヤブツバキ→ユキツバキ、アオキ→ヒメアオキ
カヤ→チャボガヤ、イヌガヤ→ハイイヌガヤ
イヌツゲ→ハイイヌツゲ、モチノキ→ヒメモチ
2. 葉の大型・広葉化・薄肉化
日照量の不足に対する適応。
ツリバナ→ヒロハノツリバナ/オオツリバナ、
マンサク→マルバマンサク、スズタケ→チシマザサ
クロモジ→オオバクロモジ、ゴマギ→マルバゴマギ
3. 固有属の遺存
シラネアオイ、トガクシショウマ、オサバグサ の三種
日本固有種の一属一種、現在は多雪地のブナ林に遺存。
さて、玉原で最初に出会った日本海要素植物は、ヒロハノツリバナの4つの翼が付いた実。
ヒロハノツリバナ 2022.08.29
ツリバナの実は五裂して中の種も5つぶら下がりますが、ヒロハノツリバナは4つに分かれていました。この後どのように裂けるのか見てみたかった・・・。そして、この翼は多雪地帯でどのような役目をするのでしょう?
果実の形が面白くて、そればかり撮って肝心の葉を撮っておらず「広葉」なのか確認できず面目ない。
ヒロハノツリバナ と オオバツリバナ?
オオバツリバナの実には裂け目にそって稜があると記されていましたが、この状態では良く分りませんでした。分布的には、オオバツリバナかなと思いましたが、エゾツリバナの可能性もあります。
オオツリバナ? エゾツリバナ?
葉っぱがツリバナに比べて大きいと言えば大きい? 裂け目に稜はないですね。
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2022年08月23日
ちちぶ里森の会 久那小屋へ
今年の6月は、膝が何とか快方に向かい出し嬉しくなって、一番忙しかった頃を思い出すようなスケジュールを入れて出掛けてばかり。書き残したいことが山盛りだったのに全く手付かずのまま、あっという間に日が過ぎてしまいました。
8月は余りにも暑いし、オファーも少なかったので、此の間に小休止、6月の思い出を振り返って見ます。
2022年6月19日(日)
森林インストラクターの26年度同期「双六会」の仲間、ヨコボンさんが長い海外赴任から戻って来ることが出来、やはり同期のテツボンさんが仲間と力を合わせて建てた「久那小屋」という山小屋に集うことになりました。なかなか皆の予定が合わず、4名の参加予定もとうとう当日3名となってしまいましたが、久し振りでもやはり同期はいいもの、小屋の周辺を案内して貰いながらハイキングし、小屋に戻って、今までの、そしてこれからの活動などに夢を膨らませ語らい合いました。
久那小屋の持ち主テツボンさんは、既に多くのFITや他の仲間達と久那小屋を基点にして楽しい活動を繰り広げ、ブログで活動内容なども発信されています。
「ちちぶの小屋だより」ーーちちぶ里森の会ーー
「ちちぶ里森の会」看板 カワセミくんのお出迎え
手作りの「久那小屋」
小屋の前のベンチ 登山靴のプランター?
ドラム缶風呂 作業場など
手作りの山小屋にドラム缶風呂、男の浪漫を絵に描いたような風景です。作業場に下りる手前には、今は遠く岡山へ引っ越してしまった同期の置き土産のビワの木が元気に育っていました。一緒に草木染めをしていた仲間でもあり、ビワの葉を染める時、鋏で大量にビワの葉を切って染めた事など思い出し・・・またここで会えたらなぁ
オオシロカネグモ? 物置・トイレ
テツボンに小屋の周りの森や沢(蛍が生息)を案内して頂きました。お隣は柚子畑。私は残念乍ら参加出来なかったけれど、ここで柚子を分けて頂き、大分出身の同期に「柚子胡椒」の作り方講習会をやって貰ったこともあったのでした。
小屋に上がって持参のお弁当でランチタイム。次回は美味しいお蕎麦やさんもあるとのことで楽しみにしています。小屋の中も、この場を育て大切にしている方々の愛情が端々に垣間見えてほっこり。
お弁当の後は、周辺の里山の様子を見にハイキングへ出発! 小屋を出て間もなく、フタバハギが綺麗に咲いているのをみつけました。
フタバハギ(双葉萩 別名:南天萩)マメ科
そして、ランチタイムに聞いていた、鎮守の杜「御福稲荷神社」の使われなくなって久しい旧参道へチャレンジ。ヨコボンさんが、
「えええっ、こ、ここですか!?」
と言う程、鬱蒼とした登り口。そして、誰も登らなくなったのが分るような急勾配が続きます。
旧参道を登る
御福稲荷神社に到着
