2009年12月30日
「ピエタ像」哀と愛
サン・ピエトロ大聖堂のピエタ像(ミケランジェロ作)
夢のような日々の家族三人イタリア旅行は9月のことでした。 旅日記は例によって尻切れトンボのままですが、2009年の最後、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂で念願の対面叶いましたピエタ像をお届けします。
「ピエタ(Pietà)」とは、イタリア語で「慈悲」・「悲哀」などの意味を持ち、様々な姿で表される聖母子像のうち、磔刑に処された十字架から降ろされたイエス様の亡骸を抱く聖母マリア様の姿をさします。 英語では「Lamentation(嘆き)」とも呼ばれています。
確かにマリア様は悲しみにくれる表情にも見えますが、実際に対面した時には、不思議な安らぎに包まれ、ほのぼのと癒されるような思いがしたのです。 マリア様のお顔のクローズアップをご覧下さい。
私にはマリア様は口元に微かな笑みさえ浮かべているように見えました。 まるで傷つき斃れられたイエス様に、
「おかえりなさいませ。 ゆっくりとお休み下さい。」
と、再び腕の中に戻られた御子に優しく子守唄を口ずさまれているかのように…。
深い愛があって悲哀が生まれ、深い哀しみの中から又愛が生まれる。
以前ある方に、
「人に優しくするには、深い哀しみが心にあらねばならない。
しかし、それは透明な哀しみであることだ。」
と訓えていただきました。 私の中の「透明な哀しみ」の捉え方はその時々で変化して来ましたが、ピエタ像に出会った今は「深い哀しみを持っていながら表からは見えない」という意もあるのかと思い当たりました。
マリア様という大地に抱かれ休息を得られ復活の日を迎えるイエス様。 まるで夜に大地に沈んだ太陽が再び朝は天に昇るように、また、冬に枯れた植物が春に再び芽吹くように…。
皆様も暫しマリア様の腕に抱かれ優しい温もりと眼差しの中で、一年のお疲れが少しでも癒されますように…。 私はクリスチャンではありませんが、神聖な力の前において、このような気持になるのは極自然なことと思います。
今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
明くる歳が皆様にとって更に幸多き日々でありますように、
心よりお祈り申し上げます。
山桜 拝
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にお付き合いいただいて感謝です。皆様お揃いで
めでたく新年をお迎え下さい。
ミケランジェロ・・・凄いですね。あの着ている布の
ヒダから、かすかに衣擦れの音が聞こえるようです。
このマリアのモデルはミケランジェロのダレだった
のでしょう?
ヘンリク・ミコワイ・グレツキの
交響曲第三番「悲哀のシンフォニー」
『SYMFONIA PIESNI ZALOSNYCH』 を
ついつい思い起こしてしまいます
Mamo, nie placz, nie.
Niebios Przeczysta Krolowo,
Ty zawsze wspieraj mnie.
Zdrowas Mario.
お母さま、どうか泣かないでください。
天のいと清らかな女王さま、
どうかいつもわたしを助けてくださるよう。
アヴェ・マリア。
この短い詩
この短い言葉は作曲者の想像ではなく
実際に18歳の少女が書いた祈りの言葉で
次のような詞書があります
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Zakopane "Palace"
cela nr 3 sciana nr 3
Blazusiakowna Helena Wanda
lat 18. siedzi od 25 IX 44
ザコパネ「パレス」
第3独房第3壁
ヘレナ・ヴァンダ・ブワジュシャクヴナ
18歳.1944年9月25日より投獄される
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ザコパネというのは
ナチス・ドイツ秘密警察の本部があった町の名前
「パレス」…
「宮殿」と名付けられた監獄の
その独房の壁に刻まれた祈り…
ヘレナの
この後の記録は…
ありません
ナチスドイツによる
エスニック・クレンジング
というか優生思想というか
あれほどの狂気
人であることの否定
だからこそ許せない
阿久根市の竹原市長の暴言
って
せっかくのピエタなのに
話が変になってすみません…
来年もさくらんにとってよいお歳となりますように♪♪
こんな私だけれど。。。
来年もどうぞ、宜しくお願いいたしますっo(⌒▽⌒)o
この時期に。。。いろいろな気持ちを抱かせる記事だね。
しみじみとしたり、胸が熱くなったり。
ミケランジェロさんは天才だな、と改めて思いました。
このアップのお顔の美しいこと!!
