2007年01月12日

初釜「常盤薯蕷」

 表千家の初釜*の主菓子はこちら「常盤薯蕷(ときわじょうよ)*」です。
        tokiwajyouyo.jpg
 写真は「京菓子小町」夢菓さんのHPより
 http://kyogashi.kyoto-np.co.jp/modules/wordpress1/index.php?p=161
 和菓子は「京都・嘯月」さん作です。
 http://kyogashi.kyoto-np.co.jp/modules/xwords/entry.php?entryID=31

 中は翠色に染めた白小豆の餡、白い皮の薯蕷饅頭*です。
白餡は普通、手亡豆(白いんげん豆)を用いることが多く、この
白小豆から作った白餡はとても貴重なものと言うことです。

 外から見ただけでは、まるでただの白い薯蕷饅頭のようですが、
このように割って中を覗けば、まるで常盤の松の翠の上にほっこりと
真白な雪が積もったような、はっとする美しさが表れます。

 新年の初釜、この一見平凡に見えるお菓子の中に千年の翠の願いを
そっと込めて戴くとは、なんという奥ゆかしさでしょう。

 常盤樹と言えば、お茶の木もそうです。 私には、この翠は長年
大切に慈しまれ丸く丸く摘まれたお茶の木が、雪の下で春の芽吹き
の為に静かに力を蓄えているようにも思えます。

 また、常盤には「常緑」の意がありじょうばんとも読みますから、
次に「薯蕷(じょうよ)」が続けば、上々、常常とおめでたい
雰囲気も高まるような気が致します。

 一般には「常盤饅頭」と呼ばれていることが多いようですが、私は
先生のお教えに従って、やはり音の響きもゆかしい「常盤薯蕷」と
呼びたいと思います。

 *薯蕷(饅頭)
  薯蕷=つくね芋(山芋の一種)と上用粉(上新粉よりさらにきめが
  細かい生うるち米粉)を揉み合わせて皮に用いた饅頭。

 *初釜:年初の湯釜を炉にかけることから、新年最初のお茶会。

 
 この日記を書くにあたり、表千家の大先輩、あやめさん、飛翔さん、
そして、鎌倉とんぼさんの多大なるご協力を賜りました。 
皆さま、大変ありがとうございました。<( _ _ )>
 
 
<<参考>>
  裏千家の初釜の主菓子は、こちらの「菱葩(はなびら)餅」です。
      hanabiramoti.bmp 恵那栗工房・良平堂さん 作

  京菓匠・甘春堂さんのHP:http://www.kanshundo.co.jp/
  の中の「和菓子ミュージアム→京菓子歳時記・睦月」
  http://www.kanshundo.co.jp/museum/saijiki/1-saijiki.htm
  に、各流派の初釜のお菓子についての記載があります。



人気ブログランキング 1クリック応援、ありがとうございます





ラベル:和菓子 初釜
posted by 山桜 at 00:00| Comment(32) | TrackBack(0) | 茶の湯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新年になってからの、はじめてのお菓子って
決まってるのね〜o(⌒0⌒)oほ〜
ちっとも知らなかったよ♪♪

綺麗な緑色だねえ〜
やっぱり春が待ち遠しいなo(⌒▽⌒)o
Posted by やゆよ at 2007年01月13日 21:14
和菓子良いですね〜
今年も菱葩餅食べられなかったな〜(T_T)
Posted by 幽黙 at 2007年01月13日 21:50
鮮やかな緑がなんとも美しいですね〜
食べてみたくなりました。
デパ地下覗けば売ってるかな〜
Posted by みかん at 2007年01月13日 22:53
初めまして。
お饅頭の色合いも鮮やかで素晴らしいのですが、
ページ全体の色のバランスが美しいと思いました。
気持ちが滅入った時に覗かせて戴くと癒されそうです。
これからも、季節毎の美しいものをご紹介下さいね。
Posted by 天狗 at 2007年01月14日 02:47
◇山桜姫 早朝にござる
さても この翠の美しさに見入りたる
まさに姫の如し
姫が別の名に「常磐嬢」を捧ぐ
君の名は・・・「常磐嬢」よ!!
Posted by あかひと at 2007年01月14日 04:44
子供の頃、殆どの和菓子がニガテでしたが、不思議と、柏餅とこの薯蕷饅頭だけは好きでした。
穢れのない白を割り開くと、中に千年も万年も続くような緑が納められている。
とてもよいものだなと思いました。
その緑をいただくと、寿ぎを受けたような気持ちになれますね。

