バンクーバー・オリンピック閉会式を見るともなく見ていると、カーリングのストーンに見立てられ前方をスィープされながら登場した赤いドレスの女性(Catherine O'Hara「ホーム・アローン」シリーズのお母さん役等で有名)が、
「カナダ人って謝ってばかりでごめんなさいね…」
「一日に10回くらいも、ごめんなさい!を言ってしまうの」
「雪も降らないで本当にごめんなさい!」(会場爆笑)
一度見ただけなので言葉はあやふやですが、そのようなことを繰り返し述べて謝っていました。
床には【SORRY】【Oops!】【Excuse Me】などのお詫びの言葉が書かれた大きなカードがいっぱい広げられていました。
練習中の選手に不幸があり、聖火台が上手く出て来なかったり、ゲレンデやスケート・リンクのコンディションが優れなかったり、なにかと問題も多かったオリンピックでしたが、こうも素直に大っぴらに謝られてしまうとは驚きでした。(聖火台点火式で松明を持ったまま立ちすくむことになってしまったカトリオナ・ルメイ・ドーン選手に、そのままにして置けばそれほど目立なかった失敗なのに、敢えてもう一度点火する機会を作ったところにまた、カナダ人の正直さ優しさを感じました。)
同じ様にとにかく直ぐに頭を下げて謝ってしまう日本人、そしてそんな謝ってばかりいる姿を時に卑屈にすら感じていた私としては、「謙虚さ」という国民気質を公にし、それを誇ってさえしまう姿が羨ましくも感じられました。 そしてそれは世界的に誇ってもいい美徳の一つだと教えられました。
確かに先日スキー場のゴンドラ内などで一緒になったカナダ人の男性は、オリンピックのカナダの活躍を褒めても、照れたように『モントリオールからずっと頑張ってきたから…』と控えめに答えてくれましたし、カナダ人の先生もとても穏やかな紳士でした。
こうしたほんの数人との触れ合いだけでも、「カナダ人は…」という良い印象が生まれるものですね。 例え何かで日本人の印象が傷つくことがあったとしても、街角で旅先で、たった一人の日本人の善い行いから少しずつそれが払拭されることもありましょう。 私も未熟故、直ぐに熱くなりがちですが、「日本人」として恥ずかしくない行動、言動を心がけたいと思います。
それにしても閉会式の最後は殆どオールスター・コンサートでした 二ール・ヤングの激太りにショックを受けましたが、澄んだ歌声は健在で嬉しかったです。 ジョン・デンバーもあの飛行機事故がなかったら、この会場で歌っていたでしょうか…。 ロックバンドのニッケルバック、シンプル・プラン、アラニス・モリセット、アヴリル・ラヴィーンなどもゾクゾクと登場し、若い選手達にとって(偉い人の挨拶は相変わらず長かったけれど)フランクに盛り上がれる楽しい閉会式の最後でよかったと思います。
2010年03月02日
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ておりませんでした。
今度はロシアのソチ、、、黒海沿岸ですね。
またぞろ日本の何処かが立候補をしますかねぇ。
これは韓国の何処だったかが負けたのですね。
私もあまり興味もなく流していたのですが、やはり女優さんの
(声優としても活躍)熱弁は心をとらえるものですね。
ソチ、何処? とピンと来ていませんでしたが、閉会式でやっと
場所が分かりました。 黒海沿岸、憧れます…治安はどうなのでしょう。
韓国の平昌(ピョンチャン?)が3度目の挑戦をするようですし、
日本は敬して遠ざかるに限ります(><) サッカー・ワールド杯
共催の二の舞になったら…雪不足だからスキー場を貸して欲しい
と言われても断りにくくて困りますよね。
謙虚な気持ちで
謝るということは
とてもいいことだと
思うのですが
なんだか昨今の
日本のそれは
「謝罪」
というなんかちょっと
「謝」という字こそ
入っているものの
次元が違うもののように
感じられてしまうところです
謝るべきところは素直に謝り、言うべきところは言う。
そして「べきところ」は確固としてぶれない。
そんな国、国民でありたい。 日本は嘗てそうだった筈。
そしてそのことで誇り高い東洋の国と認められていた筈。
「坂の上の雲」も「龍馬伝」も、そんな熱き気概を思い出させて
くれます。 前々回、吉田東洋の言葉が衝撃でした。
「わしは殴ってもいいがじゃ、天才じゃき。」
「おまんらには何がある?」
「何の力も無いもんは黙っているしかない。それが世の中ぜよ!」
自分にも言いたい事を発言できる力が欲しい。 そして、
黙っているしかない弱き者の心を知る強き者に国を率いて欲しいです。
どこか日本人に似ているのですね。
閉会式、真央ちゃんが席が分からず迷子になっていましたね^^
私の知り合ったごく狭い中でも、カナダとニュージーランドの
人は、どこか控えめで恥ずかしがりやで優しいところが日本人と
似ているように思えました。
どこで聞いたか忘れてしまいましたが、こんな言葉もありました。
「カナダ人の誇りは、アメリカ人とは違う、ということ。」
アピール上手で陽気なアメリカ人には羨ましさも感じますが、
さすがに隣国だと言うに言われぬ感情が芽生えやすいのでしょうね。
何処も同じ、でしょうか^^;
優劣を競う敵だと思うのか
そのココロが言動や態度に表れるって事なのかな〜
そうこうしつつ、数万年経過中。。。!?
なんなんだろうね〜 全然違うもの同士だと気にならない
事が、どっか似てたり近かったりするのに一方で大きな差が
あると、すご〜く気になるものかもしれないね。
公正に切磋琢磨でお互いに前に進めればいいんだけれど、
この「公正」という価値観さえもなかなか共有するのが
難しいんだろうね。 生き抜いてきた環境が違うとね…。
ジョンとヨーコの「イマジン」の世界は理想として持って
いたいと思うけれど。
しかし,そんな息子を救ってくれたのもカナダ人でした。
あの時,カナダにはいろいろご迷惑をおかけしました。
私も急いで荷物をまとめてカナダに行こうとしたのです。
昨日はとうとう自分のブログのコメント欄に書き込みが
出来なくなり驚きました。 お返事遅れて申し訳ありません。
ご子息が逃げ出すほどに危機的状況があったということは
ホームステイ先の問題なのでしょうね。 何処の国にも例外
ありますね…。 娘も何処へでも飛び出していって欲しいと
思いつつ、親の心配はいついつまでも(><)