「お〜い、大丈夫?」
未だ、イマイチ覚束ない足取りの私を按じてくださり、ありがとうございます。
鳥居から登ってきた坂を見下ろして・・・やっぱりなかなかキツかったぁ それでも、こんな急坂も登れるようになって、とても嬉しい山桜でした。
現参道 間伐地
今はこちらから登って参拝されているそうです。右の開けた場所は、テツボンさんと仲間達の活動の成果です。
タカノツメ トトロが出てきそうな山道
テリハノイバラ(照葉野茨 別名:這野茨)
別名の通り、地面を這うように広がっていました。
ウツギ(空木 別名:卯の花) テン?の足跡
足跡は、5本指でくっきりとしていて縦長なので、テンでしょうか?(タヌキは4本指、アナグマは横長)
ヤマナラシ(山鳴 別名:箱柳)
ポプラの仲間の日本在来種。長い葉柄が扁平で、風に揺られやすく葉がぶつかり合って大きな音を出すので「山鳴らし」の名があります。
武甲山
所々、伐採後などの開けた場所で武甲山の姿を拝むことが出来ました。採掘が進み削り取られても、やはり武甲山は広く高く秩父を見守っていてくださる山、どっしりと頼もしく見えました。
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2022年08月22日
むさしの自然観察園(8月4週)
先週、8月15日はお盆でお休みを頂いたので、今回は8月の第4週のレポになります。
2022年8月22日(月)
ミソハギ(禊萩/溝萩) ヌスビトハギ(盗人萩)
どちらも名前に「萩」と付きますが、お盆の花「禊萩」に対して、こんなに愛らしい花に「盗人萩」は気の毒ですよね。ただ、サングラス型の種がひっつき虫(くっついてバラバラになると盗人の足跡にも見える)で子供に人気ですし、名前もインパクトがあって覚えやすいので、これはこれでアリかと思います。
ミソハギはミソハギ科、ヌスビトハギはマメ科なので、本当のマメ科のハギに近いのは盗人の方です。ミソハギは名前を盗んだ?なんて言うとややこしくなりますね、すみません。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
秋の野原の代表選手ツリガネニンジンも次々に花を咲かせています。釣鐘を慣らす紐がちゃんと下に伸び出ている処も気が利いてます。
タマアジサイ(玉紫陽花) ジャコウアゲハ(麝香揚羽)
先々週までは白い丸い蕾だったタマアジサイが綻んで咲いていました。
ウマノスズクサの葉陰からジャコウアゲハの幼虫が顔を覗かせていました。メスの成虫も盛んに飛来して卵を産み付けています。
コウゾリナ(髪剃菜) ノシラン(熨斗蘭)
茎や葉にザラザラとした剛毛が生えていて手が切れそうなので髪剃菜。環境が良いとどんどん多くなり黄色い花を沢山咲かせます。
ノシランは海岸性の植物。管理棟の北側、常緑樹の森の縁に群生しています。よく観れば、とても綺麗です。是非、みつけてくださいね。
タカサゴユリ(高砂百合)
百合と言えば、種から花を着けるまで5〜7年かかるのが普通ですが、この台湾原産のタカサゴユリは翌年には花を咲かせ、また種を散らすという猛烈な繁殖力を持ち、あっという間に日本に広がっています。
線型の細い葉と、花被片(花弁と萼片)の外側に赤い筋が入るのが特徴です。
日本(沖縄)在来種のテッポウユリと交配され、または自然交雑したのか、シンテッポウユリという外側まで純白な種も生まれています。
未だ、特定外来生物には指定されていませんが、日本在来種を脅かさないよう注意を払っての栽培・観察が必要と思います。
シロヤマギク(白山菊) ノハラアザミ(野原薊)
外花壇や園内入って正面の山野草の土手等で、秋の野山の花たちが咲き出しています。園芸種にはない野生の美しさに目を留めて頂ければ嬉しいです。
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2022年08月21日
誰も騒がない
最寄りの駅は、イベントが無い日には乗降客も少なくのんびり静かなものです。暑いので、ゆっくり歩こうと早めに出て、未だ誰も居ない車内に乗り込むと、向かいのシートに小さな先客。
セダカシャチホコ♂
こちらをジッと見ています。これはこれはと近づいて、ご尊顔を1枚撮らせて頂きました。なかなか気高く風格が漂っています。
