どうもなかなかみつからず、代わりに同じキク科のかわいい仲間たちに
巡り会っています。
その中の一つ、やや乾燥した明るめの林の斜面でみつけたのは、
【高野箒(コウヤボウキ)】
キク科 コウヤボウキ属 落葉小低木
一見、草のように見えますが、触れてみれば細い枝はしっかりと固く、
木であることが分かります。

枝分かれした後、すっと長く伸びた枝先に小さなアザミのような花を
咲かせます。 枝にも葉にも全体に短い毛が生えており、ざらっとした
感触です。

細いレースを束ねたような花には、白いものとピンク色を帯びたものが
ありましたが、これが個体差なのか時間経過によるものかは不明。



『昔、高野山では竹・果樹など商品価値のある作物は人間の煩悩のもとと
なるとして栽培が禁じられていた為、この植物の枝を束ねて箒を作った』
「花と樹の事典」木村陽二郎監修 柏書房 より
という記述を最初に見た時は、この花か種の冠毛の部分が刷毛のように
使われたのかと思いましたが、
正倉院御物
「子日目利箒(ねのひのめとき*のははき)」
古代、正月初子の日、皇后による蚕室清めの神事に用いた。
同日、天皇は田を耕す神事を行う。
枝々には玉飾りが付いていたことから「玉箒」とも呼ばれる。
*本来中国では、マメ科の目利(メトギ)草で作られていたことから
初春の初子の今日の玉箒
手に執るからに揺らく玉の緒 (大伴家持)
の写真を見るとそうではなく、枝の部分を集めて葉などを全て除き束ね
たものと分かりました。
細く長く伸びるしなやか枝が群生しているのですから、箒の素材には
もってこいだったのですね。
私も箒を作って試してみたいけれど、今は勝手に植物を採取すること
も憚られる自然環境ゆえ、諦めざるを得ません。
(2年目の枝は枯れるそうなので、それなら刈っても良さそうな…?)
種を蒔き沢山栽培出来たなら、いつか作って実際に使ってみたいです。


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感嘆しきりです。私メ如きは植物音痴 音楽音痴
社会音痴ですから、「コレ、、ナンだろう?」と
時たま感じる花などがありますが、どうやって調
べたらよいのかもワカリマセン。
本当に尊敬いたします。
天然忌の折、おけらを拝見して以来、里山を歩くたびに気がけていますが、
なかなか出逢いはありません><; 高野箒も最近は全く見かけません。
九州には、あんまり自生しないのでしょうか?
私も興味の無い分野など、カラキシお手上げの○○音痴
オンパレードです。 ネットの輪で皆さんにお教えを賜り、
持ちつ持たれつ、少しずつ未知の分野も知る機会が増えて
嬉しいです。
鎌倉とんぼさんがお持ちなのは、世の人あの世の人までを
幸せにできるお力、私のは自分の知識欲を満たすばかりで…
可愛い植物ですね。
>商品価値のある作物は人間の煩悩のもと
ああ・・・なんとなく実感ですね。
昔の武家屋敷では実際に実のなる木は植えなかったそうですね。
箒・・・逆さ箒の魔力を信じたい気分のわたしです。
そうです、メダカの目さんの日記で、オケラのことを
思い出してからずっと探し回っているのですが…
「山で美味いはオケラにトトキ(釣鐘人参)」などと言って
そこらに普通に生えているとばかり思っていましたけれど、
いつの間にか希少種になってしまったのでしょうか?
図鑑によれば、関東〜九州に分布とあります。
地味な姿・花なので気付きにくいのですが、この辺りでは
気をつけて見ていれば割にみつかり易いです。
野原というより山の明るい雑木林の下等を見てみて下さい。
九州ではもう種の冠毛も飛んでしまったかもしれませんね。
私の庭は煩悩の固まりに満ちております^^;
梅・桃・杏・李・林檎・金柑・檸檬…もっと広い土地があれば
竹も植えて竹の子やら竹細工やら色々利用してみたい♪
逆さ箒…何やらお呼びでない来訪者でも出没してますか?
今、庭箒の紐が切れてしまっていて、正に逆さ箒状態に立て
かけてあり、どなたかいらっしゃる度に弁解している私です。
コメントも必ず返事されているので、重荷になっても、と。
(実際私も、自分のブログが大変な重荷なんですね、笑)。
でも、お元気そうで、嬉しくなります。
すごいなあ、いいなあ、幼稚園児レベルの感想ですが、
読むたびに感じます。
サイコーですよ、このブログ。(返事不要ですよ、エヘヘ)
とても羨ましいです。
山野草売り場で買い求めるだけでは
味気ない気がします><
今回もお勉強させていただきました^^
いつか 山桜様のオフ会で 野山散策したら 楽しいことでしょうと 勝手に想像してしまいました。
わらびほうき、棕櫚ほうきも作ってみたいと思ってもなかなか実行できないでいます。
携帯電話のカメラ、ちょっと酷使しすぎたのかピントが
甘くなってきたようで、思うように写らずもどかしいです。
こんな時こそ、スケッチですよね〜 昔はカメラなんて持って
なかったのでよく描いていたのに、今はサボってばかりです。
日本人は植物や自然を細やかに愛で観察し学んできた民族
ですね。 私は植物から祖先の伝言を紐解いてみたいと思って
いるのです。 この愉楽にお付き合い下さって嬉しいです^^
毎日時事に触れて、サラリと思うことを書くなんてことに
憧れもするのですけれど、どうも思い切りが悪くて出来ません。
結局、興味を持ち疑問に思ったことを調べて書くので、のろのろ
更新となりまして…^^;
コメントを通して皆さんとお話出来るのが楽しみで、ブログを
続けているようなものですから、いつでもコメントはとっても
嬉しく大歓迎です! 大切にお返事したいと思うと、ついつい
機を逸して遅くなりがちで、大変申し訳なく思っております。
多聞さんがこのように打ち解けてコメント書いて下さって、
私の心も今朝の秋の空に舞い上がるかのように軽やか〜に
なりました。 ありがとうございます。
嬉しくて、何だか鼻歌気分です♪♪♪
主人はシティ派だったのですけれど、いつの間にか私の好みに
引っ張られて?こんな田舎に住む事になっておりました^^;
山野草のお店で買うことは、どこかで自然破壊に加担している
おそれがありますので、充分注意しないといけませんね。
また、どんな環境に自生しているのか知る事が一番よい栽培
結果を齎し、野の花の姿は茶席の花入れにも生かせますので、
心掛けて見て歩くのは本当に楽しいことです。
お花から茶席の話題の花が咲かせられたら嬉しいです♪
里山散策オフ会、楽しそうですね♪ 民家園の鉄瓶のお湯で
お茶を点てたりして…あぁ〜こんな秋空の下で野点も気持ちいい
でしょうね〜 青空に白い雲の掛物、コスモスが揺れて
野の花から天然の香り、お茶碗にトンボが留まって彩りに…
お水は勿論、谷戸から湧水か井戸から汲み上げて
お菓子には
ふかし芋がほわ〜なんて、想像するだけで夢見心地になれます♪
わらび箒というものもあるのですね〜 後で調べてみます♪
今年は初めて箒草が丸く残って紅葉してきましたので、これを
干して箒として使うのを楽しみにしています^^