2012年10月17日

桂花露香

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 「桂花は露も香(かん)ばし」

 桂は「香出ら」で、香りの良い木が語源と言われます。 
中国では「桂」の字は、日本でいう桂の木ではなく木犀、または肉桂(シナモン)のことを指しますが、露が降りる頃の桂といえば、やはりモクセイのことでしょう。

 こちらでは、例年より3週間程も遅れて、やっと15日頃に金木犀の花が咲き始め、17日の神嘗祭に懐かしい香りを添えてくれました。 最も「懐かしい」と感じる世代と「トイレの芳香剤」と感じる世代の間のギャップがあるようで、「くさ〜い」と言って鼻をつまむ小学生には何と言葉をかければ…気の毒としか言いようがありません。 

 以前も書きましたけれど(「モクセイ」のタグをクリックすると出てきます)、木犀にはよく知られている金木犀の他に銀木犀、薄黄木犀、柊木犀などの種類があります。 それぞれに微妙に香りが異なり、咲く時期も前後します。 雌雄異株で日本には鑑賞目的で導入されたので、花が沢山咲く雄木ばかりで実を見ることは殆どありませんが、薄黄木犀だけは小さなオリーブのような実をつけます。 初めて見た時は新発見かと興奮しましたが、注意深く観察すると、街路樹の中などでも結構実っているのをみつけることができます。

 こんなに愛らしい小星の手毬のような花と甘い香りという特徴があるのに、「木の犀」などという無粋な
文字が当てられているのは、樹肌が(サイ)の皮膚に似ているからだとか。 まぁ、確かにねぇ…。 犀ってそんなに身近な動物とは思えないですが、その角が漢方薬としては重要なので薬学の目利き=植物学者の着目に引っかかったのでしょうか。 
 
posted by 山桜 at 00:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本に渡来したのは室町時代と記されてありました、
サイも中国辺りでは意外と見られていたのでつけられた名かもしれません。

香りは、私も強すぎて頭痛がしてくるので敬遠するもの一つです
Posted by 玉井人ひろた at 2012年10月24日 21:30
金木犀というと、サザエさんを思い出す私。
「サザエさん キンモクセイ 金大中」で検索すると、同じ思いの人が多いこと・・・
Posted by くさや at 2012年10月25日 15:27
◆玉井人ひろたさん、こんにちは。
 おお、室町時代! そんなに古い渡来でしたか〜
江戸時代辺りかと思っていました。 それほど古ければ
和歌にでも読まれていそうですが、「月の桂」としては
幾つかあったような… そうなると白い花でしょうから、
銀木犀かな? あ!金木犀は銀木犀の園芸品種ですものね。

 ♪キンモクセイの香り〜の芳香剤も今は昔、強い香りで
臭いを消していた時代の産物で、今はもっとソフトで
優しい香りが好まれていますね。
Posted by 山桜 at 2012年10月25日 16:23
◆くさやさん、こんにちは。
 「サザエさん→キンモクセイ→金大中」??
さっぱりわからず検索してみました〜(**;)

 金大中事件の頃の新聞連載だったのですね(笑)
今は何だか教育マンガテ的な雰囲気になってしまったサザエさん
ですけれど、結構風刺が効いてたりシュールだったり、
原作の4コマ漫画の方がずっと毒があって面白かったですよね。
草葉の陰で町子センセイが嘆いておいでな気がします。
Posted by 山桜 at 2012年10月25日 16:30
 金木犀・・・当地では、おくんちの頃に咲く花として親しまれていますが、
山桜さんエリアとは逆で、今年は2週間以上も早くに咲き始め、甘やかな香りが
思いもかけない時季に風に運ばれたのには驚かされました^^;ゞ

 桂花酒(桂花陳酒とは別物ですが)を作って楽しんだ頃が懐かしいです^^♪
咲き始めの可愛らしい花を摘んで埃を取り除き、ホワイトリカーと少量の
氷砂糖で漬けますが、透き通った黄金色に十字の小花が浮いて、まろやかな
味わいです-☆彡(主人は余り好きではないらしく、もう作っていませんが…)

Posted by メダカの目 at 2012年10月29日 01:54
◆メダカの目さん、こんにちは。
 まぁ、御地では逆に秋の訪れが例年より早かったのかしら?
あの大量の降水量なども関係あるのかもしれませんね。

>透き通った黄金色に十字の小花が浮いて…
 わぁ〜想像しただけでウットリです。 赤毛のアンの世界のよう…
ご主人様は香りが苦手なのでしょうか〜? 勿体ないなぁ
何でも手作りされる素敵な奥様、メダカの目さんは私の憧れです☆
Posted by 山桜 at 2012年10月29日 15:38
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