久し振りに母校の中を巡り歩く機会を得た。
数年前に全面改築された為、校舎にもグラウンドにも殆ど面影は無い。
私たちの汗の染み込んだバレーコート沿いの桜の木や、大切に移植された
何本かの木々に僅かに思い出がとどめられているのみであった。
しかし、大勢の前で下書きを見ることも無く、堂々と自分の言葉で話をする
生徒達を目にして、校風が脈々と受け継がれていることが嬉しかった。
いかに自分達がこの学校を好きかを熱弁する姿が当時の友と重なっていくに
つれ、私の目の前には、旧校舎の風景や匂い、そしてその頃の姿のままの友達が
次々と姿を現してきた。まるでジブリ映画の「思い出ぽろぽろ」のシーンのように。
頭をつき合わせて何かを一生懸命話し込んでいる友、騒いで走り回っている友、
大声で誰かの名を呼ぶ友、図書室で懸命に勉強する友、音楽祭・体育祭・文化祭の
練習に夢中で取り組む友、どうやって手紙を彼に渡すか迷っている友、そして
2時間休みに笑いさざめきながら早弁をしている部活の仲間達・・・。
皆とは今も毎年のように会っていて、現況も良くわかっている。
それでも母校には、あの時の思い・姿のままの皆が住み続けてるようだ。
何代も何代にも渡っての先輩の若い日の思いが、今の生徒達を後押し続けている。
元気のいい学校には、そのような歴代の魂が聖火台の火のように赤々と
燃え続けているのかもしれない。
2005年12月03日
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「あの頃の未来に僕らは立っているのかな?」
と胸が熱くなります。
でも、まだまだ昔を懐かしむより未来を思い描いて生きて
いきたいと思います。