思う事がありすぎて、書けないパターンに
はまってしまったよo(⌒▽⌒)o
いや〜女性は偉大だ。。。
2009年のシメがピエタ、というのは心に様々な響きを起こしますね。
ちょっとばかり過去を振り返ろうかと思ったりしました。
大晦日のこの時間帯、お忙しいことと思います。
それがそのまま新年の喜びにうつることを、信じております。
お忙しい年末にも関わらず、コメントお寄せ下さり、
ありがとうございました。 ピエタ像だけは、何としても
年内にお届けしたく、思いが遂げられてホッと致しました。
皆様のピエタに寄せられたそれぞれの思い、感慨深く
拝見させて頂きました。
私にとってピエタは復活への揺り籠です。 暫し聖なる母の
腕に抱かれて安息を得て、新しい命を得られたらと思います。
お蔭様で家族三人揃って無事新年を迎え、主人の母と温泉に、
実家の新年会等にも出かけ、やっと今日から日常が戻りました。
本年もどうかより視野の広い世界へお導き下さいませ。
宜しくお願い申し上げます^^
ミケランジェロは幼い頃に亡くした母親の面影を求めたとも
言われており、それ故にミケランジェロにとってマリア様は
永遠に若い姿のままなのかもしれませんね。
ご心配お掛けして申し訳ありません! 体の方はあちこち
問題はあるにはあるのですが、今すぐ処置が必要と言う症状
ではないので要経過観察ばかりの結果となりました。
気持ちの方は、思秋(愁?)期のお年頃の所為か浮き沈みが
あって困りますけれど、なんとか楽しいこといっぱい思い描き
実行して乗り越えていきたいと思います。
「京都ぶらり散歩の旅」も今年こそ〜♪
政治家や教師など「言葉を持って思想を伝える」プロであるべき
人々の言語能力の低さは目を覆うばかりですね…。
誰も彼も「真意を理解して貰えない」と嘆くより、思っていることを
少しでも正しく伝えられるように心を尽くして努力すべきと思います。
「坂の上の雲」や「龍馬伝」では、繰り返し生まれた境遇による
理不尽な苦しみが描かれていましたが、やはり大事を成すような人は、
耐え難い試練を乗り越えながら沸々と強いエネルギーを蓄え、やがて
それを「良い方向」へ噴出させていく力を持っているものなのでしょう。
しかし、それを発揮する機会まで奪われてしまう運命は悲しすぎます。
マリア様に祈った彼女も、天に昇り休息を得た後、次の世に生まれ変わり、
きっと美しい花を咲かせたことと信じたいです。
やゆよんはいつも私に新鮮なインスピレーションを与えて
くれる稀有な存在なのよ〜☆ これからもどうぞ宜しくねっ!
胸にあふれる様々な思いも、マリア様が優しく受け止めて
包んで下さるような気がする…。 この感覚は菩薩様を拝する
時と同じような…こういう癒され感は万国共通なんだな〜と思うよ^^
ミケランジェロは生涯に4つのピエタ像に取り組んだけれど、
完成したのは、このサン・ピエトロのピカタだけ…最初に傑作を
生み出してしまったので、後はそれを越えられずくるしんだのかなぁ…
フィレンツェのピカタでは、ニコデモと共にマグダラのマリアが
聖母マリア様と左右からイエス様を支えているよ。
ブログ記事のシメが「ピカタ」で、コメントのシメが「七恵さん」
というのも、私には何か印象的なシーンでした。
色々と難儀もあったことと思いますが、年末のひと時、
少しでもマリア様に抱かれ安息されましたなら嬉しいです。
新年はパチッと目が覚め、日月の神秘を目の当たりでき、
幸先の良いスタートとなりました♪