京都の茶道資料館では、立礼式でお茶をいただけるのですが、薯蕷饅頭の表に小松の焼印がついたものが、何年か前のお正月にありました。
気持ちが新しくなって、嬉しかったことを思い出しました。
Posted by 遊行七恵 at 2007年01月14日 12:38
◆やゆよん、こんにちは。
 そうなのよ〜裏千家さんの「菱葩餅」は宮中のお雑煮を
模したもので有名だけれど、表千家や他の流派のお菓子は
初釜に出席するか注文するかしないとお目にかかれないみたい。
この「常盤薯蕷」、お店に置いてあったらだたの白いお饅頭に
しかみえないから、知っている人しか買わないよね^^;
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 16:55
◆幽黙さん、こんにちは。
 菱葩餅、お好きですか〜? 私は見た目の風情は大好き
なのですが、味噌餡・牛蒡の甘煮・柔らかなお餅と固い牛蒡
の組み合わせがイマイチ苦手な上、どうも上手に綺麗に
食べられなくて…(><)
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 17:02
◆みかんさん、初めまして。ようこそお越し下さいました!
 う〜ん、多分、デパ地下には並んでないと思いますよ〜
手作りの上生菓子を扱っている町の和菓子舗さんに注文するか、
表千家の初釜に出席するしかないかもしれませんね。 
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 17:06
◆天狗さん、こんにちは。
 初めましてではないと思うのですが、吉野山人さんや
鎌倉とんぼさんの所でお名前を拝見する天狗さんですよね?
これからも、どうぞお気軽にお立ち寄り下さいませ^^

 おお、そう言えばお菓子ばかりで皆さまにお茶もださず、
失礼致しました! ~~~旦旦旦旦o(^-^@) ささ、どうぞ一服…
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 17:11
◆あかひとさん、こんにちは。
 そ、そんな…常盤と言えば、義経の母御前、清盛をも虜に
した絶世の美女の名、あまりにも畏れ多すぎまする故。。。

 桜は散る定めとて、殿のお気持は天にも昇るほど嬉しく
存知まする(*^^*) ありがとうございました。 ~~~旦o(^-^@)
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 17:16
◆遊行七恵さん、こんにちは。
 今ではスゥィーツ・グルメな七恵さんもご幼少の頃は和菓子
が苦手でしたか、意外ですね〜 私は反対に柏餅と漉し餡の
薯蕷饅頭があまり好きな方ではありませんでした。勿論
嫌いではなく、好きなランキングの下位というだけですが…
とにかく小倉餡が好きだったもので^^ 今は年を重ねて
上品な漉し餡の美味しさがやっと分かってきました。

>小松の焼印…
白い薯蕷饅頭にぽちっと赤のついた「えくぼ」も愛らしいものですね^^
甘い話で喉が渇きましたね、ささ ~~~旦o(^-^@)
Posted by 山桜 at 2007年01月14日 17:39
 薯蕷饅頭、見た目は地味ですが、割った時の鮮やかな緑は、美しい花びら餅より、
胸ときめくものがあるかもしれませんね♪シンプルなもの程、奥ゆかしさや想いが
ひろがって行くような気がします。熱い想いはたっぷりあるのに、色々なものを
そぎ落として、この薯蕷饅頭の様に楚々とした茶人になれるよう(到底無理だけど)、
長き道のりを歩いていきたいです。
 
 ただ、近くの和菓子屋さんの花びら餅は、絶品なんです。牛蒡が軟らかく炊き上げ
られ、お餅の食感と絶妙なバランスを保ち、是非皆さんに食べて頂きたいくらい。
 薯蕷饅頭の心が奏でる味わいと、花びら餅の舌が覚えた美味しい味わいと、
結局、欲張りな私は、今年も両方味わってしまいました@@;/
Posted by 飛翔 at 2007年01月14日 17:56
常盤薯蕷も菱葩(はなびら)餅も
山桜さんの文章もお美しいですね^^。そして
日本の良さを和菓子にもあらためて感じました。
ありがとうございます。
未来に伝え続けてゆきたいもののひとつでありますね。
ところでこのお饅頭はどのぐらいの大きさですか^^?
食いしん坊なのでつい、大きさも気になってしまいます。笑
Posted by まり at 2007年01月15日 00:11
ひとつのこの白いお菓子の中に千年のおもいと歴史が
ある国は素晴しいですね〜
よき日本の伝統を受け継いでいかねばと想いましたよ。
Posted by 青い流れ星 at 2007年01月15日 01:10
◆飛翔さん、おはようございます。
 常盤薯蕷は、侘び寂びを守り奥ゆかしく控えめながらも、
おもてなしの心を込め、また内に芯の強さを秘めている
表千家の姿を現しているようで、とても嬉しく、益々表千家の
お茶の世界が好きになりました。 私も飛翔さんの後姿を拝し、
足跡を辿りながら、地道に長い道のりを歩んで参りたいと
思います。 足跡が消えない内に学ぶよう、日々精進致しますので
これからもどうぞ宜しくお願い致します^^

