2023年07月08日

戸隠草(トガクシショウマ)


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 朝の連続テレビ小説「らんまん」で「トガクシソウ」をめぐり、不穏な動きが出てきましたね。

 ところで、
 「トガクシソウって?」
 調べると「トガクシショウマ」の別名でした。

 トガクシショウマは、ずっ〜と憧れて続け、今年の6月、色々なご縁が重なって初めて綺麗に咲いている様子に出会えたばかりでした。(ドラマの中の教授たちも花の標本を探しあぐねていますね。)出会えた年にドラマで話題にもなるという不思議なご縁に感謝して、もう一度、今年の写真を集めてご紹介しますね。

トガクシショウマトガクシソウ
(戸隠升麻/ 戸隠草)
Ranzania japonica (T.Itô ex Maxim.) T.Itô
メギ科トガクシショウマ属

2023.06.06 尾瀬
トガクシショウマm P6066879 (2).jpg

雪解け水から生まれた妖精・・・長い花柄の先で俯き咲く可憐な姿。いつまでも、ずっと見ていたい・・・

トガクシショウマm P6066874 (4).jpg

メギ科の花の意匠を凝らした造形の美に惚れ惚れします。
蕾の基部に見える小さな萼片3枚は開花時には落ち、残りの萼片6枚が花びらに見える部分として残ります。
本当の花弁は真ん中の雌しべ・雄しべを囲み小さな釣鐘状に丸を描いている部分。

俯いて咲いているので、はっきり撮しづらくて・・・下のスマホ写真なら、ご覧になれますでしょうか。

トガクシショウマm DSC_0489 (002).jpg

日本固有種で、本州北部・中部の多雪地帯、落葉樹の林床を好み、適地であれば地下茎を延ばして群生するようですが、人目につく場所では盗掘に遭ってしまうのか、なかなか自然界ではお目にかかれません。どうか彼女たちが大好きな場所で、この先もずっと咲いていけますように・・・。

盗掘するような業者は、売れてお金になれば後は枯れようがどうしようがお構いなしです。私達に出来る事は、目を光らせる守ること、そして決して「買わないこと!」です。

トガクシショウマm P6066871 (2).jpg

全姿は高さ50cm程、意外に大きくしっかりしていて逞しい!

トガクシショウマm P6066876 (2).jpg

トガクシショウマs P6066865 (2).jpg トガクシショウマs P6066867 (2).jpg
左は、最初にみつけて気落ちした花の終わった株。
「葉だけでも出会えて良かった!」
と思い直していたら、その後に、上の写真の花々に出会えて、一瞬、言葉を失いアワアワしました。
右は、花が落ちた後の若い果実。白く熟すのだそうです。

「破門草事件」
「らんまん」でこの後描かれる?かもしれないので、先を知りたくない方は読まないで下さい。)

東京大学教授 本草学者 伊藤圭介(1803-1901)の孫、
伊藤篤太郎(1865-1941)が、この事件の主人公。
東京大学植物学教室に出入りを許された在野の植物学者。

1875年 叔父の伊藤謙が戸隠山でトガクシソウを採取、
    小石川植物園に植栽。
1883年 伊藤篤太郎、露の植物学者マキシモヴィッチに
    標本を送る。
1884年 東大教授 矢田部良吉(1851-1899)戸隠山で本種採取
    小石川植物園に植栽。 
1886年 マキシモヴィッチ、ロシアの学術誌
   「サンクト・ペテルブルク帝国科学院生物学会雑誌」に
    Podophyllum japonicum T.Itô ex Maxim.
    メギ科ミヤオソウ属の一種として発表。
   (T.Itô ex Maxim.は、伊藤の代理でマキシモが登録の意)
1887年 矢田部はマキシモヴィッチに標本を送り、鑑定を依頼。
1888年 3月 マキシモヴィッチは、
「本種をメギ科の新属である考えYatabea japonica Maxim.
    の学名をつけたいので、正式発表前に花の標本を送れ」
    と回答。
    
