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ポチッとして下さると、ランキングにカウントされます。 今日は「柿の日」と、今日のネットニュースで初めて知りました。そうとも知らず、昨日、皇居東御苑の果樹古品種園で柿の古品種を見てきたばかり、何だか柿に教えられたようで、ちょっと嬉しくなりました。
10月26日が「柿の日」になのは、正岡子規があの俳句
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
を詠んだ日に因んだのだそうです。
ゼンジマル(禅寺丸)甘柿

鎌倉時代前期に、川崎の星宿山蓮華院王禅寺の山中で自生しているのを偶然発見された、日本最古の甘柿。それまでは、柿と言えば渋柿で、干し柿や熟柿(じゅくし)にして渋を抜かねば食べられないものだったそうです。子供の頃、農家の庭先にたわわに実っていた小さめで丸っこくて種が大きい甘柿は、多分この禅寺丸だったような気がします。見た瞬間、何とも懐かしい気持になりました。
当初は、「王禅寺丸」と呼ばれていたのが、江戸で流通するようになって、気の短い江戸っ子に?省略され「禅寺丸」となったようです。発見された土地は「柿生」という地名となり、今も禅寺丸で町おこしをしていて、ゆるキャラ「カキまるくん」もいます。因みに「禅寺丸の日」は10月21日です。
禅寺丸は、「不完全甘柿」に分類されていて、果実に胡麻斑が出ないと甘くなりません。そうそう、皮を剥いたら未だ黒い点々が出てなくて渋かったことが、ありましたっけ。
毎年「柿のオジサン」と呼ばれていた父の友人から、沢山の柿を頂いていたものでした。柿をもぎにその大きなお宅へお邪魔したこともありました。懐かしいなぁ・・・
禅寺丸が「不完全甘柿」だとすると「完全甘柿」の品種もある筈・・・調べてみました。
・不完全甘柿:種の量が多い程甘く、少ない程渋みが感じられる。
・完全甘柿:種の有無に関わらず、渋みが抜けて甘くなる。
(奈良県産の御所柿が最古の完全甘柿。他に次郎柿、富有柿など)
ギオンボウ(祇園坊)

大きな縦長のハート型、見るからに渋柿、干し柿用の柿ですね。古くから広島県を中心に栽培されてきましたが、詳しい来歴は不明のようです。古い書物の記録では佐東郡の祇園社(現在の安神社)に植えられたのがルーツで、祇園社のお坊さんによって近郊へ広められたのが名前の由来とか。また、お坊さんの丸い頭に形が似ていたからなどという説もあるそうです。
大きくて、皮が厚め、緻密な果実、殆ど種がない等、干し柿に持ってこいな性質ですね。
ヨツミゾ(四つ溝)

名前通り、4つの溝筋があり、先がちょこんと尖っていて、横から見ると桃太郎に出てくる昔の桃のような形です。静岡県の愛鷹(あしたか)山の周辺に自生していた渋柿だそうです。

名前を忘れないように名札の写真を撮っておいたのですが・・・あれれ? 左上に「ワリンゴ」って書いてありますね。和林檎ってこと? 柿の事を和林檎って呼ぶのでしょうか? 聞いたことがありませんが・・・。

ギオンボウの名札を見てみると、ちゃんと「カキ」と書いてありました。間違いでしょうか? 早く気付けば、観察会にご一緒した先輩方に聞けたのになぁ
<2022.10.27追記> 東御苑の果樹古品種園では、西洋リンゴ導入前に栽培されていた「和リンゴ」も栽培されていますので、やはり、この名札は誤記なのでしょう。今回、ワリンゴを見逃していて残念! 実が成っていたのでしょうか・・・。名札にも書いてある柿の学名は、「Dios(神の) pyros(食物) Kaki」という意味。古くから甘味の代表として神様にお供えしてきた栄養満点菜果物に相応しい学名ですね。
そして、柿の葉の紅葉・・・様々な表情を見せてくれて飽きません。

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