 私は未だ、美味しい菱葩餅に巡り合っていないのですね〜語る資格
なしです。 ああ、絶品の菱葩餅を想像しつつ、お茶を一服…
厚かましくも、ご相伴させて戴きま〜す♪~~~旦旦o(^-^@)
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 08:31
◆まりさん、おはようございます。
 飛行機の中で時折、「和菓子の世界」が流されていると
日本の美の結晶がとても誇らしくて、外国の方にもっと見て
知って戴きたいとつい辺りの反応を窺がってしまいます^^;

 本物の薯蕷饅頭は元々とても希少な材料で手作りされるものですし、
お茶の時に出されるお菓子は、掌の真ん中の窪みにそっと納まる程の
大きさに召し上がりやすく作られているものが多いので、お祝いの
紅白のお饅頭のように大きくはなく、小さめの可愛らしいお饅頭です。

 測ったことは無いのですが、4〜5cm、イメージとしては…そう、
ピンポン玉ほどの大きさではないでしょうか^^

 お菓子のことを思うとお茶が欲しくなりますね〜ささ、一服~~~旦o(^-^@)
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 08:48
◆青い流れ星さん、おはようございます。
 お茶を習い始めたらと今まで見えていなかった奥行きの深い日本の
文化が次々と姿を見せてくれ、先人の思いが伝わって参ります。
今までなんと気付かずに通り過ぎていたものが多かったことか
と悔やまれもしますが、めくるめく未知の扉に数限りなく囲まれて
いて、幸せもいっぱいです。 お急ぎでなかったら、まったりと
~~~旦o(^-^@) お付き合い下さいませ。
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 08:58
表千家は常磐薯蕷というお菓子なのですか!知りませんでした。
本当に緑が映えて美しいですね〜。ああ、お茶が飲みたい。
Posted by m-tamago at 2007年01月15日 12:50
見るからにおいしそうです。おいしいお薄も添えて・・・「硫黄島からの手紙」へのコメント、ちょっと訂正させていただきました。調べないで書くと、とんでもないことを書いてしまいます。気になって調べるって言うのは自分に取っては良いことです。それでいい加減な記憶がしっかりしますので。でも読むほうはいやですよね。、
Posted by 山口ももり at 2007年01月15日 16:18
◆m-tamagoさん、こんばんは。
 私も先生に伺うまで、表千家でも初釜のお菓子は菱葩餅だと
ばかり思っていました^^; 先生のお宅の近くのお菓子や
さんで注文して調えて下さっているのだそうで、町では
なかなかお目にかかれないもののようです。

 白小豆の餡、というのも初めて知りました。白小豆自体の生産量
がとても少ないそうなので、常盤薯蕷が店頭に並ぶ日は残念ながら、
やはり来そうにありませんね。 でも、白小豆の風味はとても良い
とのことなので、ますます毎年の初釜への意欲が増して参りました☆
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 17:57
和菓子屋で働いているのですが、常磐饅頭は始めて見ました。
表千家の初釜菓子は笑窪饅頭とも聞いていました。
こちらは天辺に紅のチョンとしたのがついた、やはり白の饅頭で、中は黒の漉し餡です。
シンプルですが可愛くて大好きな和菓子です。
常盤饅頭も無垢な白の中にうぐいす色が覗くと、冬の寒さの中に明るい春の兆しを感じますね。

花びら餅は一月中は売っています。
花びら餅もお店によって味にかなり差があるので、食べ較べてみると、山桜さんの口にあうものと出会うかも。
ウチの花びら餅は美味しいですよー(と、宣伝^^)

お茶をして、ホッと一息つきながら心安らぐひとときを持つ生活をしていたいと思います。
Posted by アンズ at 2007年01月15日 18:04
◆ももりさん、先程、硫黄島の方のコメント拝見して参りました。
わざわざ丁寧に調べて下さって、本当にありがとうございます。

 私も時間が無い時に、記憶で書いてよく失敗するので、
最初にずるく、「ウロ覚えですが…」と断ってしまいます。
でもやはり気になるので調べずにはおれなくなり、後で
再確認できてメデタシメデタシ^^ 

 大体において、ももりさん以上の膨大な記憶力の方は滅多に
いらっしゃらないので、誤りに気付かれる可能性も極少かと…
どうかお気になさらず、ドンドン書いて下さいませ。大歓迎です!