この動きを察知した伊藤は、叔父が最初にみつけ、自分が学名をつけた植物の属名が新属名として矢田部教授に献名されることに怒り焦る。

1888年 10月 伊藤は、英の植物学雑誌
    Journal of Botany, British and Foreign 誌に、
    新属 Ranzania T.Itô を提唱、
    Podophyllum japonicum T.Itô ex Maxim. (1887) を当属に移し、
    新組合せ名 Ranzania japonica (T.Itô ex Maxim.) T.Itô (1888)
    として発表。

マキシモヴィッチによる Yatabea japonica Maxim.は、伊藤の発表の後塵を拝した為に無効。矢田部教授は怒り、伊藤篤太郎を植物学教室の出入りを禁止した。このことにより、トガクシソウは「破門草」という不穏な別名を持ってしまった。

属名 のRanzania は、伊藤が尊敬する江戸時代の本草学者 小野蘭山に献名されたもの。

伊藤篤太郎は、「日本で初めて学名をつけた人物」
トガクシソウは、「日本固有種で、日本人により学名を付けられた最初の植物」

牧野富太郎は、「日本で2番目(1889年)に学名Theligonum japonica Okubo et Makinoをヤマトグサにつけた人物」
(学名の中にあるOkuboは、あのオオクボさんかな?)
ヤマトグサは、「日本固有種で、初めて日本人の手によって記載され、日本の学術雑誌に発表された植物」
マルバマンネングサは、「マキシモビッチにより、牧野に献名され、初めて日本人の名がつき発表された植物」
ということでしょうか。間違っていたらご教示ください。

尚、「らんまん」では、それぞれのモデルの人物名は、

伊藤篤太郎→伊藤孝光
牧野富太郎→槙野万太郎
矢田部教授→田邊教授

となっています。 
学名に用いられている Ito、Makino は、役名でも変えられなかった訳ですね。一方、Yatabeが無効となってしまったので、矢田部は田邊教授に・・・
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2023年07月05日

八幡平 白い花たち


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2023.06.29 八幡平

マイヅルソウ(舞鶴草)キジカクシ科マイヅルソウ属
P6297855 マイヅルソウm.jpg

 横に広がる2枚のハート型の葉を、ラブコールしながら舞う鶴の羽に見立てた名前。白い花の集まる花序も鶴首に見えるような・・・?それとも群れ飛ぶ白鳥でしょうか。

ノウゴウイチゴ(能郷苺)バラ科オランダイチゴ属
P6297901 ノウゴウイチゴm.jpg
5弁花が基本のイチゴ科の中で、花弁が7〜8枚という異色。葉も表は光沢の無い緑白色、裏は粉白色。能郷は発見地、岐阜県能郷村に因みます。

オオカメノキ(大亀の木)別名 ムシカリ(虫刈)レンプクソウ科ガマズミ属
P6297902 ムシカリm.jpg
蕾と咲き始め、真ん中の両性花は仄かにピンク色を帯びています。周りを縁取っているのは装飾花。大きな葉っぱは基部で湾入してハート型。亀の甲羅に似ている? 

ウラジロナナカマド(裏白七竈)バラ科ナナカマド属
P6297863 ウラジロナナカマドm.jpg
ナナカマド、タカネナナカマド、ウラジロナナカマドの3種、ずっとモヤモヤしていましたが、実物を見比べてやっと区別出来るようになりました。だって、言い訳ですが・・・裏白という名ななのに、そんなに裏が白くないのですよ。小葉の先が丸いのと、鋸歯が上半分程にしか無いのが決め手でした。

この後、白山で3種を見比べられたので、ようやくはっきりと自信が持てました。実物を見るのが一番ですね。

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八幡平 カラマツソウ


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八幡平 2023.06.29

カラマツソウ(唐松草)キンポウゲ科カラマツソウ属
P6297942 カラマツソウm.jpg

P6297872 カラマツソウm.jpg
名前の由来は、花の形がカラマツの短枝の先の葉の着き方に似ることから。

カラマツの短枝
カラマツP4010377.JPG
傘を広げたように放射状に広がる葉が特徴。


P6297941 カラマツソウm.jpg

草姿
P6297998 カラマツソウm.jpg
花だけ見たら、キンポウゲ科?とも思いますが、葉を見ると、同じキンポウゲ科のオダマキに似た感じです。

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八幡平 オオバタケシマラン


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 6月の尾瀬でタケシマランを見つけた時、先輩に、
「オオバタケシマランは花柄がクルリと捻れている」
と伺って、
「え〜っ、面白い、それ見た〜い!」
と思って八幡平でも葉っぱをみてはひっくり返していたら、沢山の蕾に出会えました。

