2006年11月15日

炉開き・初茶事稽古(五)

 
 
其の道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ
 習いつつ見てこそ習へ習わずに善悪いうはおろかなりけり
                       (利休)
       

                ??〓 1127.jpg

後炭手前〜薄茶
 濃茶の手前が終わる頃になると炭の勢いも落ちてきますので、炭を足す後炭手前となり、釜に水も足されます。

 釜の湯の沸く音が聞こえてくるまで暫し歓談、頃合を見て煙草盆が回り始めます。 このお席では、どなたも煙草を嗜まれる方はいらっしゃいませんでしたが、正客さんが皆さんの求めに応じて、煙管をヒョイと取り上げられ、吸い方を披露して場を和ませて下さいました。

 その仕草はまるで時代劇の役者さんのようで格好良く素敵でした。 喫煙家が減り、煙草盆を回す意味がなくなったようでも、こうしてお道具を拝見したりお話を伺ったりするのは楽しいものです。

 次いで今度は秋の落ち葉や実を象った「吹き寄せ」のお干菓子が回って来ました。 どれも戴いてしまうのが惜しいほど可愛らしく、私はお許しを得て、娘のお土産に少し懐紙に包んで持ち帰らせて戴きました。 

 さて、今度の薄茶は銘々に一人分ずつお茶が点てられますので、前の方が飲まれたお茶碗を拝見した後、そのお茶碗を持ち亭主にお返しし、自分の分の薄茶が点てられた茶碗を受け取って戻って来る為に立ち上がらなければなりません。

 ここで遂に怖れていたことが…とうとう私はやってしまいました…

         ( ̄口 ̄;)ガーン!

 私は自分の足の痺れに全く気付いておらず、お茶碗を手にしたまま立ち上がろうと、かかとを立てた瞬間、力が入らずに前のめりにぐらっと崩れてしまったのです。 幸い未だ立ち上がる前でしたので、お茶碗も落とさずに済みましたけれど、今思い出しても全身に冷汗が・・・。

 この前後の記憶が定かでないことも、このショックの影響が大きいかと…言い訳です。 ああ、恥ずかしい…。

 薄茶を戴いた後、薄茶器、茶杓の拝見などを経て和やかに歓談…

退席
 正客が頃合を見てお暇乞いのご挨拶をされ、今一度正客から順に床や飾りつけなどを拝見する機会を得て、にじり口から退出します。

 …が、私はここでもやってしまいました! 煤i ̄口 ̄;)!
 縁から草履に手を伸ばした時に、足が攣ってしまい、皆さんに情けない姿をお見せしてしまいまったのです。 これは痺れよりも激痛で、その後3日ほど痛みが残ったほどでした、嗚呼・・・。

 日頃殆ど正座をしない生活なので、合計4時間ほどの正座は未体験ゾーン、想像もしていなかった事態にとても驚きました。 お稽古で何時間でも痺れない座り方を教えて戴いていて、自分でも茶事の間、特に足が痛いとか辛いとか思わずに過ごしてこれただけに、まさかこんな不意打ちがあるとは…。 油断大敵です。

 「正座、恐るべし!」
 これが結論というのは情けないですが、今の私には、何はおいてもこれがきちんと出来ないとお茶を続けていけませんので、全ての所作の基本と肝に銘じ、先ずは背筋を伸ばし美しい姿を保ちながらも緊張せずゆったりと正座を続けられるようになりたいと思います。

 お土産にお庭でとれた柚を山程と記念品を頂戴し、今日の諸先輩の凛とされたお姿を目標に、これからもお稽古に励もう! と意気揚々帰宅の途につきました。

          *     *     *

 お稽古を積まぬ内にお茶事に出れば、このような事になり兼ねないという見本を示してしまいましたが、私のように大人になってからお稽古を始めた身には、早いうちに全体像を目にして高い目標を得られたのは本当に良かったと、この機会を与えて下さり温かくお見守り戴いた先生をはじめ諸先輩の皆様に本当に感謝しております。
        
          *     *     *

 そして、最後までこんな長い日記にお付き合い下さった心優しき皆さま方に、心より感謝申し上げます。 

 ささ、お茶をどうぞ… ~~~旦o(^-^@) 

