




横から見たカラスビシャクの苞 その地下茎「半夏(ハンゲ)」
(白く細長い蛇の首のような部分)(小さなコンニャク芋のよう)

ハンゲショウ「半化粧」「半夏生」
今日は二十四節気七十二候中の一つ、半夏生。
夏至から数えて10日目。
半夏(ハンゲ)とは、サトイモ科の植物カラスビシャクの地下球茎を乾燥、外側のコルク質を除いたもの(写真右上)で鎮吐、鎮咳、去痰などの効用がある漢方薬の材料。このカラスビシャクの花が咲く頃を
「半夏生じる頃=半夏生」と呼ぶ・・・
私が目にした本やサイトには大体上のようなことが書かれてある。
そのことは知識として頭にはあったが、本当に夏至から10日目頃、カラスビシャクが咲くのか確認する為に、6月中旬、薬用植物園にカラスビシャクの在り処を確認しに行った。ところがなんともう、その6月中旬には栽培場所の花は殆ど終わり、係りの方に植え込みの中でひっそりと咲いていたカラスビシャクを教えて戴きどうにか撮影することが出来たという有様だった。(写真左上)
若し今日「半夏生」だからと見に行ったとしても、花を見る事は出来なかっただろう。 咲く時期は地域によって異なるだろうし、大体は関西中心に考えた方がいいのだろうが、関東で半月以上も開花が早ければ、関西では普通もっと早かった筈であまり収獲の目安にならないように思う。 それともこれも地球温暖化の影響なのだろうか・・・?
そこで、私の勝手な仮説だが、一般に薬草は花の咲き始め頃が一番充実しているので摘み取る事が多いが、それは地上部を用いるからであって、養分の貯蔵庫である地下茎は花を咲かせたばかりでは、養分を使い果たしてしまっている。 ハーブなどは花が咲く前に摘み取ることが多いが、カラスビシャクが芽を出し花を咲かせる前では、もっと時期がずれてしまう。 「花が終わって葉が茂り充分養分を蓄えた頃=収穫期=半夏生」なのではないだろうか? あくまでも「半夏」は地下茎であって、花では無いのだから・・・。
一方、同様に半夏生の頃に咲くということでハンゲショウと呼ばれるドクダミ科の植物(写真下)もあるのだか、こちらも同じ日に丁度花穂より目立つ、ドクダミの4枚の苞にあたる上の方の葉が白く色づき始めていた。 多分、まだこの植物は今も咲き続けているかもしれないが、「半夏(七月の初め)の頃咲き始める」とは言えない。
ハンゲショウは別名「片白草」とも呼ばれる通り、上の方の葉が半分白くお化粧したように見えることから元来の意味は「半化粧」だったという説が真っ当だと思う。
しかし、地下茎は有名な漢方薬でも花は地味なカラスビシャクより風にそよぐ白い葉が爽やかで良く目立つ半化粧の方が、夏の訪れを知らせるこの季節にぴったりだったので、いつしかこちらの方が有名となり「半夏生」と言う文字を冠されてしまったのではないだろうか。
* * *
ところで、酒徒善人さんに教えて戴いたのですが、関西(のどの範囲でかは不明)では、半夏生の日には蛸を食す習慣があるとのことです。(検索してみると、蛸の足のように作物が良く根を張るようにだとか、タコがスタミナ食だから夏バテ防止のため、などと書いてあったのですが、酒徒善人さんのお宅ではどのような由来が伝わっているのでしょう?)
以前に冬至は南瓜、では夏至には何を?というような日記を書いた事がありますが、やはり日本では夏至は梅雨の真っ只中であり、あまり意識されずに過ごしてしまい、梅雨明けごろにあたる半夏生の方が注目されたのでしょうね。
皆様のお宅では半夏生、または夏至の行事食というものはありますか?

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半夏生は茶花でも使われますが、その頃に咲くのでそういう名なのだと単純に思っていました!お勉強になりました。
冬至には南瓜ですが、確かに夏至には何とは聞きませんね。モノが腐りやすいからでしょうか?我が家も冬至には南瓜を食べ柚子湯に入りますが、夏至は何もせずに過ぎてゆきます。
半夏生もありますよね
美しい葉っぱです
http://w2222.nsk.ne.jp/~mizuaoi/57hangesyou.htm
小生のmixi日記で蛸食べてます(笑)
半夏生にはやはり蛸を食べてますが、夏至には特に何と言うこともありません。
冬至は確かにナンキン(カボチャ)と柚子湯です。七夕には素麺・・・夏になるとやたら食べるので最早無関係になりつつありますが。
そういえば、甘酒も本来は真夏の飲みものだそうです。冷えた身体の調節のためだとか。
昔の日本人の知恵は深いものだと思います。
白と緑が涼しげで、いかにも今の季節にふさわしいと思っていました。
カラスビシャクとは不思議な花を咲かせるのですね。
来年は注意して実際に見てみたいです。
食べ物は土用のウナギに役どころを譲ってしまったのかもしれませんね。
半化粧の白と緑の葉が風に揺れる姿は涼しげで、お茶席にも
爽やかな初夏の風を運んでくれますね。
夏至祭は夏を待ち焦がれる北欧では盛んでも、梅雨の日本では
やはりどうもパッとしないようで・・・夏と言ったら「土用の鰻」ですが、
これも平賀源内のキャッチコピーからで割りに新しい風習ですし・・・。
日本の夏一番の食べ物って何なのでしょうね〜??
私は個人的に西瓜が好きです^^
あ〜ごめんなさい! ついつい、いっぱい書きすぎたんです。
読み飛ばされるのも無理はありませんので、どうかお気になさらず^^
一画面ほどに納まるように・・・さらりと読み易いようにと思いつつ、
熱くなると長〜くなってしまいます。すみません<( _ _ )>
蛸のお料理、拝見しました。 料理のできる男性って素敵ですね♪
七夕に素麺! あぁ、そうでしたね〜織姫の紡ぐ糸でしたか?
お針が上手になるようにとかお稽古上達の願いが込められて・・・
その素麺もすっかり日常のものになってしまいましたが、
昔は冷麦ばかりで、素麺はご進物で戴くちょっと高級なイメージが
そこはかとなく漂っていたような気がします。
甘酒は夏のものでしたか! そう言えば、昔だったら寒い時期に
甘く発酵させるのは大変ですものね。 そうなると温めずにあのまま
戴くのかしら? う〜ん、なかなか美味しそう・・・ゴクリ♪
今ではすっかり半化粧=半夏生の方が有名ですものね^^
カラスビシャクはとても小さくて目立たないので、自然の中で
見つけるのはなかなか難しいと思います。マムシ草はご存知ですか?
あのような姿でネジバナ程の大きさを想像して戴ければ間違いないです。
土用の鰻、待ちどおしいです^^ 年がら年中戴かずに、
旬の季節を待つと嬉しさも倍増しますね☆
漢方に半夏とついたものがあった気がしたよ。
その単語が入っていたから、材料が
使われていたんだね( ̄O ̄)ほ〜
サトイモ科なんだあ〜
蛸の話も。。。知らないなあ。
o(⌒▽⌒)o 面白いね♪
漢方・生薬の名前から、その植物名を知るのも面白いよね。
蛸の習慣はそちらまでは伝播していないんだ〜。
今の所、半夏生の蛸、確認できたのは、(奈良は未確認でした。ごめんね!)
大阪〜兵庫まで。
そうそう、幽黙さんに面白い話聞いたんだ! 後でね♪
半夏生が二種類あること、たこを食べる習慣、知れば知るほど、おもしろいですね。
来年は、たこを食べながら、子供達に話たいです。
(私の付けたタイトルが似通っていたので折角のチャチャさんのコメントを
見落としていてお返事が遅くなってしまい、本当にごめんなさい!)
世の中には知らないでいることがいっぱいあって、偶然にも
そういうものに出会えた時の面白さ、驚きがこたえられませんね^^
物知りの仲間が沢山増えて、私も楽しませて戴いております。
何か、他にも無いかな〜♪ あ、さなぶり餅のことも追加したので
良かったら、来年のお子さまへのお話にも加えて下さいね☆