2006年06月16日

紅花

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      咲き始めは黄金色で・・・ 段々と赤みが増す花

 突然、無性に薬用植物園に行きたくなった。 何かが呼んでいる?
大雨の予報も逸れたようなので、牽かれるままに出掛けてみた。

 園芸店で見られるようなハーブは後回し、ここでしか見られない
ものを先にじっくり・・・と思う行く手が明るく輝いていた。

 紅花が満開!
 どう見ても異国風のこの花は、飛鳥時代には遠くエジプト方面
(原産地は不詳)からシルクロードを経て日本に伝わったという。

 そのことから、呉(又は高麗)から来た藍(染に使う植物)、
呉藍・くれあい」→「くれない」と呼ばれたという。

 【ここから、藍(濃青)呉藍(紅)  = 二藍赤紫青紫)
 と言う言葉も派生。 二藍(ふたあい)は身につける人の年齢により
 藍・呉藍の配分を変え、色調を赤紫〜青紫へと整える。】

 他方、紅花は上の方の花びらだけを摘み取ることから、末摘花
(すえつむはな)の古名を持ち、高貴な紅色(特に真紅は特定の高い
身分以外では禁色)の原料として大切に伝えられて来た。

 近づいて写真を撮ろうとして、棘に阻まれた。恐ろしく固い棘だ。
「思ひ出ぽろぽろ」というアニメで、朝露で棘が柔らかい内に花びらを
摘むというシーンを見たことがあるが、朝露でこの棘がどれほどに
柔らかになるのだろうか? 雨上がりでもこんなに固いというのに。


 山乙女 爪血に染めつ 紅を摘む 

            頬に朝日の あけを受けつつ 
  (山桜)
 
posted by 山桜 at 00:00| 東京 ☁| Comment(18) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
子どもの頃、紅花油の写真を見て
好きになる事もない花だなあ〜なんて
ずーっと思っていたの。
さくらんのブログを拝見して
とたんに好きになっちゃった(*^^*)

そんなに歴史があるお花なのね。
棘のこともちっとも知らなくて。。。
Posted by やゆよ at 2006年06月17日 17:57
こんばんは

平泉に行ったとき、なぜかこの花が目につきました。山形がその一大産地だと聞いていたのに。
実際の花のことに詳しくないので色が変わることも知りませんでした。

『二藍』紅と藍とを二度染重ねると、薄紫になるそうですが、薄紫は少年の色だと思います。


棘に触れ 薄く三日月 指に出で
 こぼるる血こそ 花の色なり
Posted by 遊行七恵 at 2006年06月17日 21:12
うわー!きれいですねー。
地に生えている植物はエネルギーが強いです。
先日お花屋さんで買った紅花は改良(?)されて刺が無かったの。
葉っぱもこんなに鋭い形をしていたのですね。

色にのみ 優しさにじむ紅花の 
刺の痛みを 知らず過ぎ越し
Posted by アンズ at 2006年06月17日 21:53
とげを持つ 薊 野茨 紅の花
強さゆゑなる 優しにほひよ 幽
Posted by 幽黙 at 2006年06月17日 22:20
少し昔、「上杉鷹山」について童門冬ニ先生の講義を聴く機会がありました。
山形・紅花・・・あぁ〜山形へも行ってみたい!
私は蔵王のお釜しか知りません。
昨夜、いつもお邪魔している方のブログが山形・サクランボ・蕎麦・美味い酒だったので、よけいにそう思ってしまいます。
Posted by 酒徒善人 at 2006年06月18日 10:15
紅花、黄金の頃しか見たことがありませんでしたが、熟すとこんなに真っ赤になるのですね〜。まさに紅花。
くれないの語源も興味深く読みました。うーん、勉強になるなぁ。
Posted by m-tamago at 2006年06月18日 20:40
☆やゆよん、おはよう♪
 サラダ油だと「サフラワーオイル」なんて横文字だし、
この色合いってどこか日本とは縁遠い感じもしたよね。

 私も花としたらアザミの方が好きだったけど、こうして呼ばれてみて、
何かご縁がある不思議な花のように思えてきたよ。

 今、前に東博で一緒に見た「あの鏡」がふっと浮かんだ・・・。
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 09:48
☆遊行七恵さん、おはようございます♪
 薄紫は少年の色・・・遊行七恵さんの中の少年像をチラと
垣間見せて戴いたような♪