 
<<追記>>
 皆さまよりのコメントの中で教えて戴きましたこと、また後で思い出したことなどを、「付記」として青字で(一)〜(五)の日記の文中に書き足しております。

 これからも、赤字青字などが加わって、より楽しい思い出の記録に成長していけると嬉しいです。 皆さま、ご教示、本当にありがとうございます。これからも、どうか厳しく温かくお導き賜りたく宜しくお願い申し上げます。
                 山桜 拝




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ラベル:炉開き 茶事
posted by 山桜 at 00:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 茶の湯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記録のはずなのに、大きな顔文字があって
つい、そこだけ読んじゃったよo(⌒▽⌒)o
うーん、正座長くできないんですよね〜
あれは慣れなのかなあ。。。
でも、よく我慢できたよね!
だってその後もしびれてたなんて(@@)
Posted by やゆよ at 2006年11月28日 17:04
利休百首ですか…

  稽古とは一より習ひ十を知り
     十よりかへるもとのその一

あたりですかね
小生が幼稚園の頃煎茶の方の茶会で
お点前の終わった主人役の女性が
襖を閉め終わった途端ばた〜んと
音を立てて襖の向こうでひっくり返られたのを
覚えています
周りが慌てて助けに行って…
Posted by 幽黙 at 2006年11月28日 22:15
山桜さま、私は先生についてお稽古をしているというものでもなく、茶室でお茶をいただくあの静かな雰囲気が好きで、大阪の方にお住まいの先生がお茶会をされる時に、お知らせをくださるとのこのこ出かけていくようなことです。この度のシリーズ、「炉開き 初茶事稽古」(一)から(五)は、おそらく体験することはないと思いますが、バイブルとして保存させていただきます。
Posted by ぞうべ at 2006年11月28日 22:40
◆やゆよん、こんばんは♪
 最後まで付き合ってくれて、ありがとう〜♪
先生のお話によると、お茶をやっている人かどうかは、正座
している姿を見れば分かるほどなんだって!
背筋は伸びていても、足はわりにリラックスした状態で
しびれない様な座り方があるの。 教えて戴いてたのに、
やっぱり緊張して固くなってたんだろうね〜^^;

 しびれはすぐに治ったんだけど、つった筋肉の痛みが
なかなか取れなかったの。 歩きすぎの筋肉痛もあったかもね☆
Posted by 山桜 at 2006年11月28日 23:03
◆幽黙さん、こんばんは♪

>稽古とは一より習ひ十を知り
     十よりかへるもとのその一

 わっ、先日丁度ももりさんとそのお話をしたばかりでした!
ももりさんの妹さん?お友達?(ごめんなさい、モヤで…)
お茶をされて30年、でも自ら10年経つ毎にまた一から先生に
お稽古つけて戴きやり直されて、三巡めなんだそうです。

 私もいつまでも変に慣れてしまわず、一期一会、新鮮な感動を
受け続けていたいと思います。
 
 襖を閉めるまで精一杯堪えられたその女性は立派ですね。
私、情けない・・・よろけるまで全然気付かなかったなんて(。。;)
Posted by 山桜 at 2006年11月28日 23:22
◆ぞうべさん、こんばんは♪
 ぞうべさんは実施でお茶を体験され、自然にその世界が
身についていらっしゃるのでしょうね。 そのような触れ方
とても素敵だと思います。

 私のドタバタ体験記など、どうか笑っておいて下さい。
バイブルなどとおっしゃられては、もう・・・(*。。*)
恥ずかしくてどうしてよいか分からなくなってしまいます。
何卒ご容赦下さいませ。<( _ _ )>  
Posted by 山桜 at 2006年11月28日 23:31
初めてなのに・・・要点を捕らえて上手に自分のものして書いていますね。
正座は大変ですよね〜私は太ってきましたので最近は痛くなることがありますが、立つときは気をつけないといけませんね。

感じる心がない人には楽しくないかもしれませんが、正座を除いて山桜さんはお茶を楽しんでいますね。
正座はだんだんコツもわかり大丈夫になりますよ。
それにお詰めは仕事が多いのですが今の私には有難いですよ、痺れている暇がありませんよ。(笑う)
Posted by あやめ at 2006年11月30日 02:57
◆あやめさん、こんにちは♪
 初めてでしたので、一生懸命集中して覚えようとして
おりましたが、やはり早く書かなかったので忘れてしまった
ことも多くて残念です。 これからも先生が毎年開いて
下さるのなら、欠かさず出席させて戴きたいと思います。
足の痺れや攣りもなんのその、それ位楽しいひと時でした。

