2006年08月26日

蝉の羽化・人気スポット

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 林の中を歩いていると色々な種類の沢山の蝉の抜殻を目にします。 昨日、蝉の初鳴きの記事に掲載した写真のように、前の蝉が羽化した
場所とわざわざ同じ所で羽化した跡を目にすることもよくあります。
 
 今日見つけたのは、栃(トチ)の木の葉裏に密集した抜殻です。 高さは、私の身長の倍以上なので、およそ4メートルほどの所。 同じような場所に広がる葉の中で、一つも抜殻の無い葉も多いのに、何故、この葉裏だけがこのように羽化の人気スポットなのでしょう?

 考えられる理由の一つは、この葉が、木の幹を下から上って来て、最初に出会う枝から出ている最初の一枚だということです。 逆阿弥陀くじの行き詰まりのような場所ですね。 これが本当の理由だとすれば、蝉の幼虫の選択は随分と安易だなとちょっと笑ってしまいます。

 しかし、直ぐそばに生えている同じ種類の栃の木の同じ条件の葉の裏には一つも抜殻がありません。 これは単にその木には親蝉の産卵が無かったということなのでしょうか?

 蝉は生みつけられた木の直ぐ根元の地中から、数年間もの長きに渡って移動しないものなのでしょうか?

 私の庭で羽化している幼虫の抜殻は、どの種類の蝉でも地上1メートル位のずっと低い所でばかり見られます。 庭木は林の木より低木が多く、一番下の枝はさらにもっと下についています。 ここでは、蝉の幼虫はむしろ一番上の方の枝や葉の裏を選んで羽化しているように思えます。

 蝉にとって理想的な羽化場所というものがあるのでしょうか? それは蝉の種類によって異なるのでしょうか? そうだとしたらその理由は何なのでしょう? 

 本などを読めば何か分かるのかもしれませんが、私は私でこれからも観察を続け、蝉の謎に迫っていきたいと思います。

<<追記 20:22>>
  酒徒善人さんの書いて下さった加茂川べりの蝉のお話から、また違う仮説を思いついたので、記録して置きます。

  @特定の木が蝉を誘うフェロモンのような物質を出している。

  A先に羽化した蝉が、後続の蝉に安全な羽化場所を知らせる為、尿か何かの匂いを残している。
 
 
ラベル: 羽化 セミ
posted by 山桜 at 00:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日TVで
京都加茂川ほとりの1本の木にだけ
蝉の羽化が集中する話をしていました。
蝉も選ぶ権利を持っている?
Posted by 酒徒善人 at 2006年08月26日 19:54
★酒徒善人さん、こんばんは♪
 たった今、酒徒善人さんの所にお邪魔してTBも付けさせて
戴いたばかりでしたのでビックリ!正に入れ違いでしたね^^

 アメリカでも蝉の大群がその木だけに集中しているという
記事を見たような覚えがあります。 

 もしかして、木が蝉を集めるフェロモンでも? 
あっ、それとも先に羽化した蝉の匂いでも感じるのでしょうか? 
これは、ありそうですね! 本文に追記して置こうっと♪
Posted by 山桜 at 2006年08月26日 20:22
人気スポットの写真が蝉のぬけがらと、わかったので見れますが、ゴキブリだとしたら、恐ろしい写真です。(ごめんなさい、くだらないことばかり)

山桜様は、何故、どうして?その理由は?研究熱心なところ、尊敬です。(無い私には、進歩がない。反省です)
確かに↑の理由、色々考えると楽しいですね。
Posted by チャチャ at 2006年08月26日 22:17
山桜さん、こんばんは。

実家でも毎年、アブラゼミの羽化が見れます。
それもほとんど毎年同じ場所で。(低いところ)

今年は蝉が少ないような気がします。
実家もわたしのところも、
まだツクツクボウシが出てきていません。
どうしたのかな?

Posted by noriko at 2006年08月26日 23:21
★チャチャさん、おはようございます♪
 虫の苦手な方には心臓に悪いような写真を載せてしまい、
申し訳ありません^^; 私も実際にこの有様を見つけた時は、
ちょっとたじろぎました。 これが毎日少しずつ増えていったのか、
それとも一斉に羽化したのか、今となっては分かりません。

 この天狗の団扇形の葉の中でも特に一枚の葉に人気集中なのも
面白いですよね。やはり先輩の後に続くのが安心なのかな〜?

 来年は毎日よく気をつけて、上の方も見上げながら歩きたいです♪
Posted by 山桜 at 2006年08月27日 08:00
★norikoさん、おはようございます♪
 やはり、庭だと殆ど目線より下の低い所が多いようですね。
それは単にあまり高い木がない為なのか、上の方まで見ないので
気付かないのか…ただ、私は剪定も全部自分でしますが、
高い木の上の方で蝉の抜殻を見つけた記憶がありません。

 今年は蝉のはずれ年のようですね。 
温暖化の影響による今年の不順な気候のせい?
それとも数年前の産卵年の状況のせい?
こちらでも晩夏のスター、ツクツクボウシの演奏を殆ど聞かない内に
秋の虫の音がヒタヒタと…とても寂しいです。(T−T)
Posted by 山桜 at 2006年08月27日 08:09
こんなにたくさんのセミの抜け殻をみることもなくなってしまいました。。。。。昔祖母の家ではたくさん見ましたが。
それにしてもすごい数ですね。高いところで羽化するのは安全だからと思ったら、山桜さんのところでは低木の下の方で羽化するという。。。。セミが選ぶ場所は環境によって違うのかしら。。。。山桜さんの研究結果を楽しみにお待ちしています。(他力本願)
小さい頃は身近だった虫達も徐々に遠のいています。いつから触れなくなっちゃったんだろう。
Posted by m-tamago at 2006年08月27日 10:28
TVの続きですが
高校の先生が毎朝 クラブの生徒と共に蝉の抜け殻を集め、その数を記録しておられました。
他にも川べりに沢山木が並んでいるのに、その木にだけ集中していました。
その木が古く大きく、根の張りも他の木に比べ良いことが原因ではないかと分析しておられました。
親蝉が自分が羽化した木にまた卵を産むことからの連鎖?かも知れませんね。
鮭が自分の生まれた川に戻るのと同じ?
Posted by 酒徒善人 at 2006年08月28日 08:28
★m-tamagoさん、こちらにもコメントありがとうございます♪
 都会でお仕事をバリバリされている内はなかなか虫にまで目が
いかないのは仕方が無いです。次のチャンスは子育て中ですよ^^
子供と一緒だと、道端でしゃがんで花や虫や水たまりに張った氷
などをじっと眺めたり触ったりしていても、変な人だと思われず
に済みますから^^ 私クラス(どんなクラスだ?)になると、
もう殆ど人の目は気にならなくなりますが…(苦笑)

 研究…来年まで待たなきゃなんですよね〜忘れないで
いられるかな〜記憶装置がかなり怪しいので心配です^^;
Posted by 山桜 at 2006年08月28日 08:49
★酒徒善人さん、おはようございます♪
 またまた同時刻にPCに向っていたようですね〜流石相方!^^v

 同じ木に集中するのは、親から子へ受け継がれる帰巣本能で
説明できそうですが、同じ葉っぱに集中するのは、やはりまた違う
理由が必要と思われます。 

 昨日たまたま目にとまった新聞記事に、(多分日経?こういうのって
後で探すと何故か見つからないことが多くて…^^;)
黒澤明監督の映画で「蟻の行列」シーンを撮る為にフェロモンを
使ったことが書いてありました。 蟻は先に行った仲間が付けた
道しるべ(足跡)フェロモン物質を触覚で探りながら辿って歩くことを
利用した訳です。

 蝉の幼虫もやはり何かそういう物質を出しながら羽化場所に
向かい、安全な羽化場所を後輩に知らせているのかもしれません。

 *記事を見つけたので付記しておきます*
  8月27日(日)31面 [サイエンス] 内
  「ががくCafe」 ”アリの言葉を究める”
  京都工芸繊維大学 山岡亮平教授 へのインタビュー記事でした。
Posted by 山桜 at 2006年08月28日 09:21
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