蛾に詳しくないので、後で名前を調べようと失礼ながら全体も1枚。上品な夏の和装のような色合いが美しい。
後から乗って来る人が嫌がったら、そっと外に出してやろうと思っている内に、次々と席が埋まって来たので、取り敢えず自分も腰掛けて様子を見ていると・・・
気付いた人も誰一人騒ぐことなく、そっと珍客を邪魔しないように腰掛けていき、とうとう両隣にも嫌がることなく女性が座り、遠目には空いて見えるその席に誰かが座ろうとすると、そっと手で制して先客の存在を知らせてくれます。
結局、誰一人騒ぐことなく、外へ追い出そうともせず、そこにちゃんと(無賃乗車ながら)小さなお客様を乗せたまま静かに電車は発車しました。
ここは、そういう人々の住む駅です。
<追記 2022.08.25>
お蚕さん繋がりの蛾や蝶を愛するひらりんのお助けを頂き、へたれで諦めかけていましたが、もう一度頑張って調べたところ「セダカシャチホコ」と同定出来ました。背というか後頭部に見える部分がモヒカン刈りのように立っているので、プロフィール(横顔)を撮れば分かり易かったのですが、しくじりました。(触角が両櫛歯状なので♂、♀では糸状)
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2022年08月20日
ソバナ と ツリガネニンジン
ソバナ(杣菜)キキョウ科ツリガネニンジン属
この花は少し縮こまり傾向ですが、典型的な花はすっとしたスカート型で裾広がり。萼片の形は、被針型*。
雌しべの先は、綺麗に咲いている内は花冠から余り突き出しません。但し、盛りが過ぎて花冠が縮めば突き出して見えます。(右の写真の奥の花の状態)
ソバナの名前は、山の杣道のような処に咲くからとも、葉がソバに似ていて食べられるからとも言われます。
花時の葉は、ソバの葉に似ているとは思えないけれど、芽生えの頃の地際の葉は心型(ハート型)なので、ザラつく質感は違うけれど形だけはちょっと似てないこともないかもしれません。
一方、よく似ているツリガネニンジンとは、葉や花の着き方(ツリガネニンジンは輪生)、萼片の違いで区別出来ます。花の形、雌しべの先の付きだし方は、咲き加減や個体差があるので、典型的な個体以外は難しいことがあります。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)キキョウ科ツリガネニンジン属
萼片の形は「線型」です。雌しべの先が花冠より目立って突き出しています。右の花は、左のような典型的な釣鐘型の花にある上部の張りが無くソバナのようなスカート型ですが、萼片は線型です。
葉の着き方、花の着き方共に輪生で、大きな株ではその輪が段々に重なっています。
ツリガネニンジンの花色は、白〜青紫まで巾があります。
*被針型:「被針」とは、鍼灸で用いる平たく先細り両刃の針のことだそうですが、ピンと来ませんよね。私たちが思い浮かべる一般的な葉っぱの形のやや細めな感じと思います。「笹の葉」に近いともありました。「笹葉型」にしてくれたら分かり易いですよね。
同様に「心型」という表現も、「ハート型」の方が分かり易いので、文中にもそちらを使ってしまっています。
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2022年08月19日
4回目の新型コロナワクチン接種
3回目までは、蚊に刺されたよりも痛くもなく腫れもしなかったけれど、今回は無料バスの運行も終わっていたので、散歩がてら片道25分程歩いて接種会場まで往復したせいなのか、帰宅後、知らぬ間にソファで眠ってしまいました。
目が覚めると、腕が重い? 肩より上に上げると痛みもあり、今までには無かった違和感です。熱は出ていません。
今回の接種会場は、ファイザーのみでしたので、選択の余地無く、4回ともファイザー製のワクチンでした。
そして、そこは主人が最後に入院していた病院。毎日朝夕歩いて通っていた道を5年ぶりに辿りました。主人が病院のあの部屋で待っているような思いが甦ると前が見えなくなりそうで、青い空を見上げ風に吹かれて歩きました。
さて、この後、どうでしょう。何事も無く過ぎてくれるよう願います。
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2022年08月16日