 あぁ、それで先輩方はお詰めさん以外のお客様役の方も
お料理のお運びやら何やらと席を立たれていらした訳で・・・
納得です^^

 いろいろあやめさんに教えて戴いたことも、日記の中に
青字で付記致しました。 本当にありがとうございます。
Posted by 山桜 at 2006年11月30日 11:59
 一気に読ませて頂きました。
初めてのお茶事で、良くぞここまで・・・と、感心する事しきりです。
 私のように、注意力散漫な人間は、とてもではありませんがこの1/5も書けません。
記憶力もさることながら、もう既に、山桜さんのお人柄、感性は、お茶の心に深く深く
響いていらっしゃる。その事に、ひたひたと静かに感動を覚えます。
 それにしても、以前から不思議に思うのですが、mixiの最近の日記って言う欄に、
何日も遅れて山桜さんのを見つける事があります。今回もそう。こんなに素晴らしい
貴重な日記を出していらっしゃるのに、気付かないでずっと過ぎてしまう。。。
特に23〜26日は、携帯から一度だけ、足跡を見ただけで、PCを開いてなかったので
その間の日記が見れなかったことは確かですが?。?;
 
 皆さんのコメントをまだ読んでいないので、ご存知だったら御免なさい。「お詰め」は
茶師の事でもあり、末客をお詰めと言う謂れは、茶人の家で、出入りの茶師が、一年分の
葉茶を茶壷に詰めて届けていた事と、その茶師が連客の末席に座った事から、そう
いわれる様になったと聞いた事があります。コメント長くなって、申し訳ございません。
Posted by 飛翔 at 2006年11月30日 23:43
◆飛翔さん、おはようございます♪
(もう、こんにちは、ですね・・・^^;)

 そんなにお褒め戴き、嬉しくて舞い上がってしまいます。
忘れないように、帰宅してすぐにメモ書きしたのですが、
やはりあっという間に忘れるもので、自分の字でも何と読む
のか不明な所が・・・またお稽古の都度、思い出しては段々身に
ついていくのでしょうね。 それもまた楽しみです。

 今思い出し書きしている一連の日記は2週間前の日付ですし、
一日に何回も書き込むと、どうも最初の一つしかあちらの
リストには表示されないようです。私の変則更新の所為で
飛翔さんと混乱させてしまいまして申し訳ありませんでした。

 「お詰めさん」にはそういう謂れがあったのですね!
単純に最後なので「お詰め」と呼ばれているのだと思って
おりました。 本当にお茶壺にお茶を詰めて届けて下さった
方が末席に着かれてのお茶席だなんて、想像するだけでも
素晴らしいです。 益々お茶が好きになりました〜ヽ(^◇^*)/
飛翔さん、素敵なお話をありがとうございました!
Posted by 山桜 at 2006年12月01日 12:00
初めてなのに臨場感あり、様々な様子を的確にごらんになっていると驚きました。そして楽しませて頂きました。ありがとうございます。
足の痺れ、大事にならずよかったです。私も今でこそあまり痺れなくなりましたが、学生時代は痺れる前に点前を終わらせなくてはとすごい速さのお点前でした(笑)。
これからもお茶を楽しんで下さい。そしていつかご一緒できる日を楽しみにしています。
Posted by m-tamago at 2006年12月04日 12:37
◆m-tamagoさん、おはようございます♪
 茶事が初めてどころかお稽古も始めたばかりでの出席、
時が経つにつれて、かなり図々しいお客だったことが、
段々理解できてきて、今更ながら(。。;)です。
この日はたまたま出席予定の方のご都合がつかなくなって
空きがあったので、誘って戴けたのだと思います。
超ラッキーだったということなので、来年も!というのは
ちょっといい気になりすぎかもしれませんね^^;

 お別れの時、次は「夜伽」をやりたいので・・・とのお話が
出ていました。 ああ、次々と知らない世界の誘惑が・・・(笑)

 こんな私でもご一緒できる日が来るようにお稽古に励みますね。
Posted by 山桜 at 2006年12月05日 10:09
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