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 18:26
◆アンズさん、こんばんは。
 わ〜心強い援軍がいらして下さいましたね、嬉しいです!
アンズさんのお店はどちらにあるのでしょう?教えて戴けると
嬉しいです。 美味しい菱葩餅、戴きたいです♪

 えくぼ饅頭は、確か「江戸千家」の初釜のお菓子だったと
どこかのサイトで拝見したような…そして、今は蓬莱山?と
いうお菓子になったとか?? うろ覚えですみません^^;
(今、ももりさんへのお返事で書いたばかりの裏技を披露)
ちょっと確認して、後で又URL載せられるようでしたら記事の下に
貼っておきますね〜。
Posted by 山桜 at 2007年01月15日 18:28
初釜には花びら餅と思い込んでいました。
裏千家のお菓子だったのですね。
これは勉強になりましたm(__)m
Posted by スジャータ at 2007年01月15日 20:48
嬉しい!嬉しいですね〜
こちらでも大賑わいですね〜
それにしても『常盤饅頭』が流通していないのが残念です。
それだけ表千家のお家元の初釜が貴重?ってことでしょうか。
『虎屋』特製らしいですよ!
LAのお菓子屋さんでも50個位のご注文がないと作れないとの事でした。
昨日の初釜で50個はちょっと無理ですのでご亭主は諦めましたとの事でしたよ。

Posted by あやめ at 2007年01月16日 07:04
◆スジャータさん、ようこそお越し下さいました!
 スジャータさんの雲仙焼きが、飛翔さんの許で実際に素敵に
使われている所を拝見するのをいつも楽しみにしております。
 私も知らないことばかりなので、お稽古に行く度に新しい
扉が少しずつ開かれていくのがとっても楽しみです♪
Posted by 山桜 at 2007年01月16日 10:30
◆あやめさん、おはようございます。
 あやめさんが最初にお写真付きで紹介して下さったお蔭で
こうして日記に書くことができました。ありがとうございます。
記事にしたくても写真が無くてアチコチの御菓子屋さんを
回ったのですが、やはりどこにも置いてなくて…。

 こうして少しでも広めたら、来年はどこかの御菓子屋さんで
「表千家初釜のお菓子、常盤薯蕷ございます」
な〜んて、貼り紙がでるかもしれませんよね。

 奥ゆかしすぎて万事控えめな表千家のこと、もう少し
外の世界の人にも知って欲しいと思うのですが、怒られて
しまうでしょうか…。
Posted by 山桜 at 2007年01月16日 10:39
茶道は、お菓子を頂くのが楽しみの一つですね。
表さんは、けっこう決まりの和菓子があるようで、
初釜 常盤饅頭、 正月 笑顔饅頭、利休忌 おぼろ饅頭、来庵入門 延年、天然忌 鶉餅、12月織部饅頭 など、おもしろいですね。
お饅頭がおおいから、じきろうになるのかしらね。

全て食べてみた〜〜い。
Posted by チャチャ at 2007年01月22日 22:12
◆チャチャさん、おはようございます。
 あぁ…もう美味しそうなお菓子が並んで我慢できなくなって
しまいました。 冷凍の桜餅、出しておこうっと^^

 お稽古はお休みしても、お菓子だけは食べたいと、その日の
お菓子だけ忘れずに注文しているお稽古仲間がいます^^;

 喰籠は蓋の拝見などの扱いに緊張しますが、蓋を開けてお菓子と
対面した時の感動がひとしおです^^
Posted by 山桜 at 2007年01月23日 10:06
山桜様
初めまして。先ほどは当方へコメントを頂きましてありがとうございます。
どうぞよろしくお願い致します。

初釜のお菓子、鮮やかで本当に新年をお祝いしていますね。
お味が気になります。
私は裏を習っていますが、茶道の情報交換ができたら楽しいです。
よろしくお願い致します。
Posted by りんず at 2007年01月23日 12:54
◆りんずさん、ようこそお越し下さいました!
 このように流派を越えて気軽にお話して戴けるのもネットの
恩恵ですね^^ こちらこそどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 私も残念ながら初釜に出席できなかったので、お味のこと
については、なにも言えなくて申し訳ありません^^;
この緑色は何の色なのかも気になっています。 来年の初釜
まで、あと一年経つのが待ち遠しいです(><)
Posted by 山桜 at 2007年01月24日 08:40
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。