ヤマシャクヤクの袋果
先日、むさしの自然観察園で観察出来たヤマシャクヤクの果実(袋果)について、もう少し詳しく見てみます。
ヤマシャクヤク(山芍薬)ボタン科 2022.04.18
図鑑(山渓ハンディ「山に咲く花」)には、ヤマシャクヤクの雌しべの花柱は3本とありますが、この花は5本ありますね。5本あるのは、ベニバナヤマシャクヤクな筈なのですが・・・何処かで交雑したのでしょうか。典型的な個体の写真ではなくて、すみません。
2022.08.01 花柱は袋果となり、1本が弾けて中が見えました。
ここにヤマシャクヤクが咲いていた事を知らなければ、「一体何!?」とギョッとするかもしれません。
清楚な白い花から想像出来ないような真っ赤な果実、綺麗に揃った歯のように並んでいます。
2022.08.01 先に咲いた花の果実の方は既に熟して・・・
(こちらは、ちゃんと花柱(後の袋果)が3本でしたね)
赤い果実が裂け中から紺色の種子が飛び出て、訳が分らないような混沌とした状態に見えますが、よく観れば袋果が3つあって弾けたことが分ります。袋果の中で赤く裂けていないなのは、不稔種(シイナ、実らなかった種子)です。
ゴンズイの果実等と同様、黒っぽい種子を美味しく見せる為の赤い果皮で「2色効果」を出しているようです。これぐらい派手なら、生い茂った草の間からチラリと見えただけで「美味しそう!」と、みつけて貰えそうですね。
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2022年08月11日
’22 山の日 高尾山GREEN CLEAN作戦
今年も8月11日「山の日」に、観察&ゴミ拾いの高尾山グリーンクリーン作戦を実施しました。(本番では殆ど写真は撮れないので、7月30日の下見時の写真を交えています。)
京王高尾山口駅下車、高尾山森林ふれあいセンター前集合で、次の3つのコースに分かれて(予め選択)歩きました。
@琵琶滝コース〔センター〜琵琶滝〜6号路〜高尾山頂〜薬王院〜1号路〜高尾山口駅〕
A稲荷山コース〔センター〜稲荷山〜高尾山頂〜薬王院〜1号路〜高尾山口駅〕
B吊り橋コース〔センター〜琵琶滝〜2号路〜4号路〜高尾山頂〜薬王院〜高尾山口駅〕
高尾山森林ふれあいセンター前 熱心に観察中の皆さん
山桜班は、琵琶滝コース。殆どが沢沿いの木陰の涼しいコースで助かりました。従って、ご紹介するのは、渓流沿い等の湿り気の多い処に生えている植物たちが多めです。
ヤブミョウガ タマアジサイ
白い清楚な花が段々に咲くヤブミョウガはツユクサの仲間。葉を触るとザラッとした感触です。本当のミョウガの葉は、しっとりスベスベです。
ピンポン球のようなタマアジサイの蕾がふわっと開いて、中から花の塊が・・・はっとする瞬間です。
ウシタキソウ
本番で見られたのは、同じ仲間のミズタマソウの方でした。よく似ていますが、ウシタキソウの葉の基部はハート型に湾入しています。
ウリノキ キンミズヒキ
下向きにバレリーナのような花を咲かせたウリノキ、実が熟すにつれ上向きになってきます。
イワタバコ
水が滴るような岩場を好むイワタバコの花は、ナス色にオレンジの神秘的な色合い
琵琶滝
滝行の出来る琵琶滝の周りは、一段とひんやり涼しいスポットです。
ヤマホトトギス ワサビ
秋の花、ヤマホトトギスも咲き出しました。ゲスト参加で同行のFIT会長に、自生しているワサビを教えて頂き感激!大分減ってしまったそうですが、大切に見守り、少しずつでも回復して欲しいものです。
イグチの仲間 ヤマユリ
ヤマユリは下見時(7月30日)には満開で、本番では終わっていました。
ヤマユリ
レンゲショウマ
ヤマユリの代わりに、下見では蕾だったレンゲショウマは満開になっていました。
フシグロセンノウ
フシグロセンノウも、下見時には緑だった蕾が満開でした。
キキョウ
キキョウの仲間は雄性先熟で、雄しべが花粉を出している内は雌しべの先は閉じていて、雄しべが萎れた頃に開きます。自家受粉を裂ける為です。
ボダイジュ 天狗ソフト
先月満開だったボダイジュには丸い実が鈴生り。
毎年、「山の日」の暑気払いに寄り道する「天狗ソフト」は山葡萄酢入りでサッパリした甘さが癖になり、天狗パワーを貰って元気回復!