オオバタケシマラン(大葉竹縞蘭)ユリ科タケシマラン属
P6297928 (2) オオバタケシマランm.jpg
例によって小さくて屈んで写真を撮るのが膝痛持ちには結構しんどい・・・

P6297931 オオバタケシマランm.jpg
ひっくり返して手で持てば揺れてピントが合わなくて、クルリと丸まっている部分が上手く撮れない

P6297997 オオバタケシマランm.jpg
何とか、輪を描いていることが見える写真が撮れました。
それにしても、何故、花柄が一回転しているのでしょう。風が強い所に対応して強度を増している?
花が咲いていてくれたら良かったけれど、それはまたのお楽しみに。

(参考)タケシマラン 尾瀬 2023.06,07
タケシマランm P6077162 (2).jpg
こちらは花柄が捻れていません。

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2023年07月04日

八幡平 ヒロハユキザサ


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2023.06.29 八幡平

ヒロハユキザサ♂(広葉雪笹)
キジカクシ科マイヅルソウ属(旧ユキザサ属)
P6297861 ヒロハユキザサ?.jpg
白い花被片のユキザサに対し、黄緑色の花被片をつけるので「ミドリユキザサ」の別名があります。雌雄異株で、こちらは雄株。
ユキザサ属がマイヅルソウ属になったそうで・・・はぁ、もう覚えられない。

P6297861 ヒロハユキザサ? 茎の稜.JPG
ヤマトユキザサの花被片も黄緑色で別名ミドリユキザサなのでややこしいのですが、ヒロハユキザサの茎にはこのような稜があるので区別出来ます。

また、私が尾瀬で見たヤマトユキザサの茎は紫色を帯びていましたが、八幡平ではみかけませんでした。(ヤマトユキザサの分布を調べると山形・福島〜奈良とのこと。もしかして奈良でみつかったので大和がつくのでしょうか。)

(参考)ヤマトユキザサ 2022.07.12 尾瀬
P6056556 (2) ヤマトユキザサ.jpg

P7120037 尾瀬 ヤマトユキザサ.jpg
黄緑色の花被片と言いながら、蕾と花後の若い果実の写真しか無くて、すみません(。。;)

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posted by 山桜 at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八幡平 シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ


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 山で見かける黄色い花の多くは、キンポウゲ科とバラ科。どちらもよく似ていて、花だけを見て同定するのはなかなか難しいです。

 キンポウゲ科の花弁に見える黄色の萼片にはクチクラ層(髪の毛で言えばキューティクル)があり、キラキラと光沢があるのが特徴です。

 同じ黄色い花でも、バラ科の花にはそのようなキラキラ光沢はないので、先ずそこで区別することが出来ます。

 今回は、高山で良く見かけるキンポウゲ科の2種です。

シナノキンバイ(信濃金梅)キンポウゲ科キンバイ属
P6297985 シナノキンバイ.jpg

P6297983 シナノキンバイ.jpg

ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)キンポウゲ科キンポウゲ属
P6297982 ミヤマキンポウゲ.jpg

「え、同じ花じゃない? 何処が違うの!?」
って、言いたくなりますよね。右脳人間の私、ぱっと見で違うと感じたのですが、それでもじっと見ている内に、段々と分からなくなって来ます。でも葉の形が違うので、やっぱりこちらはミヤマキンポウゲだと思います。実物を見ていれば分かるのですが、こうして時間が経って写真で見返すと迷いが出ますね・・・。あれもこれも手を出して、一向に作業が進まない自分が嫌になります。

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posted by 山桜 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八幡平 ズダヤクシュ


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ズダヤクシュ(喘息薬種)ユキノシタ科ズダヤクシュ属
P6298008 ズダヤクシュ.jpg

民間薬として喘息(富山などでズダと言う)や咳止めの薬とされた為、この名があります。花の形はユキノシタとは随分違いますが、葉の形や草姿、好きな場所(日影で湿っぽくても水はけは良い所)などは似通っています。