 乙女の血が混ざるのであの紅になるという噂も・・・
 
(平泉はイワテケ〜ンです。西国から見れば同じ奥州でしょうね^^;)
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 10:00
☆アンズさん、おはようございます♪
 
 お日様を 集めて咲かせ 金紅花

って感じで、近づけば怪我するよ!的な力がみなぎっていました。
紅を摘んでも紅を装うことの無かった山乙女たち、でもお日様は赤く優しく
照らしていて下さったと思うと、少しホッとします。

 棘無し薔薇が魅力半減なように、棘無し紅花もちょっと寂しいですね。
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 10:19
☆幽黙さん、おはようございます♪
 幽黙さんのお歌が飾られて、拙ブログさえも格調高い雰囲気に!
ありがとうございます。光栄に存じます。<( _ _ )>

 薊はその棘でスコットランドを守ったという誇り高き花ですね。
スコッチウィスキーのボトルを見る度、偉いぞ!と思います^^
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 10:24
☆酒徒善人さん、おはようございます♪
 上杉鷹山は大河ドラマ化して欲しい人物とずっと言われながら、
なかなかなりませんね、合戦とか無いとダメなんでしょうかね・・・

 山形は米沢牛も美味しいし、ダダチャ豆という枝豆も最高です。
蔵王も鳥海山も銀山などの温泉も素朴なコケシもいいですね〜♪
私も行きたくなってきました^^
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 10:39
☆m-tamagoさん、おはようございます♪
 「くれない」の語源は、私は今ひとつ「これだけじゃないでしょ〜?」
と納得していません(笑)

 万葉仮名で「久礼奈為」と書いた記述があるのなら、呉藍というのも
当て字かもしれないと疑ってしまうので・・・^^;
Posted by 山桜 at 2006年06月19日 10:50
鷹山公の史跡を訪ねて、かれこれ15年。
紅花の種を買った。この4月末播くも未だのぞかぬ芽。・・・この秋に再挑戦! 

古代エジプト5000年朱赤を求めて、紅花ロマン!
シルクロード終着、紅花栽培は唯一日本のみなんですね。今。
Posted by ゆいさん at 2006年06月21日 08:57
☆ゆいさん、おはようございます♪
 紅花の種の蒔き時は10月頃ですから、4月だと暖かすぎて種が腐って
しまったのかもしれませんね。

 先ほど「紅花の育て方」のサイトを見たら、病気に罹りやすいので
蒔く前に種を良く洗い氷水に漬け、乾かしてから消毒薬を付けて・・・
などとありました。なかなか難物みたいですね〜^^;
ご健闘をお祈りしています!
 
 ええっ、今栽培しているのは日本だけなのですか!? 
それは知りませんでした。 遠い国から日本へ・・・不思議な運命ですね。
Posted by 山桜 at 2006年06月22日 10:27
むかしのはなし
樹木希林さんがエジプトからシルクドードを踏破
「古代紅花ロマン」一時間スーパー番組を食い入るように、観たんです。
朱色ロマンでもありました。 とうとう、エジプト原産地から日本まで・・本格的に、
生産栽培してる国はなかったようです。

古代日本人の感性がイマに受け継がれてうれしいね。
Posted by ゆいさん at 2006年06月23日 22:35
紅花栽培、難しいんですね。どうりでイマまで一度もうまくいってないです。

秋に、今度こそ! ありがとうございます。

種はたくさんあるんです。 挑戦してみますか?
山桜さん!
Posted by ゆいさん at 2006年06月23日 22:43
☆ゆいさん、こんばんは♪
 その番組、私も見たような記憶が薄っすらあります!
紅花の黄色は直ぐに水に溶けるので簡単ですが、確か赤を取り出すのは、
紅饅頭を作って寝かせて発酵?させてなど、手間がとてもかかるの
ですよね。簡単に他の赤色が手に入るような地域では廃れてしまったの
かもしれません。

 他の赤ではなく、紅花の紅色にこだわった日本人の感性が嬉しいです^^
Posted by 山桜 at 2006年06月25日 18:56
☆ゆいさん
 紅花栽培のお誘い、ありがとうございます^^
実は私も育ててみたいと思って「いた」のですが、この実物を見て、
あまりの棘の凄さに降参致しました。 
ゆいさんの応援部隊に徹したいと思いま〜す♪
Posted by 山桜 at 2006年06月25日 18:59
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