2022年09月17日

キベリタテハ(黄縁立羽)



 玉原のスキー場でヨツバヒヨドリやヤマハハコの花に囲まれながら、ペンションで作って頂いた美味しいお弁当を頂いていると・・・

手作りの美味しいお弁当
DSC_0026 (002)玉原お弁当.JPG

気持の良い草原の風に乗って、ひらひらと見慣れない黒い蝶が飛んできました。

 タテハチョウの形ですが、黒いベルベットの裾にクリーム色のレースをあしらったような、黒衣の優雅な貴婦人のような姿にうっとりでした。山桜は、びっくりうっとりするばかりで目には焼き付けましたが、全く写真に収めることなどできませんでした。家に戻り、記憶が鮮明な内に調べたところ、キベリタテハであることが分りました。

 翌日、幸いにもご一緒して居た方がしっかり写真を撮っていて共有してくださったので、ご紹介します。

キベリタテハ(黄縁立羽)2022.08.29 玉原
m玉原 IMG_9468 キベリタテハ (3)by宮入さん.jpg
(c)Miyairi

 飛んでいるときには気付かなかったのですが、翅の表側には黄色の縁にそって青いドットまで並んでいて、何という優美な神様の意匠でしょう! もう少し開いて翅の表側が見えると、やや赤味がかった光沢があり、益々ベルベットの様に見えます。

 イギリスでは、Camberwell Beauty(キャンバーウェルの美女)、アメリカでは、Mourning Cloak(喪のマント)と呼ばれているそうで、外国でも私の第一印象「黒衣(喪服)の貴婦人」と同じ様な気持で名付けられていることに嬉しくなりました。日本でも「高原の貴婦人」と呼ばれているそうです。
*Camberwell とは、命名者が最初に発見したイギリスの地名。

 高地の草原などに生息し、成虫は花の蜜ではなく樹液や獣糞などを吸い、幼虫はカバノキ科、ニレ科、ヤナギ科などの葉を食べるそうです。

 ヨツバヒヨドリが沢山咲いていたので、アサギマダラが現れるかなぁと思って眺めていて、思わぬ優美な蝶に出会えたラッキーな日でした。


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posted by 山桜 at 18:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月15日

クルマバナ と イヌトウバナ



 秋になると、シソ科の花が目白押し、どれも花が小さく似通っています。最近は画像検索で調べる方も多くて悩みも減ったかもしれませんが、自分の目でよく観察して図鑑等で調べないと、その場限り分っても直ぐに忘れてしまいがちではないでしょうか。

 トウバナ属の中でも、クルマバナは数も少なく特徴的なので、他のトウバナ属(トウバナ、イヌトウバナ、ヤマトウバナ、ミヤマトウバナ)と見分けやすいと思います。

クルマバナ(車花)シソ科トウバナ属
2022.08.28 玉原
P8280384 クルマバナm.JPG

はっきりピンクの花が、数段輪生して(茎に車状に固まって)咲いています。輪生した塊の間が空いています。これは、トウバナ属ではクルマバナだけの特徴です。

イヌトウバナ(犬塔花)シソ科トウバナ属
2022.08.27 高尾山
P8270383 イヌトウバナm.JPG

白〜淡紫色の花が、塔のような形の花序になって咲いています。段になっているようにも見えますが、輪生はしていません。よく観ると萼に開出した長い毛が生えています。透かすと葉に腺点が見えます。

イヌトウバナが尤も普通に見られるので、先ずはこれを覚えてしまい、その他は、これとは違う点を順次覚えていきましょう。また他のトウバナ属をみつけたら写真を撮って続きを書きたいと思います。(自分も何度も調べて分った積りになっても、直ぐに忘れるので・・・)


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posted by 山桜 at 12:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月03日

'22 9月 高尾山GREEN CLEAN作戦 下見



2022年8月27日(土) 

 9月3日本番の「高尾山グリーンクリーン作戦」下見で訪れた高尾山域は、すっかり秋の気配になっていました。

【小仏城山コース】
 小仏BS下車、宝珠寺前で開会式後、小仏峠〜小仏城山〜一丁平(昼食)〜高尾山山頂〜薬王院〜十一丁目茶屋〜清滝〜小公園

イヌホオズキ         コアカソ
P8270339 イヌホオズキs.JPG P8270340 コアカソs.JPG
町中ではアメリカイヌホオズキに押されていますが、高尾山では未だ未だ沢山見られます。無毛で葉に鋸歯がありません。
コアカソは木本、クサコアカソは草本、根元が木質化してるかどうか覗いてみましょう。