P6298010 ズダヤクシュ.jpg

果実(参考 2022.07.12 尾瀬)
尾瀬 ズダヤクシュ P7129638 (2).JPG

花は小さいですが、よく観れば可愛らしく「ティアレラ(ズダヤクシュ属)」の名前で外国産の園芸種が色々出回っています。よく似ていてカラフルな「ヒューケラ(ツボサンゴ属)」もユキノシタ科で近縁です。

また、ティアレラ×ヒューケラの別属交配種の「ヒューケレラ」まで作られていて、一体どちらの仲間なのか分からなくなってしまいます。

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posted by 山桜 at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年07月03日

八幡平 ベニバナイチゴ


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2023.06.29 八幡平

ベニバナイチゴ バラ科キイチゴ属 日本固有種
P6297881 ベニバナイチゴm.jpg

全体にトゲの無いキイチゴの仲間。赤い花を下向きに咲かせるのは、花期が梅雨時だからでしょうか。雨を避けるために下向きに咲いても、目立つ赤色で虫を呼べるのかもしれません。

上の写真は下から覗いて撮ったもので、本来は下の写真のように控えめに俯いて咲いています。果実は赤く熟し食べられるそうです。

P6297893 ベニバナイチゴm.jpg

時に「ベニバナイチゴ」の名前で流通しているものは、白花のオランダイチゴ属と赤花のキジムシロ属を掛け合わせた園芸種で、本種とは全く違うものです。

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八幡平 イワナシ


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 昨年、尾瀬のガイドのマサさんに初めて教えて頂いた時は、岩肌に張り付いた枝と葉だけでしたが、今年は尾瀬でも八幡平でも可愛らしい花に会うことが出来ました。

 ツツジの仲間の花は、開いたラッパ型とこのような釣鐘型、また小さな壺型もありますね。

イワナシ(岩梨)ツツジ科イワナシ属
P6297916 イワナシm.jpg

 朝露を帯びて、キラキラ光っていました。ガラス細工のように透けるタイプではないようです。 

P6297915 イワナシm.jpg

 萼の大きさが目立ちます。

P6297913 イワナシm.jpg

 葉っぱも花柄も有毛なのに、萼は無毛ですね。密毛は水分を集める為か、虫除けか。花には虫が来て欲しいから萼は無毛なのかな。
 かと思うと、果実には毛がびっしり! こちらは虫除けの為?

(参考)果実 2023.06.05 尾瀬
P6056602 イワナシ 実m.jpg

 イワナシの実は、甘みがあって食べられるらしい・・・今度、熟したのをみつけたらトライしてみたいけど、ちゃんと種は落としていかなくてはね。

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八幡平 ショウジョウバカマ


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2023.06.29 八幡平

ショウジョウバカマ(猩々袴)シュロソウ科
P6297945 ショウジョウバカマm.jpg

 今まで見たことがあるのは、淡紅色か白に近い花色でしたが、ここでは赤色で、正に猩々の毛色顔色と言う風情でした。どちらかと言えば、幻獣としての猩々よりもお能の装束をつけた猩々のイメージでしょうか。それで袴(根生葉)も履いているのですかね。

P6297856 ショウジョウバカマm.jpg

 昨年この花後の状態を尾瀬で見て、何処かで見たことがあるのだけれど、その背丈の高さからピンと来なかったのでした。今はもうちゃんと認識出来たので、ショウジョウバカマの花後で、残った萼片が花の様に見えるけれど中に果実(柱頭の下に3つの刮ハ)が出来ていることが分かります。

 新潟出身の祖母は、ショウジョウバカマのことも「雪割草」と呼んでいました。雪解けの下から咲き出す春の女神を見つけた時の雪国の人の嬉しさは、一体どれ程なのでしょう。長い冬を乗り越えた人にしか味わえない、特別な喜びなのでしょうね。

 そう言えば、秋田出身の主人は、軒のつらら(秋田弁で「たろんぺ」)が溶け出してポタポタ雫が落ちる音を聞くと、春になったなぁと思うと良く言っていました。そして「どじょっこふなっこ」の歌を

 ♪は〜るになれば、しがこもとげで〜

と、普段は訛らないのに戯けて嬉しそうに歌っていましたっけ・・・。

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2023年07月02日

八幡平 ウスバスミレ?