薬王院山門の風鈴
今年は江戸風鈴があちこちに下げられていて、チリリと涼しげな音が山に響いていました。ガラスの風鈴は見た目も涼しげですね。
モミジガサ
ブナの果実
今年は生り年と言われ、ご覧の通りこちらも鈴生りです。
ヤマノイモ ガガイモ
ヤマノイモは、葉っぱも花も対生で2つずつ仲良くくっついています。
大好きなガガイモの花。高尾山では初めて見ました。今まで気付かなかったのかなぁ
ゴミ拾いでは、剥がれた靴底を2枚(異なる種類)も拾いました。暫く履いていなかったり、寿命が来ていたりした靴底が、この暑さの追い打ちで剥がれ落ちたのでしょうか。その他には、汗ふきタオル、マスクが目立ちましたが、全体的には殆どゴミは落ちておらず、ボランティア精神で、高尾山を綺麗にしようと参加された大学生お二人は、ちょっと残念だったかもしれません。
猛暑の中、ご参加下さった皆さん、ありがとうございました。思っていたよりも、高尾山は、とても涼しかったと思います。高尾山GC作戦は、毎月やっていますので、是非、四季折々の高尾山を楽しみにご参加ください。お待ちしております。
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2022年08月09日
長崎「平和祈念像」原型
今日は、長崎原爆の日。未だ悲惨な戦争の続くこの世界、平和への祈りを込めて、先日訪れた井の頭自然文化園で出会えた「平和祈念像」原型をご紹介します。
「平和祈念像」原型 北村西望・作
長崎を訪れ、この像に対面したのは未だ20代前半の頃、それまでもそれからも何度もこの像の写真等を見てきましたが、このように穏やかに微笑まれているとは気付きませんでした。2階に上れば、像のお顔の近くまで鑑賞することが出来ます。
写真の撮り方が下手で、実際に見た時の心の奥から癒やされるような優しい微笑みが再現できておらず申し訳ないです。気になる方は是非、実際に確かめにいらしてみてください。
井の頭自然文化園の彫刻館は、A館、B館、アトリエの3棟と屋外展示、合計250点の北村西望の作品が展示されています。猛暑の中、冷房の効いた彫刻館はオアシスで、ゆっくり作品を鑑賞することができました。(文化園のチケットで追加料金なく入館出来ます。)
最後に廻ったアトリエは冷房がありませんでしたが、制作過程や使われた道具、スケッチ等も見ることが出来、北村西望の息づかいが聞こえて来そうな貴重な空間でした。
何でも、住まない約束でここにアトリエを建てて貰いながら、結局住んでしまったお詫びに、作品をこちらに寄贈されたとのこと。
タンポポに囲まれて平和そのもの、カワイイなぁ
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2022年08月08日
むさしの自然観察園(8月2週)
2022年8月8日(月)
連日の猛暑、外作業はなかなか辛いですが、週一しか手入れが出来ないので、水分ミネラル補充し休憩をとりながら頑張っています。写真をゆっくり撮るヒマもなく、ほんの数枚のご紹介です。
イヌビワ(犬枇杷)クワ科イチジク属
イヌ「ビワ」の名前ですが、どうみても「イチジク」ですし、イチジク属。ビワはバラ科です。琵琶と枇杷とイチジクは形が似ているから?恐らくイヌビワと命名された頃には、外来種の美味しいイチジクは身近で無く、形が似ているビワの方に擬えたのかなと思いますが、どうでしょうか。
写真では分りづらいですが、偽果の大きさは直径1.5cm程の小さいものです。
イヌビワには、イヌビワコバチとの共生という面白い生き方があります。もう少し観察を続けて、写真等が揃ったら纏めてみたいです。
ハンゴンソウ(反魂草)
先週は蕾が黄色に色づいた程でしたが、今日はこんなに綺麗に咲いていました。
「反魂草」の名前の由来は、掌のような葉で魂を呼び戻す、薬効により死者を呼び戻す等、諸説あります。
ハキリバチ(葉切蜂)
使っていない水道の切り残しのホースの口から中へ、緑の葉の切れ端を持った蜂が入ろうとしてホバリングを続けていました。狭い口へスルリと入り込むのはなかなか難しいようで苦労していたので、何とか写真を撮ることが出来ました。とは言え、ジッとしていないので、ボケボケです。
ボケているのは承知で、拡大してみました。うっすらと緑色の葉を抱えているのが見えますか? アリの仲間では、運び込んだ葉でキノコを育てて食べるものもいますが、ハキリバチは中の部屋の仕切りに使うのだそうですが、水道の蛇口の中では見ることが出来ず、想像するのみです。
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ウバユリ と オオウバユリ