ボタンヅル(牡丹蔓)
P8270344 ボタンヅル.JPG

ボタンヅル          センニンソウ(仙人草)
P8270342 ボタンヅルs.JPG P8270343 センニンソウs.JPG
ボタンヅルとセンニンソウは似ていますが、ボタンヅルは雄しべが花弁より長く目立って咲き始めからクリーム色、センニンソウは真っ白な花弁が目立ちます。 葉の形も本来は全く違うのですが、センニンソウは変化が大きくて時にボタンヅルのように鋸歯があるものも出て、紛らわしいことも。

タマアジサイ(玉紫陽花)
P8270351 (2) タマアジサイs.JPG P8270346 タマアジサイs.JPG
ピンポン球のような丸い蕾が割れて、中から紫の小花があふれ出します。

フジウツギ(藤空木)     ヤナギタデ(柳蓼)
P8270347 (2) フジウツギs .JPG P8270348 ヤナギタデs.JPG
花は藤ににて木は空木に似て・・・という名ですが、フジウツギ科です。
蓼酢を作れるのは、このヤナギタデで本蓼とも。一方辛味がないのはボントク蓼。 

ジャコウソウ(麝香草)    オトコエシ
P8270350 (2) ジャコウソウs.JPG P8270353 (2) オトコエシs.JPG
麝香のような良い香り?未だはっきり確認できていません。
黄色い花のオミナエシに対して、白い花のオトコエシです。

フジカンゾウ(藤甘草)    小仏峠石仏    
P8270355 フジカンゾウs.JPG P8270356 小仏峠石仏s.JPG 

ヤマトウバナ(山塔花)    ハバヤマボクチ
P8270360 ヤマトウバナs.JPG P8270361 ハバヤマボクチs.JPG
ヤマトウバナは普通、花序が天辺に一つだけ。花は白でイヌトウバナよりやや大きめ。
ハバヤマボクチは、高尾山では数少ない株です。オヤマボクチのハート型の葉と随分形が違いますね。

ミヤマタニワタシ       カノツメソウ(鹿爪草)       
P8270362 ミヤマタニワタシs.JPG P8270359 (2) カノツメソウs.JPG
フタバハギ(南天萩)と似ていますが、茎の上部がジグザグで花柄が長くありません。
カノツメソウは、葉っぱが鹿の爪に似ていますかね?

シシウド
P8270364 シシウドs.JPG P8270365 シシウドs.JPG

タムラソウ           アキノタムラソウ
P8270363 タムラソウs.JPG P8270371 (2) アキノタムラソウs.JPG
薊の花に似たタムラソウとシソ科のアキノタムラソウは、似ても似つかないのに、名前だけが似ているという不思議な関係。

ヤマノイモ(雌花)
P8270367 (2) ヤマノイモ.JPG
雄花は白い小花が連なり、上向きに2対となって咲きます。

ツタウルシ           クズ
P8270369 ツタウルシs.JPG P8270370 (2) クズs.JPG
ツタウルシは地を這っている時の葉と木に這い上って年月を経た葉の様子が余りにも違うので、同じ植物とは思えないかもしれません。被れるので要注意、どんな姿になっても覚えておかねばならない植物です。
クズは、毛むくじゃらの葉や蔓に似合わず、甘い香りの派手な花を咲かせます。実はまた毛むくじゃらの豆が入っていない枝豆のよう。

ゴンズイ
P8270372 (2) ゴンズイ.JPG

ツリガネニンジン
P8270373 (2) ツリガネニンジン.JPG

オオバウマノスズクサ
P8270375 (2) オオバウマノスズクサ.JPG
花もサクソフォンのような面白い形ですが、実の方もスターフルーツのような稜があって目を惹きます。今年は鈴生りです。

ウド             クラマゴケ
P8270376 (2) ウドs.JPG P8270377 クラマゴケs.JPG

ヤマホトトギス        ハシカグサ アカネ科
P8270378 (2) ヤマホトトギスs.JPG P8270379 ハシカグサs.JPG

ゲンノショウコ(赤花)    イヌトウバナ
P8270382 (2) ゲンノショウコs.JPG P8270383 イヌトウバナs.JPG
関東では白〜ほんのりピンク色の花が多く、赤花は関西に多いのですが、何処から運ばれてきたのか高尾山でも赤花が見られます。
イヌトウバナは、ヤマトウバナと異なり、葉腋から花序を沢山伸ばします。花は小さめで色はややピンクがかっているものが多いかな。


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posted by 山桜 at 22:21| Comment(4) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする