2006年09月24日

二人で歩く秋

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 これほどの長い距離を二人揃って歩いたのは、少なくとも5年ぶり。
あの日以来、誰も口に出しはしませんでしたが、5年後があるとは限らないのだという思いを、胸の奥底深く沈めて来たのです。 

 青く透き通った空にパンパスグラスが、出会いの頃よく出掛けた、神代植物園と同じように、光る豊かな穂を秋風になびかせていました。

 その頃、寝転んで空を見上げながら、私に、
「パンパスグラスが好きなんだ。」
 そう言ったことを、彼は覚えているでしょうか。
 そっと聞いてはみたものの、答えは風の中に消え・・・。

 ♪The answer is blowin' in the wind・・・ (by Bob Dylan)

 この日、秋の日の散歩に出た目的の一つはこちらです。
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あまりにも有名になった高麗の巾着田の彼岸花群落にあやかってか、最近植え込まれたらしい彼岸花だけの花壇です。 未だ株が小さいのか密集度も花の色・大きさも今ひとつ・・・何よりも、田守り、墓守りなどの彼岸花らしい使命を帯びてないせいか、どうも迫力に欠けます。

 どうせ植えるのなら、折角田んぼも畦もある公園なのですから、ご先祖様が代々植えて来たような場所に倣って植えた方が、ずっと本来の風情が出るのではと思うのですが、いかがなものでしょう?

 小学生の稲刈りの邪魔になるかもしれませんが、花を折ったり踏んだりしないように、気を配りながら作業することも大切な経験になるでしょうし、万が一折ってしまい、彼岸花の汁にかぶれたとしても、先祖からの伝えに何がしかの興味が湧く子がいるかもしれません。

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 帰り道、家の千成瓢箪とは比べ物にならない程大きな瓢箪が、ぶうらり泰然と実っているのを見ました。 私達はまだ小さな瓢箪ですが、いつかこのように大きな瓢箪を実らせるよう、しっかりと日々を大切に歩んでいきたいな・・・。

 お昼は山村風景を眺め、心地よい風を受けながら軒下で戴く手打ちうどん。 長めの茹で時間を待つ間、用意されている天ぷらやおでんを自分で自由にお皿に選べる仕組み。どれも一つ50円で数は後で自己申告。 信頼関係あってこその気持ちよさ、これもご馳走です。

 今日は一緒に歩けて嬉しかった・・・炊事をしながらそう思ったら、急に思いもかけなかった涙が溢れて来ました。 一体どこからこんな感情が込み上げて来たのか、一体どこに隠れていたのやら・・・。 自分の中の不思議にも驚かされた、秋の一日でした。



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posted by 山桜 at 00:00| Comment(24) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
5年の重み、5年という歳月が長いのか、短いのか・・・
私は毎年、人間ドックは家人と一緒に行っています。結果を聞くのも勿論一緒です。
「学生街の喫茶店」って曲ありましたよね。
Posted by 酒徒善人 at 2006年09月26日 18:10
ガロです。学生街の喫茶店は。

きんみとよっく こーのみせっに きったーものさー わっけもなっく おっちゃをのっみ はんなーしたねー♪ 

澄んだ紺碧の空に跳び上がるが如きグラス・・・
予期もしなかった感動と涙,小生今月中旬,まさに同じ経験をしました。我が心吾知らずってところでしょうか。いくつになっても未熟,未完成,それが人生,愛燦々の世界(人生って不思議なものですね♪)。

「思い出のグリーングラス」という唄もありましたよね。
Posted by 友部丹人 at 2006年09月26日 19:58
しみじみと素敵な一日でしたね。
ご家族の方々の祈りの日々、時と共に静かに運んでくれた幸せの涙ですね。
Posted by アンズ at 2006年09月26日 22:18
素晴らしいお写真。。
心温まる道々の心の風景。。
そして お2人で歩かれた
素晴らしい1日。。
読ませていただき
胸があつくなりました。。。
深い深い 愛と日々が流した
涙なのでしょうね。。
Posted by yuki at 2006年09月26日 22:29
★酒徒善人さん、おはようございます♪

 仲の良いおふたりのご様子、ブログからも漏れ伝わって参ります。
ごちそうさまでした〜(*^^*)

 家人も人間ドックと会社の健診と、ずっと年に2度も検査を
受けていたのに、結局見つけて下さったのは、偶然行った病院の
たまたま通りかかった院長先生でした。病気にはなったものの、
幸運が重なり早期に発見されて命が繋がりました。 
これも亡義父からの「知らせ」のお蔭です。魂となっても尚、
息子を見守っていて下さるお気持、本当にありがたいです。

 ♪片隅で聴いていた「ボブ・ディラン」

…ですね^^ この歌が流れていた頃は、ボブ・ディランの
ことも良く知らず、何と歌っているのかも??でした。
Posted by 山桜 at 2006年09月27日 09:27
★友部丹人さん、おはようございます♪
 ガロ〜アリス青春時代でしょうか? ギター片手に歌い出すと
止まらない世代ですね^^ 家人もその仲間です。
(えっと、私はもう○世代後ですので…念のため〜^^♪)

 自分の心はコントロール出来ていると自惚れていたようですが、
この不意打ちをくらって、少なからず狼狽しました。
一方「やわらかいこころ」が残っていたかと、嬉しくもありました。
Posted by 山桜 at 2006年09月27日 09:38
★アンズさん、おはようございます♪
 家人は、病後だと言うことなど微塵も感じさせない程に、
毎日仕事に没頭している状況で、(仕事に没頭することで
不安から逃れられて来たのかもしれません)ゆったりとした
時間を過ごす間も無く駆け抜けて参りました。

 この日は、私にとっては忘れられない美しい宝物となりました。
Posted by 山桜 at 2006年09月27日 09:46
★yukiさん、おはようございます♪
 ありがとうございます…読み返すとまたじわっと来てしまいます。
人間ってやはり複雑な心理を持った生き物ですね。
もっと素直になれれば楽でしょうに、わざわざ入り組ませる。

 それが人生の機微というものでしょうか…
古典的な和歌なんてまるで恋文暗号のようですものね(笑)
Posted by 山桜 at 2006年09月27日 09:52
こんにちは!

瓢箪、大きいですね〜。

記事を拝見し、日々を大切に重ねられている思いが
ジーンと伝わるような気がしました。
Posted by むろぴい at 2006年09月27日 12:59
5年たって、一緒に彼岸花を見にいけたのですね。夫が手術をうけたときのこと、わたしも手術を受けたことがありました。その時のことを、思い出しました。
Posted by ゆずまんじゅう at 2006年09月27日 14:52
あきだね〜o(⌒0⌒)o
秋は実り。。。人生の実りを実感したのかな♪
甘い実なのか、すっぱい実なのか。それとも
一口ではいえない味わいの果実なのか。。。

よい日々をお過ごしのようで嬉しくなりました。
秋だなあ〜(*^^*)♪♪
Posted by やゆよ at 2006年09月27日 18:56
なんてすてきなご夫婦なのかしら。
山桜様が奥様で、ご主人様も感謝でしょうね。

心静かにすごせる毎日、普通でいられることの幸せ。
私も心のなかで、ありがとうを何度も言っています。
こころ暖まるすてきな お話ありがとう。
Posted by チャチャ at 2006年09月27日 22:26
素敵な秋のひとときを過ごされたようですね。よかったですね。
山桜さんの目に映ったものを写真として、おすそわけ、嬉しく拝見しました。
青い空、澄んだ空気、優しく咲く花々、これからも山桜さんのところにたくさんの喜びが訪れますように。
Posted by m-tamago at 2006年09月27日 22:51
パンパスと青空が素敵だ。

巾着田は数年前に行きましたが
あまりにも多すぎて
これはちょっと違う!と私の中では
反発する気持ちになりました。

お墓参りの折りに
墓石の間から
誰かに見られているような気がして
振り向くと彼岸花

だれかを連れて帰らなくては
ならないような気がしてしまう

Posted by 爽子 at 2006年09月28日 01:54
★むろぴいさん、おはようございます♪
 瓢箪は比較するものがなくて分かりづらいのですが、
下の大きな膨らみが人の頭ぐらいもあったと思います。
家に戻って10センチ足らずの千成瓢箪がぶら下がってるのを
見たら、可愛いやら何やら妙に可笑しくなり笑ってしまいました。
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 08:39
★ゆずまんじゅうさん、おはようございます♪
 この5年間は、あっという間だったような、子供の成長を見ると、
とても貴重な長い日々だったような…時間の長さは同じ5年間でも
この5年間はまた別格だったと思います。

 ゆずまんじゅうさんご夫妻も大変な時を過ごされてこその今が
あるのですね。 ああ、こうやって夫婦になっていくんですね…。
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 08:46
★やゆよん、おはよう♪
 う〜ん、そうだね、一山越えたような小さな実りは感じたかも(*^^*)
味はね〜えっと、手打ちうどんのような噛んで味の出るしこしことした
美味しさかな…天ぷらも海老じゃなくて、牛蒡のかき揚げね(笑)
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 08:53
★チャチャさん、おはようございます♪
 普段はあまり話す間もないようなすれ違い夫婦なんですよ〜^^;
それなので余計にこの日一緒に歩けたことが嬉しくて…(゜―Å)

 毎日普通にあると気付かないような幸せが、こんなに嬉しい
なんて、何だかねぇ…とも思いますが、今はそういう時期なのかなと。
今にウルサイくらい始終傍にいるようになる日が…?(((( ;゚Д゚)))ウワー
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 09:02
★m-tamagoさん、おはようございます♪
 おかえりなさい☆この処とてもご活躍でお忙しそうですね!
生き生き過ごされていらっしゃるご様子に元気を戴いております。
青い空ってどうしてこんなに清々しい気持になれるんでしょうね〜
美味しい空気を胸いっぱい吸って、今日も爽やかに頑張ります!
ありがとうございました。
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 09:08
★爽子さん、おはようございます♪
 子供の頃、パンパスグラスの穂って欲しくなかったですか?
小さな子からすると、とてつもなく大きくて手の届かないもの、
でも大人になって手に入れ、部屋に飾ったら何だか違う…。
彼岸花もそう。花壇に植え込んだり花瓶に生けたりしたら
途端に魅力を失ってしまうと思います。

 (lll゚Д゚)爽子さん! お盆の時以外に、連れて帰っちゃダメ〜
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 09:20
こんにちは。はじめまして。
 今まで、たまごさんのところから飛んで、何度かお邪魔致しました。
 これまでも、美しい写真、興味深い解説、ずっと立ち寄らせて頂くと、お勉強になるだろうなぁと感じながら、つい忘れたり時間がなかったり、今回は思い切って、コメントさせて頂きました。
 詩情豊かな文章と、詳しい事は何一つ分かりませんが、この5年間を想像し、私なりに思いを馳せますと、心を揺さぶられます。

>一体どこからこんな感情が込み上げて来たか、一体どこに隠れていたのやら・・・。
<外に向かって思い切り泣けなかった分、ずっと心の内に流してきた涙の深さが偲ばれます。心の深淵に溜まった涙が溢れ出てきた様に感じました。
 素敵なお話を有難うございました。
 これからも時々立ち寄らせて下さいませ。m--m
Posted by 飛翔 at 2006年09月28日 09:58
★飛翔さん、ようこそお越し下さいました。
 身に余るお言葉を戴き、恥ずかしさに身が縮む思いです。
初めてのコメントを書いて下さるお気持、よく分かります。
私も未だに書く勇気の出ないサイトが幾つもありますもの。(*^^*)

 …飛翔さんの書いて下さった温かいコメントを拝読しつつ、
また思わぬ涙が零れ出てしまいました。 心のこもった
優しい思いを寄せて下さって、ありがとうございます。
とてもとても嬉しかったです。 思い切ってこの日記を書き残して、
本当に良かったと思います。
Posted by 山桜 at 2006年09月28日 13:36
青空が、道端の花や果実がひときわ胸に染み入ります。よかったね♪
Posted by そら at 2006年10月03日 07:34
★そらっち、おかえり〜っ♪
 うん、ありがとう!
この五年間には、この他にも一体なんでこんなことに…
と言うようなことばかり次々起きて、本当に苦しかった…
それでも、私を必要としてくれる人がいるのが心の支えだった。

 人間ってそれだけで、生きてる幸せを感じられるんだよね^^
Posted by 山桜 at 2006年10月03日 08:43
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