2006年02月03日
「おにたのぼうし」
文・あまん きみこ 絵・いわさき ちひろ (ポプラ社)
節分が来ると、この絵本を思い出す。
「おにた」は、まことくんの家の物置の天井裏に住んでいて、まことくんが
失くしたビー玉をこっそりみつけてあげたり、雨降りに洗濯物を取り込んで
あげたり、お父さんの靴をピカピカに磨いてあげたり、人に隠れて良い行いを
する黒鬼の子供。
しかし、いくら良い鬼でも鬼であるため、節分に豆をまかれるとそこに居ることは
できず、冷たい雪に裸足をとられながら、鬼の目を刺すヒイラギを飾っていない
家を探していると、ヒイラギも無く豆のにおいもしない一軒の家をみつける。
そこは病気のお母さんとその看病をする小さな女の子の家。
おにたは、女の子が母親を安心させる為に、
「(近所の人に)節分のごちそうを分けて貰った」
と嘘をつくのを聞き、一生懸命駆け回って温かい料理を揃えてやる。
嘘が本当になって、女の子は驚き嬉しそうに笑顔をみせるが…
ふと、母親の病を治す為、鬼を退治する豆まきをしたいと言いだす…
おにたは てを だらんとさげて
ふるふるっと かなしそうに
みぶるいして いいました。
「おにだって、いろいろあるのに。 おにだって…。」
こおりが とけたように、きゅうに おにたが いなくなりました。
後に残ったものは頭の角をかくしていた麦藁帽子とまだあたたかい黒い豆…。
女の子はその豆を麦藁帽子の中に拾い集め、母親を起こさないようにそっと豆を
まきます。
(さっきのこは、きっと神さまだわ。そうよ、神さまよ…)
ぱら ぱら ぱら
ぱら ぱら ぱら
とても しずかな まめまきでした。
幼い頃この本をを読んでやってから、娘は今までのような豆まきを
喜ばなくなった。 仕方がないので、我が家では、
「悪い鬼はーそとぉ! いい鬼と福はうちぃー!」
と叫んでいる。
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やべぇ・・・
鬼の目にも涙や〜
そんなお話があったなんて、、
読んでみたい。。。
「悪い鬼はーそとぉ! いい鬼と福はうちぃー!」
ええ話しや〜
私めは 今年もお山の節分会をサボりました。
だって鬼なんだもん 謎汗
いつ読んでも(T-T)です。
本屋さんで立ち読みはヤバイですよ。
日本から、どうか良い隠れ鬼がいなくなりませんように。
ほのぼのとした気持ちになりました。
ある地方では鬼は内、福は内と言うそうで、やはり鬼は悪いものでもあり、裏返していいものでもあるようです。日本らしい考え方ですね。
そんな風に仰って下さってありがとうございます。
以前に小学校でこの絵本を読み聞かせし終わった時、
それまで、騒いでいたりふざけていたりした子も、
みんなシ〜ンとしてしまって、戸惑った事があります。
子供は本来みんな素直で優しいものと思います。
鬼の上の´(角)を書かない地方もあるようですね^^
日本人は本当に心優しい民族で嬉しいです。
2月3日我が家でも豆まきしましたよ。
年の数だけ食べてる時に、おにたの話を思い出し、子供らとしんみりしました。ぐすんっ(T_T)
この話しって、小学2・3年生?の国語の教科書に出てくるんですよね。
恵方巻き(?)は食べましたか?
私はすっかり忘れてカレー食べちゃいました(~_~;)
そうそう、このお話が載っている教科書もあるみたいね。
推薦図書だから、授業のテーマとして取り上げらることも…。
そうなってくると、人種差別とか何だかそっちの方面にまで
持って行かれて、作品の印象まで変わってしまうのではと心配。
こういう情緒的なお話は読んでそれぞれの心に何かが残る…
それ位でいいと思うなぁ。
恵方巻きを食べる習慣は我が家には無くて(コンビにでは盛んに
宣伝してた)、いつもは節分用の黒ゴマ&黄金芋の炊き込みご飯なんだけど、
どうしてもお寿司が食べたいというので、折衷してカニの炊き込みご飯
などという、いい加減なものになってしまいました^^;