2011年07月14日

日本の花に寄せて

 東京ではお盆の入りを迎えた地域も多い13日、我が家で初めて山百合の花が咲きました。 これまで何度か栽培を試みましたが、病気が発生して上手く育ったことがなく、昨年は出来るだけウィルス感染の恐れのない清潔で水はけの良い土壌と自生地に似せた環境を用意し万全を期しましたので嬉しさも一入です。 

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山百合 2011-07-13
 
 見事に膨らんだ蕾が弾けると、まるで宇宙の始まり「ビッグ・バン」!のように溢れるエネルギーを放出。 その造形は縄文時代の火焔土器のような力強さ。 子供の頃は、この毒々しい斑点や派手な色合いが好きではありませんでしたが、本能的に山百合の持つ妖しい力に「畏れ」を感じていたのかもしれません。 

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野花菖蒲 2011-06-19

 山百合の野生の獣のように大らかな美しさを見ていたら、その対極、どこか文化的に洗練された美しさの野花菖蒲を思い浮かべました。 どちらも日本で生まれたままの姿の原種植物。 日本人に備わる天然の大らかな姿、清らかに己を律して正しく生きようとする姿が、それぞれの花に重なるように思えました。

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河原撫子(大和撫子)2011-06-19

 かと思えば、この河原撫子のように控えめで恥ずかしがりや、それでいて踏まれても踏まれてもへこたれず枯れることなく、何度も花を咲かせる強かさも持っています。 どの花が好きかと問われれば、撫子と答える人が少なくないかもしれません。

 山百合のように自由に生きたい、野花菖蒲のように気高く生きたい、けれど私は撫子の花…と思ってしまうのも、日本人っぽい所でしょうか。 あちらは向日葵、私は月見草…なんて仰った方もいましたね(笑) 

 いやいや同じ「なでしこ」でも、今は「なでしこJAPAN!」でしたね〜☆ 撫子のイメージも大いに様変わりの大活躍でした!! 

 日本の人々は古の頃より、天地(あめつち)の森羅万象を足元の草から夜空の動きまで大いなる好奇心を持って見詰め、その理(ことわり)に学んできました。 私は大宇宙の果てまでこの目で見ることはできませんけれど、夜空を見上げ身近な草花に親しむことが人一倍大好きです。 日々異なる姿で語りかけてくださる大きな小さな神様がたに教えを請いながら=天地に遊びながら、歩むべき道を迷ったり躓いたりしつつ、生きてゆきたいと思っています。 
posted by 山桜 at 20:08| Comment(12) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
見事ですねぇ、本当に綺麗です。「なでしこ」良い
感じです。欲を言えば、ユニフォームに華が感じ
られないのがチト残念ですが、、、でも浴衣でサ
ッカーはできませんから!!!
Posted by 鎌倉とんぼ at 2011年07月15日 21:42
◆鎌倉とんぼさんへ
 鎌倉とんぼさんのお庭のマルコポーロさんにも山百合やササユリの血が
感じられますね。 今年も綺麗に花を咲かせてくれた頃でしょうか?

 アメリカのサポーターが「日本になら負けてもいいかと思ってしまうのが不思議だ」
ですって。 やはり真摯な姿勢は外国人にも伝わるのですね。 日本人は日本人らしく、
清く正しくぶれず流されずいきたいものです。

 (何度もお手数をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした…(。。;))
Posted by 山桜 at 2011年07月16日 01:35
マルコポーロは今年も綺麗に咲いてくれましたが、植え替えてあげようと本気で思っています。
Posted by 鎌倉とんぼ at 2011年07月16日 09:07
◆鎌倉とんぼさんへ
 地植えでしたら、ユリの球根はとても深くにもぐるので、
傷つけぬ為には、少しずつ大きく掘って茎を辿って慎重に…。

 乾かさぬように直ぐに植え付けたいので、植替え先の準備も
是非先に整えておいてください。 土壌環境が良くなって、
色味などが戻ると嬉しいですね♪ 
Posted by 山桜 at 2011年07月16日 15:42
山桜さんの花に寄せる思いって
とても優しくて厳しくて
素敵だなってあらためて思ったり

僕は青い花好きなので
桔梗とか鳥兜とか朝顔とか露草とか
イヌフグリだってそうですよね
みんな愛おしい…

ようやくブログ再開の方向になりました
ただしgooブログからアサブロへ移行
gooブログは自分にも財産なので
当面は納戸としてキープしておきます
アサブロは機能が少な過ぎて
使いこなせないかもしれないので
そのときはgooに戻るかもしれませんし(笑)
一発目は東大寺です♪
http://kuebiko.asablo.jp/blog/2011/07/18/5962363
Posted by 幽黙 at 2011年07月19日 23:11
◆幽黙さんへ
 新天地へのお引越しおめでとうございます!
そしてネット界へお帰りなさいませ〜♪ お待ちしてました。
早速新ブログへもお邪魔して参りました^^

 私も青い花好きで、庭には今、紫陽花、桔梗・釣鐘人参、
朝顔、露草アガパンサス…の青い花と白の花ばかり…
どうも歳がゆくと夏に赤や黄色やオレンジの花は強すぎて(苦笑)

 あ、多楽さんに戴いた水辺の小さなアサザの黄色は素敵です。
日が高くあっつくなる頃にはもう閉じてしまいますしね。
Posted by 山桜 at 2011年07月20日 16:58
アサザの黄色は
淡不思議な黄色ですよね
白っぽいのもあれば
赤みを帯びているのもある

ノウゼンカズラが
苦手でいけません(笑)
ピンクノウゼンカズラの色は
まだ目に優しいのですが…
Posted by 幽黙 at 2011年07月20日 17:40
◆幽黙さんへ
 アサザは絶滅危惧種とは思えないほど、ぐんぐんと睡蓮が
負けそうなくらい成長して毎日のように花を咲かせています。
白っぽいのや赤みを帯びているのは見たことがありません。
関西では普通にみられますか?

 ノウゼンカズラっていつ頃からあんなに旺盛に繁殖するように
なったでしょう…最早日本は亜熱帯という言葉と重なって
益々暑苦しく…花に罪はないんですけど。 

 ピンクノウゼンカズラは、これなら涼しげかな…と思って植えた
ことがあるのですが、引越しをした時に置いてきてしまいました。
(半ば確信犯^^;) 
Posted by 山桜 at 2011年07月21日 00:19
あちらは向日葵、私は月見草・・・は・は・は・・・
 でも、この河原ナデシコ、育てるのは難しいんじゃないですか??何度か植えましたけど、育たなかったです。雑草でもなかなか気位高く、気難しい???気位高く、誇り高く・・・最近、ちょっと薄れてきてるような???
Posted by 山口ももり at 2011年07月21日 10:34
↓ずっと以前に書いた記事ですが…
http://blog.goo.ne.jp/kue-biko/e/53f8248fb38a2a4249c6b0ad19e35161
これに白っぽいアサザの写真を
載せていたのですが
もしかするとガガブタ?
でもガガブタの花の形が
ちょっと違うような気もしますし…
赤みというより
黄色い花が少しオレンジがかっている
といった感じのを見たように思うのですが
これは写真もなく記憶が曖昧…(_ _;
Posted by 幽黙 at 2011年07月21日 14:01
◆ももりさんへ
 河原撫子は名前の通り、日当たり良く水はけや風通しの良い、つまり河原っぷちのような環境であれば、ホッタラカシで忘れていても健気に咲き続けてくれる丈夫な植物です。

 その反対のような環境ですと、残念ながら根腐れしたり、ヒョロヒョロになったりしていつの間にか消えてしまいます。 一度、周りの草が茂って見失いそうになった時、直ぐに刈って明るくしてやったら、またちゃんと元気に復活しましたよ。 上のほうがダメになったように見えても、案外根っこは生きているので、適当に刈り込んでやると新しい芽を出してきます。 

 私は良さそうな数箇所を選んで種を蒔き、一番元気に育った場所に定着させています。

 変なプライドではなくて、誰にも恥じないシャンと背筋の伸びた暮らしをしているという誇りを持ちたいのですが…(あ、ケロが見て笑ってる…)
Posted by 山桜 at 2011年07月22日 10:02
◆幽黙さんへ
 以前、植物というのは氷河期を生きた時の記憶?を残していて、アルビノ種とは別に白い色素の遺伝子を持っていると読んだことがあります。

 ですからどんな花でも白花が咲く可能性はあるのだとか…。 リンク先のお写真は、確かにアサザの花の形で、白っぽいお花ですね〜 ガガブタの花はもっと花弁が細くてまわりの毛も長いので全然違いますよね。 

 少し検索してみたら、最近はビオトープ流行で水生植物を売っているサイトも増えたのですが、「白姫アサザ」なんて名前の植物がありました。 (バナナ・リリー)と付いているのもあるので外来種でしょうか。

 それとは別に在来の希少種に「姫白アサザ」というガガブタに似て花弁が4枚の小さめのお花もありました。 幽黙さんのお蔭で色々勉強になりました。 ありがとうございます^^
Posted by 山桜 at 2011年07月22日 10:18
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