少し湿り気のある半日影のような所を好んで群生するウバユリですが、この日、飯能の神社の境内の片隅にスクッと背筋を伸ばして一株咲いていた姿が凜々しくて、つい寄り道して姿を納めてしまいました。
ウバユリ(姥百合)2022.07.21 飯能
「花の頃には、葉(歯)が無いから」が姥百合の語源とも言われますが、ご覧のように未だちゃんと葉が残っています。「花の頃には、葉(歯)が欠ける」位が穏当な気がします。花数は4〜8程とオオウバユリに比べると少なめです。
そして花が開くと、内側が紫褐色に染まっている様子が、お歯黒にも見えて「姥」っぽいかなと思っています。
2022.03.30 狭山丘陵
翼を付けた薄平たい種を沢山飛ばして芽生えます。赤い斑入りのものも結構良く見かけます。この頃は特に葉が長卵形で、スイバなどにも似ています。
一方、尾瀬で見かけたオオウバユリは、少し標高の高い所、日本海側、北国などの冷温帯を好みます。
オオウバユリ(大姥百合)2022.07.12 尾瀬
未だ蕾でしたが、咲いた花はウバユリとよく似ています。花数は、ずっと多くて、10〜20程の花を着けます。その分、茎なども太く逞しい感じがします。
2022.07.12 尾瀬
これは未だ蕾が展開する前の葱坊主状態ですが、葉の形がウバユリより丸めのハート型なのが分りますね。
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2022年08月07日
イヌザクラ と ウワミズザクラ の実
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ゴールデンウィーク明け頃から大分膝の調子が良くなり、調子に乗って予定を入れて歩き回っていたので、ブログに掛けないままで時が過ぎた話題が一杯溜まってしまいました。今から詳しくは無理そうなので、少しずつ、ピックアップして残せたらと思います。
今年はブナの実の生り年と聞きますが、同じく熊の大好物らしいイヌザクラやウワミズザクラも生り年のようで、あちこちで沢山見かけました。
これは飯能のハイキング・コースで、目の高さで木々の梢を観察出来る場所でじっくり見られた、辺りを真っ赤に染めた鈴生りのイヌザクラの実です。
イヌザクラ(犬桜)2022.07.21
花(果)柄に葉がついていないのがウワミズザクラとの違いです。柿の実の様に目立つヘタが残っています。
2022.07.21 2022.06.11
ウワミズザクラ(上溝桜)2022.07.20
こちらは狭山丘陵で、風に折られて落ちていた枝です。花(果)柄に葉がついていますね。そして果実にイヌザクラの実の様にヘタが残っていません。
花 2022.04.16 狭山丘陵
写真ばかり撮っていて、すっかり味見をするのを忘れてしまいました〜残念!
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2022年08月01日
むさしの自然観察園(8月1週)
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2022年8月1日(月) あっという間に8月、既に秋の花も咲き出しています。
観察園の外花壇は、主に玉川上水に自生する植物たちです。
オミナエシ スイカズラ科 カラマツソウ キンポウゲ科
キンミズヒキ(金水引)バラ科
園内に入り、正面が「山野草の土手」で、日本と一部外国(左端の方)の野生植物たちです。ここと「スミレの丘」と常緑樹の森の中の築山が山桜の主な担当エリアです。
ハエドクソウ ハエドクソウ科 ソバナ キキョウ科
フクラスズメの幼虫
ヤナギイチゴ(イラクサ科)の葉を凄い勢いで食べていました。
ハンゴンソウ キク科 クロアゲハ♀
ハンゴンソウの蕾が黄色くなってきました。猛烈な繁殖力の北米原産特定外来生物「オオハンゴンソウ」とは違う、日本在来種です。
クロアゲハのメスは、羽の色が薄く前翅下になる後翅の上部に白斑はなく、後翅の表裏共に赤い斑があります。オスは、全体に真っ黒で後翅上部に白斑があり(飛ぶと見える)、後翅の裏だけに赤斑があります。
ノリウツギ アジサイ科 ヤマシャクヤクの実 ボタン科
最近はノリウツギに似たピラミッド状の花を着ける外来種の柏葉アジサイが良く植えられていますが、ノリウツギは在来種です。樹液は和紙を漉く際の糊として用いられます。
ヤマシャクヤクの果実は独特の色合いでドキッとしますが、熟す頃には回りの草が深くなり、なかなか目にすることがないかもしれません。詳しくは別途書きましょう。
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