2024年06月26日

「十二さま」とは?

ご訪問ありがとうございます

最近、尾瀬、玉原などで相次いで「十二さま」を祀る神社に出会い、栃木の太平山(おおひらやま)の麓で「客人(まろうど)神社」という、他所からやってくる神様を祀る神社に詣で「客人とは?」と考える機会も得ました。

このように、関連事項が畳みかけてくる時は、学びのご縁が巡ってきている時! 逃す手はないですね

尾瀬 山神宮 大清水登山口手前
P6076977 尾瀬 山神宮m.jpg
最初に「十二さま」という聞き慣れない神様の名前を、「尾瀬の語りべ」M氏に伺ったのは、この神社前でした。その時に、
「十二さまってどんな神様ですか?」
と伺いたかったのですが、送って頂いた上に質問攻めでは余りにも厚かましく、口に出来ませんでした。いや・・・一度は口にしたかも・・・お返事なく、聞こえなかったかな、失礼だったかな、と諦めたような記憶が・・・??
こちらのご祭礼日は、5月13日だそうです。
<追記>「12」の禁忌で13日にしたのかと思ったのですが、後で虚空蔵菩薩さまを祀ったのが始まりと知り、「13日は虚空蔵菩薩さまの縁日」だったことを思い出しました。

尾瀬 十二山神社
P6077154 尾瀬 十二山神社m.jpg

P6077152 尾瀬 十二山神社m.JPG
同じ日に、また尾瀬で「十二山神社」に出会い、縁起を読み、十二さまが「山の神」であることが分かりました。

尾瀬 山ノ鼻 十二山神
P7129679 尾瀬 山の鼻  十二山神m.jpg
なんと、尾瀬の山ノ鼻、研究見本園入口傍にも「十二山神」が祀られていました。

こちらでは、9月12日が「十二山神様」のお祭日とのこと。
おおっ、山桜とKさんの結婚記念日と同じ。やはり何かご縁があるのかな。

尾瀬のビジターセンター情報によれば、
「十二山神様」は山で働く人たちの守護神であり、安産の神様、女神様であり、醜女であるという伝承もあって、自分より醜いものがあれば喜ぶとして、顔が醜いオコゼを供える習慣もあるようです。

玉原 十二山宮
P5206043 玉原 十二山宮 扁額s.JPG P5206041 玉原 十二山宮s.jpg
そして今年の出会いは玉原の「十二山宮」でした。
P5206042 玉原 十二山宮m.jpg

先ず「十二さま?」と思って頭に浮んだのは、「12の月のおくりもの」(スロバキア民話)、また、それを元に創作された「森はいきている」というロシアの物語です。どちらも、一年の12の月にそれぞれの神様がいらっしゃるという考え方に基づいています。

しかし、どうやら日本の「十二さま」は、それらとは少し違う「山ノ神」さまのようで、最初から学び直しです。

「十二さま」は、
・主に雪深い東北地方で篤い信仰がある。
・春には里に降り、秋には山へ帰っていく神霊。
 →雪解けで始まり、雪で閉ざされる農耕、山仕事に関連?
 →祖霊がやって来て帰る、春彼岸、秋彼岸に関係あり?
 しかし、彼岸は多忙な為、お盆に神事が催される。
・里と山の境界線辺りに祀られていることが多い。
・他所からやっている「客人神」としての性格があり?

なぜ「十二」なのか。
・一年十二ヶ月に十二人の子を産むという山ノ神の属性に由来。
 (例)山ノ神は「女性で一年に十二の子をお産みになる。(岩手県九戸郡山形村)
・十二というのは具体的な数というよりも「極まった数」として神威の大きさを表している。
 これは山ノ神がお産、子育てをつかさどる神としても崇められたことに関連する?

 その他には、
・神仏習合による神格として薬師如来の眷属十二神将とする説。
・熊野十二所権現との関連を指摘する説。

また、奥只見観光公式サイトによれば、
・十二山神社の本尊「虚空蔵菩薩」は、今をさかのぼること八百余年、平安時代末期にこの地に移り住み、尾瀬ヶ原や尾瀬沼を発見し、尾瀬の地名の由来でもあると言われている尾瀬ノ三郎房利が、京の都を離れる際に、思いを寄せていた御妃より密かに形見として賜ったもので、この地の住民に与えられ、その後、村人達により守り本尊として崇められてきました。 虚空蔵菩薩は、人々に知恵を授けるともいわれています。 また、明け方の空にひときわ明るく輝き、その美しさで人々の目を引きつける「明けの明星」は、虚空蔵菩薩の化身とされており、金星 (ビーナス)は愛と豊穣と美の女神の名前としても知られています。とありました。

なるほど、それで「尾瀬」では、一際、十二さま信仰が篤い訳なのですね。しかし、虚空蔵菩薩と山の神の関係が分かりません。未だ追い続けたい点の一つです。

数の禁忌
・十二という数は畏れ多いがゆえに、かえって禁忌とされることがある。
 木樵が山へ入るとき12人になることを嫌い、また山小屋などで12人が会することを恐れ木の枝等で作った人形で13人に擬し、山中の祠に納める。(津軽)
・山ノ神講の講員が十二人に減らないように努める。(長岡)
・12の付く日に山に入らない。(山仕事をしない。)

山ノ神を女神とする伝承
・子を産むので必然的に女神。
・男性を好み、女性を嫌う。
・山で探し物をする時、男性自身を露わにするとみつかる。
・山仕事や神事に女性を関わらせない。
・醜女とされることが多い。
(自分の妻のことを「山ノ神」と称するのを聞いたことがある。)

う〜ん、ますます興味津々です。今まで知らなかった「十二さま」について、これからも学んでいきたいです。

<参考書籍>
 「十二山ノ神の信仰と祖霊観」 (上)(下)
  東洋大学ライフデザイン学部教授 菊地章太 

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posted by 山桜 at 12:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 神社・仏閣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする