2024年05月06日

タビラコ(田平子) 考

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「春の七草」の中の「ホトケノザ」は、シソ科のホトケノザではなく、キク科の「コオニタビラコ」のこと。

 小学生の時に、そう習ってから、
「本当のホトケノザ=コオニタビラコを見たい!」
 そう思い続け、やっと本物らしき姿を見たのは大人になってから、お正月の七草セットの籠の中でした。

 勿体ないので七草粥には葉を1枚だけ、残りは庭に植えたのですが、いつの間にか消えてしまいました。野草だからと甘く見ず、きちんと鉢植えにすべきでしたが後悔先に立たず。

 ある時、公園内に残っている田んぼの畦を歩いていると、
 「やややっ、これこそコオニタビラコでは!?」
 やっと、自然の姿を見ることが出来て感動でした。

コオニタビラコ/小鬼田平子 キク科ヤブタビラコ属
P4175127 コオニタビラコm.jpg
田んぼの畦にピタリと丸く張り付いたロゼット(根生葉)の姿は、正に「仏の座」。柔らかで如何にも春の若菜摘み向きの葉です。

P4175126 コオニタビラコm.jpg
この様に、コオニタビラコさまの価値を知らぬ輩に踏まれても、へこたれていませんでした。

P4205179 コオニタビラコm.jpg
舌状花の枚数は8枚前後。これが似た仲間との区別ポイントの一つ。

ヤブタビラコ/藪田平子 キク科ヤブタビラコ属
P4215216 ヤブタビラコm.jpg
こちらは林床など、その名の通り藪に生えているヤブタビラコ。全体にモサっと茂っていて、地面にピタリと張り付いてはいません。

P4215224 ヤブタビラコm.jpg
自らも「藪」の一因と化しています。

P4215219 ヤブタビラコ 果実s.jpg
花のアップを撮り忘れ、果実だけですみません。舌状花は20枚前後とコオニタビラコの倍以上。
この痩果が熟すと中に茶色の種子があるが、タンポポの綿毛状の冠毛がない。これが、ヤブタビラコ属の特徴の一つ。

オニタビラコ/鬼田平子 キク科オニタビラコ属
P4215209 オニタビラコm.jpg
オニタビラコは一番身近な植物で、アスファルトの隙間からでも逞しく花を咲かせているので、見る機会が多いでしょう。

P4215223 オニタビラコm.jpg
根生葉の真ん中から長い茎を伸ばした先に沢山の花を散総状に咲かせて美しく目立つ存在です。舌状花は20枚前後。種子には冠毛があり、風に運ばれるので分布域も広がります。

 さて、ここまで読んで下さった方は、
「はて?」
と朝ドラの寅子さんのように首を傾げたのではないでしょうか?

 コオニタビラコはヤブタビラコ属
 オニタビラコはオニタビラコ属

 タビラコより大きいからオニタビラコ(ここは分かる)
 ↓
 オニタビラコより小さいからコオニタビラコ(えっ、オカシイでしょ?)
 ↓
 しかも、分類的には、コオニタビラコは、オニタビラコ属ではなくヤブタビラコ属

 元々、コオニタビラコこそが、その姿通りに「タビラコ」と呼ばれていたのに、どこでどうしてこうも回りくどい命名になったのか。命名者の身近にはオニタビラコとヤブタビラコだけで、コオニタビラコ(タビラコ)は、命名後に見つけたのでしょうか・・・

 コオニタビラコ→タビラコに戻し、ヤブタビラコ属(種子に冠毛あり)→タビラコ属(種子に冠毛なし) にしてくれれば、スッキリするのになぁ

 こういうことは、一度決められると変更はされないようで、名前を聞く度に頭が捻れるような気持になります。うううっ・・・


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posted by 山桜 at 09:40| Comment(6) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする