2009年07月10日
稽古日誌・軸飾
「巻緒の巻き方」
飾物五箇条(軸飾・壺飾・茶入飾・茶碗飾・茶杓飾)のうち、
軸飾の稽古。
【軸飾】
名物・由緒あるお軸(掛物)を尊び、巻いたままの状態で
床に置いて客を招き、正客の拝見の所望に応じる。
・掛物を巻いたまま、外題のある側を正面にして
床の中央、若しくは、下座1/3の所に立て掛けておく。
・席入、挨拶の後、正客より由緒などのお尋ね、拝見の所望が
あれば応じて、掛物竿(矢筈)を持って(薙刀と同じ持ち方)床前へ。
・掛物竿(矢筈)を右横に置く→右手で巻物の下1/3の所を取る→
横に倒し左手で下から持ち直す→右手で巻き緒を引いて解き
→ぐるぐると回して全部解き終われば緒を巻物の後に回し→
左手の小指に緒の端を挟む→掛緒に付いている巻緒の元を下座側
に寄せる→あて紙を外し畳んで右横へ置く。
・床の上で掛物を先ず天の部分だけ広げる→右の風帯を露の部分を
もって上げる→左の風帯を下に伸ばす→右の風帯も下に伸ばす→
風帯の折目を右の上下・左の上下の順に人差指と中指で押さえて
伸ばす→両風帯の下端を少し掛物に挟んで左手押さえ持ちながら
→右手で掛物竿を取り先の金具に掛緒を掛け→床に上がって掛け
→掛物竿は床の右壁に立て掛ける。
・掛物の軸の両端を持ち、壁に添いながら静かに下ろす。
「一文字」などの表具の継目毎に一呼吸休む。
・最後まで広げ終えたら、二巻後に巻き返し→一巻前に巻き返し
巻き癖を直す。
・掛物に曲がりや歪みが無いか確認し、あれば直す。
・当て紙を仕舞い、掛物竿を持ち茶道口へ下がる。
・客の拝見、正客からのお尋ねがあって、正客より、
「大切なお掛物ゆえ、どうぞ巻き納め下さい」との言葉を受け、
そのまま掛け置かずに巻き納める場合は、広げた時の逆の順に
巻いていき、当て紙はせずに(後で水屋で当て直す)上図のように
巻き緒を巻く。
・掛物竿を取り掛物の上に乗せ、竿と巻物を一緒に打ち返して
下題側を上にして(竿は掛物の下になる)から茶道口へ下がる。
掛物: 清風在竹林 前大徳寺 龍門山招春寺・福本積應和尚
花入: 丸木舟
花: 木槿(宗旦)・黄釣舟
茶入: 利休丸壺(写) 仕服: 藤種緞子
薄器: 白漆 竹
茶杓: 青楓 柳生・芳徳寺 紹尚和尚
茶碗: 黒楽 平茶碗 松楽
瀬戸唐津 皮鯨 沓茶碗
主菓子: 朝顔
* * *
5月から溜まっていた稽古日誌をまとめて更新いたしました。
固め撃ちなので、いろいろ不備もありましょうけれど、何はともあれ
宿題をぜ〜んぶ提出したようにスッキリ致しました〜
バンザーイ \(^O^)/ヤッター
2009-05-20 稽古日誌・茶碗飾
2009-05-27 稽古日誌・茶入飾
2009-06-03 稽古日誌・四滴
2009-06-10 稽古日誌・茶杓飾
2009-06-17 稽古日誌・台飾/続き薄
2009-06-24 稽古日誌・数茶
2009-07-01 稽古日誌・糸巻棚
72位位 ありがとうございます
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正月や季節物の
掛け軸の掛け替えは
愚生の仕事でした
わぁ〜いいないいな〜なんて恵まれた環境なのでしょう♪
な〜んて思うのは今だからで、若し子供の頃、それが仕事
だったらどうだったかなぁ… やっぱり好きだったかも〜♪♪♪
文章から想像するとそなるかな〜?って言う事を実際の講習で感じましたよ。
本当はどうなの?って思う事が沢山あります。
>最後の巻き直しには諸説あり・・・
これは、「広げきった後の巻き癖直し」の箇所ですか?
それとも「巻き納め下さい」の後の「巻き直し」の箇所ですか?
「巻き癖直し」の箇所とすれば、「2度後へ巻き戻して…」
と仰ったようにも…記憶がイマイチなのと手元が影でよく見えず
確認できなかったので、あやふやです。
「巻き納め」の方は、私は「掛置き」のままの稽古でしたので、
実際にやっておらず、更にあやふやで〜す(><)
何方かお助け下さると嬉しいのですが… あやめさんの諸説も
お時間が出来ましたなら、どうか教えて下さいませ〜<( _ _ )>
今回は先生が他の巻物をずっと手元に貸しておいて下さったので、
当て紙や巻き緒の扱いは何度も稽古ができ、覚えられたような
気がします。(来年まではどうでしょうか〜???)
私は剣道をやっておりましたが、薙刀の持ち方と言われても
ピンと来ず、あたふた致しました^^; 段々と昔ながらの
物の喩えも通じなくなりますね。 しかし、長い物を持つと
思わず構えたくなるのは困ります。
雑談2題
1.私は「掛物竿」を「矢筈」と習いました。
勿論、間違いだなどというお話しではありません。
2.お裏をやられている方が、「風帯」を「蠅とまり」
と仰っていて、へーと思ったことがありました。
そういう役割なのですかねえ。どうなのですかねえ。
先生も「矢筈」と仰ってました。 こういう所へ書き込む時、
公式?には何と呼ぶのかなぁ…と思い、道具屋さんの頁などを
調べて名称を書きました。 口伝をそのまま書いて良いのか
万一のことを考え、一般的な言い方にして置いた方が良いのか
いつも悩みます^^;
多聞さんの先生も「矢筈」と呼ばれていることが分かり、
嬉しいです。 表では、どっちの呼称が一般的なのでしょう?
「蝿とまり」は私も聞いたことがあります。 本当に虫除けの
役割を果たすのか、単に姿が似ているからなのか…
面白いので調べてみようかしら〜♪
次回の掛け替えの際は,この絵を参考にしたいと思っています。
いつも適当にクルクルとしていただけなのです。
私はいつも手製の巻物など曲がってしまって綺麗に巻けず
凹んでいましたが、掛けたまま下から巻いていけば引力で
均等に引っ張られて綺麗に出来るんですね〜目から鱗でした!
また巻紙の効用も確かで、最後にキリリと巻きが引き締まり、
巻緒で本体が傷むのも防いでくれるので欠かせないと思いました。
>お茶の器の桐箱の紐は何度教えてもらっても忘れてしまって…
わっ、私も私も〜 (*´∀`)人(´∀`*)ナカーマ!
もう、開ける時は、形を崩さないようにそ〜っと外して
何とか復元しますが、あやふやで困ります(><)
これこそ、本を買って練習しなくては〜!
というほど、桐箱に入ったお道具を持っていないのが原因かも(笑)
私が習った所では矢筈と言います。
風帯は中国では驚燕、払燕と言われているそうで、燕は紙を怖れるので、画面に紙条を付しておくと燕が近寄らない為とか。
転じて虫除けならぬ、虫に大事な画面を汚されないように、とまるならここにしてねということで蝿とまりになったのか?(これは私の勝手な推論です^^;)
今日、丁度先生からその風帯とツバメのお話を伺って、
以前に先生から伺った覚えのあるお話も蝿ではなくて燕だった
のかも…と、段々記憶が怪しくなって参りました(。。;)
何かが掛軸に止まらないようにする為、と云うお話だった
記憶はあるのですが…。
キミさんの先生も「矢筈」と呼ばれてらしたのですね〜
「矢筈」のポイントアップ↑♪ ありがとうございます^^
軸飾りはその昔から数える位しかお稽古していません。
他の方のを拝見というのが多く。。。
大きな声では言えないのですが、自分では満足なお軸がほとんどない故、これからの課題という状態です><
きえさんも「矢筈」組でいらっしゃいましたか〜^^!
もう本文の「掛物竿」を「矢筈」に書き換えちゃおうかしら〜
それですと折角の皆さんとの遣り取りの訳が分からなくなって
しまうので、(矢筈)と入れることにしますね☆
お稽古の時は見えるようにと、皆さんの方へ向き直って
風帯を伸ばす所まで行いましたけれど、実際は床の壁向きで
やりますから、あまり細かい所までは見えませんよね〜
風帯の折り込まれ方が左の上に右が重なっているので、右から
と仰るのに左から伸ばしているように見えて、実際に自分で
やってみるまで謎でした^^;
路線から外れますが、この暑さの中、昨日稽古茶事とは言え、亭主を務め、
この一週間の胃痛?。^;から解放されました。 でも、亭主役を初体験し、
少し見えてくるものもあり、大変でしたが、とてもいい勉強になりました。
「風炉・正午の茶事」も初めてのことで予習も入念に?したのに、色々と
ハプニングもあり、緊張しつつも ある意味楽しい経験でした^^;
懐石、千鳥の盃も済ませる頃には汗びっしょりでなんとか終えたと思ったら、
やっと初炭点前・・それも盆香合! 9名の濃茶を重ね茶碗で@@;ゞ
つくづく着物でなくて良かったと思いました。
最後の片付けの時に、お軸を巻いていて感じた事ですが、どうしても真っ直ぐにならずに苦労しました。性格が曲がってるのか、左右対称に綺麗に巻くのがとても苦手です。
かと言ってしっかり巻かないと、真っ直ぐにしようとどちらかを緩めて巻いてしまうと、紐で括る時に、軸の紙に皺がよりますし本当に難しいです>、<;
お茶事のご亭主役を務められていらしたのですね〜♪
お稽古とは言え、やはり気が張りますもの、それに暑い最中
のこと、お疲れ様でした。 お茶事は良いですよね〜私も
季節毎の稽古茶事が何より楽しみです。
来週は朝6:45集合で「朝茶」のお稽古で〜す♪
お軸はやや壁に押し付けるような気持で垂直を保って…と
教わり目から鱗だったのですが、やはり温湿度の影響で歪みが
出ることもあるでしょうし、なかなか難しいですよね(゜―Å)
軸のクセ直しは いたむので実際はあまりしません。
巻き上げは 親指をストッパーにすると けっこう上手くいきます。
あー 早く忘れたい!
わ〜100名の前で!? 流石チャチャさん、尊敬の眼差し(@@;)ノノ
しかも扇子で掛けるのですか? 高い所はどうするのでしょう??
長い矢筈を持ち出す手間無く、扇子で済ませられればスマート
ですね、ただ想像するだに難しそう…
>床に登り扱う姿は 軸より自分が低くならないといけなく…
スクワットで鍛えないと足がぷるぷるしてしまいそうです〜
やはり美しい所作には鍛錬が必要なのですね。
白鳥の水面下の足かきを見習って、頑張ります!
巻き上げのコツもありがとうございます。 次の機会には
忘れずに復習して試してみます−☆