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2023.06.29 八幡平

初めて見る純白の繊細な雰囲気のスミレ。図鑑と見比べて一番似ているのがウスバスミレでした。分布も生えてたのが亜高山帯の苔むす場所なのも合致していますので、そうかなぁ・・・と。

ウスバスミレ?(薄葉菫)
P6297896 ウスバスミレ?.jpg

P6297924 ウスバスミレ.jpg

菫は距が見える横顔を撮っておかねばと思いつつ、足場が悪くて撮れていませんでした。葉の形、全体に無毛の所も合っていると思います。

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八幡平 オオバキスミレ


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オオバキスミレ(大葉黄菫)
P6297860 オオバキスミレm.jpg
同じ黄色い花のスミレの仲間、キバナノコマノツメが唇弁が長く面長(馬面?)なのに比べ、唇弁が他の花弁より短いので横面ッ子(秋田弁でほっぺたが膨らんだ幼子のこと)です。側弁の基部は有毛。

キバナノコマノツメ(参考)
P6157399 (2) 三つ峠 キバナノコマノツメ.jpg

黄色いスミレや三色スミレ達は「スミレ色」が紫系なことをどう思うのかしら。そう言えば、クレヨンも「肌色」表記をやめましたよね・・・すみません、直ぐに横道に逸れるのが悪い癖。

P6297857 オオバキスミレm.jpg
柔らかな葉脈が目立って少し皺っぽいような葉、先は尾状に伸びています。

P6297869 オオバキスミレm.jpg
上から見たところ。葉柄や花柄は、やや赤味を帯びることもあります。

P6297858 オオバキスミレm.jpg
種子からだけではなく地下茎でも増えるので、このような大群落を作ることもあります。

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八幡平 イワイチョウ


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2023.06.29 八幡平

イワイチョウ(岩銀杏)別名 ミズイチョウ
ミツガシワ科イワイチョウ属
P6297877 イワイチョウm.jpg
リンドウ科だと思っていたらミツガシワ科になったのですね。沢山見たはずなのに、写真が少なくて意外でした。
雌しべが長い花(長花柱花)、短い花(短花柱花)の2種類の「異形花柱花」を持ち、長花柱花だけが結実する、異花柱花同志だけが受粉する、などの説があります。

P6297876 イワイチョウm.jpg
尾瀬などで見たミツガシワに似ていますが、葉は腎臓型。
葉の形がイチョウに似ているとよく書かれていますが、似てませんよね? 寧ろ、秋の黄葉をイチョウに擬えた説に私は賛同します。

よく観てみたら、ミツガシワ?
P6297975 イワイチョウm.jpg
イワイチョウの写真かと思って拡大してみたら、どうやら葉が三出複葉のミツガシワのようです。ミツガシワの花は近くで見れば花弁の縁にフリンジがついています。

ミツガシワの花(2023.06.05 尾瀬)
ミツガシワm  P6056684 (2).jpg
もちろんミツガシワ科の花ですから、異形花柱花を持っています。タンカチュウカ、チョウカチュウカ、イケイカチュウカ・・・早口言葉みたいでどうも苦手です(^^;)

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八幡平 ミツバオウレン


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2023.06.29 八幡平

朝ドラ「らんまん」で、万太郎のお母さんが好きだった花は、(シコク)バイカオウレン(小葉が5枚の掌状複葉)でしたが、それに近い仲間で小葉が3枚の三出複葉で、バイカオウレンより少し標高の高い亜高山〜高山に分布します。

ミツバオウレン(三葉黄連)キンポウゲ科オウレ属属
P6297914 ミツバオウレンm.jpg
セツブンソウ等と同様、白い花弁に見える部分は萼片、黄色い頭部が目立つのが花弁で密腺を持っています。
この写真では、雄しべは濡れて垂れ下がってしまっています。
後ろに移っているハート型の葉は、マイヅルソウの葉。

P6297895 ミツバオウレンm.JPG
頭が黄色い小さな花びらが分かりますでしょうか。

P6297894 ミツバオウレンm.jpg
サンカヨウ同様、濡れると少し透けて見えますね。
この下の葉は、オオバタケシマラン?

