野花菖蒲(ノハナショウブ)と笹百合(ササユリ)、どちらも原種そのままの姿です。 人間が手を加えた園芸改良種にはない気高さを感じて圧倒されます。 野花菖蒲の色は咲き始めはもっと鮮やかな本当に高貴な赤紫色にすっと黄色い筋が入っています。 この時は既に色が褪めてきていた上に紫色の写真での再現性が悪くて残念です。
(東京都薬用植物園にて撮影)
野花菖蒲の品種改良は、自然に発生した色変わりから始まったようです。 野花菖蒲には、現在の大きく豪華に改良された花菖蒲にはない、古武士のような凛々しさがあり、皐月の節句に男子の尚武を願い飾られる花に相応しい姿に思えます。
同じく皐月の節句の「菖蒲湯」に使われる薬草は、サトイモ科の「菖蒲」で、細く伸びた葉は良く似ていますが、花は小さな蒲の穂のような目立たないものです。 こちらと区別する為に花を愛でるアヤメ科のショウブに「花菖蒲」と「花」を付けて呼ばれています。
笹百合は、日本固有の百合。淡紅色の優しい姿が人気で、西洋にも渡り多くの交配種の親となりました。 笹百合の名前は、笹原の中でよく咲いているからとも、葉が笹に似ているからとも言われます。
何度か球根を入手して育てましたが、なかなか上手く咲いてくれません。 病気に弱いので抗菌作用のある笹に守られているのかもしれません。 笹も一緒に植えないとダメなのでしょうか・・・。
<<付記「アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの見分け方」>>
花名 花期 外に垂れた花びらの特徴 その他の特徴
アヤメ 5月 紫・ふっくら・基部に網(綾目)模様 やや乾いた草地に生える
カキツバタ 5月 青紫・菱形・基部に白い筋 水辺に生える
ノハナショウブ 6月 赤紫・卵形・基部に黄色い筋 草地〜湿地に生える
中央の葉脈が目立つ
青紫・紫・赤紫は、実際に3種を見比べれたら良く分かるのですが、
写真ではちょっと難しいかもしれません。
藍>>カキツバタ>>アヤメ>>ノハナショウブ>>紅
先日の二藍の配合で言えば、こんな風になりましょうか。
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百合は球根を植えたら、植えっぱなしでも、
一年目はほとんど立派に咲いてくれるのにね。
香りが伝わってきそう♪
綺麗な写真、ありがとうございます。
ガサツで大雑把な私はいつも山桜さんのブログに
ドッキリドキドキです。
自然、、、神が下されタモオタ花、、です。
ありがとうございました。
こういうのはそのうちそのうちっていつまでも先延ばしにしてしまいがちですよね・・・(-_-;)
・・・
コソコソ|_-;))))
品があると感じるよ(*^^*)
美しいね。
本来自然はみなそうなのだろうけれど。。。
それにしても笹百合ですか、写真でみても高貴さが感じられます。ホンモノはさぞかし、神々しいほどでしょうね。
自然なものは無駄のない削ぎ落とされた美しさがありますね。
今日も素敵なものを見せて頂きました。
ササユリは、写真で見る雰囲気よりもずっと繊細で小柄なんです。
大きな球根(鱗茎)から立派な茎をぐんぐん伸ばして立派な花を沢山
付けるという、園芸品種の百合たちを見慣れていたので、初めて
ササユリの球根を見た時、あまりにも可憐で(丹波栗ほど)驚きました。
今年も芽は出したのですが、茎が周りの茂りに負けたのか枯れてしまい
球根が生きているかどうかハラハラしています・・・(><)
私も同じですよ〜いつか、しっとり落ち着いて暮らしてみたい・・・。
好きな花を育てながら、その花の魅力を学ばせて貰わねば!
花菖蒲のようにすくっと、笹百合のようにたおやかに・・・(無理^^;)
神様の意匠(デザイン)は、それこそ自然の理そのもので、
人間の考える進化論だけでは説明の及ばない素晴らしさ!
神様は、どこか楽しい「遊び心」を持たれていらっしゃると思います。
「分からないと思ったときが覚え時」ですよ^^v
先延ばしにし続けると、どんどん記憶力が減退します・・・orz///
この他に、外来のジャーマンアイリスやらダッチアイリスやらが
混ざって来ますが、それは明らかに分かりますよね^^
要は見慣れです、なんて。
そうそう、人間も蛇も蜘蛛もみ〜んな自然。
美しいと感じるか気味が悪いと感じるか、その人間の心は
育て方生き方によって変わるけど・・・。
「いずれアヤメかカキツバタ」と比較される通り、
アヤメとカキツバタは咲く時期が重なりますが、
上記のように、花びらの模様と咲いている場所で簡単に
見分けることが出来ますよ^^ 来年は挑戦してみて下さいね。
6月に咲いているのは、外来種を除けば「花菖蒲」です。