P6297897 ミツバオウレンm.jpg
やっと三葉黄連の三つ葉がちゃんと写せました。別名カタバミオウレンとも言うそうです。

P6297900 ミツバオウレンm.jpg
濡れていてもすこし崩れていても、どの表情も可愛らしくて、ついつい撮ってしまいます。

P6297912 ミツバオウレンm.jpg
こんな風にポツンと独立して咲いていることは少なくて・・・

P6297923 ミツバオウレンm.jpg
大体は、他の背の低い湿っぽい所好きの仲間達と一緒に群れています。

P6297952 ミツバオウレンm.jpg
果実が実って種子が落ちる頃には、周りの植物が育って日影と湿度を保って発芽を促してくれそうです。

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2023年07月01日

八幡平 キヌガサソウ・コツマトリソウ


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2023.06.29 八幡平

キヌガサソウ(衣笠草)シュロソウ科
P6297936 キヌガサソウm.jpg
花径8p程のとても大きな花。花弁に見える白い大きな外花被片(萼片)とその内側に白い細紐状の内花被片があります。
この白い大きな外花被片には葉脈も残っていて、花びらは葉が変化したもの、に納得してしまいます。

P6297935 キヌガサソウm.jpg
大きな葉が丸く広がる様子、又は同様に広がる花の様子を、古の貴人に背後からかざす絹を張った長柄の傘=衣笠に見立てたのが名前の由来です。

こちらは、花の大きさはぐっと小さい(1.5ー2.3cm)のですが、似た雰囲気の白い花なのに科は異なります。

コツマトリソウ(褄取草)サクラソウ科
P6297871 ツマトリソウm.jpg
残念ながら丸い葉先は写っていませんが、湿原に生えていたので、ツマトリソウではなくコツマトリソウとしました。「褄取り」とは花弁の先にしばしば赤い縁取りが出る様子に依ると思われますが、何に擬えているかは図鑑によってマチマチで何が正解なのか分かりません。
・着物の褄取りに例えた
・鎧の威色目の一つである褄取りに例えた
・花弁ではなく、葉先がぼかしたように濃くなるさまを着物の褄取りに例えた

個人的には、褄取りする時、着物の裾回しの色が控えめに見える感じを例えたのではと思うのですが、どうでしょう? 和服文化が生活から遠ざかると、こういうことが実感できなくなり寂しいですね。

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八幡平 イワカガミ


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(編集中・・・)

2023.06.29 八幡平

イワカガミ(岩鏡)イワウメ科イワカガミ属
P6297965  イワカガミm.jpg

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八幡平 チングルマ


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2023.06.29 八幡平

チングルマ(稚児車)バラ科ダイコンソウ属/チングルマ属
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草本のように見えますが、落葉矮性低木。高山の雪渓などの雪解けを待って一気に咲き広がります。

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葉は奇数羽状複葉で「大根の葉の様な」ダイコンソウ属の特徴が見られます。独立したチングルマ属ともされます。

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イワカガミと好む環境が似ているようで、混生すると引き立て合う彩りが美しい。

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水気が多すぎるとイワカガミは嫌がるのか、今度は水中を好むイワイチョウが混生していました。

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一面に広がるチングルマ。雪が花に生まれ変わったよう。

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花弁が落ちた後の姿も星のようで愛らしい。

「稚児車」に見立てられた果実 2022.07.12 尾瀬
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沢山(35本程)のそう花から羽状の赤い花柱が長く伸びて目立ちます。「稚児車」とは、幼子の遊ぶカザグルマの意とも、カザグルマのように剃り残した幼子の髪型の意とも。

 やがて羽状の花柱のついた痩果は風に吹かれて飛散し、葉は赤く色づき、草では無いけれど「草紅葉」として愛でられます。

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八幡平 ヒナザクラ


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2023.06.29 八幡平

ヒナザクラ(雛桜)サクラソウ科サクラソウ属
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花径1cm程の小さなサクラソウの仲間。学名は、Primula nipponica「日本のサクラソウ」

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霧に濡れて殆ど下をむいてしまっていた中で、顔を上げて咲いている健気な花を探しましたが・・・

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俯いて咲く花達も奥ゆかしい。

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こちらは賑やかにお喋り中?

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出番を待っている蕾たち 葉っぱは肉厚ですね。

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果実たちは上向きにすくっと伸び上がり、種播く日を待っています。

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花弁なのか雫なのか・・・

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